平成30年 6月定例会 - 6月18日

◆二嶋宣人議員
   皆様こんにちは。
 傍聴席にはまだ来ておりませんけども,きっと午後1時から来てくださると思いますので,まずは質問だけ読ませていただきます。
 1,持続可能な交通網の構築とまちづくりについて。
 (1)吉備線LRT化。
 長年の懸案であった吉備線のLRT化の実現に向けた市長の御英断に敬意を表するところであります。2期目当選後の昨年11月議会の所信表明においてスピード感を強調されましたが,G20保健相会合の開催,公共交通のあり方のための法定協議会,市内電車乗り入れ協議会など,市政の大きな柱となる施策,事業が新たな展開を迎えようとしています。
 さて,吉備線のLRT化は,人口減少が顕著である周辺地域にとって一石を投じるものであります。全国的には富山市が善戦しているものの,成功モデルには至っていません。そのことは,我が国において国政策としての公共交通の優先順位が低いことを物語っている証左と言ってよいと思います。だからこそ岡山市で吉備線で取り組む意義もあると感じているところであります。
 そこで質問します。
 ア,LRT完成後の沿線の姿はどのように変貌しているのか想像しにくい部分もあります。LRT化の合意を受けた今,市長が描く沿線のまちの将来像はどう考えているのでしょうか。
 イ,基本計画から開業,運行までのロードマップをお示しください。
 ウ,計画を知らない市民もいる中で,市民全体に理解を得る取り組みを今後どのように進めていくのでしょうか。
 エ,期待の反面,不安もあります。本市の費用負担は初期投資で70億円,その後の路線修繕費は岡山市と総社市の両市で年5,000万円が必要と想定されています。採算と財政運営への影響についてお聞かせください。
 オ,沿線の開発,公共交通の再編への基本的な考えについてお聞かせください。
 カ,事業の効率化,加速化にはマンパワーは必要不可欠です。合意を契機に準備室を設置すべきと考えますが,御所見をお聞かせください。
 (2)中鉄バス大井線等の休止。
 先月,一宮・高松・足守地区を運行する中鉄バス3路線が9月から休止というニュースが飛び込んできました。路線バスの衰退は全国的に課題となっています。本市における将来の交通体系のあり方を示す地域公共交通網形成計画の成案は来年度前半,そして吉備線LRTの運行もまだまだ時間を要します。そういった中,中鉄バス休止は地区住民の大きな不安につながっています。
 本市は,この差し迫った地区住民の生活交通の課題への対策をどのようにお考えでしょうか。また,岡山市は中鉄バス及び備北バスとの話し合いを持たれたと伺っています。どのような内容で,今後の方向性などについてはどのように整理されたのでしょうか。
 (3)高速道路料金割引社会実験。
 岡山・米子線沿線の利用促進を協定している3市1町の交流促進のため,8月18日から12月24日までの土日,祝日に圏域内区間を普通車2,000円,軽自動車とオートバイ1,600円の定額で乗り放題とする料金割引社会実験が実施されます。これは岡山連携中枢都市圏の施策の一つと認識していますが,何を期待し,今後の展開をどのように描こうとしているのでしょうか。
 また,国道180号線と国道53号線の渋滞緩和を図るため,10月上旬から11月末までの全日,吉備スマートインターチェンジの利用者を対象とする社会実験も実施されます。
 国道180号線と国道53号線の現状の渋滞状況における本市の御認識についてお聞かせください。そして,吉備スマートインターチェンジへの誘導策とどの程度の渋滞解消を期待しているのでしょうか。
 (4)買い物弱者。
 公共交通の衰退と同時に食料品等の日常の買い物が困難な状況に置かれている地域,特に高齢者の方にとってスーパーやコンビニは欠かせない生活施設であります。都市計画法第34条では市街化調整区域内で許可される用途が定められていますが,周辺地域の大半は市街化調整区域であり,人家の減少が加速し,生活施設空白地域となり,暮らし自体が困難になりつつあります。
 昨年2月議会での質問に対し当局から,今後ますます高齢化が進み人口減少が見込まれる中で,周辺部では小売店舗の立地基準に満たない地域もふえてくることが想定されることから,規制緩和について研究してまいりたいとの答弁がありました。
 地域事情が急速に変化する中,スピード感を持っての柔軟な開発許可の要綱改定が求められていると感じます。研究状況も踏まえ,御所見をお聞かせください。
 2,地域陳情の対応について。
 行政に関する意見や要望があるとき,正確には一定の条件を満たして議会に意見書を提出することを陳情と言いますが,日々の生活や暮らしの中で一般市民の方々から要望や相談を受けることも広義の意味で陳情と言えます。道路舗装,路肩,側溝ぶた等の修繕,カーブミラーの設置,教育や福祉環境など幅広い分野における陳情があると思われます。
 市職員の皆さんは安定した市民サービス提供のために日々頑張ってくださっており,感謝するところでありますが,行政には財源,マンパワーに限界があります。そういった中で本市は,地域のことは地域が主体的に取り組んでいただく協働のまちづくりを推進しています。ならばなおさらのこと市民からの陳情の進捗状況等については丁寧に報告,連絡,相談することが求められていると思います。しかし,先日も市民の方から,陳情の進捗状況の確認をこちらからしないと返答がないという指摘を受けました。
 この課題の対応は協働のまちづくりの中だけで解決できる問題ではなく,ましてや市政に対する要望などの広聴業務におさまる内容でもありません。行政と市民が主体的に地域の課題の解決に向けた仕組み,見える化を図るべきと思います。御所見をお聞かせください。
 3,卓球Tリーグ岡山リベッツについて。
 岡山を拠点とする岡山リベッツが参戦する卓球の新リーグ,Tリーグが10月に開幕します。岡山に誕生した新たなチームは,ファジアーノ岡山,岡山シーガルズ同様,スポーツ,経済,文化,教育などまちの活性化に寄与する存在になり,活躍を大いに期待するところであります。しかし,設立したばかりのチームであり,経営基盤や練習環境整備など幾つかの課題があるとも伺っています。そこで,行政だからこそできる後押しが必要であります。今後,具体的な支援を何かお考えでしょうか。
 4,栄養教諭への任用がえについて。
 子どもたちの食を取り巻く環境の変化や食生活の乱れが指摘される中,学校現場での食育の推進のためにも,中心的な役割を担う栄養教諭の配置をふやすことは重要と思います。そのためには,以前の議会でも何度か提案しました栄養士の栄養教諭への任用がえが必要ではないかと考えますが,現段階での状況についてお聞かせください。
 5,地域防災力の向上について。
 先日,土木学会が,今後30年以内に70から80%の確率で発生するとされる南海トラフ巨大地震について,長期的に1,410兆円規模の被害額を発表しました。これは国家予算の14倍であり,長期的には国民生活の水準が低下し,世界の最貧国になる危険性があると,大変ショッキングなものでありました。
 さて,このような専門家の想定も念頭に置いての質問になりますが,本市は熊本地震で明らかになった課題や教訓を踏まえ,食料,水,毛布の災害用備蓄目標数を1.2倍とするなど,岡山市備蓄計画を本年2月に一部見直しました。自治体としての災害への備えは当然重要である一方で,自治体では災害用食料の備蓄が年々増加し,賞味期限が切れ,大量破棄しなければならないという問題も発生しています。
 そこで質問します。
 (1)災害用備蓄食料で賞味期限切れで発生した備蓄食料の総量と最終的に処分した総量についてお聞かせください。
 (2)食品ロスへの関心が高まっている中,更新時に備蓄食料の有効活用は大切と考えます。再利用策をどのようにお考えでしょうか。これまでの取り組みがあればあわせてお聞かせください。
 (3)廃棄や費用を減らすため,市民による日ごろからの家庭内備蓄,流通業界等からの流通備蓄,他都市からの救援物資の強化を図る必要があると思われます。これらの今後具体的な取り組み,目標があればお聞かせください。
 さて,大規模災害発生時に市民の生命をしっかりと守るため,あらゆる状況を想定した対策の充実が求められます。その一つとして,国は2020年までに観光拠点や災害時の避難所などの防災拠点でのWi−Fi整備を推進しています。
 そこで質問します。
 (4)観光拠点や災害時の避難所などのWi−Fi整備率と今後のロードマップをお示しください。
 (5)本年度,大規模自然災害が発生したときの情報伝達手段の充実を図っていくとのことですが,具体的な取り組み内容についてお聞かせください。
 以上をもちまして1回目の質問を終わらせていただきます。(拍手)
   
○宮武博議長
   当局の答弁を求めます。
   
◎大森雅夫市長
   それでは,二嶋議員の質問にお答えいたします。
 私は,吉備線LRT化に関してまちの将来像,また沿線の開発等の基本的な考え方,そしてロードマップ,これらについてお話を申し上げたいと思います。
 ちなみに吉備線については,JR西日本のほうでこれからはもう桃太郎線でいこうじゃないかということで,さまざまな車内放送を聞いていても桃太郎線で統一されているような気がいたします。桃太郎のまち岡山,ここも日本遺産になりました。我々としては,これからこういう機会では常に桃太郎線という名前で呼ばせていただきたいなと思います。したがいまして,桃太郎線LRT化合意を踏まえたまちの将来像,これについてお答えを申し上げたいと思います。
 まず,LRT化によってどういうことが可能になるのか,よくなるかというのを少しおさらいしてみたいと思います。
 1つは,運行本数が増加します。そして,新しい駅が設置されます。そして,低床式の車両の導入ということになるとバリアフリー化,いわゆる高齢者の方,障害者の方,非常に乗りやすくなります。また,簡易な駅でございますから,そこへのバス等の乗りかえの利便性が向上していきます。そういう面では高齢者の方を含む多くの方々がより便利に利用できる交通手段になり,周辺を含む沿線地域において,車だけに頼らなくても暮らせるまちの実現ということが期待できるんではないかなと思います。地域の活性化,さらには観光資源や大学等へのアクセス向上により地域外からの来訪者も増加し,観光振興やにぎわい創出につながるなど,周辺を含む沿線地域が大きく変わっていくということが期待できるのではないかと思っているところでございます。
 ロードマップでございますけれども,まずは今議会にもお願いしているところでありますが,基本計画をつくらせていただく。これは岡山市,総社市そしてJR西日本3者で一体となって連携しながら,また地域の方々と丁寧な議論を交わしながら取りまとめていくということにしたいと思っているところであります。その後,事業化に向けては都市計画決定,また並行して環境影響評価──アセスメントをやることになると思います。また,手続としても軌道法に基づく特許の取得等を行わなければなりません。事業化がなされた後は用地買収や駅及びアクセス道路の整備,全線における電化などを行うこととなります。
 今言うとそれだけのことなんですけれども,例えば用地買収一つをとっても,これ軌道,道路の中にレールを敷設することになりますから,道路を広げていかなきゃならない。その道路区域をまず決定していかなきゃならない。そして,道路区域が延びていくとなると,当然ながら地権者との交渉で用地買収していかなければならないということになります。そういう面ではある程度の時間を要するということにならざるを得ないだろうと思っております。ということで,我々としては,あくまで目安ではありますけれども10年という期間を一応設定といいますか,長さをお示ししているところであります。もちろん我々としては,少しでも早く対応ができればという思いでいることは当然でございます。
 以上です。
   
◎林恭生都市整備局長
   持続可能な交通網の構築とまちづくりについての項のうち,まず高速道路料金割引社会実験についてお答えいたします。
 岡山・米子線沿線交流促進社会実験では,岡山市,総社市,吉備中央町,真庭市で取り組む観光・地域振興施策と連携して,エリア内で高速道路乗りおり自由の周遊割引実験を行うことで人,物の流れを活性化させることを期待しております。そして,岡山・米子線の利用促進により4車線化の早期実現につなげたいと考えております。
 次に,吉備スマートインターチェンジ利用者を対象とした料金割引社会実験については,岡山インターチェンジ利用者を吉備スマートインターチェンジに誘導するとともに,総社方面から一般道を通り岡山市中心部に流入する車両を岡山総社インターから吉備スマートインターチェンジ間の高速道路利用に転換することにより,渋滞損失が大きく,対策が迫られている国道53号の津島周辺及び国道180号の渋滞緩和につながることを期待しております。この実験を通して時間短縮効果がどの程度になるかなどを検証していきたいと考えております。
 次に,開発許可の研究状況についてですが,市街化調整区域におけるコンビニ等小売店舗の立地基準につきましては,市街化を促進しないことを前提として周辺居住者を対象とする日常生活のため必要な物品の販売を目的としていることから,立地予定地周辺に人家がどの程度存在しているかを確認することを要件としております。この基準の見直しについては,他の政令市に聞き取り調査をしたところ,規制緩和の方向性は聞かれず,また県内統一基準で運用している岡山県や倉敷市なども現時点では現行基準の見直しの意向はないと聞いておりますが,今後の人口減少,高齢化も見込まれることから,関係行政庁と引き続き研究してまいりたいと考えております。
 以上です。
   
◎栗田泰正都市整備局都市・交通・公園担当局長
   1番,持続可能な交通網の構築とまちづくりについての項,桃太郎線のLRT化に関しまして市長答弁以外の御質問にお答えいたします。
 まずは市民の理解を得る取り組みについてお答えいたします。
 市民の理解を得る取り組みにつきましては,沿線地域へ直接出向いての議論,「市民のひろば」,市のホームページなどによるお知らせなどさまざまな手法があると考えており,適宜丁寧に実施してまいりたいと考えております。また,この際にはLRTとは何か,LRT化によってまちや暮らしがどう変わるかなどについてもわかりやすくお示ししていく必要があると考えております。
 続きまして,LRTの採算などに関する御質問にお答えいたします。
 3者合意における本市の費用負担については,初期費用として約70億円,毎年の負担として修繕費の一部を負担することを想定しております。これは事業の採算性確保や継続的な運行ができることを前提としたものであり,今後はこれをベースに基本計画の策定を進めていくこととなります。
 LRT化の最後の御質問になります。合意を契機に準備室を設置すべきではないかという御質問でございます。
 準備室の設置につきましては,今後の検討の進捗を踏まえながら,必要に応じて議論していくものと考えております。
 引き続きまして,同じ項,中鉄バス大井線の休止に関する御質問にお答えいたします。
 市では,中鉄バス大井線等の休止届け出を受けまして,当該路線と重複して運行しているものの本市には7カ所しかバス停が設置されていない備北バスと沿線住民の足を確保するためのバス停の増設について協議を行ったところでございます。備北バスからは,中鉄バスのバス停全てに停留することはできないが,地域住民の足を確保するため,可能な範囲で検討したいとの回答を得ていることから,今後中鉄バス及び備北バスとの協議を継続し,沿線住民の足の確保に努めてまいりたいと考えております。
 また,足守地区では,足守地区生活バスについて平成28年度から市と地元検討組織で運行エリアの拡大や増便を行う検討を行ってきており,当該路線を含む経路で先日,6月11日から車両を2台使用した半年間の試験運行を開始したところであり,この中でJR桃太郎線とスムーズに連絡できるようダイヤの改正もあわせて行っております。
 そのほか,地域の皆様が日常生活において移動に不便や不安を感じ,必要な移動手段の確保に向けて主体的に検討しようとする際には,市も一緒になって地域の皆様と検討してまいりたいと考えております。
 以上です。
   
◎福井貴弘市長公室長
   2つ目の地域陳情の対応についての項,市へ陳情した地域の課題の解決に向けた仕組みづくりについての所見をとの御質問です。
 市に寄せられる文書要望は年間約3,200件ありますが,要望に対する進捗管理を適切に行うためには職員一人一人の広聴業務力の向上が不可欠です。このため,要望される方への丁寧な対応と担当部署が責任を持って迅速で誠実な対応を行うよう,職員の広聴マインドの醸成に努めているところです。具体的には,広聴の手引の中で,要望への回答は受け付けから2週間以内を目安として処理することや回答に時間を要する場合にもその処理経過や回答見込み時期などを連絡することなど基本的な考え方を示し,主管課長会議や新任課長研修などの機会を通じて職員に周知を図っているところです。
 以上です。
   
◎荒島茂樹市民生活局長
   大きな3番,卓球Tリーグ岡山リベッツについての項,リベッツへの具体的な支援を何か考えているかとの問いにお答えいたします。
 岡山リベッツの活躍は,岡山市のスポーツの振興による競技力の向上,盛り上がりによる地域の活性化,チームが全国各地で試合を行うことによる岡山市の知名度の向上などさまざまな効果を岡山市にもたらしてくれるものと期待しており,しっかり支援していきたいと考えております。具体的な支援につきましては,Tリーグの方向性や岡山リベッツの活動内容等をお聞きしながら,実現可能な事業について検討してまいりたいと考えております。
 以上です。
   
◎菅野和良教育長
   大きな4番,栄養教諭への任用がえについての項,任用がえが必要と考えるが現段階の状況はどうかというお尋ねでございます。
 議員御指摘のとおり,学校教育活動全体を通した食に関する指導を一層充実させるためには栄養教諭の役割は大きいと考えており,栄養士から栄養教諭への任用がえについては引き続き検討を行っているところでございます。
 以上でございます。
   
◎田中利直危機管理担当局長
   5番目の地域防災力の向上についての項,災害用備蓄食料で賞味期限切れで発生した総量と処分した総量,また再利用策について一括してお答えいたします。
 保存期限が1年未満となった災害用備蓄食料は,岡山市総合防災訓練で参加者に配布するとともに,自主防災会等からの申請により防災訓練や出前講座の参加者に配布しており,平成29年度は約3万9,000食となっております。これまでに賞味期限切れや処分した備蓄食料はありません。また,粉ミルクは保存期限が半年未満となった場合に保育園やフードバンクに提供しており,平成29年度は約1万7,000食となっております。
 次に,家庭内備蓄や流通備蓄,救援物資の強化を図るための取り組みと目標についてお答えいたします。
 岡山市では平成29年度末に岡山市備蓄計画を策定し,今後5年間の備蓄方針と目標を定めており,市民による家庭内備蓄は3日分以上を推奨し,出前講座等で周知しております。また,流通備蓄は,各種業界団体や企業との協定をふやし,物資供給の安定化を図っております。さらに他都市からの救援物資につきましても,指定都市市長会行動計画や災害時相互応援協定などにより連携先の多重化を図るとともに,大規模災害時には国からのプッシュ型支援の物資も活用することにしており,災害時に必要な物資の確保に努めております。
 次に,避難所のWi−Fi整備率と今後のロードマップについてお答えいたします。
 避難所となる施設へのWi−Fi整備状況は,公民館で今年度35カ所を整備する予定となっております。また,小学校,中学校とコミュニティハウスでは整備されておりません。Wi−Fiの整備は災害時に情報を収集する有効な手段になると考えておりますが,施設管理者等が設置したWi−Fiが普及していることから,防災独自での整備は考えておりません。また,市有施設における防災機能の充実につきましては,従来から市有施設を新築,改修する際には防災機能を取り入れるよう検討し,防災面の充実が図られるよう各施設管理者に配慮をお願いしているところであり,Wi−Fiの整備につきましても同様にお願いしたいと考えております。
 次に,情報伝達手段の充実について具体的な取り組みはとのお尋ねにお答えいたします。
 現在,岡山市全域への緊急時の情報伝達手段としてはテレビ,ラジオのほかに岡山市の自営伝達手段である同報系防災行政無線,緊急速報メール,緊急告知FMラジオ等があり,市民への情報伝達を行っております。このうち岡山市の自営伝達手段である同報系防災行政無線等につきましては,現在使用しているシステムの検証などを行い,今後の通信手段の方針を決定するための基本構想及び基本設計を策定しているところです。具体的には,緊急情報伝達通信機器の機能が正常に確保できるよう計画的な機器の更新を行うとともに,合併によって複雑化しているシステムの操作をより確実で効率的に実施できるよう整備する予定です。
 以上です。
   
◎赤坂隆産業観光局長
   同じ項,観光拠点のWi−Fi整備についての御質問ですが,観光拠点である岡山城天守閣やももたろう観光センターには既にWi−Fiは設置されていますが,本年度,利用者の利便性の向上のため,アクセスポイントの識別名称であるSSIDを岡山市独自で取得し,整備を進める予定としております。
 なお,市有観光施設へのWi−Fi整備につきましては,今後,施設の状況や利用者のニーズ等を考慮しながら検討してまいりたいと考えています。
 以上です。
   
◆二嶋宣人議員
   御答弁ありがとうございました。市長,ありがとうございます。
 それでは,市長からも御答弁をいただきました桃太郎線LRT化について再質問に入らせていただきます。
 まず,沿線のまちづくりの将来像をお聞きしました。完成時期の目途としては10年程度ということで,それより早く頑張ってほしいなと,きょう来られている地元の方々も思われているわけであります。まだまだ明確になっていない部分がありますけれども,人口減少時代を迎えるに当たって,今の状況のままではこの沿線の地域というのは間違いなく年々どうしても高齢化であったり人が減ったりするので,衰退することが予測されているわけであります。そういった中で今後間違いなく,市長の答弁にもありましたように車社会から公共交通中心の交通体系への転換,これは必要不可欠となってきます。地域の主体性もあるわけでありますけれども,そこは行政が長期的な目で誘導していかなきゃならん部分が多いと思っているところであります。そのために,今回でいえば通勤等で車を使っている方々にLRTへ切りかえをしていただくために,時間的にも経済的にもメリットを感じる有効策を示していかなきゃならんのんだろうなと思います。
 人口減少とまちの衰退,この現実において市長自身がこのLRT化に取りかかる中,まず何からしっかりと手を打っていかなきゃいけないのか,どういったことを最初に形にしていかなきゃいけないと考えているのか。また,国に対してどういったことを要望していかれるのか,総論的な話になるかもしれませんけども,そこのあたりを改めてお聞かせいただきたいと思います。
   
◎大森雅夫市長
   まず,コンパクトでネットワーク化されたまちづくりというのは,私は岡山市全体に通じて言える話だろうと思っております。そういう面では電車,バス,また路面電車の拡充も含めて全体の体系の中でそういう将来像を模索していかなければならないと思っております。その中で,この15年来の懸案だったLRT化については,JR西日本の一つの英断だろうと思いますけども,そういったことによって実現できるとなったことは非常にうれしいことだと思います。この桃太郎線のLRT化が岡山市内の大きなモデルになっていかなきゃならないんじゃないかなと思います。
 そういう面では,先ほど私4点申し上げました。その4点どれもがまちづくりにはきいてくるんではないかなと思います。1つは,最後に申し上げた4点目のバスの乗りかえが非常に易しくなるということですが,これは逆に言うと,こういう駅と周辺地域へのバスとの連結についてもいろんな議論をしていかなけりゃならないわけであります。それが単に桃太郎線沿線だけじゃなくて,もう少し層の厚い,幅のある,そういう地域の開発,そして利便性の向上につながっていくんじゃないかなと思っております。
 今は,このLRTのイニシャルコスト,ランニングコスト,そういったところに議論がちょっと集中しているところがあります。それはやむを得ないと思うんですが,これからさまざまな地域全体の像を描く中で何をしていかなきゃならないか,それに応じて国に何を求めていかなければならないのか,そういったことをきちっと整理していきたいと思います。まずは基本計画を策定する中で,きょうも地域の方々がおられると思いますが,丁寧に議論しながらすばらしい将来像を模索していきたいと思います。
   
◆二嶋宣人議員
   ありがとうございました。
 担当局長のほうからは市民の理解,啓発についての御答弁をいただいたわけであります。たどっていけば本市は,平成24年11月に市民の交通利用実態を調査するパーソントリップ調査と同時にこの吉備線沿線地域への調査を実施しています。その後,平成27年1月下旬にはウエブ調査でこのLRTを導入した場合の公共交通の利用意識調査を実施しています。しかし,これは6年前と3年前。LRTに対してまだまだ市民の認識といいますか意識が低い状況の中での調査であったと私自身は感じます。今でも地域の方々にLRTって一体何なんでと言われます。新駅ができて電車が低うなってとかそういったことを言われる方も中にはいらっしゃいますけど,そもそもの物を知らない方が多い中で,PR動画であったりそういったものを進めていきたいと。宇都宮市もこのLRTの認識,意識を高めていっていただくという意味では,こういった動画であったり市の職員の方々の出前講座などを行っています。市民の理解をしっかりと得た後に,地域のニーズ,そういったものをしっかりと把握する意味で新たに調査していってほしいなと私自身は感じているわけであります。
 担当局長にお尋ねいたしますけれども,市民の理解を得るための流れ,そして意識が高まった段階での調査の必要性について改めてお聞かせください。
   
◎栗田泰正都市整備局都市・交通・公園担当局長
   まず,議員からもありましたとおり,そもそもLRTとは何なんだというようなことでありますとかどう変わってくるのかということをビジュアルを含めてわかりやすく説明していくことがまず必要だと思います。その上でどのような形でこのLRTというものを活用してより利便性を向上させていくのか,地域を活性化させていくのか。これは利便性を向上させるということだけでは当然ございません。この桃太郎線のLRT化というのは周辺地域の活性化等を含めて取り組んでいく課題でございますので,そういったことを進めていく必要がございます。そういった中で地域の方々と今後どのようなやりとりを進めたらいいのか,どのような形で整理をしていったらいいのか,これにつきましては,繰り返しになるんですが,地域の方々と丁寧にお話しさせていただきながら進めていきたいと考えております。
   
◆二嶋宣人議員
   さっきの答弁だったらニーズ調査は必要だと捉えていいんですかね。もう一度確認させてください。
   
◎栗田泰正都市整備局都市・交通・公園担当局長
   需要だけじゃなくて地域の方に思いがあるかとかニーズがあるかということについては,過去に行ったニーズ調査のようなものを行うのかどうかということをこれから検討していく必要があるとは思いますが,何らかの形で地域の方々の考え方,ニーズ,要望というものをしっかり把握していくということは必要だと考えております。
   
◆二嶋宣人議員
   よろしくお願いいたします。
 沿線地域の開発について市長のほうからもいろいろと何点か答弁がありました。その中で沿線地域に人を呼び込むといった施策も打っていかなきゃいけないということはこれまでの議会の中でも議論されてきたことだと思います。そういった中でこの沿線への居住誘導も本市としてはこのLRTの導入と同時に検討していかなきゃならんことの一つだと思っているわけでありますけれども,この居住性の誘導のイメージですよね。調査検討の段階でも構いませんので,そこのあたりについての御所見をお聞かせください。
   
◎栗田泰正都市整備局都市・交通・公園担当局長
   桃太郎線のLRT化は,先ほど申し上げたとおりまちづくりと一緒になって進めていく必要がございます。既存の駅,さらに新駅──新駅はどこに設置していくのかこれから検討していくことになりますが──そういった駅周辺にいわゆる住居でありますとかさまざまな生活利便施設というようなそういった都市機能を適切に誘導していきながら,計画的にLRT化と合わせたまちづくりを進めていく必要がございますので,こういったことも基本計画策定の中で十分検討,整理しながら進めてまいりたいと考えております。
   
◆二嶋宣人議員
   そこのあたりの誘導策がなかなか難しいんじゃないのかなということで質問したんですけども,これからしっかりと検討されていくということでございます。そこのあたりまたこれからも議論していけたらなと思っておりますので,よろしくお願いいたします。
 公共交通の再編ということもお聞きして,市長のほうから答弁をいただきました。今後LRT計画の見える化であったり市民の理解やそういったものをしっかりと得ていかなきゃならんと思っている上で,私自身は先行できる取り組みはどんどんどんどん積極的にやっていっていただきたいなと思っているわけであります。例えば吉備線の現駅とか,今回,日本遺産にも指定されておりますけれども,観光地などをつなぐフィーダー交通であったり,パーク・アンド・ライドですよね。これらを先行的に実施することは,このLRTの見える化であったり市民への啓発であったりとかそういうことに有効だと私自身感じています。また,さっきこの質問の中でも触れましたが,中鉄バスの大井線等の休止であったり,こういった交通対策にも有効だと私自身思いますので,基本計画策定はもちろんしっかりと進めつつも,幾つかの現駅を利用した先行的な取り組みは事業の加速化につながっていくと思うわけでありますけれども,そこのあたりに取り組んでいくかどうか,担当局長の御所見をお聞かせください。
   
◎栗田泰正都市整備局都市・交通・公園担当局長
   LRT化ですね,先ほど市長からも答弁ありましたようにおおむね10年程度かかることが予想されますが,その間においても,例えば先ほどありましたパーク・アンド・ライドでありますとかフィーダー交通の確保,交通結節機能の向上で,並行して進められるところについてはできるところからしっかりと対応してまいりたいと考えております。
   
◆二嶋宣人議員
   ありがとうございます。
 準備室の設置でありますけど,時期が来たらやりますよ,でもまだまだですよといった感じの答弁だったと思います。市長にお尋ねしたいんですけれども,この事業を加速させるための体制強化ですよね。今は計画の段階ですから少ない人数でやられていますけども,体制強化はどういったタイミングがベストとお考えなのか,市長のお考えをお聞かせいただけたらと思います。
   
◎大森雅夫市長
   難しい質問ですね。今,例えば都市整備系でいくと美作の道路の事業を個別の事務所をもってやっている。聞いた話では西口の再開発も事務所を持ってやられているようですね。やはり一定の業務量ができたときには,今のままじゃなかなか対応できないということになるんでしょうが,その業務量がどの段階でどれだけ膨れていくのかというのはこれから具体の作業をやっていかないとなかなか見えないと思うんです。したがって,これからの動きを二嶋議員は常にウオッチしていかれるでしょうから,よく見ていただいて,また御指摘いただければと思います。
 以上です。
   
◆二嶋宣人議員
   中鉄バス大井線等の休止についても答弁いただきましてありがとうございます。先日も,実は私の事務所の前がバス停になっておりますもんですからよくお会いするわけなんですけれども,二嶋君,9月からどうしたらええんかなと,休止になって事実上廃止じゃという話も聞きょうると。あくまでも廃止ということはまだ先方が伝えていない話ですのでそういった話は避けなきゃいけないのかもしれませんけれども,これって切実な相談なんですよね。備北バスの対応はあくまでも,局長ね,本当に応急処置にすぎないんです。それ以降,今後どうやっていくんか。1日の乗客数が限られた数しかいない,だから廃止してもいいのかといったところも出てくると思います。
 先ほども地域の方が主体的にといった話をされました。平成24年の春には生活交通の取り組み相談の中で瀬戸であったり灘崎,高松に,こういった生活交通についてどうですかといったことを積極的に働きかけていって,この課題に対して地域が動いてくれませんかといった形で市から入っているわけなんですよね。そういった地域の主体性を尊重しつつも行政が引っ張るところでは引っ張っていってほしいなと。血の通った会話をしっかりしてほしいなと私自身感じるわけでありますけれども,局長,そこのあたりについての御所見があればお聞かせください。
   
◎栗田泰正都市整備局都市・交通・公園担当局長
   地域で生活交通をしっかり守っていくということは大切なんですが,ただこれは行政と事業者というだけではなくて,これを持続可能なものにしていくためには将来にわたって地域の方々が公共交通を使っていこうとする意識,さらにはそういうものに取り組んでいこう,考えていこうとするような動きが不可欠であると考えております。それを踏まえた上で,地域にそういう声,そういう思いがあれば地域に出向きまして,それでどういうふうに対応していったらいいかというようなことを我々としては一緒になって考えていくというようなしっかりとしたサポートを行っていきたいと考えております。
   
◆二嶋宣人議員
   行政が入ったからこそ灘崎の迫川であったり瀬戸でもこういうような検討が始まっているので,それを契機に動いていただくような仕組みをしっかりとつくっていただきたいなと思っておりますが,ほかのことも聞きたいんでこれは要望にかえさせていただきます。
 この中鉄バス,路線バスの廃止は公共交通の典型的な課題であるということはもう言うまでもないと思います。先日,新聞に岡山大学の氏原先生の記事が載っておりまして,この中で中核市の自治体の公共交通への支出割合が大体平均で0.15%と。これは道路整備に比べて桁違いに低いと。国も自治体も道路と公共交通のそういう予算配分を見直すべきじゃないのかといった指摘の記事でありました。国交省出身の大森市長に私が言うのも釈迦に説法かもしれませんけれども,こういった観点での見直しって大切なんじゃないのかなと私自身この記事を読んで思ったわけでありますけれども,この中鉄バスの事案も兼ねて市長の御所見をお聞かせいただけたらなと思います。
   
◎大森雅夫市長
   今,政令指定都市の会,また全国市長会を通じて地域交通に関して制度の問題を提起しているところであります。今回の両備の廃止届の話から一連の経緯を踏まえてのものでありますが,あわせて財源のあり方についても問題提起しております。そこの発想は二嶋議員の発想と同じでありまして,これからの地域交通を考える上では一定の財源配分というのを我々としては考えていかなきゃいけないんじゃないかなと思っているところであります。具体的に来年度からどうするとかそういった議論にまで至ってはいませんけれども,将来的にはこういう公共交通に一定の投資をしていくというのは私としては必要ではないかなと思っております。
 以上です。
   
◆二嶋宣人議員
   買い物弱者,開発の件についてもお尋ねいたしました。局長,ありがとうございました。前も質問したんですけど,買い物弱者の状況に対して市としてエリアをどこまで把握されているのかなとさっきの答弁を聞いて疑問に感じたところであります。提案なんですけど,地域の現状調査,これは保健福祉局も買い物等々について調査しているんですけれども,各局がしっかりと連携してこういった開発,対応が必要と思われるエリア,規制緩和していくエリアを限定的でも構いませんので,そういったところをつくっていくといった対応は考えられないんでしょうか。
   
◎林恭生都市整備局長
   このコンビニの開発要件の緩和を他都市と比較してみましたところ,岡山市の今の要件というのは相当に緩くなっています。地域の方々が買い物をしたいとかそういう要求に応える方法としてコンビニの立地という方法もあるんですけれども,今の状況の中でも50平米以下の店舗なら立地可能だということもありますし,それから先ほどから出ている移動の足をどう確保するのか,あるいはネット販売や移動販売というような方法も今ではあると思っています。そもそも調整区域であるんで,市街化を促進する可能性が否定できないそういう開発はどうなのかなというのが根底にあります。そうしたもろもろを考えますと,今の御提案のコンビニのための緩和というのは慎重にならざるを得ないのかなと考えています。しかしながら,地域の方々が困っているんであれば,そこは我々としても何ができるのかということを研究していく必要はあるんだろうと思っております。
 以上です。
   
◆二嶋宣人議員
   むやみやたらな土地の開発をしちゃいけんとか他都市に比べて優位なんじゃとか,でも最終的にはその辺も考えていかにゃいけんって,結局どっちなんかなというふうな答弁です。
 市長,これってまさに岩盤規制そのものの案件じゃないのかなと周辺地域の議員として私自身思っているわけなんです。手法として正しいかどうかわからないんですけれども,例えば最近話題になっている国家戦略特区でこういった買い物弱者に対しての風穴をあけていくとかそういった提案を市長会でしていくことはできないものなんでしょうか。
   
◎大森雅夫市長
   詳細について,よく今のやりとりを聞いていて,これは特区とかという話ではなくて運用の問題だろうと思います。市街化調整区域ですから,市街化を誘導していくとかそういったものはまずいだろうというのがまず一つあります。ただ,緊急にどうしても物が必要だみたいなことはあると思うんです。だから,そういうものもつくらせないのかというと,それは生活そのものが困難になっていく。だから今,林局長から話がありましたように最低限のもの──50平米ですか,そこは私はチェックしているわけじゃありませんけれども──はつくってもいいですよと言っていると思うんです。それが大きくなると,今度は当該地域で本当に必要不可欠な物の売買というものを越えていくんではないかということで制限をかけていると,そう私は理解しているところであります。ただ,今最後に林局長が言ったように,そういう考えですが,本当に実態というか50平米がいいのかどうかを含めて運用を日々見直していくということは,それはあり得ることではある。だから,そのあたりのところをまた十分都市整備局には議論してもらって,最善の策を我々としては日々考えていく,そういうことにさせていただきたいと思います。
 以上です。
   
◆二嶋宣人議員
   研究から検討ぐらいになるように頑張っていただけたらなと思います。
 時間も限られておりますので,最後に任用がえについてお尋ねいたします。
 教育長,ありがとうございました。必要性は十分に感じていると。移行措置が3年ということですので,つまり平成31年度中までであります。しかし,本来本市は将来都市像として健康福祉都市といったものを掲げています。早い段階での任用がえ,これを期待するわけでありますけれども,教育長自身の思いをしっかりともう一度改めてお聞かせいただいて,私の最後の質問とさせていただきます。
 きょうはありがとうございました。
   
◎菅野和良教育長
   議員御指摘のように経過措置が終わる平成31年度末までには方向性をはっきり出してまいりたいと考えております。今年度より栄養教諭の兼務体制を始めるなど,栄養教諭,栄養士,臨時栄養士などの職務等について見直ししたところでございます。このことについて検証し,職種ごとの職務内容を整理していく必要があると考えてもおります。しっかり取り組んでまいりたいと思います。
 以上でございます。