平成30年 2月定例会 - 3月2日

◆二嶋宣人議員
   皆様おはようございます。自民党の二嶋宣人でございます。
 傍聴席の皆様,本日は大変お忙しい中,この岡山市議会の生のライブにお越しいただきまして本当にありがとうございます。
 さて,先日マスコミ報道で,来年日本で初めて開催されるG20サミット首脳会議が大阪で開催されることが決定し,今後,関係閣僚会合の開催地も決まっていくとのことであります。岡山市も誘致活動を行っているとお伺いしています。我々としても,こういった岡山市でハイレベルの国際会合が開催されると同時に,この岡山市の魅力が世界に発信される,そういったことを期待しているわけであります。大森市長におかれましては,そういったぜひ強いリーダーシップを持ってこの誘致に成功していただくようにエールを送りたいと思いますので,よろしくお願いいたします。
 それでは,通告に従いまして質問に入らせていただきます。
 1,周辺地域の振興と中心市街地の活性化について。
 (1)交通政策。
 ア,岡電バス,両備バスの31路線廃止について。
 私たちが生活していく上で公共交通は重要なインフラであります。特に高齢者や車の免許を持っていない人にとっては命綱と言っても過言ではありません。あって当然と思っていた公共交通の減少,また廃止は地域の衰退へとつながります。交通政策基本法では,努力義務ではありますが,公共交通の維持改善を主体的に取り組む役割が自治体に課せられています。岡山市が中心となって,事業者や地域住民の各主体による公共交通マネジメントのための体制づくりの必要性とその中で本市がなすべき役割について検討すべきと思います。このことは交通政策基本法の理念に合致するものと考えます。御所見をお聞かせください。
 市民の足となる路線バスは当然守っていかなければなりません。しかし,岡山市はまだまだ車優先社会であり,本市の幹線網を形成する直轄道路のほとんどが県内での渋滞損失時間の上位路線と言われています。今回路線廃止の対象でもある県道岡山・牛窓線を初め市全体の慢性的な渋滞は大きな経済ロスにつながっているとする専門家の指摘もあります。この点における本市の御認識と課題等を踏まえた公共交通網形成方針についてお聞かせください。
 イ,高速道路料金割引社会実験と総社・一宮バイパスについて。
 この秋,岡山連携中枢都市圏内の連携事業として,山陽自動車道山陽インターチェンジと米子自動車道蒜山インターチェンジ間の高速道路を生かした交流促進や既存道路の渋滞緩和の効果を検証するため,高速道路料金割引社会実験が実施されます。実験期間,想定通行量,経済波及効果の見込みについてお聞かせください。また,社会実験を通してどのような将来像をイメージされているのでしょうか。
 総社・一宮バイパスは昭和48年度に着手され,平成29年度3月時点の進捗率は約45%とまだまだ先が見えない状況であります。平成27年度に暫定2車線で楢津・一宮山崎区間が開通しましたが,この社会実験を契機に区間内にある吉備スマートインターチェンジまでの延伸が早期に実現することを期待しています。吉備スマートインターチェンジ周辺の今後の整備計画についてお聞かせください。
 ウ,吉備線LRT化について。
 平成30年度当初予算案では吉備線のLRT化基本計画案作成の予算が最終的には計上されていませんでした。先月23日に3者トップ会談が開催され,これまで意見の隔たりがあった費用負担,役割分担など3者で合意するための協議が進展したと伺っています。内容などを含め,3者会談でどのような協議が行われたのか,わかる範囲でお聞かせください。
 吉備線LRT化の実現の兆しが少し見えてきたように感じられますが,まだまだ乗り越えていかなければならない課題は山積であります。人口減少,少子・高齢化が進展し待ったなしの状況の中で,沿線地域住民は利便性の高い交通の実現に向けて成果,効果がきちんと形として目に見えることを望んでいるわけであります。沿線への居住誘導(線引き),パーク・アンド・ライド,ラストワンマイルへの移動手段確保は,吉備線LRT化の実現にかかわらず先行できる取り組みであるはずです。公共交通,生活交通の利便性向上のための具体的な検討を行ういいタイミングではないかと思われます。御所見をお聞かせください。
 エ,デマンドタクシーについて。
 灘崎・迫川地区ではこの4月から本格運行され,そのほかにも幾つかの地域で試験運行,運行計画の検討がなされていますが,周辺地域では想像以上に交通弱者がふえてきています。人口減少社会は待ったなしであります。もっと積極的に公共交通空白地域の救済に手を差し伸べるべきではありませんか。
 オ,超小型モビリティーについて。
 平成28年度,平成29年度の実証実験がなされ,平成30年度では導入効果,必要性の検証,事業シミュレーションがなされるとのことです。長い年月をかけての検証となっていますが,新年度に最終的な方針を打ち出すということでしょうか。また,事業シミュレーションでは事業主体,運営主体を含めたものでなければなりませんが,お考えをお聞かせください。
 カ,県庁通り1車線化について。
 本年度中に県庁通りの将来ビジョンを示し,一定の考えを整理すると伺っています。通りの魅力に欠かせないものの一つとして沿道の店舗の魅力が挙げられます。現在の県庁通りにはさまざまな民間の店舗等が建ち並んでいます。その魅力づくりに欠かせない建物などの景観を行政としてどのようにつくり上げていこうとお考えなのでしょうか。また,誰もがわくわくする空間づくり,全体像を描く必要があります。この中で行政の役割は何でしょうか。コーディネーターは誰ですか。プレーヤーは誰でしょうか。役割を明確にすべきではないでしょうか。
 キ,新しい文化芸術施設のアクセス等について。
 現段階で具体的な計画事業として進んでいる平成33年度完成予定の千日前地区の新しい文化芸術施設への有効なアクセス手段については早急に検討していかなければなりません。平成30年度には路面電車の延伸・環状化等の検討のための当初予算案が計上されており,路面電車は有効なアクセス手段の一つと思われます。これと並行して新しい文化芸術施設への人の流れ,交通アクセス,バスやタクシーの待機場などどのようにイメージされていますか。また,旧市民病院の跡地活用は視野に入れているのでしょうか。
 (2)再開発事業。
 ア,岡山市中心部では,先日発表された旧岡山ビブレの跡地開発に加え,そのほか商業,事務所,共同住宅,ホテルなどさまざまな機能を兼ね備えた,民間も含め13もの再開発事業が計画されており,中心部への都市機能の集約化が加速しています。岡山市の強い経済をつくるためには中心部の活性化は必要不可欠でありますが,中心部への都市機能集約が過剰になることで周辺地域の人口減少,衰退につながる,いわゆるゼロサムゲームになることを懸念しています。本市が進める中心市街地活性化策,周辺地域の振興策に影響はありませんか。また,今後の中心部における再開発事業の動きとそれに伴う人口動態等の課題についての御所見をお聞かせください。
 イ,中心部の再開発事業で人口増が予測される中で,教室不足など手狭になっている岡山中央小学校への影響,また地域陳情として上げられている旧内山下小学校の活用方法について御所見をお聞かせください。
 (3)空き家対策。
 ア,平成27年度に実施した空き家等の実態調査の中で,全体の28.5%を占める老朽・危険度の高いD・Eランクの空き家等の解消状況,その他ランクの利活用状況,リフォーム,除却の補助事業状況,空き家情報バンクの登録・成約状況についてお聞かせください。
 イ,平成27年に空家等対策の推進に関する特別措置法が施行され,本市では平成28年3月に岡山市空家等対策計画を策定し,空き家等の適正管理や利活用を促進するための取り組みがなされています。ところが,市街化調整区域では建物の所有者が自己所有する必要があり,住宅や店舗等を賃貸することができません。このことが市街化調整区域の空き家等の利活用できにくい要因の一つであります。
 東近江市では開発許可の基準等に関する条例の一部を改正し,所有者の自己所有にかかわらず,市が指定する区域で適法に建築された空き家等を賃貸して住宅や店舗等として用途を変更することで利活用の促進を図っています。これは地方創生の観点からも有効と考えますが,御所見をお聞かせください。
 また,空き家の利活用によるビジネスモデルの構築を目的に発足されたおかやま空家対策研究会の取り組みと今後期待する効果についてお聞かせください。
 (4)地域の担い手対策。
 平成28年度に本市は,町内会を運営する上で課題となっている役員の高齢化や担い手不足などに対応する運用マニュアルを作成し,地域活動の活性化につなげる取り組み方針を示されました。その後の進捗状況と内容についてお聞かせください。
 (5)少子化対策。
 ここでは待機児童対策についてお尋ねいたします。
 ア,育児休業明けで利用申し込みする場合の調整点について。
 以前は育児休業中であれば,子どもが保育施設を利用していても5歳児以外は退園しなければなりませんでしたが,平成28年度からは育児休業中でも生まれた子どもが満1歳になるまでは保育施設等を利用できることとなっています。そして,その生まれた子どもが満1歳になるまでにその子どもの保育利用申し込みをした場合,育児休業明けの調整点として10点加点されます。この制度は配慮ある取り組みとして評価しています。では,この4月からの入園希望でこの加点対象となった児童は何人いましたか。入園状況についてもお聞かせください。
 イ,地域型保育事業について。
 地域型保育事業の利用を考えた際,3歳後の転園による加点があるとはいえ,確実に転園できるかどうかわからないので申し込みを諦めたという声をまだまだ伺います。これまでの地域型保育事業から保育施設への転園状況並びに地域型保育事業における連携保育施設の確保状況についてお聞かせください。また,地域型保育事業の受け皿となる保育施設へのインセンティブ,対策は十分になされていますか。
 ウ,幼児教育・保育の無償化について。
 国は平成31年度から,まず5歳児を対象とし幼児教育・保育の無償化を考えています。この無償化は,保育の受け皿が足りず,待機児童の増加,人手不足による保育の質の低下,認可保育施設等に入れない保護者の不公平感などが懸念されます。無償化になった場合の想定される状況,また事業方針についてお聞かせください。
 以上をもちまして1回目の質問を終わらせていただきます。
   
○宮武博議長
   当局の答弁を求めます。
   
◎大森雅夫市長
   それでは,二嶋議員の質問にお答えします。
 最初に,エールを送っていただきましてありがとうございました。質問という形じゃないんで細かく答えるのはどうかと思いますが,昨年秋からこのG20サミットに関してはさまざまな動きをしてきたつもりであります。報道によるとゴールといいますか,近々にでも行われるのではないかという話もなっていますので,我々として最善の努力を図ってまいりたいと思います。
 私からの答弁は,交通政策のLRT3者会談の内容等であります。
 このLRTに関しては以前の議会で非常に厳しい状況だと申し上げていました。それはそのとおりだったんですけれども,近々急速に調整が進んでまいりました。そして,2月23日に私と総社市長そしてJR西日本の来島社長との間で会談し,3者の役割分担,そして費用負担等について議論し,幾つかの課題は残っているもののおおむね合意に近づいてきたという感触を得ているところであります。
 その合意内容をわかる範囲で示せということなんですが,実はそこでも話題になったんですけれども,議論がやはりイニシャルコストの費用負担のところにこのごろ特化して大分議論してきたんですね。逆に言うと,そのほかのLRT全体についての整理をもう一回やっぱりやってみないといけないだろうという話もございます。それからあと,JR側の手続もこれから残っているというようなこともあって,内容については再度ちょっとチェックさせていただきたいと思っております。したがって,これ以上のコメントは許していただきたいと思います。
 できれば今月末までに全体の確認,調整を行い,JR西日本の社長にも岡山に来てほしいと私は申し上げました。そして,岡山でこれまで整理してきたことを皆さん方にお示ししたいと思います。たらればの話で申しわけないんですが,合意ができれば必要に応じて予算を確保させていただき,3者で協議しながら1年程度をかけて吉備線LRT化に向けた基本計画を取りまとめたいと考えております。
 私からは以上です。
   
◎鉄永正紀政策局長
   周辺地域の振興と中心市街地の活性化についての項,再開発事業の中で中心市街地活性化策や周辺地域振興策への影響,また今後の再開発事業の動きと人口動態等の課題についてお答えいたします。
 中心市街地において現在事業化や計画が進められている市街地再開発事業などにより,都市機能の高度化や居住空間創出の動きが活発化しており,これらは本市の目指す魅力やにぎわいのある中心市街地の創出の観点からも重要であり,中心市街地活性化施策のパッケージの中でも定期的に進捗状況を把握し,各種施策を推進しているところです。
 議員御指摘のような中心市街地におけるこれらの動向や中心部と中山間・周辺地域の人口状況や見通しに対応するため,来年度から新たに地域の未来づくり推進事業を開始し,中山間・周辺地域の活力創出,生活機能,サービスの維持に向けた取り組みを進めていくこととしております。今後につきましても,中心市街地活性化の動きを注視しながら,総合計画に掲げた周辺地域と都心が調和した都市づくりに取り組んでいくことが必要と考えております。
   
◎荒島茂樹市民生活局長
   同じ項で新しい文化芸術施設への人の流れ,交通アクセス,それから旧市民病院の跡地活用についてお答えいたします。
 中心市街地の一角に整備される新しい文化芸術施設へは,まちづくりの視点から周辺も含めたにぎわいの創出や回遊性の向上につながるよう,公共交通機関を利用して来館していただきたいと考えております。また,来年度には実施設計における協議や管理運営実施計画を検討していく中で施設周辺の環境,交通状況や実施する事業等を考慮しながら,団体鑑賞者用バスやタクシーへの対応についても検討してまいりたいと考えております。
 なお,旧市民病院の跡地の活用につきましては,施設が整備される周辺地域の方々の声もお聞かせいただき,関係部署とも相談しながら方向性を探ってまいりたいと考えております。
 以上です。
   
◎江田美幸市民協働局長
   同じ項,地域の担い手対策のうち,町内会ハンドブックの進捗状況と内容についてです。
 平成29年4月から岡山市連合町内会と協働してハンドブックの作成に取り組み,年度内の完成を目指しています。内容につきましては,町内会の現状,課題,町内会活動に関するヒントや会則,事業計画,予算・決算書のつくり方のほか,地域活動に役立つ情報として町内会や市民活動を対象とする市の支援事業についても掲載する予定です。現在,最終確認作業を行っており,完成後は全単位町内会長へ配付する予定としており,新年度から活用していただきたいと考えております。
 以上です。
   
◎中原貴美岡山っ子育成局保育・幼児教育担当局長
   同じ項,少子化対策のうち,育児休業明けで利用申し込みする場合の調整点についてです。
 育児休業明けの加点については,育児休業中に一度退園していた児童が再び同じ保育施設等を利用する場合や育児休業に係る児童が兄または姉が在園している保育施設等の利用を希望する場合には10点を加点しております。4月入園申し込みでこの10点の加点対象者は565人いますが,2次利用調整が終了した段階でそのうち558人が入園決定しています。
 次に,地域型保育事業についてです。
 現在,2次の利用調整まで終了しておりますが,平成30年4月入園の利用調整における地域型保育事業卒園児137人のうち100人のお子さんが認可保育所等に入園決定しております。また,平成30年4月開園予定を含めた地域型保育事業の27事業者のうち11事業者には保育所等の連携施設が設定されております。本市では待機児童解消のため,国の特例措置により連携施設の設定がない場合でも地域型保育事業者として認可してきておりましたが,今後の募集に当たっては連携施設の設定を求めていきたいと思います。また,現在連携先のない地域型保育事業者につきましても,平成30年度から実施する予定の3歳児の受け入れをふやす保育所等に対する補助金をインセンティブとして,連携先の確保に努めてまいりたいと考えております。
 次に,幼児教育・保育の無償化についてです。
 これについては,公明党を代表されての福吉議員,おかやま創政会を代表されての太田議員に御答弁させていただいたとおりです。
 以上です。
   
◎菅野和良教育長
   同じ項,再開発事業の中,再開発事業が岡山中央小学校の児童数に与える影響及び旧内山下小学校の活用についてでありますが,再開発事業が岡山中央小学校の児童数に与える影響及び旧内山下小学校の活用につきましては,自民党を代表されての成本議員に御答弁したとおりであります。
 以上でございます。
   
◎大杉誠都市整備局長
   同じ項,交通政策の中,高速道路料金割引社会実験の内容及び将来像と総社・一宮バイパスの吉備スマートインターチェンジ周辺の整備計画についてのお尋ねです。
 今回の社会実験は,岡山連携中枢都市圏ビジョンに位置づけられた中国横断自動車道岡山・米子線による交流促進事業の一つとして実施しようとするものでございます。具体的には国道53号及び国道180号の渋滞緩和を図ろうとする吉備スマートインターチェンジを利用する車の料金割引,そして人と物の交流を促進するため,岡山・米子線沿線の市町で行われるさまざまなイベントの開催に合わせてエリア内乗り放題の料金割引を企画しております。実施時期についてですが,ことしの夏から秋にかけて行いたいと考えておりますが,具体的な実験内容については,より多くの方々に利用いただけるものとなるよう,これから関係市町及びNEXCO西日本等と協議してまいります。また,この社会実験を通じて交通量や観光入り込み客数などの効果を検証し,岡山・米子線の早期全線4車線化と吉備スマートインターチェンジの改良等につなげていきたいと考えています。
 次に,吉備スマートインターチェンジ周辺の整備計画についてですが,国が施行する総社・一宮バイパスの山陽自動車道までの延伸にあわせて岡山市は,吉備スマートインターチェンジを大型車が通行でき,24時間利用できるよう,インターチェンジやアクセス道路などを改良したいと考えております。これらの整備により外環状線と山陽自動車道が直接つながることとなり,現在整備中の岡山環状南道路や市道藤田・浦安南町線を経由して岡南地域から山陽自動車道へのアクセスが強化されるなど大きな効果が期待されることから,早期の事業化に取り組んでまいりたいと考えております。
 次に,空き家対策の項,まず老朽危険空き家対策や補助等の状況についてです。
 平成27年度に実施した空き家実態調査の結果,老朽・危険度が高いD・Eランクとされた2,022棟につきましては,平成30年2月末現在で252棟,約12%が除却されていることを確認しております。平成27年度からの除却補助は特定家屋等の累計で120件となっております。その他のランクの利活用についてはリフォーム補助件数で把握しており,平成26年度からの累計で46件となっております。
 次に,空き家バンクの登録ですが,平成22年度から累計で49件,成約は37件となっています。引き続き各制度についての周知に努め,所有者による自主的な空き家の適正管理の支援を積極的に行ってまいります。
 次に,市街化調整区域で空き家の利活用の促進を,それからおかやま空家対策研究会の取り組みと今後の期待はという御質問です。
 議員御指摘のとおり市街化調整区域内の空き家の利活用につきましては東近江市のように条例化も有効であると考えますが,岡山市におきましては,平成28年末に国から示された開発許可制度運用指針において観光振興目的の飲食店,宿泊施設への用途変更や既存集落の維持のための賃貸住宅への用途変更でマスタープラン,地域振興,観光振興等に関する方針や計画等に整合したものについては柔軟に許可ができることとなっております。引き続きこの指針については広報紙等への掲載や不動産関係団体に対して周知を図り,市街化調整区域での利活用が進むよう対応してまいりたいと思います。
 次に,おかやま空家対策研究会では対象モデル地区を選定し,平成30年度に利活用可能な空き家の所有者に対しアンケート調査を行い,民間主体による事業として成り立つかどうかを検討することとしております。その結果,ビジネスモデルとしての可能性が認められれば,他地区への展開や事業化に向けて市としても必要となる支援について検討していきたいと考えております。
 以上です。
   
◎林恭生都市整備局都市・交通・公園担当局長
   同じ項,交通政策のうち,公共交通マネジメントのための体制づくりと本市がなすべき役割について検討すべきと思うが所見をとの御質問です。
 新たに立ち上げる法定協議会の中で市内路線バス事業者や利用者代表,学識者などから広く御意見を伺いながら,岡山市が中心となって公共交通ネットワークの構築に向けた地域公共交通網形成計画の策定に取り組んでまいりたいと考えております。
 次に,渋滞損失に対する認識と課題等を踏まえた公共交通網形成方針についての所見ですが,都心やその周辺における交通渋滞は経済的損失に加え,公共交通の定時性,速達性の低下を招き,利用者の減少につながるおそれがあると考えております。このことから交通渋滞の緩和を目的とした環状道路の整備やボトルネック交差点の改良,また公共交通への転換を促すためのパーク・アンド・ライド駐車場の整備などにより公共交通の利便性向上やネットワークの構築に向けた取り組みを進めてまいります。
 次に,沿線への居住誘導,パーク・アンド・ライド,ラストワンマイルへの移動手段確保は,吉備線LRT化の実現にかかわらず先行できる取り組みではないかという御質問です。
 沿線への居住誘導,パーク・アンド・ライド,ラストワンマイルへの移動手段確保については,議員御指摘のとおり吉備線やその周辺を含む沿線地域の活性化及び観光振興などを図る上で大変重要な施策であると考えております。今後,LRT化について3者が合意に至った際には1年程度をかけて基本計画を取りまとめることとし,その中で沿線地域の活性化を図るための取り組みやスケジュールについてもあわせて検討してまいりたいと考えております。
 次に,もっと積極的に公共交通空白地域の救済に手を差し伸べるべきではないかとの御質問です。
 公共交通不便地域においては,現在新たな生活交通としてデマンド型乗り合いタクシーの導入を進めており,迫川地区では4月から本格運行に移行する予定です。また,迫川地区以外の4地区においても試験運行実施に向けた運行計画を検討しているところです。今後はこの5地区の取り組みを市民の方々へ発信していくことで他の周辺地区にも広げてまいりたいと考えております。
 次に,超小型モビリティーについて,新年度に最終的な方針を打ち出すのか,事業主体,運営主体を含めた事業シミュレーションを行うのかという御質問でございます。
 超小型モビリティーについては,今年度,岡山大学や交通事業者,経済団体などで構成した協議会で意見交換しながら中心部でのシェアリング実験,地域生活圏での日常生活への活用実験を実施してきたところです。シェアリング実験では,公共交通と組み合わせた利用や中心部への訪問意欲が向上することが確認できたところですが,一方で既存の公共交通利用からの転換も見受けられました。日常生活での活用では,道が狭い,坂道が多いなどの地域で超小型モビリティーの有効性を確認することができたところですが,一方で2人乗りや普通免許がなくても乗れるよう求める意見もございました。今後,移動手段の変化や移動目的などを詳細に分析し,超小型モビリティーの法制度の動向なども注視しながら有効性を検討してまいりたいと考えております。
 次に,県庁通り1車線化について,建物などの景観をどのようにつくり上げていくのか,また全体像を描く中での行政の役割,コーディネーター,プレーヤーの役割を明確にすべきではとの御質問でございます。
 県庁通りの1車線化に向けては,ハード整備にあわせて民間が主体となった沿道のにぎわいや魅力を創出していくまちづくりが必要であると考えております。今年度はセミナーやワークショップなどを通じて,まずは地域の方々のまちづくりへの関心を高め,道路と沿道の空間活用のためのさまざまな御意見などをいただいたところです。来年度はまちづくりの専門的な知識や実践経験のあるコーディネーターを交えて地域や沿道事業者等と県庁通りの将来像や価値観を共有しながら,実行力のある事業者などのプレーヤーを発掘,育成するとともに,これらプレーヤーと連携して空き地や建物を有効に活用し共有した将来像に向けたまちづくりの実践を目指すこととしており,市としましては引き続き民間がまちづくりに積極的に参画できる環境づくりに努めてまいりたいと考えております。
 以上です。
   
◆二嶋宣人議員
   御答弁ありがとうございました。
 早速再質問に入らせていただきます。
 まず,やっぱり市長から御答弁いただいたLRTから,頑張ってほしいという一言ではあるんですけれども,二,三,ちょっとキャッチボールしたいなと思っていますので,よろしくお願いいたします。
 新聞報道等で3者会議の結果について,先ほど市長からの御答弁もありましたけれども,3者会議の進展であったり合意が近いなどとおおむね期待をにじませるような内容が多かったと思います。この報道が事実であるとすれば,進んでいるんだと思うんですけども,私も含めて吉備線沿線地域の住民の方々,万感の思いだと思います。市長を初めこの関係者の方々の御尽力に改めて敬意を表したいなと思うところであります。
 何はともあれこの吉備線のLRT化実現に向けてこの3月末までに合意点を見出していかなきゃいけんと思うわけでありますけれども,改めてその点においての市長の決意をお聞かせいただけたらと思います。
   
◎大森雅夫市長
   このLRT化は何のためにやるのかということなんだろうと思うんですね。今の吉備線──桃太郎線沿線の人たちの利便性が向上していく。また,二嶋議員の御質問にありましたように駅を中心としてフィーダー交通,そういったことも出て,沿線だけじゃなくてもっと広いエリアの利便性が増していくんではないかということもあります。また,関西高校前の渋滞緩和策にもつながってくる。私は非常に大きなメリットがあるんだろうと思っております。ただし,今までずっと議論してなかなか前に進まなかったのは財源問題であります。我々としても市の税金を預かっている以上,やはり市民の皆さん方に説明できる,そういう範囲内でしか支出はできないだろうという前提で議論させていただいておりました。JRはJR側の論理もあったわけであります。そういう面で両者の間がなかなか近づかなかったということは事実であるわけでありますが,そういう面で……,ここからなかなか言えないのが苦しいところではあるんですが,折り合ってきたというところにおいて私は光明を見ている。光明というのはそんなに小さな光ではなく,大きな光を見るに至ったと私は思っております。ただ,最後の詰めをやっていかなければなりません。どこに落とし穴があるのか,そういったことを含めて今,担当者の間で再度の調整をやらせていただいております。今月の末には来島社長も岡山に来られて気持ちよく合意したいと思っております。
   
◆二嶋宣人議員
   ありがとうございます。何のためにやるのか,財源も含めていろいろと検討していかなければならない課題がまだまだあると思います。そういった中で,これまでもこのLRT化実現に向けていろいろな議論をさせていただきました。そもそもこのまちづくりの方向性をどうするのかとか,どのような効果を期待するのかなど,これが決まらない限りなかなか事業化に向けての議論ができないということで,おろそかといいますか,進展しなかったように感じています。
 この議会でも何度もお話をさせていただきました。私の住んでいる一宮地域では,岡山行きの民間バスが180号線を走っていますが,平日は4本,休日は3本と激減しています。吉備線のLRT化の実現,事業化までの間にこのバス路線が縮小されたり人口減少に歯どめがかからない,そういったことも懸念されるわけであります。地元議員としてもそういった状況に身を切られるような思いであるわけであります。この事業計画から事業着手,そして完了まで,長い時間を要すると思います。何も効果が見えないようではさみしいわけでありまして,要所要所でこの沿線地域住民を初めとする,また先ほど市長も言いましたが市全体にその効果がしっかりと目に見える取り組みを実施していただきたいなと期待しています。
 その中で,先ほど局長がお話をされましたけれども,何をいつどのような形で整理すべきなのかといった,そういったスケジュールもしっかりと示していただきたいと思うわけでありますので,そこのあたりについて再度,局長,このスケジュールはしっかりと示していくんだという思いをお聞かせいただけたらと思いますので,よろしくお願いいたします。
   
◎林恭生都市整備局都市・交通・公園担当局長
   3者が合意に至った場合にはということになるんだと思いますけれども,その後基本計画をしっかりと取りまとめていきたいと思っております。その中で沿線でどういうことをしていくのか,スケジューリングも含めて整理していきたいと思っております。
 以上です。
   
◆二嶋宣人議員
   よろしくお願いいたします。
 この項の中で1点,2点確認させてください。
 超小型モビリティーについてお話がありました。聞きそびれたのかもしれませんけれども,新年度の事業シミュレーションでの事業主体,運営主体はどういったことを想定しているのかといった質問をさせていただきました。これは民間を想定しているということでしょうか。
   
◎林恭生都市整備局都市・交通・公園担当局長
   今年度,中心部でのシェアリングの実験,それから地域生活圏での日常生活への活用実験という2種類の実験を行いました。そこでさまざまなデータとかアンケート結果が今,手に入っているところですので,まずはこのことをしっかりと分析していこうということでございます。そこを分析しまして,有効性がどうなのかというところを探っていきたいと思っております。
   
◆二嶋宣人議員
   県庁通りの1車線化についても御答弁いただきました。沿道の魅力づくりということで建物がひとつ有効だと考えています。この建物自体,先ほどの答弁の中の行間を読みますと,建物も含めたリノベーションを視野に入れていこうとしているのかどうか,そのあたりについて確認させてください。
   
◎林恭生都市整備局都市・交通・公園担当局長
   おっしゃられるとおりでございます。今,我々のほうで考えておりますのは,県庁通りを通して共通のテーマのようなものを設けて,その共通のテーマの中でリノベーションしたり空間を活用したり,道路側の整備もその共通のテーマに沿った形にしていければと思っております。もちろん建物のリノベーションなんかもその中に含まれると考えております。
 以上です。
   
◆二嶋宣人議員
   空き家対策についてであります。
 岡山市のほうは国の開発の運用指針によってそういった形で市街化調整区域の住宅等々は活用できるんだと,答弁の中で認識させていただきましたので,周知徹底をしっかりとお願いしたいと思いますので,よろしくお願いいたします。
 そういった中でおかやま空家対策研究会が立ち上がっていて,モデル地区を立ち上げたと聞いておりますけれども,そのモデル地区とはどういったところですか。
   
◎大杉誠都市整備局長
   モデル地区は運動公園口エリア,それから福浜エリアとなっております。
   
◆二嶋宣人議員
   モデル地区を立ち上げたわけでありますので,そのあたりをしっかりと精査して,またいろんな地域がありますので広げていっていただけたらなと思っておりますので,よろしくお願いいたします。
 それで,地域の担い手対策ですが,局長から御答弁いただきました。ありがとうございます。本年度中ということでありますので,今ちょうど町内会長であったりいろいろな改選時期を迎えておりまして,回るところによっては町内会長だけにするのかといった話でかなり苦戦しているんだという話をたくさん聞いております。そういった意味で,この協働されてきた皆様の後継者の担い手不足というのは大変深刻な問題であろうと思われます。しかし,行政の財源であったりマンパワーには限りがあるわけであります。そういった中で岡山市は地域のことは地域が主体になって取り組んでいただく協働のまちづくりを進めてきたわけでありますけれども,この担い手不足は土台から協働という考え方が覆されるような感じで私は捉えているわけであります。
 今回作成される町内会活動のヒントであったり,行政への申請手続であったりとかそういったマニュアルはもちろん有効だと思います。しかし,高齢化や担い手不足の根本的な解決にはつながらないように感じているわけであります。そういった点についての御所見を再度お聞かせください。
   
◎江田美幸市民協働局長
   今回のハンドブックは,議員おっしゃいましたように町内会の役員のスムーズな引き継ぎですとかそういったことの助けになればということで作成いたしております。根本的な担い手不足の解消に直接つながるものではありませんが,地域によっては地域にある学校の学生さんであるとか福祉施設であるとかそういった方たちと協働して地域づくりを進めていらっしゃるというふうな事例もございますので,今後もそういった事例を広く皆様に御紹介して参考にしていただいたり,それから直接的には区づくり推進事業の中でそういった地域活動を計画づくりから応援するといったような事業にも現在取り組んでおります。決め手になるような対策は難しいかもしれませんが,今後も地域の担い手づくりができるようなことを町内会と一緒に考えていけたらと考えております。
 以上です。
   
◆二嶋宣人議員
   ありがとうございます。ならば,この担い手の育成とか研修とか地域の実情への理解者をふやすなど行政の役割,やるべきことはコーディネート機能じゃないのかなと改めて感じているわけでありますけれども,その点についての御所見をお聞かせください。
   
◎江田美幸市民協働局長
   そういった意味で現在でも例えば公民館のほうでは若者だけを対象にしているわけではないんですが地域応援人づくり講座といったような講座も開催しておりまして,地域のリーダーですとか地域づくりにはこういうふうにかかわるといったような事例紹介とかもさせていただいておりますし,それから地域の担い手の発掘支援と育成支援ということでESD・市民協働推進センターのほうでもそういったコーディネート機能を持って取り組んでいこうということで今後も頑張っていこうと思っております。
   
◆二嶋宣人議員
   先ほど話が出ましたが,若い世代の方々にこういったアプローチも今後必要だと思います。今回,ハンドブックの作成に当たっては町内会長全体にということでありました。今後はこういった若い方々へのアンケート調査であったり,先ほど触れましたワークショップなども有効だと思われます。今後考えられるその他の展開について何か御予定がありますか。
   
◎江田美幸市民協働局長
   平成30年度,新たな年度ですが,先ほど申し上げましたESD・市民協働推進センターのほうで,大学とか企業も含めてなんですが,地域貢献活動のヒアリング調査を実施させていただきたいと考えております。大学とか企業,NPOだけではなく,そういったものの地域貢献に対する取り組み等のデータも集めまして,そういった中でさらにコーディネートの力が高まるようにというふうなことを考えております。
   
◆二嶋宣人議員
   わかりました。なかなか難しい課題でありますので,そのあたりは町内会の方々としっかりとコンセンサスをとりながら進めていただきたいなと思いますので,よろしくお願いいたします。
 そして,最後の項,少子化対策の項で,育児休業明けで利用申し込みする場合の調整点について保育・幼児教育担当局長のほうにお答えいただきましてありがとうございます。その中で加点対象の児童が565人いて,6人が2次調整後も未入園ということであります。育児休業中にこの制度で保育施設等に通っている子どもを家庭で保育した場合,育児休業後に優先的にその通っていた保育施設等に入園できることをしっかりと担保することによって,そのあいた枠を他の児童が利用できるといったことにつなげていければ待機児童の解消につながるんじゃないのかなと私自身感じているわけであります。
 しかし,現実的には継続利用を選択されている方が多いと伺っています。私自身この点においては少し工夫が必要なのかなと感じているわけでありますけれども,その点において御所見をお聞かせいただきたいと思います。どうですか。
   
◎中原貴美岡山っ子育成局保育・幼児教育担当局長
   済いません。入れてないお子さんは今,多分6人とおっしゃったと思うんですけど,7人になります。
 おっしゃるようにいつでも安心して年度途中から入れるという状況が一番望ましいと思っております。それにはまず受け皿の確保,それから保育士の確保,そこを十分頑張っていく必要があると思います。家庭で保育されたいというお母さんも安心して預けられるように,そういった状況をつくっていきたいと考えております。
 以上です。