平成29年 6月定例会 - 6月14日

◆二嶋宣人議員
   皆様こんにちは。自民党の二嶋宣人でございます。
 傍聴席の皆様こんにちは。本日は大変お忙しい中,この岡山市議会に足をお運びいただきまして本当にありがとうございます。
 時間も限られておりますので,早速ではございますけれども通告に従いまして質問に入らせていただきます。
 1,ムスリムインバウンドの推進について。
 ムスリムインバウンドを推進するため,岡山市議会シンガポール・マレーシア行政視察訪問団が現地の政府機関などに対し視察を行ったところです。結団式では大森市長から熱いエールもいただき,当局と議会が両輪のごとく好循環を生み出す取り組みが展開されるよう期待を抱きながらの視察でありました。
 さて,世界のムスリム人口は2010年で約16億人と言われ,世界の総人口の23%と推計されています。また,ハラル市場は52兆円に上るとされていますが,ビジネスや観光のパートナーとして世界各国から熱い視線を浴びていることは理にかなうものであります。中でもマレーシアは急激な経済成長とともに今や富裕層が国民の半数を占めるなど,高所得のムスリムが急増しているとされています。このようなムスリム圏の現状などを自治体国際化協会,通称CLAIRシンガポール事務所から説明を受け,マレーシアの政府機関3機関に対しヒアリングを行ったところです。このシンガポール事務所には4月から岡山県の職員が派遣されており,岡山市とのさまざまな橋渡しも期待されるところであります。
 そこで,取り組みの進捗状況,今後の展開などについて質問いたします。
 (1)ムスリムインバウンドのこれまでの取り組みと成果をお聞かせください。
 (2)本市は,国内ではむしろ後発組でありますが,そのことも理解した上でムスリムインバウンド市場をどのように分析されていますか。
 (3)切れ目のないアプローチを痛感させられた視察となりましたが,CLAIRなど現地のコーディネート機関との連携が不可欠であります。現状などをお聞かせください。
 (4)ムスリムインバウンドに対する政策目標,KPIはどのようになっていますか。それはどのような分析に基づくものでしょうか。
 2,小学校の教育環境について。
 岡山市では,平成17年度からイマージョン教育を行っている石井小学校と全学年で外国語活動が行われている岡山中央小学校などで特色ある教育として児童が自然に英語を使う環境づくりに力を入れてきました。
 さて,このたび学習指導要領の改訂が行われ,平成32年度から実施されることになりました。その新学習指導要領と現行のものとの大きな違いの一つに,新たな教科として英語が小学校に導入されることが挙げられます。現行では5,6年生で週1時間の外国語活動が行われていますが,平成32年度からは5,6年生では正式な教科として週2時間,また新たに3,4年生ではこれまで5,6年生で実施されていた外国語活動が週1時間始まります。
 そこで質問いたします。
 (1)石井小学校,岡山中央小学校などの取り組みを踏まえ,これまでの外国語活動の成果をお聞かせください。
 (2)英語の教科化に向けての課題は何でしょうか。
 (3)英語の教科化導入を契機に本市のさらなる特色ある教育環境づくりに期待するところであります。国際社会で活躍する人材育成のためにもイマージョン教育対象の小学校や全学年の外国語活動必須化,ALTが毎日常駐する小学校をふやしてほしいと思います。将来像を踏まえての御所見をお聞かせください。また,英語の教科化導入に向けてどのような取り組みを進めているのでしょうか。
 続きまして,岡山中央小学校の教室不足などについて質問いたします。
 岡山中央小学校は,平成17年に岡山中央北小学校と岡山中央南小学校が統合され開校しました。本年度5月1日現在の児童数,クラス数は877人,36クラスであり,開校当時の697人,27クラスと比較すると180人,9クラス増となりました。そのため,理科室などを普通教室に転用せざるを得ない状況となり,教室が不足しています。また,先日5地区連合町内会から旧内山下小学校を分校として活用してほしいという陳情が市長,教育長に提出されたところです。子どもたちが伸び伸びと学習できる環境は守られるべきであり,早急な対応が必要と感じています。
 そこで質問いたします。
 (4)岡山中央小学校の開校当時,将来的な児童数推移の見通しをどのようにお考えだったのでしょうか。また,今後の児童数推移の見通しと岡山中央小学校のような状況になり得る他の小学校はあるのでしょうか。
 (5)手狭となっている岡山中央小学校のあり方,教室,運動場,児童クラブに対し,今後どのような検討,対応をお考えでしょうか。
 3,本庁舎の建てかえについて。
 (1)本庁舎は,平成9年度に実施した耐震診断で新耐震基準を満たしていないことが判明しました。その後,やっと平成25年度に耐震改修と建てかえの比較調査を実施し,中層建てかえの優位性が高いことが示されました。あれから4年,本庁舎については,早急な対応を要する施設の耐震化の進捗状況等を勘案しながら適切に対応していくとの方針が示されているだけで目に見える動きがありません。本庁舎は市民サービス提供の最重要拠点であり,建てかえは待ったなしと考えます。そろそろ建築用地,時期等を含め具体化に向けた方針を示すべきではありませんか,御所見をお聞かせください。
 (2)本庁舎が大規模災害時に使用できなくなる場合を想定し代替施設として使用する市有施設を具体化していく方針が示されていますが,どうなっていますか。
 4,吉備線LRT化構想について。
 先月,中山学区連合町内会の方々と市当局職員との間で吉備線LRT化についての意見交換会が行われました。そこで地域の方々から,吉備線LRT化単体の話だけでなく沿線のまちづくりや駅と地域を結ぶ公共交通等の利便性の向上が図られなければ吉備線の利用率は上がらないし,地域の活性化につながらない,岡山市の交通施策の全体像,将来像が見えてこないなどの御意見をいただきました。
 そこで質問いたします。
 (1)現段階での吉備線LRT化実現への手応えについて市長の率直な思いをお聞かせください。
 (2)吉備線沿線人口の将来予測とLRT化を軸とした沿線地域のまちづくりにおける今後の取り組みについての考え方,長期計画をお聞かせください。
 (3)吉備線LRT化には初期投資額約175億円,事業化後の運行経費約8億円と多額の費用を要することが試算されています。そのため,岡山市,総社市,JR西日本の3者間で役割分担や費用負担の調整に苦労されていることは重々承知しています。これまで何度もお尋ねしてきましたが,昨年5月以降,3者会議が開催されていません。開催のめどは立っているのでしょうか。
 5,東京五輪・パラリンピックの事前合宿の誘致について。
 岡山市は,東京五輪・パラリンピックに向け各国代表が市内で行うキャンプに対する経費を補助する制度を創設しました。キャンプの誘致を地域の経済,国際交流,スポーツの活性化につなげることが目的であります。その補助制度は宿泊,施設使用料など5項目があり,経費の上限値の半額を助成するものであります。岡山県にも同様の補助制度があり,岡山県の制度と併用することにより,キャンプの総費用が400万円以下である場合はチームや選手の負担は実質ゼロになるというものです。
 このような取り組みは当然のこととして他の自治体でも積極的に進められており,お隣の広島県では選手団の事前合宿を県内全ての自治体で実施することでメキシコオリンピック委員会と基本協定を締結したとの報道がされています。その内容は,陸上や野球,サッカーなど26競技を県内市町が受け入れるとともに施設利用,練習相手の調整,移動,宿泊,通訳など全面的な支援を行うとされ,県と市町がうまく連携した理想的なスキームであります。さらに,事前合宿後の展開として1町を除く22市町の全てがホストタウン登録の申請を行い,事前合宿誘致とホストタウンが一体となった構想であることに強いアピール性があると感じています。
 そこで,事前合宿の誘致の考え方,今後の展望などについて質問いたします。
 (1)今般の補助制度の創設について国などの動きや背景などを含め御説明ください。
 (2)補助制度の創設について岡山県との協議など,経過があればお聞かせください。また,縦割り意識もあるように感じますが,御所見をお聞かせください。
 (3)ブルガリアとのホストタウンの登録が完了しましたが,今後の取り組みについての考え方,県や競技団体との連携等の構想をお聞かせください。
 (4)広島県などの取り組みは経済交流,経済政策の一面も見てとれます。このような視点は必要欠くべからずと思いますが,市長のお考えをお聞かせください。
 以上をもちまして1回目の質問を終わらせていただきます。(拍手)
   
○宮武博議長
   当局の答弁を求めます。
   
◎大森雅夫市長
   それでは,私は吉備線のLRT化についての率直な思いを述べよという点について答えさせていただきます。
 岡山市では都心,地域の拠点,地域生活圏内の各エリアが公共交通を初めとするネットワークで結ばれたコンパクトでネットワーク化された都市づくりを目指しており,吉備線のLRT化の検討はその実現を目指した重要な取り組みの一つであると考えております。一方,JRにとっては今後の都市周辺型路線の一つのモデルケースとして意義の高い取り組みだと認識していると聞いております。この大きな位置づけの中で調整に時間を要しているものの,事業費の精度を上げながら需要予測についても詳細に検討しているところであり,役割分担や費用負担について引き続きしっかりと議論し,以前にも申し上げたと思いますが今年度中に一定のめどを立てたいと思っております。
 私は,あと東京オリンピック・パラリンピックの事前合宿の誘致,国などの動き等々,またホストタウンについての今後の取り組み,また広島県の取り組みには経済交流等々の面もあるんではないかというような点についてお話し申し上げたいと思います。
 2020年の東京オリンピック・パラリンピック競技大会を契機に全国の地方公共団体と大会参加国・地域との相互交流を図ることなどを目的として,国においてはホストタウンの推進,また公益財団法人東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会においては事前キャンプ誘致の推進に取り組んでいるところであります。こうした動きを受けて,岡山市もブルガリア共和国を相手国として昨年12月にホストタウンの登録を受けたところであり,現在国に提出している交流計画に基づいてESD分野での連携や市民訪問団の派遣,またブルガリア共和国ゆかりの人の岡山市への招聘など,人的,経済的,文化的な相互交流に向けて準備を着実に進めているところであります。また,事前キャンプの誘致については,大会組織委員会の事前キャンプガイドに柔道などの受け入れ可能な競技や施設などを登録したほか,ブルガリア共和国に対してはオリンピック出場が期待されるバレーボール,バドミントン,柔道を中心に強く働きかけを行っております。
 今後,これらの事業を進めることによって,スポーツ振興のみならず教育文化の向上や共生社会の実現を図り地域の活性化につなげていくことが重要であると考えており,スポーツ団体を初め経済界,大学等さまざまな機関との連携を一層深めてまいりたいと考えております。
 私からは以上です。
   
◎山本修司産業観光局長
   ムスリムインバウンドの推進についての項,まずこれまでの取り組みと成果についてお答えします。
 本市では,ムスリムインバウンドを推進するため,昨年9月から国の地方創生推進交付金を活用し岡山型ヘルスツーリズム拠点化事業に取り組んでいます。これまでムスリム観光客が安心して店や商品を選択できるようメニューや成分等について岡山独自の認定基準を満たした2段階のおもてなしマーク,ピーチマークを作成,表示し情報提供する仕組みを構築し,これまでKPIの6件を上回る25件を認定したほか,ムスリムツアーガイド11名を養成するなど受け入れ体制の整備を行ってまいりました。
 一方,昨年11月のトップセールスに続き,12月と本年1月の2回にわたりマレーシアとインドネシアの旅行会社等を招いた視察ツアーを実施し,本年3月にはこうした一連の取り組みを反映したムスリムツアーガイドブックを制作しマレーシア最大の旅行博「MATTA Fair」に出展いたしました。
 これらによる誘客効果については今後,統計数値が出そろうのを待って検証していくことになりますが,こうした岡山独自の取り組みが多方面に情報発信され,政府系機関等が受け入れる視察ツアーの訪問地として選ばれるケースがふえてきていることも成果の一つではないかと考えております。
 次に,ムスリムインバウンドの市場分析,CLAIRなど現地のコーディネート機関との連携,KPIについての御質問に一括してお答えします。
 ムスリムインバウンドの市場分析に当たっては,議員御指摘の自治体国際化協会が2014年に発行したクレアレポート「イスラム圏からの観光客誘致」など現地事情に詳しい政府系機関等の情報を参考にしています。同レポートによれば,2011年時点の世界のムスリム人口は約16億人で世界全人口のおよそ4分の1を占め,2030年には約22億人になると予想されています。また,ASEAN10カ国の2014年から2018年の経済成長率は平均5.4%と予想され,中でもインドネシア,マレーシア両国はASEANの優等生と呼ばれ,今後さらなる成長が期待されています。また,イスラム観光市場における2011年の国際観光消費額は1,261億USドルと推定され,これは世界最大の国際観光消費国であるドイツの消費額を超えており,同市場の重要性とともに今後イスラム圏からの観光客が大幅に増加すると指摘しています。これに呼応するように2013年の訪日外国人の中でもとりわけ東南アジアの伸びは顕著であり,マレーシア,インドネシアともに前年比35%前後の増加となっています。
 これらを背景としながら平成32年度のKPIを設定したものですが,具体的には共同自治体内における観光入り込み客数を平成27年度末の1,015万人から515万人増の1,530万人に,同じくマレーシア,インドネシアの宿泊者数を859人から3,200人増の4,059人に,また同じくハラル認証及びピーチマークの認定件数を5件から61件増の66件としています。
 これまでもJNTO──日本政府観光局や大使館など現地事情に詳しい政府系機関等との連携を図ってきているところですが,今後ともこうした機関等が主催するセミナーや商談会等の機会を有効に活用するなど,幅広いチャンネルを生かしながら引き続きムスリムインバウンドを積極的に推進していきたいと考えております。
 以上です。
   
◎菅野和良教育長
   小学校の教育環境についての項,まず外国語活動の成果や英語の教科化に向けての課題等の御質問に一括してお答えいたします。
 子どもたちが,小学校1年生から英語の音声になれ親しむ活動によりまして英語に関心を持ち,外国の人と積極的にコミュニケーションをとったり,異文化を理解しようという態度が身についたりするようになってきました。また,次第に読むことや書くことにも興味,関心が高まってきております。さらに,教員が英語に触れる機会がふえることによりまして教員の英語力向上にも有効であると考えます。こうした成果は,英語の教科化に向けての準備として重要であると考えております。したがって,全ての小学校で低学年から英語や外国人に接する機会をふやし,授業以外でも休憩時間や給食時間,放課後などにALT──外国語指導助手と過ごしたり,学級担任が英語を使って子どもたちと活動する場面などをつくり出していくように取り組んでまいりたいと考えております。
 しかしながら,英語の教科化に向けましては授業時間数の確保と教員の英語の指導力の向上を図ることが課題であると捉えており,これまでの研究成果を生かすとともに,今後も学校と協議しながら英語教育の充実に取り組んでまいります。
 続いて,中央小学校の児童数見込みや今後のことについて一括してお答えいたします。
 岡山中央小学校の開校当初は最大の児童数を800人と想定しておりました。ことしの児童数は877人ですが,児童数推計によりますと6年先までほぼ横ばいとなっております。今後も児童数の動向を注視し,必要な教育環境の確保に努めてまいりたいと考えております。
 なお,市内で児童数の増加が予測される学校は一,二校ございます。
 以上でございます。
   
◎河野広幸総務局長
   本庁舎の建てかえについてお答えいたします。
 本庁舎の耐震化については,早急な対応が必要とされているさまざまな市有施設の耐震化に多額の経費を要することなどを踏まえ,財政状況を見きわめながら優先順位を慎重に検討する必要があると考えております。
 また,本庁舎の代替施設としては保健福祉会館,分庁舎,ほっとプラザなど耐震性のある市有施設を考えております。
 以上でございます。
   
◎鹿子木靖都市整備局都市・交通・公園担当局長
   吉備線LRT化構想についての項,市長答弁以外をお答えいたします。
 まず,沿線人口の予測とLRT化を軸としたまちづくりにおける今後の取り組みについてですが,吉備線沿線においては他の地域と同様に長期的には将来人口が減少することが予測されており,公共交通を軸とした持続的に発展できるまちづくりを進めていく必要があります。このため,高頻度運行や新駅設置,バリアフリー化など吉備線のLRT化による一宮・高松方面の連携軸の強化とともに,駅前広場や駅へのアクセス道路の整備,また生活交通と他の交通ネットワークの組み合わせ等による駅までの交通手段の確保,駅周辺にふさわしい土地の利活用など,各駅を中心に周辺地域を含めた面的な取り組みを進める必要があると考えております。
 次に,3者会議の開催のめどについてですが,現在総社市,JRと連携してイニシャルやランニングの費用,需要予測について詳細に検討しているところであり,それらをベースに基本計画の根幹となる役割分担や費用負担についても協議,調整を行うこととしており,今年度中に一定のめどを立てて3者会議を開催したいと考えております。
 以上でございます。
   
◎荒島茂樹市民生活局長
   事前合宿の項,補助制度の創設について県との協議経過に関する御質問にお答えいたします。
 今年度からキャンプの誘致に向けた補助制度を創設し,県が平成28年度から創設している補助制度とあわせてチームや選手のキャンプに要する費用負担を大幅に軽減できるようにしたところです。補助制度の創設に際しては県とも補助対象者や対象経費などさまざまな点について調整を行いましたが,現在,岡山市と県の補助制度が別々となっており双方に対する申請が必要であることやパラリンピックの事前キャンプへの補助については課題があると認識しております。今後,利用しやすい制度となるよう競技団体等にも意見をお伺いしながら検討してまいりたいと考えております。
 以上でございます。
   
◆二嶋宣人議員
   御答弁ありがとうございました。
 先ほど市長からイラク戦の話もありましたけれども,逃げ切られないように私もしっかりと食らいついていきたいなと思っておりますので,御答弁のほどよろしくお願いいたします。
 まず,ムスリムインバウンドの推進についてでありますけど,昨年の11月15日から17日の3日間,大森市長と吉備中央町長がムスリムの観光客を呼び込むためにマレーシア,インドネシアの東アジア2カ国でトップセールスをされたと伺っています。この市長のトップセールスは,私も形として目に見えているわけであってよく理解しているわけでありますけども,その後,現地へのフォローがどういった形で行われているのか。こういったフォローは,当然ながら担当部局の方々がしっかりとしていかなきゃいけないなと思っているわけであります。こっちの岡山市の受け入れ体制ももちろんですけれども,こういった岡山市とマレーシア,インドネシアがお互いウイン・ウインの関係になる,また交渉事業が有効に進むためには現地での働きかけが重要な取り組みと思われますが,市長のトップセールス後,担当部局,いわゆる産業観光局だと思いますけれども,現地でどういった働きかけをしてきたのか,その点についてまずお聞かせください。
   
◎山本修司産業観光局長
   昨年の市長トップセールス後の現地へのフォローということでのお尋ねですが,昨年トップセールスの際に現地で訪問した旅行会社を昨年12月と本年1月にそれぞれ視察ツアー,いわゆるファムツアーということで招請いたしまして,直接岡山の商品をごらんいただきいろいろ御意見もいただく,情報交換するとともに,旅行商品の実際造成に向けての協議を進めているという状況でございます。また,3月のマレーシア旅行博で情報交換した旅行会社やこれまで実施した視察ツアーの受け入れ時にコーディネートした現地の旅行会社とは現在でも連絡を取り合っているということで,今後はそういう商品造成に向けた動きを強めていきたいと考えております。
 以上です。
   
◆二嶋宣人議員
   わかりました。旅行会社等々の調整役に丸投げするんじゃなくて,しっかり当局がアンテナを立てて情報収集していただきたいと思いますので,そのあたりしっかりと取り組んでいただきたいと思います。
 他都市では空港等への礼拝スペースの設置であったり,京都市ではイスラム友好観光都市宣言など,ムスリムのニーズを先取りした取り組みの強化が図られています。後発組の優位性を確保することは私自身も容易ではないなと思いつつ,しっかりとウイングを広げてタイムリーな情報を収集してしっかりと分析された政策,KPIを定めてターボエンジンでしっかりとこの施策事業を展開していかなければならないと思っているわけであります。
 ホテル,飲食,旅行業界等を含めてオール岡山体制での連携を検討すべきと考えますが,この点について何か,局長,御所見をお聞かせいただけたらと思います。
   
◎山本修司産業観光局長
   現在でもオール岡山で取り組むための岡山型ヘルスツーリズム連携協議会を設置いたしまして関係業界からの参加を求めているところですが,現在のところ会員数がたしか34団体だったように記憶しております。これから業界を巻き込んでいって全体としてのパフォーマンスを上げていかないといけないと考えておりますので,そのように取り組んでいきたいと思います。
 以上です。
   
◆二嶋宣人議員
   確かに先ほど述べられた連携協議会,34団体ということで市を含めてということでありますけれども,先ほど言いましたようにホテルとか飲食とかこのあたりがまだまだ手薄だと思いますので,しっかりと働きかけをしていただいて会員になっていただくよう取り組みの強化をお願いいたします。
 そして,この項で,観光を地域経済の成長エンジンと位置づけて経済局を産業観光局に改名したと私自身は承知しています。このムスリムインバウンドは,岡山市にとっても試金石になると私自身強く感じています。その点において今後の展開も含めて市長の意気込みをお聞かせいただけたらと思います。
   
◎大森雅夫市長
   先ほど昨年の11月の話がありましたけれども,吉備中央町長さんと一緒に行ったときにある旅行会社に行ったら,どこから来られましたかと言われて岡山と言うと,岡山ってどこですかって。彼の知っているのというのは,1つはゴールデンルート。東京,富士山,京都,大阪と。マレーシアの人たちというのは少しそのゴールデンルートに飽きつつあるという感じは旅行会社のほうからも伝わってきた。しかしながら,その次のステップとして岡山というのにはすぐにはまだ結びついていない。それが今おっしゃる後発部隊。じゃあ,どんな都市の名前が出てきたか。どういうところを今御存じでツアーをやってんですかと言いましたら,1つは北海道でした。北海道は何となく暑いところからそういう雪を求めて行くとかわかりやすいところがあったんですが,もう一つ出てきたのが岐阜という名前なんです。これちょっと意外だと皆さんも思われ……,こういうこと言ったら岐阜の人に怒られるかもしれませんけれども。何で岐阜の名前が出てくるのかというと,毎年のように岐阜の方々が来られて宣伝していかれる。そんな話もありました。だから,私も二嶋議員と全く同様に,ここは粘り強くやっていかなければならないということだろうと思います。
 実はこちらのほうに2度ほどこの1年の間に向こうの行政視察団などが来られまして,いろいろ宣伝をそのときにもいたしました。ちょっと笑い話みたいな話なんですけど,ここでプレーする場所はどこだと言われ,LとRの発音が私ちょっとよくわかんなかったもんで遊ぶところだと思ったら,お祈りする場所のことで,これはストレートにRのほうが正しかったみたいなんです。やはりいろんなハードもあるし,そしていろいろ知名度もある。いろんなことをハード,ソフトともこれからやっていく必要があるんじゃないかなと思います。
 局長が申し上げたようにムスリム人口というのは非常に大きなものになり,かつ富裕層が飛躍的にふえている。そういったことをターゲットに置きながら産業観光局,ちょっと言いにくい名前になりましたけど,そういう局の名前にしたことに恥じないように一つ一つの政策をいい方向に持っていけるようにしていきたいと思います。
 以上です。
   
◆二嶋宣人議員
   ありがとうございました。期待しておりますので,また引き続きこういったことについては私も経済委員長ですので委員会のほうでしっかりと議論していきたいと思いますので,よろしくお願いいたします。
 そして,小学校の教育環境についてであります。
 教育長,どうも御答弁ありがとうございました。成果等々をということで,石井小学校や中央小学校の取り組みを初めとする中で児童の英語に対する興味,関心であったりとか読むこと,書くことに興味,関心が出てきたといった答弁だったと思います。
 では,特色ある取り組みとして実施されてきた,とりわけイマージョン教育の石井小学校であったり,全学年でのALTを取り入れて英語活動している岡山中央小学校,それぞれの成果に対するこれまでの教育委員会としての分析,後追い調査,そういったものについてお聞かせいただけませんか。
   
◎菅野和良教育長
   石井小や中央小についての分析でございますが,昨年度の岡山県学力・学習状況調査を分析しましたところ,外国語活動または英語の授業は好きだった,それから外国語活動または英語の授業はよくわかった,外国の人と英語で会話ができるようになりたい,外国語活動または英語の授業で学習したことは将来社会に出たときに役に立つというような質問項目があるんですが,その項目において石井小,中央小の児童の肯定的な回答は顕著に高くなっております。こうした成果をしっかり広めてまいりたいということもあわせて考えております。
 以上です。
   
◆二嶋宣人議員
   その結果のとおり石井小学校,中央小学校で成果が出てきている。先ほど,そういった中でALTを中心とした英語活動を中心に今後岡山市としては取り組んでいきますよといった答弁だったと思います。
 もちろんALTによる外国語活動も英語のコミュニケーション能力であったり国際性豊かな感性が養われる効果があると私自身も認識はしているわけでありますけれども,英語をシャワーのように浴びる,浸るといったこのイマージョン教育は本市の優位性を高める取り組みであると言っても過言ではないと思うわけであります。だからこそこういう高い成果が得られている中で,イマージョン教育に対してさらに内向きの発想ではなくて外向き,発展的な展開をしていくべきと考えるわけであります。そういった中でどうですかといった質問をしたわけですけれどもちょっとうにゃうにゃとした答弁だったので,そのあたりについてもう少し具体的にイマージョン教育を今後発展的な取り組みにしていくのかどうか,お聞かせください。
   
◎菅野和良教育長
   議員の質問にもありましたが,平成32年度から小学校に英語という教科が入ってまいります。そのことにこれまでのイマージョン教育の成果をしっかり反映させたいということをまず第一に取り組んでいく。そのイマージョン教育の大きな成果は,やはり先ほど議員からも御指摘があったようにALTが常駐していて,もうシャワーのように英語を浴びることもできるし,平素から同じ空間の中に外国人がいるという環境であろうかと思っております。そういった成果を生かして全ての小学校での英語活動の充実を図るということが重要であると考えておりますが,イマージョン教育の実施校をふやすということではなくて,そういった成果を全ての小学校に広げていくということが公平な面からも大切なことではないかということを私どもは考えております。
 以上でございます。
   
◆二嶋宣人議員
   イマージョン教育,公平な英語活動,教育を満遍なく幅広く,幅広くというより薄っぺらくといいますか,幅広くやっていこうというふうな答弁のように私には聞こえてならんわけであります。せっかく成果が出てきたものをあえて,これが岡山市の特色,優位性を高めるための取り組みならば,1校ずつふやしていくとかそういった取り組みが必要だと思います。今,図工に特化した教育だと思いますので,そのあたりも精査しながら,また教科を変えていくなり何なりをした上での取り組みは重要だと思いますが,再度その点についてお聞かせください。
   
◎菅野和良教育長
   決して広く浅くということではなくて,石井小学校が最初にイマージョン教育に取り組んだときにはどの小学校にもALTが派遣されている状況ではございませんでした。先進的に取り組みを始めた。したがって,そのやってきた成果をこれからどんどんほかの小学校にも広めていくというスタンスで取り組んでまいりたいと考えております。
   
◆二嶋宣人議員
   時間も限られていますので,次に行かせてください。
 中央小学校の教室不足についてであります。
 これ,地元からの陳情で分校として旧内山下小学校を活用してもらえませんかということで,市長と教育長のほうに5地区連合町内会のほうから陳情があったと思います。もちろんこの内山下小学校,83年前に建てられたということで耐震の問題であったり,またきょう午前中に森山議員から話がありましたけれども都心創生まちづくり構想であって,岡山市自身もこのいわゆる歴史公園を展開していく,そういった事も進めているということも鑑みますと,最終的にいろんなところでの判断が迫られてくると思っているわけであります。今回,先ほど教育長のほうからも御答弁いただいたわけでありますけれども,市長,いろんな思いでこの4つの学校が統合されて中央小学校になったと。地元要望,さまざまな思いを踏まえた上で今後の岡山中央小学校のあり方について市長自身はこの陳情をいただいた段階でどういうようにお感じになったのか,その点について少しお聞かせください。
   
◎大森雅夫市長
   きょう森山議員にお答えしたように,この11月を一つのめどに今後の進め方,体制などについて整理するということを申し上げたんですが,その背景というのは何なのかというところであります。
 1つは,今まで社会実験というのを少しやってきてそれなりのことがわかってきたというのがあります。それから,もう一つはやはり今の市民会館ですね。市民会館が新しく千日前にできて平成34年度にオープンします。となると,現市民会館,まだそれは固まっているわけではありませんけれども平成33年度に閉じる可能性も非常に高いわけであります。そういったところを考えていくと,もうそろそろ恒久的に何かするかということを考えていかなければならないだろうと思った次第であります。
 旧内山下小学校の使い方でありますけれども,今おっしゃったように耐震上の問題があり,そしてこの地面には相当武家屋敷等々が埋まっているという状況が一つあります。あとは,連合町内会長さんたちが来られたように,都心に多くのマンションができ,子どもたちがふえてきている。したがって,当初の中央小学校の見込みとはちょっと変わってきているという現状もあるわけであります。
 じゃあ,それら全体を勘案しながら,小学校の将来像については,教育委員会からいろんな数字,そして彼らの肌感覚も含めたさまざまな情報をいただきながらこのあたりの像を描いていかなきゃいかんというようなことであります。連合町内会長さんたちの御発言というのは非常に重く受けとめますけれども,あとは岡山城全体のそういう歴史性みたいなものを生かしたまちづくりということもあるでしょうし,いろんなことを考えながら総合的に判断していきたいと思っております。
 以上です。
   
◆二嶋宣人議員
   ぜひ丁寧な対応をよろしくお願いいたします。
 本庁舎建てかえについてであります。
 いつもながら同じような答弁ありがとうございました。(笑声)岡山県を引き合いに出して申しわけないのですが,岡山県はこの3月に県庁の本庁舎本館と議会棟旧館について事業費,工費を試算して本年度中に基本計画を策定して,2020年度以降に耐震改修の着工を目指す基本方針を示されました。改修ゆえにいろいろな課題もあるとは思いますけれども,この改修着工時期など具体的なものを示したということはある意味一歩踏み込んだ基本構想であるわけで,形ができたということで私自身は評価しているわけであります。
 まず,本市においての中層建てかえの優位性が高いと示されて以降,どういった検討,例えば建築用地であったり時期なども検討されたとは思いますが,新たな動き,取り組みについてお聞かせください,局長。
   
◎河野広幸総務局長
   二嶋議員からの御質問でございますが,本市としましては市民生活に大きな影響があり早急な対応が必要なものの整備,これを優先するとしております。それから,財政状況,そのあたりを踏まえながらその後の状況の変化なども考慮して慎重に検討する必要があるということでございます。
 以上でございます。
   
◆二嶋宣人議員
   結局は余り何も検討していないとしか私には聞こえないんですけれども,民間をいろんな意味で耐震云々くんぬん指導する立場は行政にあるわけじゃないですか。民間に指導する立場である行政がこういった形で具体的なものも示せないという話じゃいかんと思うわけであります。
 市長,この本庁舎建てかえのタイミングであったりとか優先順位,優先順位という話をされていますけども,こういった点も踏まえて本庁舎の建てかえ構想について市長自身の御所見,思いを聞かせてください。
   
◎大森雅夫市長
   昨年度末ですかね,本庁舎の耐震の結果を,さまざまなほかの岡山市内の特定の建築物という表現が正確かどうかわかりませんけど,とともに出させていただきました。そういう面では全く耐震性が備わってないという結果が出て,これは予想されたことですけれども非常に残念なことだと思います。そういう面ではやはり耐震上,規定をきちっと我々のほうもクリアできるような,そういったものにしていかなければならないというのは一つございます。
 今,総務局長が言っていたのは,当然ながら財源には限度がありますと。ということでまずは避難場所ともなる学校の耐震化を急いでやりましょうということで来ているわけであります。そういうところで学校の耐震化も大分整理ができつつあるわけであります。これから耐震上問題のない本庁舎をどうするかということは今後考えていかなければならない話だと思っています。
 その最大の問題というのは,やっぱり財源の問題があると思うんです。我々,これからの岡山市民に決して迷惑をかけてはならないという整理のもとにどういう予算編成が可能なのか,財源の整理ができるのか,もろもろのことを考えながら一定の結論が出た段階でまた御相談し,発表もさせていただきたいと思っております。
 以上です。
   
◆二嶋宣人議員
   ありがとうございました。財源の問題もある。迷惑かけちゃいけん。それはもちろん市民の方々に対して当たり前のことであります。しかし,市民サービスが停滞するという迷惑もかけちゃいけんということも念頭に置いてしっかりと前進させていっていただきたいと思いますので,よろしくお願いいたします。
 そして,続きましてこの吉備線LRT化についてであります。
 これも先ほどと同じように平成15年度からの構想で,はや15年目ということでいろんな意味で記念すべき年数が流れてきたわけでありますけれども,大森市長就任後,こういった動きをしっかりと改善させていこうといったところで私自身地元の議員として期待しているところであります。昨年5月の3者会談以降,難航している役割分担,費用負担,そういった答弁だったんですけども,少しでも話が進んでいるのか,それとも停滞したまま今の現段階に来ているのか。ちょっと意地悪な質問かもしれませんけども,担当局長,お答えください。
   
◎鹿子木靖都市整備局都市・交通・公園担当局長
   御質問のLRTの事業化に際しての事業費ですとか,あるいはイニシャル,ランニングを含めたコストですとか,あるいは需要予測について,まさに今検討を進めているところでして,詳細な検討を進めているという状況でございます。
 以上でございます。
   
◆二嶋宣人議員
   じゃあ,需要予測について詳細に検討しているということですけども,その需要予測とはどういったものでしょうか。
   
◎鹿子木靖都市整備局都市・交通・公園担当局長
   LRT化後の新しい交通サービスに基づいて,あるいは駅周辺のまちづくりですとかそういう整備をしたことを前提に,将来の人口予測も踏まえてどの程度乗客数が変化するか,そういう予測に取り組んでおります。
 以上でございます。
   
◆二嶋宣人議員
   じゃあ,もう一つ意地悪な質問になるかもしれませんけれども,検討を長期化させないために本年度中に一定のめどを立てるということは,実現に向けてのめどを立てると私自身理解してよろしいんでしょうか。
   
◎鹿子木靖都市整備局都市・交通・公園担当局長
   御質問のどういうめどかということでございますけれども,現在は吉備線LRT化の実現に向けていろんな検討の精度を上げているというところでございます。
 以上でございます。
   
◆二嶋宣人議員
   それだけでも聞けたので,次の項目に移らせていただけたらと思います。
 東京五輪・パラリンピックの事前合宿の誘致について。最後の項目であります。
 市長から御答弁もいただきました。経済交流,経済政策,広島県とは多少土壌が違うのかもしれませんけども,そういった視点があるのかどうか,視点を持っていくのかどうかといったところが私自身大事だと思っているわけであります。そして,このスポーツを通じた地域の活性化,産業育成等は成長戦略の一つでもあって,岡山市もこのことは認識されていると思っています。岡山市にはファジアーノがあってシーガルズもある。こういったバックグラウンドがそろっているわけでありますけども,このスポーツに関して政策的な戦略を今後さらに深めていく必要があるのではないかと私自身感じているわけでありますけれども,市長の御答弁を最後いただきまして,私の質問とさせていただきます。
 よろしくお願いいたします。
   
◎大森雅夫市長
   最後の質問,私じゃないと思って少し油断しておりましたけれども。
 でも,スポーツっていいですね。昨年,ファジアーノがJ1に昇格しそうで最後の最後でセレッソ大阪に負けましたけども,その過程で本当に岡山が一つになったんじゃないかなと思っております。そういう面で,やっぱりスポーツ振興に力を入れていくというのは,もちろん心身の健康にもプラスですし,そういうきずなを強めていくといったことにもなりますし,私はスポーツに対してこれからも大きく力を入れていくべきだろうと思っております。担当も市民生活局中心でやっていますけれども観光にも影響してくるわけですから,産業観光局もあわせてみんなで進めてまいりたいと思っております。
 以上です。