平成29年 2月定例会 - 3月2日

◆二嶋宣人議員
   皆様こんにちは。自民党の二嶋宣人でございます。
 傍聴席の皆さんこんにちは。本当にきょうはありがとうございます。
 それでは,早速ではありますけれども,質問に入らせていただきます。
 1,岡山市総合交通計画の策定に当たって。
 先日,私は岡山大学の授業にゲストとして参加し,学生の方と岡山市の公共交通,スポーツ,子育て,教育,観光等,幅広いテーマで意見交換させていただきました。学生の皆さんの率直な意見は,まさに市民の直接の声であり,改めて気づかされることがたくさんありました。
 まず,そこで議論した交通政策について,幾つかお尋ねさせていただきます。
 (1)乗り場が分散していてわかりにくかった岡山駅東口バス乗り場が方面別化されたものの,市全域を見渡すと複雑なバス路線網や不統一な停留所,運賃支払い方法,回送バスなど,まだまだ見直しの余地がある状況と言えます。この点については,バス事業者間の連携が必要不可欠でありますが,岡山市の交通政策としてはどうあるべきとお考えでしょうか,御所見をお聞かせください。
 本市は,新たな岡山市総合交通計画(仮称)の策定に取り組んでおり,これまでの計画や戦略になかった生活交通の確保,シェア型交通システムを新たに推進する取り組みを掲げています。
 そこでお尋ねいたします。
 (2)総合交通計画の策定に当たり実施した市民ニーズ調査の結果と,そこから見えてきた新たな課題,公共交通不便地域の状況等についてお聞かせください。
 さて,平成27年4月,経済産業省が公表しました結果では,国内に700万人もの買い物弱者がいると推計されています。実際,私の地元でも,公共交通を利用したくても利用できない足が不自由な高齢者の方がふえてきており,近くにコンビニでもあればといった切実な声も伺っています。
 北九州市では,買い物が難しい地域を色分けした買い物環境マップを作成したり,札幌市では大手コンビニとの提携により移動販売事業を展開したり,和気町ではコンビニなど町民ニーズの高い特定業種への支援など,暮らしの基本となる買い物支援に力を入れる自治体がふえてきています。
 そこでお尋ねいたします。
 (3)本日皆様方のお手元にお配りさせていただいておりますけれども,農林水産省が作成した各都道府県の食料品アクセスマップでは,本市の生鮮品販売店舗まで500メートル以上の人口割合が高い周辺地域等が目立ちます。そこでまず,本市内の買い物弱者地域の現状をどの程度把握されていますか。また,これまで調査等を実施したことはありますか。
 (4)本市は地域ボランティアの方や民間事業者が配食する給食サービスを実施していますが,果たしてこの取り組みだけで買い物弱者対策は十分と言えるのでしょうか,御所見をお聞かせください。
 また,昨年6月議会で保健福祉局長は,買い物弱者の課題に対し各地域の地域ケア会議などを通じて把握に努めるとのことでしたが,その後どういった課題が抽出されましたか。
 (5)先日,市街化調整区域にコンビニをつくろうとしても開発規制により実現できなかった話を伺いました。もちろん都市計画法第34条によって市街化調整区域で許可される用途が定められ,これに適合しなければ開発許可がおりないことは重々承知しています。しかし,とりわけスーパーマーケット空白地帯となり得る市街化調整区域では人家も減少しており,買い物弱者にとっては厳しい規制とも受け取れます。規制緩和の見直しはできませんか。
 (6)超小型モビリティー,オカモビについてお尋ねいたします。
 昨年実施された企業モニター利用実験と公共交通乗りかえ利用実験を通しての評価,検証についてお聞かせください。
 (7)市中心部だけでなく,道幅が狭い住宅地などへの有効活用も視野に入れていると伺っていますが,今後の展開,周辺地域での活用などについて具体策があればお聞かせください。
 次に,吉備線LRT化についてですが,前議会で都市・交通・公園担当局長から岡山市,総社市とJRで役割分担,費用負担について検討を長期化させないためにも来年度中に一定のめどを立てるとの答弁をいただき,期待しているところであります。
 また,吉備線LRT化に対し,沿線地域の連合町内会との意見交換を開始したとも伺っています。直接地域の声を聞くことは大切なことであり,引き続き丁寧な対応をお願いいたします。
 そこでお尋ねいたします。
 (8)検討を長期化させないためにも,次回のトップ会談,検討会議の開催日,素案策定について市が考える全体のスケジュールについてお聞かせください。
 (9)新年度の当初予算案ではLRT化後の施策展開の検討をしていく方針が示されていますが,どういった施策,取り組みを想定し,検討していこうとしているのでしょうか。
 (10)やはり気になるのは試算されている多額の初期投資額175億円,年間運行経費約8億円と現在のJR吉備線の経営状況です。期待の反面,不安もあります。御所見をお聞かせください。
 (11)施策展開の検討を機に,沿線地域の生活交通の確保,鉄道の利用環境改善策を探る意味でも何かしらの実証実験を同時に進めることは有効と考えます。例えば一宮駅,高松駅などでパーク・アンド・ライド,バスライドなどの実証実験をしてはいかがでしょうか,御所見をお聞かせください。
 2,ごみ収集について。
 先日,市民の方からごみ出しはどうして朝なのか,夜のうちに済ますことができれば楽だし効率的なのに,足が不自由なためごみステーションまで歩いていくのが大変などといった御意見をいただきました。確かに言われることには一理あると思われます。
 そこで,他の自治体の取り組みについて調べてみました。福岡市は,1961年ごろから交通渋滞の回避を目的とし,夜間のごみ収集を開始しました。効果としては,ごみ袋をあさるカラスも夜は眠っており,ごみの散乱が減少したとか,夜にパッカー車が巡回することで防犯,防災にも役立っていることなどが挙げられています。
 また,パッカー車が入れない道が狭い地域や集合住宅を除き,住宅では1軒ずつ玄関先の路上に出されたごみを収集し,このことでごみの出し主が明確になり,きちんと分別するルールが徹底されるようになったとのことです。
 夜間作業のため,コストがかかるという課題もありますが,この夜間収集の取り組みは平成27年度の福岡市民アンケートでは97.3%,戸別収集は90.2%もの高い満足度を得ています。この福岡市の取り組みは,ちょっとした工夫でよりよい効果を生み出す取り組みの一つと言えるでしょう。
 さて,本市における可燃ごみ等のふれあい収集事業は,足守地区から始まった平成15年度からは13年,対象区域を市内全域に拡大した平成24年度からは4年が経過しました。人口減少,少子・高齢化が進展し,市民ニーズが急速に変化していく今だからこそ,限定された方を対象としている可燃ごみ等のふれあい収集を含め本市のごみ収集のあり方を検証し,見直すべきではないでしょうか,御所見をお聞かせください。
 3,待機児童について。
 (1)小規模保育事業の利用を考えた際,3歳以後の転園による加点があるとはいえ,確実に転園できるかどうかわからないので,利用申し込みを諦めたという声を伺いました。今後,本市がこの事業をさらに推進していくのであれば,そこを確実に担保すべきではありませんか。
 また,小規模保育事業の受け皿となる連携保育園へのさらなるインセンティブも必要と考えますが,対策を含め御所見をお聞かせください。
 (2)平成29年4月1日現在,保育の受け入れ枠919人拡大のうち事業所内保育園は3園,103人です。市の財政状況や少子化を見据えると,民間の力は必要不可欠です。現段階での市内の事業所内保育園整備の動きをどのように把握されていますか。
 また,事業所による保育園整備のため,中心部等にある市所有の土地や建物を貸し出すなど,岡山市みずからが流れをつくる,事業所にさらなるインセンティブを与えることは必要と考えますが,本市の方針をお聞かせください。
 4,岡山市認定在宅介護対応薬局について。
 この認定事業は,平成25年度からスタートしました。現在,市内に334ある保険薬局のうち,届け出で在宅訪問可能な薬局数は186あり,平成27年度に認定を受けた薬局は79であります。
 超高齢社会となり,在宅における多職種の連携による医療提供が求められる中で,薬剤師の方は患者宅に出向いて服薬管理を行う訪問指導に日々努めてくださっています。
 そういった中で,現場からインセンティブがないため認定されていない薬局と余り変わらない,認知度が低いなど,認定事業における成果,効果が実感できないとの声も伺っています。新年度からさらにこの事業の充実を図るためにも,現場の方の取り組み強化はもちろん,本市におけるこれまでの成果や課題を検証し,市ができること,なすべきことを新たに探るべきではないでしょうか,御所見をお聞かせください。
 以上をもちまして1回目の質問を終わらせていただきます。(拍手)
   
○宮武博議長
   当局の答弁を求めます。
   
◎大森雅夫市長
   それでは,二嶋議員の御質問にお答えいたします。
 私は,超小型モビリティーの話をさせていただきたいと思いますが,ことしは中心部でやりましたけども,結構利用の度合いが高いというような結果が出ております。二嶋議員と同じように,私もこれは周辺部で結構有効なんじゃないかなあと思っています。
 岡山の相当数の町って結構道が狭いままで,なかなか拡幅もできにくいというようなところが多いです。そこでこういう超小型モビリティーを使っていくと,非常に利便性が高まるのではないか。今までもそういう話も申し上げていたんですが,岡山大学とか,トヨタとか,うちのスタッフもまずは順を追ってやりましょうということでこういうふうになったんですけど。今回,最後の質問で出ています在宅介護の問題とか,在宅医療の問題とかでこういうオカモビは結構使えるんじゃないかなあと思っているところであります。具体的にどうやっていくのか,これから相談しながら来年度の事業としてやっていきたいと思いますけれども,有効な活用策になればと思っております。
 以上です。
   
◎森安浩一郎保健福祉局長
   岡山市総合交通計画の策定にあたっての項,買い物弱者の地域の現状調査,それから対策について地域ケア会議でどういった課題が抽出されたかというお尋ねにお答えします。
 来年度の第7期高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画の策定に当たって昨年11月,高齢者の生活実態調査を行い,その中で買い物,家事,移動,外出といった日常生活動作の自立の観点から自分で食料,日用品の買い物をしているかについてお尋ねしており,現在これを集計作業中です。
 また,地域ケア会議においてケアマネジャーや地域包括支援センター職員から出された課題としては,買い物に出かけることにも関連する移動手段の不足が挙がっています。生活支援サービスとしては,ボランティアや民間事業者が配食する給食サービスを初め買い物を代行するホームヘルプサービスや民間事業者による食料品の個別宅配,移動販売などもあると承知しております。
 今後,調査結果等を参考にして関係部局と協議しながら高齢者の生活支援のあり方を研究してまいりたいと考えています。
 以上です。
   
◎大杉誠都市整備局長
   同じ項,市街化調整区域のコンビニ等小売店舗の規制緩和についてお答えいたします。
 市街化調整区域におけるコンビニ等小売店舗の開発立地基準としては,申請地を中心に半径1キロメートル以内に135戸以上の人家または申請地を含む半径1キロメートル以内に200戸以上の人家を有することとしており,ほとんどの既存集落近辺において立地可能となっております。しかしながら,今後ますます高齢化が進み人口減少が見込まれる中で,周辺部では小売店舗の立地基準に満たない地域もふえてくることが想定されることから,議員御指摘の規制緩和について研究してまいりたいと考えております。
 以上です。
   
◎鹿子木靖都市整備局都市・交通・公園担当局長
   同じ項,まずバス事業者間の連携が必要ではとのお尋ねですが,市内では7社のバス事業者が運行しており,それぞれが比較的安い運賃設定や快適なバス停整備など,多様なサービスを提供している一方で,議員御指摘のとおりバス路線の重複や不統一な停留所など,利用者にとってわかりづらい面があります。
 こうした中,市内の路線バス全体の利便性向上を図るため,岡山駅東口広場におけるバス乗り場の方面別化やデジタルサイネージの設置,バスロケーションシステムの導入など,事業者とともに取り組んでおり,また現在進めている総合交通計画の検討の中でもバス事業者との協議を密にする必要があると考えております。今後とも,事業者とともに利用者の視点に立ってバス全体の利便性向上に向けて取り組んでまいりたいと考えております。
 次に,市民ニーズ調査の結果についてですが,総合交通計画の検討に当たり昨年12月に交通行動の把握のためのアンケート調査を実施し,約6,900名の市民から回答を得て分析を進めているところです。
 現時点での主な分析結果としては,ふだん自動車を運転する方の中で全世代にわたって20%前後の方ができれば運転したくないと回答し,また75歳以上のうち26%が運転免許を返納したいが移動手段がなくなるのでできないとしております。
 生活環境の不安に関する質問では,岡山駅からの距離が15キロメートル以上離れた居住者では,3分の1の方が日常の生活施設の減少やバスの減便,廃止を不安の要因に挙げており,年齢別に見ると65歳以上のうち2割強の方が頼れる家族や知人の減少やバスの減便,廃止を要因に挙げています。今後,詳細な分析を進めていく中で市民のニーズを的確に把握し,その実現に向けた具体的な取り組みについて総合交通計画に反映してまいりたいと考えております。
 次に,超小型モビリティーの昨年実施した実験についてですが,まず企業モニターの実験は一般企業3社,薬局2社の計5社に利用していただき,駐車時や狭い路地の通行にメリットを感じていただきました。一方,一人乗り,エアコンがない,車両価格が高いなどにより積極的な購入には至らないという意見もあり,企業への導入,活用に当たっては課題もあることがわかりました。
 次に,公共交通乗りかえ実験は2カ月間無料で実施し,1日平均7回程度の利用があり,そのうち約3割の方は複数回利用され,日常生活における移動手段としての活用可能性がうかがえる結果となりました。また,利用者は車を所有から共同利用することへの意識,人数や距離に応じた移動方法のあり方を考える意識が高くなり,公共交通と組み合わせることによる移動の利便性向上,立ち寄り先の増加などに効果があるという意見も多くいただき,日常生活の移動手段の一つとしての可能性があることが確認できました。
 次に,吉備線のLRT化について,まず今後のスケジュールと費用面の試算についてですが,昨年5月に岡山市長,総社市長,JR西日本岡山支社長で3者会議を開催し,初期投資額が約175億円になるのではないか,事業化した後の運行経費が約8億円になるのではないかとの試算も出てきたため,コスト縮減を図りながら事業費を精査した上で,3者で役割分担や費用負担について検討していくことといたしました。
 現在は,総社市,JRと連携してイニシャルやランニングの費用面について詳細に詰めているところであり,その後現状の吉備線の赤字の経営状況も踏まえて基本計画の根幹となる役割分担や費用負担について,来年度中にも一定のめどを立てることとしております。その際には3者会議で確認,協議するとともに検討会議にもお示ししたいと考えております。
 次に,LRT化の新年度の予算案とパーク・アンド・ライドなどの実証実験についてですが,吉備線LRT化の検討に当たっては,人口減少や高齢社会が進展する中,コンパクトでネットワーク化されたまちづくりを実現するため,公共交通ネットワークの充実と沿線のまちづくりを連携させて取り組んでいく必要があると考えております。このことから,来年度は周辺の人口や土地利用,施設の立地,文化・観光資源の分布等の状況を踏まえ,LRT化を軸として他の交通との組み合わせを考慮した交通ネットワークとともに,主要な駅周辺に都市機能や居住の緩やかな集積を図るなどの今後のまちづくりについて検討してまいりたいと考えております。
 議員お尋ねの実証実験については,スペースの確保やバス事業者の協力などが必要であり,LRT化の検討の熟度に応じて対応を考えていきたいと思います。
 以上でございます。
   
◎山上晃稔環境局長
   2,ごみ収集についての項,可燃ごみ等ふれあい収集を含めごみの収集のあり方を検証し見直すべきではないかとの御質問を頂戴いたしました。
 岡山市では,市民の満足度が高いごみ収集ができるよう,平成8年に5種分別を全市域で実施し,現在は5種18分別まで分別を拡大しています。また,平成13年開始の粗大ごみの戸別収集や平成26年開始の資源化物の月2回収集など,継続的に改善を実施してきました。
 議員御指摘のふれあい収集につきましては,平成24年度から全市域で実施しておりますが現在,2025年問題に対応すべく先進事例の研究やニーズ調査を行っての実態の把握に努めておりますので,これらの結果を検証し,実情に合った市民満足の高い収集を目指して福祉部局と協議しながら検討してまいりたいと考えております。
 以上でございます。
   
◎田中克彦岡山っ子育成局長
   待機児童についての項,小規模保育をさらに推進するのであれば確実に転園できることを担保すべきでは,また連携保育園へのさらなるインセンティブも必要ではというお尋ねでございます。
 小規模保育事業を認可するに当たり,保育園などの連携先が必要とされておりますが,現在待機児童が多いことから,連携先が確保されていない場合でも認可できる特例が設けられており,連携先が確保された施設は半数程度となっております。このため,本市では連携施設がない場合の優先利用のため,利用調整の際に5点の加算点を設けて対応しております。
 今後,小規模保育事業の募集に当たっては,連携先の確保にこれまで以上に協力していくとともに,現在連携先が確保されていない施設につきましても,公立,私立にかかわらず,3歳以上児をより多く受け入れることができる施設である認定こども園に対し,連携先になってもらえるよう働きかけてまいりたいと考えております。
 次に,事業所内保育園整備の動きをどう把握しているか,また事業所における保育園整備のため,さらなるインセンティブを与えることが必要と考えるがどうかとのお尋ねです。
 これまで事業所内保育事業は,主に企業等で働く従業員の福利厚生を目的に自主財源により運営されてきましたが,子ども・子育て支援新制度の施行により,地域の子どもの受け入れを条件に,新たに認可事業とされました。現在のところ,開設等の問い合わせに個別に対応しておりますが,その動向につきましても把握に努めているところです。
 また,国は平成28年4月から独自に事業所内保育事業と似た仕組みの企業主導型保育事業者の募集を開始しており,既に市内で開設されたところもあり,今後もふえていくものと考えております。
 今後,女性の社会進出が進み,多様な就労形態に対応した保育サービスを拡大していくためには,事業所内保育事業や企業主導型保育事業などをさらにふやしていく必要があると考えておりますが,事業者からの相談があれば必要となる情報の提供など,開設に向けて必要な支援を行ってまいりたいと考えております。
 以上です。
   
◎森安浩一郎保健福祉局長
   岡山市認定在宅介護対応薬局についてのお尋ねです。
 岡山市認定在宅介護対応薬局事業については,市薬剤師会と連携して取り組んでおり,認定事業指定研修会等への参加を通じて在宅を支える医師,看護師等の専門職の皆様と顔の見える関係がつくられ,お互いに協力しながら在宅療養を支える素地ができつつあるとの声をいただいております。
 一方で,訪問活動に十分結びついていないことから,広報紙やホームページでの周知や地図情報を在宅医療・介護にかかわる専門職向け研修会等で配付することで市民を初め医師,看護師等の専門職の皆様に在宅療養に係る薬局の役割を認知していただけるよう,市薬剤師会と協働しながら取り組んでいるところです。
 今後は,これまでの広報活動に加え,福祉区単位や中学校区等のより身近な地域で認定薬局の薬剤師と医師,看護師等の専門職とのマッチングの場をつくるなど,在宅ケアにつながっていく取り組みを進めてまいりたいと考えています。
 以上です。
   
◆二嶋宣人議員
   御答弁ありがとうございました。
 それでは,順次再質問に入らせていただきます。
 まず,総合交通計画の策定に当たっての項でありますけれども,本市が目指すコンパクトでネットワーク化された都市づくりを推進する上でも,この総合交通計画は非常に重要な役割を担ってくるのだろうと思っています。
 しかし,現実的には拠点と拠点を結ぶ公共交通との利便性を短期間で一気に高めるということはやっぱり至難のわざであって,そういったことを鑑みるとまずは周辺地域における拠点機能の充実を図ることが重要であり,その中でも暮らし,生活の基本となる食,いわゆる買い物支援は拠点機能の充実につながる重要な取り組みの一つと言っても過言ではないと私自身は思っているわけであります。
 そういった中で,経済産業省が買物弱者応援マニュアルによって支援方法を幾つか掲げています。特に私は3点気になる点がありまして,まず1つ目として,家まで商品を届ける。2つ目は,近くにお店をつくる。3つ目は,家から出かけやすくする。この3点が大きな課題イコール対策となると私自身思っているわけであります。先ほど,保健福祉局長からも答弁いただきましたけれども,今本市では自宅で調理が困難な方などに対して給食・配食サービスをやっている。つまり,家まで商品を届けるといったところは充実している。しかし,サービスの偏りがあるとも伺っています。
 じゃあ,実際この給食・配食サービスは今どの程度本市で行われているのか,民間がどの程度カバーしているのか,そのあたりについてお聞かせください。
   
◎森安浩一郎保健福祉局長
   地域的にはほぼ全市的に民間事業者もしておりますし,配食サービスのほうも全市を対象に提供しております。
 以上です。
   
◆二嶋宣人議員
   偏っているという市民の声があるから聞いているんです。
 じゃあ,具体的な数はいいですけれども,その調査の結果はまだ集計中という話だったと思うんですが,どういったところでそういったことが把握できているのか,お聞かせください。
   
◎森安浩一郎保健福祉局長
   配食サービスのほうはもう全市を対象に行っています。それから,民間事業者のほうはいろんなサービスの形態がありますので,どういうところでどの程度行っているか,全てを把握しているわけではございません。これからも先ほどの高齢者の生活実態調査結果等も踏まえていろいろ研究,調査してまいりたいと思います。そういう把握をした上で,今後第7期高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画等で検討していきたいと思います。
 以上です。
   
◆二嶋宣人議員
   私は昨年の6月議会でもこの買い物支援について触れさせていただきましたけれども,結局今になってもそのあたりがしっかりと精査できていないとか,検証ができていない状況の中でニーズ調査をしましたと,これからですというような話でした。この給食・配食サービスというのは局長も言われましたけれども,とりわけ介護等が必要な方に対する取り組みという意味合いが強いような感じで私は捉えています。
 これから高齢化が加速する中で,要はそれ以外の方,病気もなく元気な高齢者の方々に対してのいわゆる買い物支援というのが必要なんじゃないかなという意味で今回質問させていただいたわけであります。今この配食サービスが過度に偏ってしまっては,結局家から出かけなくなったりとか,孤食傾向を高めたりとか,自立度を低下させる可能性が高くなってくると思われます。
 各地域での地域ケア会議では,地域の要援護者の方に対するアドバイスや検証,いわゆる限られた中での会議だと聞いております。先ほども都市・交通・公園担当局長からの話もありましたけれども,75歳以上の方のうち26%でしたか,運転免許証を返納したいけれども公共交通等々の足の確保で不便を感じるから返納できないと。そういった状況も鑑みると,高齢化に伴って足は多少不自由,でも病気もなく元気な高齢者の方々,つまり動ける人への取り組みをしっかりととっていくことが求められてくると思います。
 そういった方々に対して,最初の質問でも述べさせていただきましたけども,生活する上で基本となる食,この買い物への本市の支援というのは現段階で私が感じる限りでは不十分と言わざるを得ません。まずは,その点をしっかりと調査した上で対策をとっていかなきゃいけないということであります。昨年に調査をしてこれから検証していくということでございますので,今後この点についてはまた結果が出た段階でしっかりと議論していきたいと思います。
 だからこそ,この結果を受けて一つ提案です。家から出かけやすくするという取り組み,今岡山市が健康寿命の延伸だったり,医療費を抑制していくといった取り組みをしっかりとしていかなきゃいけないというような話をしているわけでありますけれども,例えば先ほどの民間事業者によるサービス提供についての質問に局長もきちっとした具体的なところが答えられないということは,市民の方々にもしっかりとそういった情報が行っていない可能性もたくさんあると思います。だからこそ,経済産業省はそういった買物弱者応援マニュアルというのを作成しているわけであります。例えば,岡山市も民間事業者でこういったところがこういったところで宅配をやっていますとか,いろんな移動販売をやっていますとか,そういったものを一つにまとめたマニュアルを作成して,ぜひ行政がもっと民間と提携した取り組みを実施していくべきだと思いますけれども,保健福祉局長,御所見をお聞かせください。
   
◎森安浩一郎保健福祉局長
   今,二嶋議員からも御提案がありましたけども,地域での支え合い活動の中でこれから地域資源のマップとか,地域資源の活用とかに取り組んでいくということを考えておりますので,その中には,やっぱり買い物の支援も含まれてくると思います。地域での取り組みなども紹介しながらこの辺については検討してまいりたいと考えております。
 以上です。
   
◆二嶋宣人議員
   よろしくお願いいたします。
 続いて,コンビニの開発許可規制の件で,都市整備局長,ありがとうございました。前向きな答弁だと私は捉えておりますから,ぜひよろしくお願いいたします。
 1件だけ,これも要望になるのかもしれませんが,申請地を中心として半径1キロメートル以内に135戸以上の人家,または申請地を含む半径1キロメートル以内に200戸以上の人家があることが基準ということでありますけれども,そういったところというのは人家が少なくなってきていますので,例えば建築計画予定の住居の場合はカウントできるとか,そういった規制緩和はあってよしだと私は思っております。そこのあたりをしっかりと進めていっていただきたいと思いますけれども,御所見をひとつお聞かせください。
   
◎大杉誠都市整備局長
   先ほども申しましたように,そういういろんなケースを県内の開発許可権者や,中四国のそういう許可権者の関係の検討会議等を活用して協議の場に上げるとか,他都市の状況を参考にしながらどういったことができるのか,どういった方法があるのかということを研究してまいりたいと思います。
   
◆二嶋宣人議員
   この買い物弱者を通しての話でいろいろと質問させていただきました。
 市長,先日の自民党の代表質問の中で夢ある岡山市をどう進めていくかということで,独善に陥ることなく市民の声に耳をしっかりと傾けて時代の流れを的確に読んで,責任を持って市政を進めていくということで,力強い答弁だったと思うわけであります。この関連のやりとりを聞いていただいて,市長のところにもお配りさせていただいておりますこの農林水産省が作成した食料品アクセスマップがありますけれども,結局もうこの買い物弱者地域というのはもう周辺地域だけの話じゃなくて,まさに岡山市もこういった生鮮品販売店舗までの距離が500メートル以上離れているような状況が多い中で,やっぱり生活の中心となる買い物というのは,ここに特化したものをしろというわけじゃないにしても,これはすごく大きな課題になってくると思うんです。
 市長が目指すのは,コンパクトで拠点機能を高めたまちづくりということでありますので,この拠点機能を高めるためにもこの買い物支援の必要性について,市長自身はどのように考えているのか,率直な意見を少し聞かせていただけたらと思います。
   
◎大森雅夫市長
   今,中山間地域を初めとして人口の減少というのがやはりちょっと目立ってきているところであります。そういうことからいくと,当該地域の面の密度がだんだんと低くなってきている。したがって,それを本当はまとめていく,誘導していくというのが重要だと思うんですけど,それは皆さんそれぞれの思いがあって,先祖伝来の土地などいろんなものがあります。そう簡単にいく話ではないと思います。
 そういう面では,そういう人たちの声に十分配慮して,いろんな施策は打っていかなければならないと思っております。したがって,生活交通の問題,今買い物弱者の話もありましたけれども,一つ一つきちっと整理して,前につなげていきたいと思っております。
 以上です。
   
◆二嶋宣人議員
   ぜひよろしくお願いします。
 続いて,超小型モビリティー,オカモビの件で市長からも御答弁をいただきました。そして,都市・交通・公園担当局長のほうからも御答弁いただきました。
 今回,中心市街地の実験等々を通して1日平均7回程度利用されていて,有効な手段であるということで私もうれしいなと思っているわけでありますけど,今後道が狭い周辺地域等々に展開していくことを想定して新年度に事業としてやっていきたいと。もう少しちょっと踏み込んだ答弁が欲しかったなと思ったわけでありますけど,今後の展開として周辺地域,道が狭いところというふうな答弁だったんですが,例えば中山間地域であったりとか,例えば先ほど少し話が出ましたけど犬島とか,そういった離島も選択肢として考えていけるのかどうか。そこのあたりについて市長はどういうふうに考えられているのか,御答弁いただけたらと思います。
   
◎鹿子木靖都市整備局都市・交通・公園担当局長
   超小型モビリティーの今後の具体的な活用方法ということでございますけども,先ほども申しましたとおり来年度でいいますと,公共交通等の乗りかえのシェアリングシステムをさらに充実させてやっていきたいなと考えているのと,あと周辺部につきましては特に道の狭いところですとか,あるいは駐車スペースがないところですとか,そういうところでの活用を今具体的に考えているところでございまして,離島とか中山間地域とか,そういうところについても活用可能性をまだ全て固めたわけではありませんので,参考にして考えてまいりたいと思います。
   
◆二嶋宣人議員
   ちょっと時間に限界があるんですけれども,ふれあい収集について1件だけお願いします。
 これからいろいろと検討していかなければいけないという中で,今岡山市がやっているふれあい収集は要介護3以上など,当然と言えば当然の取り組みであって,むしろ超高齢社会を迎えた今,岡山市の地域の現状であったりとか,実情に見合った十分な取り組みとは言えないように私自身感じているわけであります。
 今,本市では市直営でごみ収集する地域では,パッカー車がごみを収集した後に責任者の方が見回りに出ていると思います。そういった方々が,ごみ出しに苦労されている高齢者の方々の自宅前に出されたごみを少しでも回収することは私は可能だと思います。そういったことについても取り入れていただきたいと思いますけども,そういった取り組みができそうですか,できそうではないですか。環境局長,お答えください。
   
◎山上晃稔環境局長
   特に,今直営のほうでは直営部隊がパッカー車で回った後,ごみの出し残しがないかということで回っているわけなんですけれども,そういった後に回る部隊がふれあい収集のごみをいただくということは可能ですし,現にやっているところもございます。
 総体的に言いますと,今の基準でいくと数が少ないわけですけれども,恐らく潜在的に必要とされる方は多いであろうということで,どういったやり方があるのか。実際,このごみ出しについては,ごみステーションまで運んでいっていただくという自助,それを公助としてパッカー車が運んでいくということなんですけど,そういったものにこれからは幾らか共助というものを入れていかないと全体をカバーできないのではないかなと。そういったところも含めて今調査研究しているところでございます。
 以上でございます。
   
◆二嶋宣人議員
   待機児童についてです。
 岡山っ子育成局長から小規模保育事業のお話をいただきました。加点しているということでしっかりと対応していますよと。ならば,それでも小規模保育事業を敬遠する,利用申し込みを諦めるといった課題が出てくるのは何なのでしょうか。その点に関して,局長はどういうふうに分析されているのでしょうか,お聞かせください。
   
◎田中克彦岡山っ子育成局長
   転園ができない状況をどう分析しているかというお尋ねだと思います。
 確かに,これは先ほども御答弁しましたように5年間猶予があるということで,その間に連携先を見つけてくださいというようなことでスタートした事業でございます。そういう状況の中で,やはり3歳児で転園するということがなかなか困難であったという方もおられるというようなことで,そこにつきましては先ほども御答弁させていただきましたように,我々としましても引き続きさまざまなそういった受け入れ施設の情報を提供していかなければならないと考えているところです。
 以上です。
   
◆二嶋宣人議員
   この待機児童の問題というのは,岡山市にとって本当に喫緊の課題だということを市長は常々言われています。だからこそ,こういったやれることは全てやっていくというふうな強い姿勢で言っている割に,ところどころこういったところが抜けている。平成31年度までは猶予されているということでありますけども,要は事業所任せのような,ある意味少し無責任な答弁だったような感じがします。その部分の対策で,市の責務としてやっぱり市みずからが流れをつくっていく,そういったことをしないといけないと思うわけでありますが,そのあたりについて,もう少し何か対策を考えるべきではありませんか。
   
◎田中克彦岡山っ子育成局長
   ちょっと誤解がないようにということで。事業者に対して,市は知りません,事業者の責任でお願いしますというようなスタンスではないということで,誤解をちょっと解かせていただければなというふうには思います。ただ,現実にそういった方々がおられるということは,真摯に受けとめていかなければならないと思っております。
 やはり我々としても,今回初めての制度をスタートさせて,ここで初めて卒園児がおいでになるというようなことで,きょう議員が御提案されたような課題がある,そしてそのほかにもさまざまな問題があるというようなところは真摯に受けとめて,それを市としてどういうふうに事業者と一緒になって解決していけるか,そういったことも今後しっかりと考えていかなければならないと考えているところです。
 以上です。
   
◆二嶋宣人議員
   局長,わかります。でも,保護者の方にとっては本当に切実なんです。だからこそ,新年度からでもこの小規模保育事業の連携保育園に対してインセンティブを与えていくんだといったそういう具体策をしっかりと示すべきだと思うんです。新年度でそういった具体的なものをしっかりと示していくことが約束できるかどうか,そのあたりについて質問させていただいて,私の最後の質問とさせていただきます。
 よろしくお願いします。
   
◎大森雅夫市長
   きのうもこの議論がありました。私も二嶋議員のおっしゃるとおりだろうと思います。これから平成29年度予算ですから,通常でいくと平成30年度にどれだけの受け皿が拡大できるかというところでの話になるのが普通ですけども,私のほうはそういうふうに申し上げていないと思います。この平成29年度でも,やはりできるだけ早期に受け皿を一つでもふやす,そういう手だてを講じていかなければならないと思っているところであります。
 平成29年度予算に関しては,我々としては入園申込者数を見て,また議論を相当数やったわけでありますけれども,その中でいい予算が組めたのではないかと私としては思っております。保育士の処遇改善しかり,また認可外保育施設への助成しかり,そういったことをやっているわけですけれども,二嶋議員御指摘のように保護者はもう切迫した問題として捉えておられるというのは我々もよくわかっております。この平成29年度のできるだけ早期に一体何ができるのか,今の御指摘も踏まえながら我々としては研究してまいりたいと思います。
 以上です。