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同じ項,まずバス事業者間の連携が必要ではとのお尋ねですが,市内では7社のバス事業者が運行しており,それぞれが比較的安い運賃設定や快適なバス停整備など,多様なサービスを提供している一方で,議員御指摘のとおりバス路線の重複や不統一な停留所など,利用者にとってわかりづらい面があります。
こうした中,市内の路線バス全体の利便性向上を図るため,岡山駅東口広場におけるバス乗り場の方面別化やデジタルサイネージの設置,バスロケーションシステムの導入など,事業者とともに取り組んでおり,また現在進めている総合交通計画の検討の中でもバス事業者との協議を密にする必要があると考えております。今後とも,事業者とともに利用者の視点に立ってバス全体の利便性向上に向けて取り組んでまいりたいと考えております。
次に,市民ニーズ調査の結果についてですが,総合交通計画の検討に当たり昨年12月に交通行動の把握のためのアンケート調査を実施し,約6,900名の市民から回答を得て分析を進めているところです。
現時点での主な分析結果としては,ふだん自動車を運転する方の中で全世代にわたって20%前後の方ができれば運転したくないと回答し,また75歳以上のうち26%が運転免許を返納したいが移動手段がなくなるのでできないとしております。
生活環境の不安に関する質問では,岡山駅からの距離が15キロメートル以上離れた居住者では,3分の1の方が日常の生活施設の減少やバスの減便,廃止を不安の要因に挙げており,年齢別に見ると65歳以上のうち2割強の方が頼れる家族や知人の減少やバスの減便,廃止を要因に挙げています。今後,詳細な分析を進めていく中で市民のニーズを的確に把握し,その実現に向けた具体的な取り組みについて総合交通計画に反映してまいりたいと考えております。
次に,超小型モビリティーの昨年実施した実験についてですが,まず企業モニターの実験は一般企業3社,薬局2社の計5社に利用していただき,駐車時や狭い路地の通行にメリットを感じていただきました。一方,一人乗り,エアコンがない,車両価格が高いなどにより積極的な購入には至らないという意見もあり,企業への導入,活用に当たっては課題もあることがわかりました。
次に,公共交通乗りかえ実験は2カ月間無料で実施し,1日平均7回程度の利用があり,そのうち約3割の方は複数回利用され,日常生活における移動手段としての活用可能性がうかがえる結果となりました。また,利用者は車を所有から共同利用することへの意識,人数や距離に応じた移動方法のあり方を考える意識が高くなり,公共交通と組み合わせることによる移動の利便性向上,立ち寄り先の増加などに効果があるという意見も多くいただき,日常生活の移動手段の一つとしての可能性があることが確認できました。
次に,吉備線のLRT化について,まず今後のスケジュールと費用面の試算についてですが,昨年5月に岡山市長,総社市長,JR西日本岡山支社長で3者会議を開催し,初期投資額が約175億円になるのではないか,事業化した後の運行経費が約8億円になるのではないかとの試算も出てきたため,コスト縮減を図りながら事業費を精査した上で,3者で役割分担や費用負担について検討していくことといたしました。
現在は,総社市,JRと連携してイニシャルやランニングの費用面について詳細に詰めているところであり,その後現状の吉備線の赤字の経営状況も踏まえて基本計画の根幹となる役割分担や費用負担について,来年度中にも一定のめどを立てることとしております。その際には3者会議で確認,協議するとともに検討会議にもお示ししたいと考えております。
次に,LRT化の新年度の予算案とパーク・アンド・ライドなどの実証実験についてですが,吉備線LRT化の検討に当たっては,人口減少や高齢社会が進展する中,コンパクトでネットワーク化されたまちづくりを実現するため,公共交通ネットワークの充実と沿線のまちづくりを連携させて取り組んでいく必要があると考えております。このことから,来年度は周辺の人口や土地利用,施設の立地,文化・観光資源の分布等の状況を踏まえ,LRT化を軸として他の交通との組み合わせを考慮した交通ネットワークとともに,主要な駅周辺に都市機能や居住の緩やかな集積を図るなどの今後のまちづくりについて検討してまいりたいと考えております。
議員お尋ねの実証実験については,スペースの確保やバス事業者の協力などが必要であり,LRT化の検討の熟度に応じて対応を考えていきたいと思います。
以上でございます。 |