平成28年 11月定例会 - 12月5日

◆二嶋宣人議員
   皆様おはようございます。
 本日から質問戦が始まりました。トップバッターを務めさせていただきます自民党の二嶋宣人でございます。
 市長初め当局の皆様方,よろしくお願いいたします。
 ファジアーノの敗戦を引きずりつつ質問に入らさせていただきます。
 1,回遊性の向上と新たな観光資源の創出について。
 大森市長は御就任直後,中心市街地活性化政策パッケージを掲げ,歩いて楽しいまちづくりの取り組みに力を入れてこられました。そして,回遊性の向上には,魅力づくりと歩いて楽しいインフラ整備の重要性を常々市長は述べてこられました。今回は本市の魅力づくり,歩いて楽しいインフラ整備に関する取り組みについて幾つかお尋ねいたします。
 (1)まず,県庁通りの社会実験についてです。
 市長は,社会実験を通して将来的に県庁通りの1車線化を恒久的なものにしていきたいという意向を示されています。今後,地元関係者や警察等との協議など,調整すべき点は幾つかあると思われますが,実際,市長は10月に実施された社会実験状況を見て,1車線化の手応えは感じられましたか。また,今回の社会実験における効果の分析と課題の検証についてもお聞かせください。
 (2)10月9日から11月27日の間,地域の歴史と現代アートの共存をコンセプトとした岡山芸術交流2016が開催されました。最終的な延べ来場者数,鑑賞券の売り上げ,そして全体の経済効果についてお聞かせください。
 (3)今回の岡山芸術交流の総評と,今後現代アートを本市の魅力づくりのツールの一つとして活用,展開させていこうとお考えでしょうか,市長の率直な思いをお聞かせください。
 次に,今後本市の魅力,にぎわいの拠点として期待される千日前地区に整備される新岡山市民会館についてお尋ねいたします。
 (4)基本計画では,現市民会館1,718席と同程度の1,700席程度の大ホール整備が示されています。現会館の課題である搬出入が便利になることは大前提ですが,誰しも新岡山市民会館に期待するものは,他の政令市のホールより付加価値の高いすばらしいホールではないでしょうか。それが,なぜ1,700席なのでしょうか。最低でも2,000席以上にすべきです。また,利用される方の視点での交通アクセスの利便性の向上も図られなければならないと考えますが,御所見をお聞かせください。
 さて,本市では,旭川両岸の水辺や堤防上の遊歩道やスロープの整備を初め石山公園の再整備,オープンカフェの常設化などといった旭川を中心としたにぎわいの拠点づくりが進められています。また,イベント開催を通して岡山城,後楽園,西川,下石井公園などといった拠点に人を呼び込むことにも力を入れてこられました。しかし,こういった取り組みは,週末の土日や祝日に限定されることが多く,拠点へ呼び込む対象者も市民や外国人を含む観光客と限定されています。今後さらに本市の魅力度,満足度の向上と強い経済をつくり,他都市との差別化を図るためにも新たなターゲット,新たな拠点,観光資源を開発していかなければなりません。
 そこで私は,平日に新幹線等で岡山駅を利用される多くの出張者の方を新たなターゲットとし,その出張者の方が再度休日に観光で岡山市に行きたいと思う取り組みを展開させていくべきと考えます。
 先日,私は常任委員会の行政視察で福岡市を訪れました。福岡の魅力といえば,豚骨ラーメン,もつ鍋,焼き鳥などの御当地グルメです。こういった御当地グルメを堪能できるのが屋台であります。福岡の屋台発の食文化は国際的にも評価が高く,何といってもその魅力はお客さん同士やお店のスタッフとのコミュニケーションによる非日常空間で飲食を楽しめることであり,まさに福岡の夜の観光資源の目玉と言えるでしょう。
 そこでお尋ねいたします。
 (5)よく旅のよしあしの決め手は食であるとも言われます。岡山には,おいしい海の幸や果物などすばらしい食材がそろっています。例えば,再整備予定の石山公園内にカフェだけでなく365日昼でも夜でも楽しめ,公園内に溶け込むおしゃれかつアートの要素を取り入れた岡山の食の発信拠点を観光資源として常設してはいかがでしょうか。
 本市は,地域の歴史的魅力や特色を地域活性化につなげようと吉備路エリアの日本遺産認定を目指し,総社市や県と共同申請に向け協議していく方針を示されており,実現に期待しているところであります。
 そこでお尋ねいたします。
 (6)来年の1月から受け付け予定の公募での申請を視野に協議を進めると伺っていますが,現段階の進捗状況についてお聞かせください。
 (7)観光客をターゲットとし,インパクトを与えるという意味でも,吉備路など本市の名所をめぐるオープントップバスを導入してはいかがでしょうか。
 2,高齢者に優しい地域づくりについて。
 (1)岡山市における認知症施策の指針──岡山市版オレンジプランが策定され3年が経過しようとしています。スピード感を持って指針の具現化が求められる中,これまで実施してきた本市の取り組みに対する評価についてお聞かせください。また,今後優先的に取り組むべきと考える施策課題についてお聞かせください。
 (2)平成28年3月末現在,本市の認知症サポーターは2万8,924人,サポートリーダーは87人と,多くの人材を輩出しております。残念ながら,地域や職域の実情に応じての活躍につながっているとは言いがたい状況ではないでしょうか。量的な養成だけでなく,さまざまな場面で活躍してもらうことに重点を置いた支援のためにも,これまで養成した認知症サポーター,サポートリーダーのモニタリングをすべきではないでしょうか。
 また,地域の見守りの担い手として,小・中学校等の学校教育における認知症への理解の推進もまだまだと考えます。現状も踏まえ御所見と対策についてお聞かせください。
 (3)認知症サポートリーダー養成講座では,認知症カフェへのかかわりや地域型カフェ設立への働きかけなどを行っていますが,実際には本市からの情報発信や具体的な要請が少なく,不満を抱いている方の声を耳にします。地域にカフェを設立するにしても,場所の確保や運営など課題も多く,これらの支援体制は必要と考えます。現在の地域型・基幹型認知症カフェの取り組み状況も踏まえ,御所見をお聞かせください。
 (4)遅滞が指摘されている岡山市行方不明高齢者さがしてメール事業の取り組み状況はどうなっていますか。
 (5)あんしんカプセルおかやまを認知症高齢者の見守り活動に活用することはできないでしょうか。
 (6)私の地元,中山学区辛川市場町内会では,ごみ出しや庭の草取りなど,困ったことがあれば無償で地域住民が高齢者世帯を支援する活動が行われています。このような活動の広がりを期待するわけですが,利用される高齢者の中には,とてもありがたい活動だが,無償であるがゆえに何度もお願いするのは気が引けると遠慮される方もいらっしゃると伺っています。ならば,こういった取り組みをモデル事業として市が支援できないものでしょうか。
 (7)総合的なケアの一つである終末期医療の取り組みとして,県推進のリビングウィルと市推進のACP──アドバンス・ケア・プランニングに微妙な違いがあり,現場からの戸惑いの声を伺いました。なぜ県と市の間で統一された施策としないのでしょうか。
 (8)神戸市は,市費による給付金の支給や任意の加入者の掛金を財源とする共済制度などを想定し,誤って事故の加害者などとなった認知症高齢者の独自の救済制度を設ける方針を示されました。本市でも当事者や家族に寄り添った在宅介護をバックアップするための救済制度は今後必要と考えますが,御所見をお聞かせください。
 3,吉備線LRT化構想について。
 現段階では,基本計画の根幹となる具体的な費用負担と運営スキームが議論されていますが,岡山市,総社市の2市とJR西日本の意見の相違から難航していると伺っています。
 そこでお尋ねいたします。
 (1)次回のトップ会談の予定はいつごろでしょうか。また,平成26年12月以降,いまだ開催されていない検討会議を開催する予定はありますか。
 (2)吉備線LRT化実現に向けて,現段階で市長はどの程度の手応えを感じていらっしゃいますか。
 (3)来年度末までに事業費,役割分担,費用負担について合意点を見出すとのことですが,正直なところ本市はどの程度の条件を落としどころと考えているのでしょうか。
 4,県費負担教職員制度の見直しに伴う取り組みについて。
 来年度,県費負担教職員に関する包括的な権限が道府県より政令市へ移行されます。この件は,前回自民党の代表質問で伺いましたが,学級編制や栄養教諭への任用がえも含めた教職員配置などといった教育委員会の体制づくりについては,まだ研究,協議とこれまでと変わらない答弁でした。これから教職員へのヒアリングも行うとのことですが,新年度まであと4カ月。そろそろ具体的な方向性をある程度示すべきではありませんか。
 以上をもちまして1回目の質問を終わらせていただきます。(拍手)
   
○宮武博議長
   当局の答弁を求めます。
   
◎大森雅夫市長
   皆さんおはようございます。
 本日からの個人質問,よろしくお願いいたします。
 それでは,二嶋議員の御質問に,私もファジアーノの敗戦を二嶋議員と同様に引きずりながら,かつ来年のJ1昇格を祈りながら答弁させていただきたいと思います。
 まず,私は県庁通りの社会実験についての手応え,また分析等々のお話を申し上げたいと思います。
 御指摘のように,今回の県庁通りの社会実験は,平日を含む連続した7日間という日常に近い条件の中で終日1車線規制を行い,自転車走行レーンや荷さばき場を設けて実施いたしました。実験期間中,自転車は快適に専用レーンを走行し,土日にはイベント等を開催して,多くの方々にまち歩きを楽しんでいただいたところでございます。また,交通の状況につきましては,西川緑道公園筋では土日に一時渋滞が見られたものの,県庁通りでは実験期間中に深刻な渋滞は発生しなかったと捉えております。たしか週末に二嶋議員ともお会いしましたよね。そのとき,二嶋議員はどうお感じになったかわかりませんが,私は1車線化というのは確かに今申し上げたような状況ではあったんですけれども,1車線化そのものの姿を見てみると,カラーコーンを並べているというようなことで,楽しいまち歩きにふさわしい姿というにはまだまだ実現に至っていないと認識しております。今後,沿道を含めた景観形成やにぎわい創出などについて,地域と連携して検討を進め,歩いて楽しい通りの姿を描いていきたいと思っております。
 分析と課題の検証については,現在交通量調査とアンケート調査の集計・分析作業を行っているところであり,今月中には結果を取りまとめたいと考えております。そこで大きな課題がなければ,県警はもとより地域の皆様や沿道事業者など関係者との1車線化に向けた協議を進め,今年度末をめどに検討案を取りまとめ,事業化に向けての準備を進めていきたいと考えております。
 次に,岡山芸術交流の総評,そして今後どう活用,展開していくのかということについてお話し申し上げたいと思います。
 この総評につきましては,実行委員会から公表される事業報告書を待つことになりますが,私としては岡山の顔である歴史・文化ゾーンに位置するさまざまな文化施設の特徴を生かした現代アートの展示に対し,専門家からも非常に高い評価をいただいたと思っております。また,地元のメディアとともに美術・文化系のメディアにも広く取り上げられました。私たちが今承知している限りでは,新聞,テレビ,ラジオ,雑誌,ウエブサイト等で322件の報道がなされているというようなこともございます。こういったこともございまして,延べ来場者数は23万人を超え,当初の目標を大きく超えたところでございます。市内外から多くの方に御来場いただくことができ,岡山市の発信力の強化にもつながったと感じているところであります。そして,徒歩圏内にある会場をマップを手に回遊している姿を拝見すると,アート鑑賞のみならず岡山のまちの歴史や文化にも触れて,その魅力も発見していただけたものと考えております。また,開催期間中には,市内外の多くの小・中学校から子どもたちの来場がございました。世界最先端の現代アートに親しむことで,創造性や感性を磨くよい機会になったのではないかと考えております。
 ただ一方で,今回初めて開催する展覧会であることから,現代アートになじみが薄いという声もお聞きするとともに,市民の皆様の文化活動や地域との連携強化が重要な課題であると認識しております。今後は,これらの評価や課題を一つ一つ検証し,その結果をもとに岡山芸術交流の開催を通して岡山の魅力発信,都市格の向上にもつなげていけるよう,3年後の開催を目指して検討を進めてまいりたいと考えております。
 次に,吉備線LRT化の構想でございますが,どの程度の手応えを感じているのか,落としどころはどういうところなのかということについてお答えを申し上げたいと思います。
 吉備線のLRT化につきましては,岡山市,総社市,JR西日本の3者で一体となって検討しているところであります。両市とJR西日本との間では,役割分担や費用負担について,それぞれの主張があることに加え,事業費が増加する試算もございます。今,調整に時間を要しているところでございます。
 ただ一方で,JRでは,吉備線のLRT化は今後の都市周辺型路線の一つのモデルケースとして意気込みを持って取り組んでいるところでもございます。また,岡山市としても周辺地域も含めて公共交通を軸とした持続的に発展できるまちづくりに向けた重要な取り組みであると考えているところであります。この大きな位置づけの中で3者の接点を見出していけるよう,引き続きしっかりと議論してまいりたいと考えております。
 私からは以上です。
   
◎鉄永正紀政策局長
   回遊性の向上と新たな観光資源の創出についての項,岡山芸術交流2016の最終的な延べ来場者数,鑑賞券の売り上げ,全体の経済効果についてお答えいたします。
 岡山芸術交流2016には,市内外から多くの皆様に御来場いただきまして,延べ来場者数は岡山芸術交流実行委員会発表の速報値で,当初の目標を上回る23万4,080人という結果になりました。また,鑑賞券の売り上げについては,最終の集計中ですが,約2万枚を超える見込みとなっております。経済波及効果につきましては,今後居住地などの属性,今回の訪問の宿泊の有無,交通手段,買い物,飲食など来場者アンケートの分析結果をもとに算出しまして,実行委員会において取りまとめる事業報告書の中でお示ししてまいりたいと考えております。
 以上です。
   
◎河野広幸市民生活局長
   同じ項,新しい文化芸術施設に期待するものは付加価値の高いホールではないのか,またなぜ1,700席なのか,利用者の交通アクセスの利便性の向上について所見をとのお尋ねにお答えいたします。
 新しい文化芸術施設は,今までのように貸し館中心ではなく,交流促進エリアや創造支援エリアを整備することで,誰もが気軽に立ち寄り,集い,憩える施設となり,これまで芸術文化団体や市民が行っているさまざまな創作活動を支援し,新たな文化芸術の創造につながるつくる活動を行える機能を有する岡山市の文化芸術における中核施設として整備するものでございます。
 大ホールの座席数につきましては,現市民会館を取り巻く環境及び基本計画検討懇談会委員の御意見,また費用対効果の面で座席数の増加が貸し館収入や稼働率の増加につながるとは一概に言えない傾向があるのに対し,施設規模の増加に比例して建設費はもとより維持管理費が増加する点なども総合的に勘案し,1,700席程度の基本計画を策定したものでございます。
 また,議員御指摘のように,この新しい文化芸術施設への交通アクセスの利便性を高めることは,より多くの方に訪れていただくために今後整備を進めていく中で検討すべき課題と考えております。
 以上でございます。
   
◎山本修司経済局長
   同じ項,日本遺産認定申請,それからオープントップバスの導入について一括してお答えします。
 吉備路をテーマとした日本遺産認定申請については,先月行われた市長と県知事との懇談会で岡山市が取りまとめ役を担いながら来年の申請に向けて取り組む意向を表明し,現在総社市,倉敷市,岡山県とともに認定対象となるストーリーの構築に取り組んでいるところであり,今月中には文化庁の担当部署を訪問し,申請に向けた協議を行う予定です。
 今後,日本遺産認定申請とも連動しながら,吉備路,そして桃太郎伝説をより広く情報発信するとともに,実際にそのストーリーを味わっていただくための方策の一つとして,効果的な交通手段の利用方法についても検討していきたいと考えております。
 以上です。
   
◎鹿子木靖都市整備局都市・交通・公園担当局長
   同じ項,石山公園内の食の発信拠点についてお答えします。
 石山公園では,今年度9月から11月までの3カ月間,平日を含めて常設に近い形でのオープンカフェ社会実験を実施いたしました。その結果,多くの方々に御利用いただき,旭川一帯の水辺の景観も含めて楽しんでいただくことができたと考えております。
 今後,期間中に実施したアンケートや来客数,売り上げを集計,分析しながら,利用者ニーズの把握と常設に向けた出店者の意向を探り,公園の緑や水辺の景観との調和にも配慮したオープンカフェの常設を目指してまいりたいと考えております。
 こうした中で,石山公園の魅力を高め,周辺も含めたにぎわいの創出や回遊性の向上を図る観点から,地元町内会やまちづくり団体,観光団体,大学,行政,公園管理者等で構成する石山公園活用検討会をことし8月に設立し,公園の再整備や管理・運営方針,新たなルールづくりなどについて議論しているところであり,オープンカフェのあり方についても議論することとしております。その中で,議員御提案の岡山の食の発信拠点についても参考としてまいりたいと考えております。
 以上でございます。
   
◎森安浩一郎保健福祉局長
   高齢者に優しい地域づくりの項に順次お答えします。
 まず,認知症施策の評価と今後の課題についてです。
 岡山市版オレンジプランにおいては,認知症の早期発見・早期診断,見守り体制の整備,保健・医療・介護のネットワーク確立,認知症の人や家族への支援の4つを大きな柱とし,目標値等は岡山市第6期高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画に定めて施策を推進してきました。オレンジプラン作成前からもの忘れ相談会や認知症コールセンター事業,認知症サポーター養成事業等に取り組んでいましたが,プラン作成後は,これに加えて認知症支援チームの設置,認知症身元不明高齢者一時保護事業,行方不明高齢者さがしてメール事業,認知症カフェ事業等を開始したところです。第6期計画に定める目標値等はおおむね達成されてきており,一定の成果があったものと考えています。
 今後取り組むべき優先課題としては,認知症の早期発見のため,タッチパネル式スクリーニング機器の活用や認知症支援チームの充実を進めることと考えています。
 次に,認知症サポーター,サポートリーダーの活躍,また学校教育での認知症への理解についてですが,岡山市においては認知症に対する知識の普及啓発,日常生活の中で認知症の人を見守る認知症サポーターと,認知症の人やその家族への適切な支援やネットワーク活動の実践ができる人材として認知症サポートリーダーを養成しています。認知症サポーターについては,できる範囲で手助けを行うという活動の任意性は維持しつつ,地域での活躍事例の紹介なども行ってまいります。認知症サポートリーダーについては,交流会等の機会もあることから,活動の実態や課題等を把握し,そこで得た情報を今後に生かしていきたいと考えています。
 小・中学校等における認知症の理解の推進については,平成27年度末までに小学校から大学,専門学校まで5,301人の認知症サポーターを養成してきており,今後も引き続き養成を進めてまいりたいと考えています。
 次に,認知症カフェの設立への支援についてです。
 認知症カフェは,市が委託実施している基幹型カフェが各福祉区1カ所で計6カ所,社会福祉法人,医療法人,NPO法人,認知症サポートリーダーなどが自主的に運営している地域型カフェが,市が把握しているものだけで13カ所あります。地域型カフェの立ち上げを考えておられる方には,従来から相談があれば設置場所の紹介や既に運営している事例なども紹介しているところであり,今後も引き続きこのような支援を行ってまいります。
 次に,さがしてメール事業の状況についてです。
 本年4月に事業開始し,11月末までに御本人45件,協力者,協力組織等1,093件の登録をいただいています。御本人及び協力者の登録を進めるために,認知症の人と家族の会の会合などさまざまな機会を捉えて制度の周知に努めており,今後も周知を継続してまいります。
 次に,あんしんカプセルによる認知症高齢者の見守り活動についてです。
 例えば,あんしんカプセルを配布した家庭に地域の方が訪問し,見守りや声かけを行っている地域があることから,認知症の方も含めた高齢者の方の安否確認に役立っているのではないかと考えております。
 次に,高齢者の生活支援への市の支援についてですが,現在地域における支え合いの推進については,市社会福祉協議会に生活支援コーディネーターを1名配置し,行政,地域包括支援センター等とともに支え合いの推進に対する理解の醸成と働きかけを進めているところです。議員御紹介の地区については,既に支え合い活動に取り組まれており,先行した地域と認識していますが,活動を進める中で相談を受けた場合には,地域の実情に合った生活支援が進むよう,生活支援コーディネーターを中心として,地域包括支援センター等とも一体となって他地域の成功事例の紹介やアドバイスといった支援を行ってまいりたいと考えています。
 次に,終末期医療の取り組みの県と市の統一についてです。
 アドバンス・ケア・プランニングとは,意思表示が難しい状態になっても患者の意向を尊重した医療を行うことを目的とし,今後の治療,療養について患者,家族と医療従事者等があらかじめ話し合うプロセスを指します。岡山県では,リビングウィルなど終末期の意思表示を検討していると聞いていますが,救急搬送された場合に患者本人の意思表示が難しいことなどから,岡山市では終末期だけでなく早い段階から話し合っておくことが重要と考え,市民向けの出前講座などで啓発しているところです。終末期医療の取り組みについては,県と市での方向性は一致しているので,周知に当たっての役割分担や周知する際の名称の工夫など,情報を共有するとともに,在宅医療・介護にかかわる専門職の方々の声もしっかり伺いながら進めてまいりたいと考えています。
 この項最後,認知症高齢者の在宅介護を支える救済制度についてです。
 これについては,制度内容,財源等のさまざまな点からの検討が必要であり,神戸市の検討状況や他都市,民間の保険サービスの動向も注視しながら調査研究してまいりたいと考えています。
 以上です。
   
◎鹿子木靖都市整備局都市・交通・公園担当局長
   吉備線LRT化構想について,次回のトップ会談などの予定ですが,ことし5月24日に岡山市長,総社市長,JR西日本岡山支社長で3者会議を開催し,これまで検討してきたこと,LRT化の意義や課題について確認するとともに,今後の進め方としてコスト縮減を図りながら事業費を精査した上で役割分担や費用負担について検討していくことといたしました。両市とJRで役割分担や費用負担について検討を長期化させないためにも来年度中に一定のめどを立てることとしており,その際には3者会議や検討会議で内容を確認していただくことを考えております。
 以上でございます。
   
◎菅野和良教育長
   県費負担教職員制度の見直しに伴う取り組みについての項,学級編制や栄養教諭への任用がえを含めた教職員配置,教育委員会の体制づくりについての方向性を示せとのお尋ねでございます。
 通常学級の学級編制につきましては,今年度の基準を維持したいと考えております。また,特別支援学級につきましては,学級編制基準の8人を変更することは考えておりませんが,より実態に合わせた教職員配置を行うために,学年の組み方を工夫するなど運用について検討しております。
 栄養教諭への任用がえにつきましては,これまでの任用がえの実績をもとに教育効果を現在検証,検討しているところでございます。
 また,教育委員会事務局の体制づくりにつきましては,学校・園の人事を担当する教職員課や教育委員会の給与を担当する教育給与課を設置するなど,事務局内の機構を再編し,職員の人事,給与等に関する執行体制の整備を図りたいと考えております。
 以上でございます。
   
◆二嶋宣人議員
   市長初め御答弁ありがとうございました。
 それでは,早速再質問に入らせていただきます。
 最初の項で,県庁通りの1車線化に向けての取り組みについてであります。
 まず,そもそもの社会実験についてお尋ねさせていただきます。
 私,ずっとこの件に関しては絶えずこの本会議でも質問させていただいてきたわけでありますけども,表町商店街であったり岡山城,後楽園,そういった回遊性の向上を図る上で,県庁通りの1車線化が有効であるということで市長は進められていると思います。しかし,今回私も社会実験のときにお伺いさせていただきましたけれども,今回の社会実験はどうしても農業会館前までだったと。県庁通りを1車線化するのであれば,そういった意味では整合性が図られていないんじゃないのかなというところで少し危惧してきたわけでありますけども,そこのあたりについて市長の御所見をいただけたらと思います。
   
◎大森雅夫市長
   社会実験の内容とその効果の問題でありますけれども,二嶋議員御指摘のように,やはり歩いて楽しいというかそういうまちづくりをしていかなければならないということで,1つには西川筋の歩行者天国の話,これも随分評価は高いものと私自身は思っております。県庁通りも先ほど言ったカラーコーンの問題だけじゃなくて,実際上この周辺環境もあわせて歩いて楽しいということが言えていくんじゃないかというようなことで,これはまだ単なる実験にすぎないわけでありますから,将来的な構想としてどういうものをこれから整理していくのかというのはいろんな議論が必要だろうと思っております。交通規制等々の問題もありますし,もちろん大きな面では駅周辺と表町との関係をにらみながら今後の施策も一つ一つレベルアップしていきたいと思っております。そういう面では,農業会館前の話,これは前の議会でも御質問いただきましたけれども,そういった視点もどうするかを考えながらこれから議論を進めてまいりたいと思っております。
 以上です。
   
◆二嶋宣人議員
   一歩一歩進めていくということで,ぜひそこのあたりの取り組みをしっかりとしていっていただきたいなと思います。
 最初の市長の答弁の中でありました県警の交通状況の調査結果が出まして,やっぱり日曜日は多少混雑したということで,県庁通りから周辺の生活道路に入る車が通常の1.9倍ぐらいふえたというふうな情報も伺っております。この点について,問題ないかといったら問題ないことはないんですけれども,そこのあたりについて市長の御所見をお聞かせいただけたらと思います。
   
◎大森雅夫市長
   土日,特に日曜日で若干渋滞が発生したではないかと。今,私自身ちょっとそういうデータを持っていないので数字までは確認できませんけれども,若干渋滞が発生したというのは承知しているところであります。それらを踏まえながら県警とはやっていかなきゃいけないわけでありますけども,今の現状というのもありますが,将来像というのを我々としてよく想定しながらやっていかなきゃいかん。我々が将来の都市像をどう考えていくのか,岡山市民にとってどのような状態が一番望ましい形なのかということを考えながら,やはり県警,そして地域の方々とは話し合いを進めていかなければならないと思っているところであります。
 以上です。
   
◆二嶋宣人議員
   先ほど,今回の社会実験における成果とか課題の検証はまだこれからだというふうな答弁がございました。先ほどの市長の御答弁にもありましたが,将来像を想定する中でいろいろと進めていかなきゃいけないということももちろんわかります。
 今回の社会実験を通して,アンケート調査を行っていると思います。まさに市民の声というのが大切だということも市長は御理解されていると思いますし,1回目から2回目,2回目から3回目,3回目から4回目といいますか,社会実験を通して,この1車線化に向けての歩行者と自転車のすみ分けというか優先の空間づくりというのはある程度形になってきているんじゃないかなと私自身感じているわけであります。しかし,市民の声の中で大事な部分がこのアンケートでも出てきていたわけであります。とりわけ,私はこれまでの議会の中でも議論させていただきましたが,やっぱり県庁通り沿いの店舗の魅力づくりと,それと1回目のアンケートで出ていたと思うんですが,私も町なかを歩いていて特に気になるのが,アンケートの中でも声が大きかったいわゆる道のでこぼこというかがたつきです。そこのあたりのインフラ整備は,市長が目指される歩いて楽しいという意味でもやっぱり不可欠だと思うんです。これはどちらに聞いていいのかわからないですが,局長,そこのあたりの課題について,どういった取り組みがこの社会実験の中で行われてきたのか,お聞かせください。
   
◎鹿子木靖都市整備局都市・交通・公園担当局長
   御質問の県庁通り1車線化の社会実験において,まずは沿道事業者との関係でございますけれども,これまでは社会実験でございましたので,主に1車線化に伴って御不便がないかですとか,あるいは沿道のあいたスペースにベンチとかを設けてもらって憩いの空間づくりに協力してもらったりですとか,そういうことをやってまいりました。先ほど市長が答弁したとおり,これまでは実験でございましたのでやれることに限りがあったのですが,今後はいよいよ具体的にどういう事業を実施していくのかというのを検討していきたいと考えておりまして,それには当然道路空間だけでなく沿道店舗あるいはその空間あるいは景観ですとか,そういうことも含めてどういうにぎわいづくりあるいは憩いの場の提供ができるかということをあわせて考えていきたいと思っております。今回のアンケート調査でも沿道店舗に対しましては,今回の社会実験がどうだったかということ等を含めまして,将来どんな県庁通りにしていきたいかというようなことも聞いておりますので,また今後そういうものも分析しながら将来の県庁通りの姿を考えてまいりたいと思っております。
   
◆二嶋宣人議員
   ちょっと答弁漏れだと思うんですけども,路面のがたつきについてどうですか。
   
◎鹿子木靖都市整備局都市・交通・公園担当局長
   申しわけございませんでした。
 路面のがたつきについてなんですけども,以前からあそこの歩道の部分,特にインターロッキングブロックのところが自転車等で通行しにくい,あるいはベビーカーを押しにくいというような声は聞いております。ことしの社会実験におきましては自転車の走行空間を歩道から分離したということで,自転車の走行についてはその問題が解決された状態での実験はできたと思っているんですけども,そもそもあの歩道を歩かれる方,車椅子で通られる方,あるいはベビーカーを押される方に対しては,社会実験ではその検証というのはできておりません。将来的に回遊性向上のための県庁通りの改修をしていく際には,当然そういうところも含めた形で設計を進めてまいりたいと考えております。
 以上でございます。
   
◆二嶋宣人議員
   そこのあたりもやっぱり歩くということがもう大前提ですのでぜひよろしくお願いいたします。
 沿道店舗の魅力づくりということで,インフラ的なところはいいんです。現実的に店舗自体の魅力をソフトの面でどうやって盛り上げていくんですかということで,これは今までも1回ではなくて2回,3回と社会実験の中で市民の方々へのアンケートからも抽出されているわけですよね。そこらあたりについての取り組みを市が何かした経緯があるんですか。
   
◎鹿子木靖都市整備局都市・交通・公園担当局長
   沿道の魅力づくりということでは,具体的には先ほど答弁申し上げましたベンチを置いてもらうとか,実験に伴うささいなことで協力していただいたことは事実でございますが,今後事業化について検討していくに当たっては,当然沿道の魅力ですとか先ほど申し上げました景観的な要素ですとか,いろんなことで通りの魅力をどう上げていくかということを沿道の店舗の皆様とも一緒になって考えていきたいと思っております。
   
◆二嶋宣人議員
   そもそもの店の魅力づくりはどうやって,いわゆる官民協働でつくっていくんですかということを私は聞いたのですが,多分それはできていないということです。時間が限られておりますので,次に移らせていただきます。
 もう一点,この社会実験の課題として市民の方々からアンケートをとってまいりました。1回目,2回目,3回目のデータによりますと,多いときで大体2,300人ちょっとだったと思います。72万人都市の中で参加された方々から聞いたのが2,300人程度だったというふうなのはわかりますけども,現実的には本市の強みを生かしていく,強みを持っていくためにはやっぱりもう少し有効的な情報をたくさん持ち合わせていくことが必要だと思います。
 広島市では,今や外国人などの観光客にとって必須であるいわゆる無料公衆無線LANのWi−Fiを設置して,そこから人の動きであったりニーズを割り出して,官民連携によるビッグデータを取り扱って施策をしっかりと打っていくという取り組みをされています。本市でも,アンケート調査やワークショップをして市民の方々から情報収集しているということは私自身も評価するんですけれども,やっぱり情報のボリューム自体が少ないと思うんですよね。そういった意味で,都市間競争に勝ち抜く,他都市との差別化を図るという意味でも,やっぱり官民連携によるビッグデータの活用というのは今後求められてくると思うわけでありますけども,そこのあたりについて局長の御所見をお聞かせください。
   
◎鹿子木靖都市整備局都市・交通・公園担当局長
   議員のおっしゃる市民の意向の把握の仕方といたしまして,先ほどから議論になっておりますアンケート調査ですとか,あるいは議員のおっしゃるビッグデータの活用ですとか,あるいは直接の意見交換等,いろんな場がございます。実は,Wi−Fiのデータではないんですけども,スマートフォンにアプリを入れてもらって,市民の日常の中心市街地での動きがどうだというような調査は実施しておりまして,今その分析,解析などをしているところでございます。今後ともいろんな手段を活用いたしまして,またビッグデータも含めて活用の可能性を考えてまいりたいと思います。
 以上でございます。
   
◆二嶋宣人議員
   よろしくお願いいたします。
 ちなみにそのスマートフォンの利用者協力も延べ2,400人です。だから,ビッグデータが必要じゃないんですかと言っていますので,よろしくお願いいたします。
 時間も限られておりますので,岡山芸術交流に移らせていただきます。
 全体で4億3,500万円という大きな予算で開催されたこの事業でありますけれども,この開催期間が終わって,まだ作品が残っていますが,せっかくこれだけの大きいお金を使って,終わったら現代アートを撤収するというのは何か寂しいなと思っているわけであります。現代アートについて,市長は先ほどの答弁で岡山市の魅力づくりの一つとして展開させていきたいんだということを言われておりました。そういった意味でも,一つでも二つでも,今ある現代アートを町なかに残す。これまでなじみがなかったということでありますので,市民であったり観光客に感じてもらうという意味でも,こういった作品を残す方向で考えているのかどうか,そのあたりについてお聞かせください。
   
◎大森雅夫市長
   現代アートを残すべきかどうかということであります。
 今回も実は,まず展示するに当たって景観条例等々との関係が一部問題になりました。公共が行うということで,この点については今回は問題なしとして屋外への展示もやらせていただいたところであります。今後,将来的にどうするかというところについては,私も二嶋議員のような考えも一部持っております。私は成功したと言っていいと思うんですけれども,やはり第1回目のこういう現代アートを23万4,000人の方に見ていただいた,そういうシンボリックなものを残していくというのは考えていいんじゃないかと思っておりますが,ただこういう景観条例等との関係もございます。今ここで残すということを明言することはできませんけれども,これらについて今後関係者と十分議論していきたいと思っております。
 以上です。
   
◆二嶋宣人議員
   景観条例云々くんぬんの課題があるということですけれども,ぜひそこのあたり前向きに検討していただきたいなと思っているわけであります。
 さて,今度は市民会館についてであります。
 局長から御答弁をいただきました。倉敷市民会館は1,979席,倉敷市芸文館は879席です。岡山県下の施設を見回しても,専門的なホールと言える岡山シンフォニーホールを除いては2,000席以上はそもそもない状況の中で,例えばプロモーターの意見であって,この岡山の商圏で2,000席のニーズは高くないんだというような判断から1,700席にしたと。そもそも2,000席を扱ったことがないのに1,700席が妥当だというふうなことを言われている。大ホールがあるからこの岡山市で大規模な全国大会であったり,はたまた世界大会が開催できる。ビッグアーティスト,有名なアーティストが岡山で開催したいと,そういうふうな思いから大ホールというのはやっぱり必要だと思うんですよね。先ほども言いました,いわゆる他都市との差別化を図る,政令指定都市としての付加価値を高めるためにもやっぱり最低でも座席数は2,000席以上にすべきと私考えるわけですけれども,再度御所見をお聞かせください。
   
◎河野広幸市民生活局長
   二嶋議員御指摘のとおり,検討委員会の委員さんの御意見,それからプロモーターの意見では,岡山県の商圏ニーズから考えますと,1,700席程度がいいのではないかということでございました。
 それからもう一点,今回の千日前の敷地条件でございますが,今現在1,700席程度,3層構造を考えております。これが2,000席になりますと,恐らくもう一層つけ加えて4層構造。そういうことになりますと,建物の高さ制限,ここに抵触する可能性がありまして,非常に困難であるということでございます。
 それからあと,管理コスト,コストパフォーマンスでございますが,先ほども言いましたが客席規模が大きくなりますと貸し館収入の増加,それに比べて維持管理支出の増加割合が大きくなるということでございます。コストが約3,500万円ほどふえていくということになります。そういった将来的なランニングコスト,岡山県の商圏ニーズ,そのあたりも総合的に勘案しながら1,700席程度としております。建築敷地面積も1,700席程度の非常に重要な根拠となっております。
 以上でございます。
   
◆二嶋宣人議員
   局長ね,維持管理コスト,条件,いわゆる稼働率云々くんぬん言われました。しかし,そもそも市民の皆さんは,やっぱり新しくできる市民会館に対する魅力を求めているんですよね。じゃあ,そもそも何か検討委員会云々くんぬんというところで検討されて1,700席だというふうな話が出ていましたけれども,この市民会館をつくる上で,どういったものにしようというイニシアチブ,主導権を握っているのはどっちなんですか。準備組合なんですか,岡山市なんですか,そこのあたりを聞かせてください。
   
◎河野広幸市民生活局長
   今回の新しい文化芸術施設については,イニシアチブは岡山市にございます。岡山市としてこの新しい文化芸術施設をどういうものにしていくかということでございますが,まず第一に機材の搬入,搬出のスペース,現在の岡山市民会館では非常にそこがネックとなって,舞台の数が制限されているという面がございますが,それに対応する十分な広さの搬出入のスペース,それからさまざまな舞台芸術に対応できる舞台設備を備えていく。客席は全ての席から舞台が見やすく,また座席の幅,前後の間隔にもゆとりのある配置を行って,高齢者の方,障害者の方などの鑑賞にも十分配慮した構造としていきたいということでございます。それらを総合的に勘案して1,700席程度としております。
 以上でございます。
   
◆二嶋宣人議員
   市にイニシアチブがあると。搬出入が便利になるのはもう大前提ですよというふうな話で私は前置きして話をさせていただいております。2,000席以上の大ホールをやっぱり期待する声が大きいということは多分認識されていると思うんですよね。そういった声を無視して,結局現行のままの1,700席でしたと,できた後に2,000席にふやそうと思ってもできるわけないんですよね。やっぱりああすればよかったな,2,000席にすればよかったなという声が大きくなったときに,市は責任がとれるんですか。そういったことも鑑みて,やっぱりもう一度この座席数に関しては広く市民の方々の声を問う,耳を傾けるべきだと思うわけでありますけども,そのあたりについて再度御所見をお聞かせください。
   
◎河野広幸市民生活局長
   まず,先ほども申しましたように,敷地における建物の高さ制限があるということは,もう間違いないということでございます。また,すでに基本計画を1,700席程度と策定しておりますので,それを新たに2,000席で議論を行うということになりますと,関係部局との再協議,現在の協議内容を修正する期間が必要となりますし,建物の階層規模がふえることに伴う工事期間が長くなってまいります。それから,もちろん建設費も増加してまいります。そのあたりを考えますと,今現在考えております合併推進債を活用するための条件である平成33年度末までの施設整備完了がスケジュール的にも困難となってくるということが考えられます。
 以上であります。
   
◆二嶋宣人議員
   合併推進債の条件とか工事期間とか,これ今決まっているからということじゃないんですよ。そもそもそういった求められているものに対して議論するのが行政の仕事であって,そのあたりをしっかりと進めていくことがやっぱり我々の仕事なわけですよ。決まっているからバックできないとかじゃなくて,そのあたりはしっかりと議論すべきじゃないんですかということを聞いているんですよ。そのあたりできないんですか。
   
◎河野広幸市民生活局長
   懇談会あるいはパブリックコメント,そのあたりは前回お聞きしております。そして,さらに2,000席にということでございますが,またそういった新たな意見があるということでしょうか。その点につきましては,こちらのほうもどのあたりから2,000席の需要があるかということにつきましては,今後皆様方にまた聞いてみなければならないとは思っておりますが,そういったことをやりますと,スケジュール的には非常に困難な状況になってまいります。そのあたりを総合的に勘案して今後進めてまいりたいと思っております。
 以上でございます。
   
◆二嶋宣人議員
   ちょっと堂々めぐりになりますのでこのあたりで切りますけれども,そういった声に対して真摯に向き合って検討していく,それはやっぱり行政の仕事じゃないのかなと思っておりますので,局長ぜひよろしくお願いいたします。今後,うちの自民党の会派からもこの市民会館についてまた議論させていただきますので,よろしくお願いいたします。
 そして,最後に県費負担教職員の権限に伴う栄養教諭への任用がえについてであります。
 教育長から検討,検証していくということであります。県がこれまで必要だからやってきた任用がえであります。だからこそ,学校全体の食育の推進を担う上でも,この任用がえは積極的にやっていく,そういうふうな答弁,再度お聞かせください。
   
◎菅野和良教育長
   今,議員御指摘のように栄養教諭については,その効果を食育推進ということで検証しているところでございます。平成29年度に向けて任用がえも視野に入れて検討していくということで答弁したいと思います。