平成28年 6月定例会 - 6月20日

◆二嶋宣人議員
   皆様こんにちは。自民党の二嶋宣人です。

 時間も限られております。早速ですけれども,質問に入らせていただきます。

 1,コンパクトでネットワーク化された都市を目指す岡山市について。

 国が掲げる地方創生を実現していくためには,公共交通,買い物,教育,医療等,私たちがふだん生活する上での生活インフラの維持は必要不可欠であります。長期構想の中で,本市は拠点機能を充実させた周辺地域と高次の都市機能を集積させた都心部を利便性の高い公共交通等でつなぎ,コンパクトでネットワーク化された都市づくりを推進していこうとしています。

 そこで質問いたします。

 (1)これから分野別,区別の取り組みを具体化した前期中期計画が策定されます。利便性の高い公共交通等のネットワーク化に期待する反面,利用者数の低迷等により弱体化してきている周辺地域の公共交通の厳しい現状を見る限り,空論になるのではないかと懸念しています。実現が見通されての構想と思われますが,御所見をお聞かせください。

 (2)バブル期と比べ,環境負荷やインフラ整備などにおける公共投資に限りがあることは事実であり,効率化を図る上である程度のコンパクト化はいたし方ないのかもしれません。2020年をピークに人口減少に転じると見込まれているからこそ,人口増を図る施策,まちの活性化策として土地の有効活用は重要と考えます。岡山県南広域都市計画区域を見ても,設定されて40年以上経過しています。各地域の現実に見合った区域区分制度の見直しを,今だからこそすべきではありませんか。

 平成22年国勢調査の結果から農林水産省は,自宅から最も近い生鮮食料品店までの距離が500メートル以上かつ自動車を持たない人は全国で850万人,うち65歳以上は380万人,また食料品アクセスに困難を想定される人口は2025年には598万人に上ると推計しています。特に,移動手段を持たず,長距離を移動することが難しくなり,食料品などの生活必需品を買うのに困難を感じる高齢者を中心とする食料品アクセス問題は,農村・山間部などの過疎地域だけにおける課題とは言えない状況となっています。

 政令市の中でも高い高齢化率の北九州市では,食料品アクセス問題は既に大きな課題となっており,買い物が不便な地域を色分けしたマップづくりを初め自治会や企業,行政の連携によるモデル地区を立ち上げ,買い物弱者の解消に向けた取り組みを活性化させています。

 そこで質問いたします。

 (3)昨年,本市は中山間地域等の実態把握調査を実施していますが,食料品アクセス問題と関連する交通弱者の現状をどのように把握されていますか。

 (4)食料品アクセス問題には,食料品へのアクセス交通手段の不足と食料品提供の不足の2つの要因があります。これは高齢化率24%を超える本市も例外ではなく,今後都市部などでも顕在化することが予測されます。先を見据えた取り組みをすべきではありませんか。それぞれの要因について,これまでの取り組みも踏まえ,御所見をお聞かせください。

 さて,大森市長は就任当初から公共交通の充実を喫緊の課題の一つとし,市内ネットワークの拠点となる岡山駅の東口広場への路面電車乗り入れを契機に,さまざまな公共交通施策の充実を図っていこうとしています。

 そこで質問いたします。

 (5)本年度当初予算事業における平成29年度までの乗り入れ調査・検討事業のスケジュールについてお示しください。

 (6)東口広場全体のあり方については住民の参加も求めて見直すとのことですが,地元地域を初め,岡山駅前商店街への歩行者の流れを妨げるなどといった懸念に対する話し合いの進捗状況についてお聞かせください。

 (7)財源上の関係もありますが,将来の選択肢の一つとして歩行者デッキ建設の可能性もあわせて確認しながら,路面電車の乗り入れを含めた駅前広場のあり方について検討するとのことでしたが,最大の回遊性向上効果を図るには,同時期に路面電車乗り入れと歩行者デッキの建設であると改めて思いますが,大森市長の率直な御意見をお聞かせください。

 2,防災対策について。

 熊本地震の発生から2カ月がたちました。被害に遭われた皆様には心からお見舞いを申し上げます。

 私たちがなすべきことは,今回の想定外の事態における教訓を,市民の皆様と行政が一体となって,今後の災害対応に生かすことであると感じています。

 そこで質問いたします。

 (1)現地支援を通して岡山市職員の皆さんが感じられた課題があったと思われます。どういった課題が抽出されましたか。それを受けて,本市が改善すべき課題はありますか。

 (2)今回,行政,さらには市民も協働した的確な情報発信,支援のあり方としてSNS,携帯アプリ,ICT等の活用は有効と感じました。さらなる活用を検討すべきではありませんか。

 (3)避難訓練は随時,各地域等で行われていますが,支援訓練,受援訓練の必要性を感じました。御所見をお聞かせください。

 (4)本市の災害時に避難所等の防災拠点となる公共施設の耐震化の状況についてお聞かせください。

 (5)全庁的なBCPにおける各局各課の具体策策定の進捗状況についてお聞かせください。

 (6)熊本地震では,県内5市町で庁舎が使えなくなり,被災者への対応がおくれました。岡山市本庁舎は新耐震基準を満たしておらず,平成25年度に実施した耐震化等検討業務委託において,中層建てかえの優位性が高いとされました。財源的に制約があることも理解できますが,災害時に司令塔となる本庁舎の建てかえはやはり急務と考えます。そろそろ,スケジュールなど具体的な方向性を示すべきではありませんか。

 3,待機児童について。

 (1)4月1日時点で未入園児数1,343人,待機児童数729人という過去最高の記録を受け,来年度4月に820人の定員を確保する考えを本市は示しましたが,推計上これで来年度は待機児童が解消するということでしょうか。また,そもそも今回の700人超えの待機児童の解消をどのようにお考えでしょうか。

 (2)待機児童の増加は,家庭だけでなく,岡山市全体の経済状況の悪化をもたらします。ソフト・ハード対策には当然財源という課題が伴います。国からの支援もさることながら,ある一定期間の緊急的な市費投入も考えていかなければならないと感じていますが,御所見をお聞かせください。

 (3)昨年度末,国が掲げた緊急対策,?規制の弾力化,人材確保,?受け皿確保のための施設整備促進,?既存事業の拡充,強化について,今後本市はどの項目をどのように具現化しようとお考えでしょうか。独自対策もあればお示しください。

 (4)働く保護者の方が保育所を探す保活の実態について,どのように把握されていますか。

 (5)開園して2年目となる私の地元の中山学区にある中山認定こども園を含め,現在市内に5つの市立認定こども園があります。認定こども園の魅力は,3歳児教育の受け皿をしっかりと確保していくことでもありますが,現実には定員と同数程度またはそれ以上の児童が抽せん漏れになるこども園があります。そのほかにも課題が見える中での評価と今後の対応についてお聞かせください。

 (6)国が民営化を進める中で,保育のセーフティーネットを張るための認定こども園の整備であるということは理解します。しかし,これまでも議論されてきましたが,区域数30が先行した整備計画はいかがなものかと思います。まずは,5つの市立認定こども園を検証し,地域状況等をしっかりと把握した上で整備計画を進めても遅くはないと思いますが,改めて本市の方向性についてお聞かせください。

 4,介護離職防止について。

 平成26年度,厚生労働省は100社の企業を対象に,仕事と介護の両立支援対応モデルを導入する実証実験を行い,介護をしながら現在の勤務先で働き続けることができるかとの質問に対し,現在介護している,将来介護の可能性がある人の74.7%の方が,続けられないか,わからないとの調査結果が示されました。今や介護離職者は年間10万人超えとも言われる中で,国は介護離職ゼロを目指し,介護支援取組助成金など,新たな両立支援等の制度を開始しました。

 そこで質問いたします。

 (1)市職員を含め,本市内で介護,看護を理由に離職した人,また現在仕事をしながら介護などをしている人の現状をどのように把握されていますか。

 (2)育児・介護休業法の制度そのものを知らない方も多いと伺っています。制度の利用状況と,これまでの本市による制度利用促進のための取り組みについてお聞かせください。

 (3)このたび,国は助成金を支給することで同法への理解と制度利用を図っていこうとしていますが,今後本市が考える新たな取り組みはありますか。

 さて,国は介護離職ゼロを目指すに当たって,2020年代初頭までに,特別養護老人ホームやサ高住など多様な介護の受け皿50万人分増や,25万人の介護人材の確保などを具体的に目標に掲げています。

 そこで質問いたします。

 (4)本市の特別養護老人ホームやサ高住などの介護施設状況,待機者数などについてお聞かせください。

 (5)今後本市に必要とされる介護施設の定員数,介護人材の不足数をどのように推計されていますか。

 また,施設整備計画,介護人材の不足解消の対策をどのようにお考えでしょうか。

 5,ホストタウンについて。

 前2月議会で触れましたホストタウンについてお尋ねいたします。

 本市は,国際交流都市がある国などを相手国として視野に入れ,交流計画の策定などに取り組んでいくとのことでしたが,先月19日に締め切られた第2次登録にもエントリーされていません。現実的に第3次登録に申請し,決定という形に持ち込むことができるのでしょうか。

 以上をもちまして1回目の質問を終わらせていただきます。(拍手)

   
○宮武博議長
   当局の答弁を求めます。
   
◎大森雅夫市長
   それでは,二嶋議員の質問にお答えいたします。

 まずは,最初のコンパクトでネットワーク化された都市を目指す岡山市についてということで,歩行者デッキの建設についての意見ということであります。

 この会議でも何度かこの歩行者デッキの話は出ておりましたけども,私が申し上げた将来の選択肢の一つであるという考えは全く変わっておりません。

 今年度は,路面電車の乗り入れを契機として,特に東口広場のにぎわいをどう確保していくのか,憩いの空間をどうやって確保していくのか,また景観の向上はどうやったらできるのか,そして駅周辺の商店街等の歩行者動線をどうやって確保していくのかなどの議論を行っていこうと思っているところでありますが,その際にも,将来の歩行者デッキの可能性というものを確認しながらやっていきたいと思っているところでございます。

 次に,最後の項でございますけれども,ホストタウンの話,たしか前も二嶋議員から御質問があったというのは記憶しております。

 ホストタウンにつきましては,国際交流都市という御縁から,プロヴディフ市のあるブルガリア共和国,またサンホセ市のあるコスタリカ共和国に打診しておりましたが,本年度に入りまして,ブルガリア共和国から前向きな回答をいただいているところでございます。今後,10月末の締め切りとなっている第3次登録の申請に向けて,ブルガリア共和国と,2020年東京オリンピック・パラリンピックの事前キャンプの受け入れや,また楽団の相互交流,市民訪問団の相互派遣,ユネスコスクール活動を通じた相互交流など,実現可能な事業内容について早急に調整してまいりたいと考えております。

 私からは以上です。

   
◎佐々木正士郎理事
   コンパクトでネットワーク化された都市の項,中山間地域等の実態把握調査において食料品アクセス問題と関連する交通弱者をどのように把握しているのかというお尋ねについてお答えいたします。

 昨年度に実施いたしました中山間地域等実態把握アンケート調査におきましては,過疎地域や山村振興地域のほか,特に人口減少率が高い24小学校区の地域代表者の方や若年女性を対象といたしまして,それぞれの地域ごとの現状や課題を調査いたしました。アンケートの結果を見ますと,対象とした全ての地域において,移動手段の確保について課題があるとの御意見をいただいているほか,買い物にも困っているという声も多くの地域で伺っているところでございます。

 以上でございます。

   
◎森安浩一郎保健福祉局長
   コンパクトでネットワーク化された都市の項,食料品アクセス問題のこれまでの取り組みなどについてでございます。

 食料品アクセス問題の要因の一つである食料品提供の不足について本市は,自分で調理が困難な方などに,健康面に配慮した食事を地域のボランティアや民間事業者が配食する給食サービスとして実施しています。また,民間事業者による宅配,移動販売,買い物代行などの生活支援サービスも行われていると承知しております。

 どのような課題があるかについては,引き続き各地域の地域ケア会議などを通じて,その把握に努めてまいります。

 以上です。

   
◎鹿子木靖都市整備局都市・交通・公園担当局長
   同じ項,周辺地域の公共交通の厳しい現状を見ると,ネットワーク化は空論になるのではないかとの御質問ですが,昨年度に策定した総合計画長期構想では,人口減少と少子・高齢化を見据えて,コンパクトでネットワーク化された快適で多様なまちづくりを都市づくりの基本方向の一つとしております。この長期構想に示したまちづくりを実現するため,今年度から新たな総合交通計画の策定に着手することにしております。検討に当たっては,現在策定中の前期中期計画とも整合を図りながら,新たに検討組織を立ち上げて,生活交通も含めた鉄道やバス,路面電車等,公共交通網や道路網が充実した公共交通を中心とする交通ネットワークを構築するため,その方針と実施施策などについて検討してまいりたいと考えております。

 同じ項,各地域の現実に見合った区域区分制度の見直しについての御質問ですが,コンパクトでネットワーク化された快適で多様なまちづくりのためには,周辺部の無秩序な開発を抑制しつつ,市街化区域内の土地の有効活用や市街地環境の改善など,現市街化区域内の充実を図ることが重要です。しかしながら,今後地域の拠点と位置づけられた駅周辺などにおいては,新たな市街地整備が必要となることも考えられ,このような場合には,農林漁業との調整を図りながら,市街化調整区域の市街化区域編入の検討も必要になると考えております。

 現在の区域区分,いわゆる線引き制度は,人口の増加を前提に,将来の人口規模により市街地の規模を設定するよう運用されていることから,今後人口減少が予想される中,地域の実情に応じた都市づくりに対応できないことも考えられます。このため,コンパクトでネットワーク化されたまちづくりが可能となるよう,線引き制度の柔軟な運用について国や県に対し提案を行っているところです。

 同じ項,食料品アクセス問題の中で,食料品へのアクセス交通手段の不足についてですが,中山間地域における買い物等の日常生活に必要な移動手段を確保するため,御津・建部と足守の2地域ではコミュニティバスが運行されております。また,灘崎地域の迫川地区では,新たな生活交通の導入について検討を進めており,秋には試験運行を開始する予定となっております。

 今後,公共交通の利用が不便な他の地域におきましても,迫川地区の取り組みをモデルケースとして,地域の実情を踏まえて,地域の皆様と一緒になって,買い物を含めた日常生活に必要な移動手段の確保に取り組んでまいりたいと考えております。

 同じ項,路面電車の岡山駅東口駅前広場乗り入れについて順次お答えします。

 まず,本年度当初予算事業における平成29年度までの乗り入れ調査・検討事業のスケジュールについてですが,今年度の委託業務については今月の初めに契約しており,9月までに駅前広場と周辺道路の測量を行い,並行して路面電車の乗り入れの線形,運行等の計画,乗り入れに伴う交差点改良や駅前広場の動線,案内,にぎわい空間,景観の改善計画などについて,調査検討会など関係者や市民の皆様からの御意見を伺いながら検討することとしております。

 また,別の委託業務として,来月から平成29年度末までの期間で,乗り入れた場合の地下構造物への騒音,振動等の影響などについて調査検討することとしております。

 最後に,地元地域等の懸念に対する話し合いの進捗状況についてですが,地元の駅前商店街や出石地区連合町内会の方々に対しては,今年度はそれぞれ5月末,6月初めに,これまでの検討状況や今後の進め方について説明を行うとともに,体制を拡充した調査検討会や個別の意見交換会への参加をお願いしたところです。特に,駅前商店街への説明会では,商店街に向かう歩行者動線が狭くなり,対策を検討してほしいとの御意見が改めてありました。市としましても,歩行者動線の確保は大変重要で,一緒になって対策を検討していただきたいとお願いしたところであり,来月にも開催する駅前商店街との意見交換会で具体の検討に着手したいと考えております。

 以上でございます。

   
◎岸堅士総務局長
   防災対策についての項,本庁舎の建てかえについてのお尋ねですが,これにつきましては藤原議員にお答えしたとおりです。

 以上です。

   
◎田中利直危機管理担当局長
   同じ項,現地支援を通じて抽出された課題は何か,また岡山市が改善すべき課題はあるのかとのお尋ねにお答えいたします。

 現在,地震の支援等に関するアンケートを行っているところであり,課題の集約はこれからになりますが,派遣した職員からの聞き取りでの一例を挙げますと,地域コミュニティーがしっかりとしている避難所は運営が円滑に進んだが,コミュニティーが形成されていない避難所ではルールづくりができず,関係者の負担が大きかったということで,改めて災害に対する地域の体制づくりが課題であると感じております。

 岡山市でも自主防災組織の組織率が低いという課題があることから,引き続き出前講座や広報紙などを通じて,市民の防災意識の向上に努め,地域の体制づくりを促進することで地域コミュニティーによる防災力の向上につなげてまいりたいと考えております。

 次に,SNS,携帯アプリ,ICT等の活用について検討すべきではないかとのお尋ねにお答えします。

 岡山市では,災害情報をツイッターで発信するとともに,市のホームページでLアラートと連携した防災アプリを紹介しており,市民への情報発信や支援を行う上で,SNSや防災アプリなどの活用は有効性があると認識しております。現在,国や民間企業においてさまざまな防災情報ツールが開発されているところであり,岡山市に適したツールの活用について引き続き検討してまいりたいと考えております。

 次に,支援訓練,受援訓練が必要ではないかとのお尋ねにお答えいたします。

 日ごろから携わることがない災害対応を円滑に行うためには,実際にあり得るさまざまな状況を想定しつつ,繰り返し訓練を重ねることが重要であります。その点で,このたびの熊本地震の経験は大変貴重なものであり,円滑な支援や受援を行うための訓練の必要性を改めて感じたところです。

 次に,BCPにおける各局各課の具体策策定の進捗状況についてお答えいたします。

 業務継続計画につきましては,これまでも重要システム業務継続計画や下水道業務継続計画を策定し,個別に対策を行っている部署はありますが,全庁的な岡山市業務継続計画はことし3月に策定し,今年度から各部署が個別に推進すべき対策を策定することとしております。

 今後,災害発生時に円滑に業務が遂行できるよう,各部署で策定する業務継続計画を継続的かつ計画的に推進してまいりたいと考えております。

 以上でございます。

   
◎大杉誠都市整備局長
   2の防災対策についての項,災害時に避難所等の防災拠点となる公共施設の耐震化についての御質問ですが,藤原議員にお答えしたとおりです。

 以上でございます。

   
◎田中克彦岡山っ子育成局長
   

3の待機児童についての項,順次お答えいたします。

 まず,来年度は待機児童が解消するということか,700人超の待機児童の解消をどのように考えるかとのお尋ねにお答えします。

 本市では,ことし待機児童の考え方を見直し,待機児童数729人という新たな政策目標とすべき具体的な数字が浮かび上がることとなりました。このため今年度は,昨年度に募集し,既に施設整備を開始した保育所や小規模保育事業の整備による377人の受け皿の拡大に加え,小規模保育事業や事業所内保育事業の事業者の募集により,来年4月1日には合わせて800人以上の保育の受け皿を用意したいと考えております。

 なお,入園希望児童数が年々予想以上に増加していることや,保育所の新設に伴い潜在ニーズが掘り起こされるなどの不確定要素も多いため,現在のところ来年度の入園申し込み児童数の予測は困難な状況ではありますが,待機児童の解消に向けて最善を尽くしてまいりたいと考えております。

 次に,一定期間の緊急的な市費投入を考えてはどうかとのお尋ねにお答えします。

 待機児童対策は,民間の協力を得ながら,全市的に取り組むことが必要であると考えています。現在,本市ではハード対策として,私立保育所の新設等の施設整備や小規模保育事業や事業所内保育事業の事業者を募集するに当たり,国等の支援にあわせて財政支援を行っているところです。

 また,ソフト対策として,昨年度は国の政策に基づき,保育士の処遇改善のため公定価格の引き上げに伴う財政支援を行い,また潜在保育士の就労あっせんに取り組んできました。引き続き,こうした取り組みを継続するとともに,市費を投入する場合には,より効果的,効率的な対策に重点を置き,本市の事業を進めてまいりたいと考えております。

 次に,国が掲げた緊急対策について,今後本市はどの項目をどのように具現化するのか,独自対策もあれば示せとのお尋ねにお答えします。

 国から示された待機児童解消に向けて緊急的に対応する施策につきましては,柳迫議員及び松田隆之議員にお答えしたとおりです。

 なお,現在は本市の独自対策ではなく,国の緊急対策の活用を検討しております。

 次に,保活の実態の把握についてのお尋ねにお答えします。

 本市において保育利用者支援員が対応した相談件数は,昨年度合計で1万1,000件を上回っており,その内容は保育園の空き状況,入園待ちの状況,入園申し込みのタイミングなどで,保護者の方々が切実な思いで保活を行っていると認識しております。また,厚生労働省の保活の実態に関する調査の結果によると,出産後6カ月を待たずして保活を始める方の割合が高く,何とか育休復帰までに保育園を確保したいという意志のあらわれだと考えられます。

 本市では,こうした状況を踏まえ,今後より一層,個々のニーズに応じたきめ細やかな対応に努めてまいりたいと考えております。

 次に,評価と今後の対応についてです。

 認定こども園では,保育園,幼稚園の区別がなく,ひとしく学校教育と児童福祉法に基づく保育を提供しています。就学前に同じ体験をし,友達関係が広がることで,小学校以降の教育へ円滑に移行できること,また3歳児教育や一時預かりのニーズに応えられることがメリットですが,議員御指摘のとおり,入園を希望する3歳児が抽せんになるといったように,入園希望はなかなかかなわないといった意見も伺っております。

 こうした現状を踏まえ,できるだけ希望どおり入園ができるよう,引き続き受け入れ体制を整えてまいりたいと考えております。

 この項最後です。市立認定こども園を検証した上で,本市の整備計画の方向性について示せとのお尋ねにお答えします。

 本市では,市立認定こども園5園の開園とともに,私立認定こども園6園も開園され,平成28年4月には市内に11園の認定こども園が運営され,認定こども園に対する認識や理解も進んできていると考えておりますが,認定こども園の運営状況等につきましても引き続き検証してまいります。

 また,市立認定こども園の整備が進んだことで,認定こども園への移行を期待する保護者や地元の声もお聞きしていることから,引き続きこれまでと同様に地元関係者や保護者の方々などに丁寧に説明し,正確な情報を共有するとともに意見交換を行い,御理解をいただきながら,着実に施設整備を進めてまいりたいと考えております。

 以上です。

   
◎岸堅士総務局長
   介護離職防止についての項,市職員のうち介護を理由に離職した者,仕事をしながら介護している者の状況についてのお尋ねです。

 市職員の退職者の個別の退職理由は把握しておりません。

 また,平成27年度の市職員の介護休暇取得者は2名,短期介護休暇取得者は53名,介護のために早出遅出勤務をした者は1名となっています。

 今後とも,介護離職につながることがないよう,所属長を初め職場の理解を深めるとともに,制度の周知に努めてまいります。

 以上です。

   
◎森安浩一郎保健福祉局長
   同じく介護離職防止の項,特別養護老人ホームとサービス付き高齢者向け住宅の状況,待機者数,それから今後の施設整備計画と介護人材の不足解消対策についてです。

 市内の特別養護老人ホームは,現時点で62施設,定員は2,982人,サービス付き高齢者向け住宅は56施設で,戸数は1,897戸です。

 特別養護老人ホームの待機者数は,平成27年7月1日時点で3,911人となっていますが,そのうち入所要件の一つである要介護3以上の方は2,646人です。

 平成27年度から平成29年度までの第6期介護保険事業計画では,介護度の高い要介護4以上の在宅の方の待機解消を目指し,必要な整備量を算定し,特別養護老人ホームを235床整備することとしております。次期平成30年度から平成32年度までの第7期介護保険事業計画では,国が掲げる介護離職ゼロの方針を踏まえ,必要な整備量を見込んで計画に反映させていきたいと考えています。

 また,本市が確認しているところでは,市内の施設,事業所の介護に係る人員はおおむね基準を満たしているところです。介護人材確保に向けた取り組みへの支援として,今年度は介護職員交流事業や施設,事業所への講師派遣事業を計画しています。

 以上です。

   
◎堤修治経済局産業政策担当局長
   同じ介護離職防止についての項,順次お答えいたします。

 市内で介護,看護を理由に離職した人,仕事をしながら介護等をしている人の把握についてのお尋ねです。

 総務省の平成24年就業構造基本調査によりますと,平成23年10月から平成24年9月の1年間で市内で介護や看護を理由に離職した人は800人,また介護している雇用者は平成24年10月1日現在で1万1,900人と推計されています。

 次に,介護休業法制度の利用状況と,これまでの市による制度利用促進のための取り組みのお尋ねです。

 介護休業制度の利用状況についてハローワーク岡山によりますと,介護休業給付金の受給者数が平成27年度は月平均5人とのことでした。これまでの市の利用促進の取り組みについては,市ホームページで制度の周知広報を図っているところでございます。

 この項最後でございます。育児・介護休業法への理解と制度利用について,本市の新たな取り組みはとのお尋ねです。

 事業主への介護支援取組助成金はことし4月から新設され,8月からは介護休業給付金が40%から67%に引き上げられます。また,介護休業の分割取得などの改正育児・介護休業法が来年平成29年1月から施行されます。

 今後とも,労働局と連携して,育児・介護休業法を初め労働関係法令への理解と制度利用について,市内事業者の雇用を守るため,市民や事業主へ市のホームページで随時公表するとともに,労働局のチラシ,リーフレット等を活用し,区役所や地域センター,福祉事務所,ふれあいセンター等において周知を図ってまいりたいと考えております。

 以上でございます。

   
◆二嶋宣人議員
   御答弁ありがとうございました。また,市長ありがとうございます。

 ホストタウン,ブルガリアのプロヴディフのほうにしっかりと的を絞って取り組んでいっていただけるということでございますので,前進するようによろしくお願いいたします。

 このブルガリアのプロヴディフは,少し調べさせてもらったら,サッカーが最も人気であって,またこのブルガリアの中で最大のスタジアムは5万5,000人を収容できるということであります。実質,美作のほうのサッカー場へのこういった合宿等々の話ですけれども,岡山市のほうもしっかりとこういった事前合宿に,サッカーの代表選手,今回リオには行きませんけれども,来ていただけるような取り組みをしていただけたらなと思いますので,よろしくお願いいたします。

 それでは,再質問を随時させていただきます。

 まず最初に,食料品アクセス問題に少し触れさせていただきました。食料品アクセス問題と交通弱者の現状について,理事のほうから少しお話をいただきました。何かぼやんとした現状把握だったと思うわけでありますけれども,こういった食料品アクセスにおいて困難が想定される人口であったり,また交通弱者の人口,やっぱり具体的にしっかりと現状をイメージして,それから将来の人口もしっかりとセットで把握していかなければならないと思うわけであります。そこのあたり,将来的な人口推移というものは把握されていますか。

   
◎佐々木正士郎理事
   具体の食料品アクセス問題の人口の推移でございますが,残念ながら,今回昨年度のアンケート調査は,あくまでもそれぞれの24地区の課題を取り上げさせていただいたものでございまして,個別の人口の推計というところまでには至っておりません。これはなかなかその推計自体も難しいかなあとは思っております。

 ただ,御指摘のとおり,この問題というのは恐らく人口減少地区においては,いずれも大きな課題となってくるということでございますので,先ほど担当局長のほうからも幾つか生活交通についてのモデル地域のいろんな取り組み等の答弁もございましたが,そういった取り組みを進めながら,このアクセス問題については対応できればと考えているところでございます。

 以上でございます。

   
◆二嶋宣人議員
   そういった中で,先ほど理事からも答弁がありました。中山間地域の実態把握アンケートについて,今後4つのモデル地区を選定して検証していくとのことでありますけれども,具体的にこの調査結果の中で,地域の主たる課題として今回触れさせていただいている交通であったり,買い物などが多かったというふうな答弁がありました。具体的にこの4つのモデル地区を挙げた上で,こういった点についての検証を想定しているのでしょうか。取り組みの方向性について,もう少し具体的に示せればお聞かせください。
   
◎佐々木正士郎理事
   昨年度のアンケート結果を踏まえて今年度行う4つのモデル地区の選定につきましては,まずは地元に入りまして,地元の課題みたいなもの,つまり地元として何に取り組みたいかという意向調査を今させていただいているところでございますので,まずは地元の方からどういった問題意識が出てくるか。もちろん,課題のアンケートの中では買い物であったり,足であったりという問題も出てきておりますので,そういった課題に取り組みたいという御意向も当然出てくるかと思いますが,まず地元の意向を確認した上で,どのようなテーマを選定するのかということを決めていきたいと思っております。

 以上でございます。

   
◆二嶋宣人議員
   課題は出てきているけれども,また課題を抽出していく。何か不思議なような感じがしたわけでありますけれども。この交通であったり買い物であったりするのは,今回はとりわけ中山間地域に特化したわけでありますけれども,私最初に触れさせていただきましたように,中山間地域だけの課題ではないと言える状況であるということは,理事にも御理解いただいているわけであります。だからこそ,今回この24小学校区の中から4つの地区を選定してやるということですけれども,私はやはり市全体を対象として,地域からの手挙げ方式などによって,緊急性のある地域において民間との協働ですよね。介護福祉業界であったり,小売流通業界であったり,公共交通であったり,商業関係などのやっぱり横断的な連携を図るための協議会などを立ち上げて,全市的な調査検討,さらには対策をすべきだと思うわけでありますけども,これについて御所見はありませんか。
   
◎佐々木正士郎理事
   済いません,先ほど私モデル地区4つと申し上げたのは,課題の抽出という意味ではなくて,実はこれは地域がまさに自主的にといいますか,自分たちで解決しようという取り組みについて行政として後押しする,支援すると,そういう制度のたてつけでございます。そのモデル地区をやりたいと手を挙げてきたところから,じゃあこの課題についてと言われたことについて後押しをさせていただきたいと思っております。

 あくまでも,24地区の中で,私先ほど申し上げましたように,人口減少区域などではかなり交通弱者の問題も含めて出てきておりますが,まずはそのモデル地区でどういった解決方策があるのかと。それを踏まえた上で,そういった取り組みを他の地域にも応用できるような形で,今年度についてはそのモデル地区という形で進めさせていただければと思っております。

 以上でございます。

   
◆二嶋宣人議員
   わかりました。ありがとうございます。

 そういった中で,今回触れさせていただいたいわゆる食料品アクセス問題の一助になっているであろうと思われる生活交通の確保のために,足守地域の生活バスであったり,御津・建部のコミュニティバスの運行がなされていると思われます。徐々に徐々に結果が出ている中で,この秋にはくまなく網羅できるであろうと思われるこのデマンドタクシーの導入ということに期待しているわけでありますけれども,ではこの足守地域,御津・建部地域の効果の検証についてですが,足守についてはもう11年たっております。御津・建部については4年たっているわけでありますけども,そこのあたりの検証についてお聞かせください。

   
◎鹿子木靖都市整備局都市・交通・公園担当局長
   既存のコミュニティバス,生活交通についての検証ということでございますけども,今まで地元の方々のニーズもお聞きしながら,ちょっとずつ路線を変更したりですとか,料金を変更してきたりしてきたわけですけども,最近路線によっては乗員の減少が見られるものも若干出てきたものですから,今後とも地域住民のニーズを把握しながら,本当に利便性のある生活交通の確保について考えてまいりたいと思います。
   
◆二嶋宣人議員
   行われている一つ一つの施策がこの生活交通の確保につながっているということは,私自身も評価しているわけでありますし,先ほど少し保健福祉局長のほうから,福祉の観点からもやはりいろいろと手だてを打っていかなきゃいけないといった答弁がありました。だからこそ,課題解決に向けて一つ一つ取り組んでいる,その評価の中で次の施策についてやはり少し具体を示していただかないと,なかなか前進しないと思うわけでありますけども,次の一手といった形で何か具体的なものがありますでしょうか。
   
◎鹿子木靖都市整備局都市・交通・公園担当局長
   先ほど申しました御津・建部あるいは足守地区での取り組みのほかに,先ほども御説明申し上げましたけれども,灘崎地域の迫川地区で地域住民の方と一緒に,市全体のモデルケースとなるような生活交通の確保の取り組みを今やっているところです。迫川地区での取り組みとしましては,今車などを御利用できない住民の方がどこに行くのに不便かとか,どこまで走らせてほしいかとか,そういう具体的なことを意見交換しながら,地域と一緒になって生活交通確保の取り組みを進めておりますので,これを今後全市的にも広げていけるのではないかと考えているところでございます。

 以上でございます。

   
◆二嶋宣人議員
   最初の質問で少し触れさせていただきましたが,農水省が平成28年3月に,食料品アクセス問題に関する全国市町村アンケート調査結果を示しました。その中で,対策を必要とする市町村での実施状況としては,やはり今岡山市が行っているようなコミュニティバスの運行等による支援が全体的に多いという状況であります。

 しかし,都市の規模によって,また違う結果が出てきておりまして,政令市等の大都市では,こういったコミュニティバスに対する支援は徐々に少なくなってきていると。むしろ,宅配であったり,さっき保健福祉局長が言われました,御用聞きだったり買い物代行サービス等に対する支援にシフトチェンジされていっていると,そういった取り組みが多くなってきているという結果が出ています。だからこそ,そういった福祉と交通,交通がある程度充実してきたら,なおさらそういったことに対して次の一手としてこういうふうな取り組みをしていくことが,生活交通さらには食料品アクセスの問題の解決につながると私自身考えているわけでありますので,そこのあたりについて少し何か御所見があればお聞かせください。

   
◎鹿子木靖都市整備局都市・交通・公園担当局長
   私が先ほどから説明しているのは,確かに生活交通の確保という実現手段ということで説明させていただいているわけです。議員おっしゃるとおり,買い物ですとか福祉ですとか,いろんな目的に応じて,その解決の手段というのはさまざまあります。おっしゃるような買い物代行サービスとかもあると思いますので,どういう地域にはどういう手段が一番最適かということをいろいろ考えながら判断してまいりたいと思います。
   
◆二嶋宣人議員
   この点においては,やはり岡山市というのはもう全国の縮図だということで,よくこういった形で議論がされております。これも今後また引き続き議論させていただきたいと思っておりますので,時間の関係上,次に移らせていただきます。

 岡山駅の東口広場のあり方について,市長のほうからも少し御答弁がありました。現在,にぎわいや憩いの空間確保,景観の向上であったり歩行者動線の確保など,検討会はもちろん,幅広い議論を行って検討している最中だということであります。今乗り入れの調査・検討事業でいろいろとるる検討していくわけでありますけれども,やはりある程度方向性を示した段階で,公平公正といいますか,今後のまちづくりを考える上で参考としていくためには,公開のアイデアコンペ等々が最大の魅力を引き出すためには有効と私自身考えているわけであります。まだ少し先の話ですけれども,このあたりについての御所見があればお聞かせください。

   
◎鹿子木靖都市整備局都市・交通・公園担当局長
   先ほども御説明させていただきましたけれども,今年度から路面電車の乗り入れに伴う駅前広場のあり方の検討ということで,考えたり意見交換する場として,調査検討会ですとか,あるいは地元との個別の意見交換会ですとか,いろんな場を設けさせていただきたいと考えております。議員御提案のコンペにつきましても,今後の検討を進める中で参考とさせていただきたいと思います。

 以上でございます。

   
◆二嶋宣人議員
   続いて,防災対策に触れさせていただきます。

 本庁舎建てかえについてであります。藤原哲之議員と同じ答弁ということでありますけれども,今後本市は現行の耐震基準を満たしていない本庁舎について,大規模災害時に使用できなくなった場合を想定して,市有地への代替施設の建設や,また代替施設の指定を検討していくといった方向性を示されたと思います。

 しかし,代替施設はあくまでも代替施設であって,やはり本庁舎全てにいろんな機能が集積しているわけであります。耐震性の確保,災害時の拠点機能をしっかりと確保していくためには,この本庁舎をしっかりと守っていくという意味でも,本庁舎建てかえの方向性は重要と考えます。もう少し具体的な方向性は示せないものでしょうか,お聞かせください。

   
◎岸堅士総務局長
   災害対応を行うための拠点確保ということ,その点については防災対策上も重要なことと認識しております。したがいまして,災害対応できるように,災害対策本部は耐震基準を満たしていない本庁舎から満たしている保健福祉会館に設置して,災害時に円滑な指揮命令が可能となるような体制を整えているところです。

 さらに,岡山市業務継続計画を策定し,岡山市として体制強化を行っているところです。

 今年度は,具体的に代替施設としてどういうところに仮の庁舎を建てるとか,業務を継続するためにどういう施設が使えるかということについて具体的に検討していく予定にしております。

 以上です。

   
◆二嶋宣人議員
   平成25年度の耐震化等検討業務委託において,中層建てかえの優位性が高いと示されました。さっき総務局長がお話しされたように,代替施設をこれから検討していくということでありますけれども,耐震化等検討業務委託をした平成25年度から数年がたっているわけであります。少なくとも市の財政運営に支障を来さない範囲で,ある程度具体的にそういった検討がなされてきたと思うんです。むしろ,それがなされていなければおかしいと思うんですけども,どういったところまでが検討されているのか,お聞かせいただけませんか。
   
◎岸堅士総務局長
   議員御案内のように,平成25年度には,委託ですけれども,建てかえと耐震改修の両面から,機能性や経済性等についての検討を行いました。

 平成26年度には,これも委託で行ったわけですが,民間の資金や建設,運営のノウハウを活用する官民連携による事業手法の検討を行ったところです。

 そして,直接ではないかもしれませんが,平成27年8月には,本庁舎に隣接した貯金事務センター跡地を,大震災などの災害時には市の優先利用を条件に,民間事業者に貸し付けを行っております。

 それから,平成27年度末には,市全体の業務継続計画が策定されましたので,先ほど申し上げましたように,本庁舎が使えなくなった場合に備えて,代替施設等の検討を進めていくということにさせていただいております。

 以上です。

   
◆二嶋宣人議員
   そこまでいろいろと市の財政運営等々も含めて検討されてきた中で,具体的に大体これくらいのものというのを,不測の事態が起こればまた別かもしれませんけども,100億円以上かかる建てかえでありますので,ある程度やはり方向性を市民に問うという意味でも,早急に示していただけたらと思うわけであります。そこのあたりのスケジュールについて,早急に示していただけるかどうかの決意があればお聞かせいただけたらと思います。
   
◎岸堅士総務局長
   やはり,本庁舎の耐震化には多額の経費を要することは明らかであります。今現在は,学校・園舎等の耐震化を進めております。まずはそこを進めていって,その上でその時々の財政状況を慎重に見きわめていきたいと考えております。

 以上です。

   
◆二嶋宣人議員
   時間も限られておりますので,待機児童について少し触れさせていただきます。

 緊急的な市費対応をどのようにお考えでしょうかということで,局長にお伺いさせていただきました。確かに,民間との協力,対策に効率的に,また効果的に取り組んでいかなきゃいけない,それはもちろん私自身も理解しているわけであります。

 しかし,この待機児童解消のためには,いろんな質や量の確保を図っていく上で,私自身とりわけこの保育士の確保というところが非常に難しい課題なんだろうなあと感じているわけであります。施設があっても保育士がいなければ,受け入れすることもできない。また,制限していくしかない。だからこそ,なおさらのこと,このたび国が来年度から保育士の処遇改善として月平均6,000円程度引き上げていくとおっしゃったわけでありますけども,この取り組みに対して,本市はこの取り組みで十分と考えられるのか,不十分と考えられるのか,そこのあたりについて御所見をお聞かせください。

   
◎田中克彦岡山っ子育成局長
   確かに,今議員おっしゃられましたように,今全国的に保育士の不足というのが大きな問題になっておりまして,我々岡山市としましても,受け皿の整備とあわせて保育士の確保というところが課題だと認識しております。そういった中で,以前にも市長から答弁がございましたように,今回国のほうにおいてもニッポン一億総活躍プランでありますとか骨太の方針等々で保育士の処遇改善に努めていくというような記述があると認識しておりますので,そのあたりを踏まえながら,今後国の動向も注視しながら,岡山市としても取り組んでまいりたいと考えております。

 以上です。

   
◆二嶋宣人議員
   独自の給料加算もされていると思いますけれども,緊急的な市費投入はやはり必要だと思います。そこらあたりについて市長,再度御所見をお聞かせいただけたらと思います。

 よろしくお願いいたします。

   
◎大森雅夫市長
   済いません,ちょっとぼうっとしました。(笑声)(「僕もぼうっとしました」と呼ぶ者あり)

 子育て環境の整備というのは,本当に重要だろうと私は思っております。そういう面では,今回待機児童の問題を申し上げましたけども,保育料の見直しもそうですし,今回議案としてお願いしている多子世帯の保育料もそうであります。そのほかにも子どもの医療の問題等々,やはりみんなで子育ての環境を整えようという視点で取り組んでいく,そういう意味で二嶋議員はおっしゃっているんだろうと思います。それはもうおっしゃるとおりだろうと思います。全体のバランスをよく見ながら,我々として市費投入についてもできるところについては積極的にやっていくと,こういう姿勢でこれから臨んでいきたいと思っておりますので,よろしく御指導のほどお願い申し上げます。