平成28年 2月定例会 - 3月8日

◆二嶋宣人議員
   皆さんおはようございます。自民党の二嶋宣人でございます。
 時間も限られておりますので,早速でございますけれども質問に入らせていただきます。
 1,観光振興について。
 昨年は,円安等の影響により,訪日外客数は過去最高の1,973万7,000人,延べ宿泊者数は6,637万人となりました。急増しているインバウンドの呼び込みは,新たな雇用など大きな経済効果を生み,日本の観光産業の大きなテーマとなっています。
 さて,観光に関する調査研究をしているじゃらんリサーチセンターが観光産業発展のために独自調査したASEAN3カ国,シンガポール,タイ,マレーシアの訪日インバウンド・ニーズ調査では,訪日のきっかけ,理由として,日本の食事と桜,紅葉,雪などの自然が全体の50%を超え,これらが魅力的な観光コンテンツとして求められているという調査結果が示されていました。
 そこで質問いたします。
 (1)本市が思う魅力的な観光コンテンツとはどのようなものでしょうか。
 (2)政府目標である2020年までにインバウンド2,000万人の早期達成が見込まれていますが,本市の目標についてお聞かせください。
 (3)観光庁調査では,昨年の岡山県の外国人延べ宿泊者数は17万9,910人,前年比62.1%増とのことですが,ここ数年のインバウンドが本市を訪ねた理由,観光先,消費額の傾向について調査,検証はなされていますか。
 (4)本市はどのような形でインバウンドの多様化するニーズの把握に努められていますか。
 (5)インバウンドのほぼ半数がリピーターであり,露天風呂,四季の風景,日本旅館,城,祭りやイベントなどといった日本らしい生活体験がリピートの鍵とも言われています。新たな観光資源の掘り起こしをどのようにお考えでしょうか。
 (6)認知度の低い観光地をインターネットなどで調べてくる外国人もふえている中で,高知県などの海外向けフェイスブックによるSNSインバウンド戦略が注目されています。観光資源の発信で工夫されている面はありますか。
 (7)インバウンドの誘致,受け入れなど,民間とはどのような協力体制をお考えでしょうか。
 本市は,新たにマレーシア,フランスへの海外プロモーションを展開していきます。特に経済成長や若年人口の多さが将来の伸びを期待させるマレーシアに対し,加工食品や岡山物産の販売による観光客誘致戦略には期待しているところでありますが,マレーシアはムスリム──イスラム教徒の人口比率が高い国でもあり,訪日した際,受け入れる側としてイスラム教の戒律に沿ったハラル認証の商品や宿泊施設での礼拝のための部屋をつくるなどが必要となります。世界,またアジアの中で多くの人口を占めているのはムスリムであり,今後大きな需要が生まれると考えます。
 そういった中で,本市の強みは,2014年秋に開催されたESDに関するユネスコ世界会議において,食事に制限のあるムスリムの方々に対し,食材表示を行い,料理が選択できる対応などのおもてなしがなされ,他都市と比べ,ハラルなどのノウハウを持ち合わせていることと考えます。
 そこで質問いたします。
 (8)県内では既にムスリム観光客増のための環境整備が民間等で本格化していると伺っています。本市は民間の動きをどの程度把握されていますか。
 (9)ムスリムをターゲットとした新たな観光産業は,経済の活性化,新たなブランド力の確立につながると考えます。研究の余地があると思いますが,御所見をお聞かせください。
 (10)国は,訪日外国人観光客を地方へ誘致するための環境整備事業を推進していますが,今後本市におけるムスリムの方々に対応した環境整備の展開はお考えでしょうか。
2,吉備線LRT化構想について。
 先日,国交省中国地方整備局岡山国道事務所にて,地域の方々と岡山西バイパス,総社・一宮バイパスなどの整備計画について意見交換しました。バイパス整備や道路拡幅による道路利用者の利便性向上,交通渋滞の解消もさることながら,過度な自動車依存からの脱却対策として吉備線を基幹とした公共交通への転換,つまり吉備線LRT化は,沿線学区からも切望されていることは,大森市長も十分御承知いただいていると思います。
 本市では,これまで繰り返し構想実現のための会合が幾度となく開かれてきました。優先項目である費用負担や運営スキームを初め,多くの課題が山積であるため,時間を要することも理解します。しかし,他都市と比較することはしたくないのですが,富山市は3年でLRT化を実現しました。
 そこで質問いたします。
 (1)単刀直入にお伺いいたします。
 大森市長就任後,再び検討のための体制づくりができ,実現に期待しているところですが,吉備線LRT化は実現できますか。
 (2)平成26年12月以降,検討会議が開催されていません。なぜですか。今後の予定はいつになるのでしょうか。
 (3)現在,基本計画の根幹となる具体的な費用負担と運営スキームを優先して協議していますが,吉備線の赤字状況等を踏まえると,国の補助以外に多額の公的支援が必要であり,運営に当たっては民間の効率経営と公的支援の充実との両立ができる第三セクター方式が望ましいと考えます。
 JR,総社市との兼ね合いもありますが,本市が思い描くまちづくりを進める上で,公的負担が大きくても必要性があると決断しない限り,本格的な基本計画策定に着手できないと思われます。優先協議内容の方向性をそろそろ示すべきではありませんか。市長の御所見をお聞かせください。
 3,放課後児童クラブについて。
 (1)平成27年度から子ども・子育て支援新制度が導入され,約1年が経過しようとしています。当初,全学年への受け入れ拡充により,岡山市内での利用者は30%程度増との見込みでしたが,実際の利用者数,待機児童数,また今後の見通しについてお聞かせください。
 (2)学童保育施設の広さは,児童1人当たり1.65平方メートル以上の面積確保が求められています。制度実施後,現段階での基準に満たないクラブ数,また4年から6年生までの児童を受け入れることができていないクラブ数についてもお示しください。
 (3)受け入れ拡充のための学校教室の利用などの施設整備状況と今後の方針についてお聞かせください。
 (4)現在,課題の一つとして取り組んでいる提供サービスや利用負担金などといったサービスの標準化に向けての進捗状況をお聞かせください。具体的なロードマップもお示しください。
 4,回遊性向上社会実験について。
 (1)昨年に引き続き,ことしも中心市街地回遊性向上のための社会実験が行われる予定で,秋には県庁通りにおいては,平日にも実施されるとのことですが,今回の社会実験を通して本市が描く最終的な県庁通り,西川緑道公園筋のあり方,方向性が示されると捉えていいのでしょうか。
 (2)昨年10月,11月に開催された社会実験では,歩行者の6割前後が肯定的でしたが,沿道事業者は4割弱にとどまったとのアンケート結果を当局はどのように評価していますか。
 (3)イベントを行えば,当然ふだんより人通りはふえますが,沿道事業者への効果,つまり売り上げに直結しない場合もあります。人の流れの増加イコール回遊性の向上が図られたとは一概には言えません。もちろん魅力アップのための店そのものの努力は必要ですが,今後の課題として,表町商店街付近への効果を上げるための工夫が求められます。商店街活性化支援事業を踏まえ,御所見をお聞かせください。
 5,東京五輪・パラリンピックについて。
 地方創生のキーワードとして,スポーツも上げられます。ことしの1月末,国は2020年東京五輪・パラリンピックに参加する選手らと地域住民の交流を図るホストタウンとして,倉敷市など全国自治体44件を1次登録分として発表しました。また,先月3日には,岡山市と美作市は,大会の事前キャンプ誘致に向け,候補地としての意思表明申請を県に提出しました。意思表明したからには,ぜひ各国から候補地として岡山市が注目されることを期待しているところであります。
 そこで質問いたします。
 (1)大きな経済効果を生む東京五輪・パラリンピックを契機に,本市はスポーツをどのような形で地方創生につなげていこうとお考えでしょうか。
 (2)そもそも本市はなぜホストタウンの1次選考にエントリーしなかったのでしょうか。第2次以降で登録を目指す方針とのことですが,今後の見通しについてお聞かせください。
 (3)事前キャンプ誘致に向けたPR活動等の取り組み状況についてお聞かせください。
 (4)ホストタウンのエントリーに当たってどういった国をターゲットと考えていますか。また,有利な地方財政措置が図られる中で,既存の競技施設等の改修,そして人的,経済的,文化的な相互交流についてはどのようにお考えでしょうか。
 以上をもちまして1回目の質問を終わらせていただきます。(拍手)
   
○宮武博議長
   当局の答弁を求めます。
   
◎大森雅夫市長
   それでは,二嶋議員の質問にお答えいたします。
 私からは,2つ,まず1つ目は,吉備線LRT化構想について,実現できるか,今後の予定がどうなるか,方向性をそろそろ示すべきではないか,この3点について申し上げたいと思います。
 吉備線LRT化については,現在,その実現に向けてJRと総社市と一体となって基本計画案の作成に取り組んでいるところであります。現在の3者の協議状況については,おかやま創政会を代表しての太田議員にお答えしたとおりですが,特にJRとは運行主体をどうするのか,また車両や設備等の保有,管理をどうするか,費用負担や役割分担のあり方をどうするのかといった基本計画の根幹となる事項について,実務者レベルで協議,検討を重ねているところであり,それらに時間を要していることは事実であります。
 すぐにさっとこの解決ができるということではないかもしれませんが,とりあえずは課題,論点を整理しながら,次の一歩に進むべく,新年度,本当に気持ちを新たに対応していきたいと思っているところであります。
 次に,東京オリンピック・パラリンピックですが,これらを契機にスポーツをどのように地方創生につなげていこうと考えているのか,またホストタウンについてどういった国をターゲットと考えているのか等についてお話を申し上げたいと思います。
 今,二嶋議員もおっしゃいましたように,事前合宿,事前キャンプの誘致について,岡山市は手を挙げています。岡山市は,陸上競技,柔道,そしてバレーボール,美作市がサッカー。岡山県内では2つの市が4つの競技について手を挙げているところであります。この手を挙げるに当たっては,当然要求されている施設の基準を満たしているということで,それらを整理した上で挙げているということであります。
 ホストシティータウンというと,ちょっと事前合宿の誘致とは異なるものであります。これは,今回の東京オリンピック・パラリンピックを契機に全国の地方公共団体と大会参加国,地域との人的,経済的,文化的な相互交流を図るとともに,地域の活性化等を推進することを目的とするということで,どちらかというと相互交流,国際交流,そして地域の活性化,こういったところに視点が行っているところであります。
 我々としても,これについて指をくわえて見ているつもりはありません。今後は,やはりつながりがある都市,国と対応していくというのが順当なんだろうなと思います。
 事前に来られるという面から見ると,例えば近くの国ですね,日本に近い国は,なかなか事前に来て合宿,交流というのは余りないかもしれません。そこのところもちょっと整理はしなきゃいかんと思いますけれども,御縁としては,国際友好交流都市というところから,例えばプロヴディフ市のあるブルガリア共和国,またサンホセ市のあるコスタリカ共和国などへもホストタウンの相手国として打診するなど,今,大使館などには少し当たっているところでございますが,これからも取り組みを進めてまいりたいと考えているところであります。
 私からは以上です。
   
◎山本修司経済局長
   1番目,観光振興についての項に順次お答えします。
 まず,本市の魅力的な観光コンテンツ,外国人が本市を訪れた理由,観光先,消費額の動向の調査,検証,インバウンドの多様化するニーズの把握について一括してお答えします。
 毎年,JNTO──日本政府観光局主催のインバウンド旅行振興フォーラムに参加し,現地に駐在するJNTOの海外事務所長らに直接相談するなどJNTOとの連携を強化しながら情報収集に努めております。
 また,今年度,訪日外国人観光客のアンケート調査を実施し,現在その取りまとめ段階ではありますが,本市の傾向としては,史跡,寺社仏閣等の観光・文化的な名所を見ることを目的に,岡山後楽園と岡山城をあわせて訪問するケースが多く見受けられます。
 また,海外プロモーション等でも人気の高い桃,ブドウといった果物ももちろん本市の魅力的な観光コンテンツであると言えます。あわせて,現在,ウエブへのアクセスを通じて,外国人個人観光客のニーズを把握しているところであり,こうした調査結果を分析,検証し,インバウンド誘客に生かしてまいりたいと考えております。
 次に,インバウンドに関する本市の目標についてお答えします。
 昨年10月に策定された岡山市まち・ひと・しごと創生総合戦略では,外国人観光客宿泊者数を重要業績指標とし,平成31年度の最終目標値を4万6,000人としていますが,今後,毎年の検証,見直しを踏まえ,より戦略性と妥当性を持つ目標値となるよう,必要に応じて改定することとしております。
 次に,日本らしい生活体験など新たな観光資源の掘り起こしについてお答えします。
 日本らしい生活や文化は,本来,それ自体が観光資源でもあり,その体験メニューを充実することで訪日リピーターを誘客する上での訴求力も高まるものと考えております。
 現在,岡山城での備前焼の土ひねりや着物の着つけ体験は,多くの外国人観光客に喜ばれており,またアフターコンベンションのメニューである天守閣内での懇親会も好評なことから,今月末には禅寺として外国人にも人気の高い曹源寺において新たな懇親会メニューを試行する予定です。
 今後とも日本そして岡山の生活文化にも改めて目を向けながら,アイデンティティーとして誇れるものを外国人観光客の方々にも体験していただけるよう取り組んでいきたいと考えております。
 次に,インターネットなど観光資源の発信で工夫している面についてお答えします。
 現在,おかやま観光コンベンション協会のホームページで,年間を通じてのイベント情報等を発信しており,一例ですが,先般開催された西大寺会陽では,近年,インターネットで情報を得る外国からの参加者や観覧者が目立つようになり,今年はフランス,イギリス,ドイツから放送局,通信社が取材に訪れたと聞いております。
 インターネット上でいかに効果的に情報発信するかが外国人個人観光客の誘客の鍵を握ることから,来年度導入する宿泊助成制度もインターネット上で利用できるよう計画しており,先ほどの生活体験や来年度制作するプロモーションビデオ等の発信も含め,なお一層力を入れていきたいと考えております。
 この項最後ですが,インバウンドの誘致,受け入れなど民間との協力体制,ムスリム観光客増のための環境整備が民間等で本格化しているが,民間の動きをどの程度把握しているか,ムスリムをターゲットとした新たな観光産業についての所見,今後本市におけるムスリムに対応した環境整備の展開の考えについて一括してお答えします。
 インバウンド誘客はもとより,観光事業そのものが基本的には民業であり,民間事業者の方々の取り組みといかにタイアップしていくかが重要と考えており,お互いの情報を共有する機会を可能な限り持ちたいと考えております。
 議員御指摘のムスリム対応ですが,現在,市内では2店舗の飲食店がイスラム教の戒律に従ったハラル料理を提供しております。また,ハラル食品は,欧米では安全・安心な健康食品としても注目されていることから,ヘルスケア産業育成の視点からも注目しており,関係企業を訪問し,その事業の動向についても把握しているところです。
 ハラル食品を中心とした取り組みがムスリムの観光客の方々の受け入れ環境をよりよくすることに加え,さらに健康をテーマとしたツーリズムのような形に発展していくことを期待しており,こうした民間事業者の取り組みとタイアップしていきたいと考えております。
 以上です。
   
◎田中克彦岡山っ子育成局長
   3番目,放課後児童クラブについての項に順次お答えいたします。
 まず初めに,実際の利用者数,待機児童数,今後の見通しについてのお尋ねです。
 平成27年4月1日時点での利用児童数は5,832人,利用できなかった児童数は61人となっております。また,来年度の利用児童数は約6,200人,平成27年4月1日と比較して約370人の増加を見込んでいます。
 次に,現段階で基準に満たないクラブ数,4年生から6年生までの児童を受け入れることができていないクラブ数についてのお尋ねです。
 今年度の施設整備後,児童1人当たりの面積が基準に満たない放課後児童クラブは,残り12クラブとなっております。また,今年度4年生以上の受け入れができていない放課後児童クラブは23クラブあります。
 続いて,施設整備状況と今後の方針についてです。
 今年度は,5カ所の小学校において特別教室や準備室等を活用し,放課後児童クラブの施設整備を行いました。また,来年度は,3カ所の小学校を予定しておりますが,小学校の児童数の増減により教室数が変動することから,学校と協議を行い,整備を進めることとしております。
 今後も学校施設の活用を最優先とし,学校や教育委員会等と連携,協議を行いながら,平成31年度までの5年間で放課後児童クラブの施設確保を進めてまいります。
 この項の最後,サービスの標準化に向けての進捗状況と具体的なロードマップについてのお尋ねです。
 公明党代表質問で磯野議員,市民ネット代表質問で鬼木議員及びおかやま創政会の柳迫議員に御答弁したとおりです。
 以上です。
   
◎山本修司経済局長
   4番目,回遊性向上社会実験についての項,商店街活性化支援事業を踏まえ,表町商店街付近への効果を上げるための工夫についてお答えします。
 平成26年度から実施している商店街活性化支援事業については,来年度からNPO法人や民間企業等が商店街と連携し,商店街を取り巻く課題の解決や活性化などに対応した多様な取り組みが行えるよう制度の拡充を図っているところです。
 こうした支援制度や回遊性向上社会実験についても,積極的に活用し,魅力的な商店街づくりにチャレンジしていただけるよう,その後押しをしていきたいと考えております。
 以上です。
   
◎山崎康司都市整備局長
   4番目の回遊性向上社会実験について,順次お答えいたします。
 まず,今回の社会実験を通して,最終的な県庁通り,西川緑道公園筋のあり方,方向性が示されると捉えていいのかとのお尋ねにお答えいたします。
 県庁通り・西川緑道公園筋回遊性向上社会実験における今年度の検証と来年度の実施方針については,公明党を代表しての磯野議員にお答えしたとおりですが,県庁通りについては,今年度は土日という限定的な条件のもとでの実験であったため,将来の道路空間の具体的イメージを決定づけるまでの検証は行えていないと考えております。そのため,来年度は,平日の実施も含めて日常に近い条件の中で車道を1車線に規制し,これにより生み出された空間を歩行者や自転車に割り振ることでさまざまな効果や周辺道路への影響を確認して,県庁通りの具体的な道路空間のあり方を探っていきたいと考えております。
 西川緑道公園筋については,今年度行った3回の社会実験を通して一定の理解が得られてきているのではないかと考えております。来年度においては,将来の定期開催を視野に,沿道事業者やNPOの方々などさまざまな方々に主体的に参加いただく新しい運営体制を構築していきたいと考えております。
 これらのことを通じて,歩いて楽しいまちづくりを実現するための道路空間の将来イメージをつくり上げていきたいと考えております。
 次に,社会実験でのアンケート調査の結果,歩行者の6割前後が肯定的であったが,沿道事業者は4割弱にとどまった結果をどのように評価しているのかとのお尋ねにお答えいたします。
 今年度実施した第2回,第3回の社会実験において,県庁通りでは車道を1車線規制して,それぞれ違った形態での歩行空間の拡大や自転車レーンの設置を行いました。
 県庁通りを歩かれた方は,歩行者と自転車を分離して,ゆったりとまち歩きを楽しんでいただいたこと,まちなかでの幾つかのにぎわい事業が行われたことなどから肯定的な意見が多く見られたと考えております。
 一方,沿道の事業者の方は,渋滞の懸念や路上停車がしにくいなどの利便性が低下したこと,店舗によっては人通りの増加やにぎわいが直接売り上げにつながらなかったことなどから,このような結果になったのではないかと考えております。
 来年度の実施に向けては,沿道事業者との方々とも一層のコミュニケーションをとり,まちの魅力やにぎわいを創出するために一緒になって知恵を出し合い,効果的な取り組みを実施してまいりたいと考えております。
 以上でございます。
   
◎河野広幸市民生活局長
   5番目の東京五輪・パラリンピックについての項,市長答弁以外についてお答えいたします。
 まず,なぜホストタウンの1次選考にエントリーしなかったのか,今後の見通しはとのお尋ねにお答えいたします。
 ホストタウンにつきましては,相手国の選定と具体的な交流事業などの交流計画について確定できなかったためでございます。なお,先ほど市長が答弁いたしましたように,岡山市の国際友好交流都市がある国などをホストタウンの相手国として視野に入れ,交流計画を策定するなど積極的に対応してまいりたいと考えております。
 次に,事前キャンプ誘致に向けたPR活動等の取り組み状況はとのお尋ねにお答えいたします。
 事前キャンプにつきましては,ホストタウンの相手国だけに限定せず,広く誘致活動を展開し,条件が整えばさまざまな国の競技の誘致に向けた取り組みを行ってまいりたいと考えております。
 具体的なPR活動としては,先ほど市長答弁でございました3競技につきまして,2月3日に岡山市は県内で初めて公益財団法人東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会に対しまして,事前キャンプの誘致の意思表明をいたしました。
 現在ですが,駐日大使館への訪問や県内の競技団体等と連携した中央の統括団体への働きかけなど,事前キャンプ誘致に向けたPR活動を進めております。
 以上でございます。
   
◆二嶋宣人議員
   御答弁ありがとうございました。
 それでは,順次,再質問させていただきます。
 観光振興についてでありますけれども,ムスリムを新たな観光産業のターゲットにして,積極的に取り組んではというふうな質問をさせていただきました。
 経済局長のほうから,いわゆる民間等々とのタイアップを積極的にとり行っていきたいというふうな答弁があったと思います。民間とのタイアップはもちろんしっかりやっていただきたいわけでありますけれども,こういった形で岡山市がいわゆる海外プロモーションをマレーシア等に対して取り組んでいく上で,どれだけ情報収集をしていくか,そして,その取り組みに対してどれだけ根回しができているかといったことが,私は重要だと思っているわけであります。発表しました,しかし,何も具体的には決まっていませんよでは話にならないわけでありますから。
 そこで,一つこういった形で民間とタイアップしていく,そしてムスリムに対しても対応をしっかりしていくといった答弁であったと思いますけれども,ムスリムの観光客といえば,なかなか把握しにくいのかもしれませんけれども,今回,本市がプロモーションを行うマレーシアについて,具体的に岡山にどのくらい来られているとか,そういった状況把握はできていますか。
   
◎山本修司経済局長
   マレーシアからの岡山市への訪問状況というお尋ねでございますが,2014年度の統計になりますが,例えば,岡山城を訪問されたマレーシアの方につきましては,年度内を通じて186名という統計データがございます。
 以上です。
   
◆二嶋宣人議員
   ありがとうございます。
 結局年間通して186名ということであります。岡山市のお隣の広島であったり兵庫県であったり,そういったところだけの競争ではなくて,やっぱりもうこのインバンドに関しては,インバウンドというか海外の旅行者に関しては,もう国際的な都市間競争になっているわけであります。
 先般,観光庁のほうから発表された外国人宿泊数ですが,岡山県においても全国を上回る伸び率であったわけであります。しかし,全体から見ると,これは市長から,余り比較してもどうかというふうな話が先ほどありましたけれども,全国47都道府県の中で33位なんですよね。それだけやっぱり地域差が大きくなっている。だからこそ,やはり岡山市としてこういった目玉となるものに,しっかりと取り組んでいかなきゃいけない。そのためには,やっぱり情報収集が必要なんじゃないんですかということであります。
 何度も何度も言いますけれども,海外プロモーションでマレーシアをターゲットとした。マレーシアにおいてはムスリムの方々が60%という割合であります。マレーシアにはリピーターの方が多くて,長期滞在されることがあるというふうな本会議での答弁が経済局長からありましたけれども,そういった状況把握ができていない中で岡山に来てもらえる勝算,根拠はどういったところにあってこういった施策を打ち出したんでしょうか。
   
◎山本修司経済局長
   マレーシアから誘客できる勝算というお尋ねでございますが,基本的には岡山市を訪問されるマレーシアの方についても年々増加傾向が見られるということと,先日の本会議でも御答弁させていただき,今,二嶋議員のほうからも御紹介がありましたマレーシアの訪日観光動向に照らしまして,今後,東南アジアの中でも特に重点的に取り組むべき国と現在市のほうでは位置づけているところです。
 以上です。
   
◎大森雅夫市長
   なぜマレーシアかというお尋ねでありますが,もちろんどんどん開拓していかなきゃいかんというのが1つありますね。台湾,韓国等々よくやっているわけですから。それとともに,今回の場合は,観光客に日本,そして岡山に来てもらうというだけじゃなくて,岡山の産品の売り先として,販売促進のターゲットとしてマレーシアを選んでいると。マレーシア自身,御存じのように非常に発展がどんどん,どんどん進展している。1人当たりのGDPも相当多くなってきている。こういった状況下で考えたときに,瀬戸内海の瀬戸内の4市と一緒になっていくというのは非常に効果的なんじゃないかというのが,4市の市長さんがそろって議論したときの話になっている。
 一つは来てもらうというのもありますけど,売るというのも大きな要素なんで,そこを御理解いただきたいと思います。
   
◆二嶋宣人議員
   ありがとうございます。
 売るという観点,それから観光に来てもらう観点,私ももちろんそれで岡山市が盛り上がってくれたらなと思っているわけであります。先ほど冒頭の質問でお話しさせていただきましたけれども,ハラル商品云々くんぬんというのは,結局はイスラム関係の方々から岡山を見たときに,岡山は魅力があるがそういった食べ物であったり環境が整っていない,ないから来ないんであって,来ないならつくればいいじゃないかという,そういうふうな積極的な気概を見せてほしいということで質問させていただきました。そこのあたりについて,再度,経済局長に答弁をいただけたらなと思います。
   
◎山本修司経済局長
   インバウンドの誘客に際しましては,やはり岡山の持っている資源をいかに効果的に情報発信するか,それ以前に岡山にどういった資源があるのかを民間の方々の取り組みも含めてしっかりと把握しておくと,こういったことが大変重要だと考えております。そういった取り組みをされる民間の方々に今後とも積極的に市のほうから働きかけをいたしまして,効果的な情報発信に努めてまいりたいと考えております。
 以上です。
   
◆二嶋宣人議員
   吉備線LRT化,1つだけ触れさせてください。
 市長,御答弁ありがとうございました。確かにボリュームもあるし,課題,論点をしっかりと整理しなきゃいけないという状況はわかりました。しかし,きっと他の議員もいろいろと質問させていただいたのが,どこまで進んでるのか,なかなか目に見えない部分があって,そこのあたり山で例えたら何合目ですよとか,そのあたりがある程度わかれば,我々もこういった多分質問が余りないんじゃないかなと思うわけですけども,そこのあたりについて所見があればお聞かせください。
   
◎大森雅夫市長
   二嶋議員の気持ち,よくわかります。確かに今,実務者レベルで総社市,JRとやっているんですが,一つ私はある程度,水面下の話ではありますけれども,伺っています。いろいろと議論がなかなか先に進みにくくなっている面もあることもまた事実なんです。でも,議員おっしゃるように,それが議会の皆さん方に見えていないではないか,また市民の皆さん方に見えていないじゃないか,となると,次の打開策をどうするんだという議論もなかなかできないということもあることは,もうよく理解いたします。今の御指摘を踏まえて,さらに今後の展開について考えさせていただきたいと思います。
   
◆二嶋宣人議員
   期待していますので,よろしくお願いいたします。
 放課後児童クラブについて,局長,ありがとうございました。本市では,教育委員会と岡山っ子育成局とで放課後児童クラブ施設対策検討チームを立ち上げて,この保育ニーズに応えるため児童クラブを加速させるために量の確保として学校施設の徹底活用を掲げていると,私自身は認識しているわけでありますけれども,その方針で間違いありませんか。
   
◎田中克彦岡山っ子育成局長
   今議員おっしゃられましたように,基本的には学校施設を活用してということになりますので,当然教育委員会サイドと十分に,そしてまた,その地域の運営委員会等々と協力,連携しながら,この放課後児童クラブについては,まずは進めていきたいというようなことを考えております。
 以上です。
   
◆二嶋宣人議員
   であるならば,平成27年度から施設不足を解消していこうと49クラブの施設整備に取り組んでいっているわけでありますけれども,この傾向を見ると,どうしても小学校余裕教室の活用が余り進捗してないなというふうな状況が見受けられるわけであります。
 この学校教室の余裕教室と言っていいんでしょうか,この定義というものは,そもそもあるんでしょうか。教育長と岡山っ子育成局長に両方に聞きたいんですけど。
   
◎田中克彦岡山っ子育成局長
   今,議員のほうから余裕教室というお話が出ましたが,余裕教室というのは,先ほどもちょっと御答弁させていただきましたように,児童の受け入れといいましょうか,小学校へ入学する児童等々の数によってその取り扱いといいましょうか,その数が変動するというようなこともございます。先ほどちょっと御答弁申しましたように,例えば特別教室であるとか準備室であるとか,そういった部分も含めた形で,学校側と協議させていただきたいと考えております。
 以上でございます。
   
◎山脇健教育長
   余裕教室についてのお尋ねでございますが,余裕教室ということについての定義ということを言われますと,国から示されているのは,恒久的にあいている教室ということになっております。しかしながら,これまでにも御答弁させていただきましたように,岡山市教育委員会では,そういう将来的にもうずっとということではなくて,3年から6年ぐらいのスパンの中であいているところについては,岡山っ子育成局とともに児童クラブのほうに転用できるような形で進めていこうとしておるところでございます。
 以上でございます。
   
◆二嶋宣人議員
   わかりました。とはいうものの,いわゆる学校施設の活用が余り進んでいない,つまり学校施設の活用のための調査自体がかなり時間がかかっているんじゃないのかなあと,私自身推察するわけでありますけれども,では現在どのような状況で,例えば職員が何人で,どんな感じで把握に努めているかといった状況をお聞かせください。
   
◎田中克彦岡山っ子育成局長
   基本的には,私どもの局の地域子育て支援課のほうの担当が教育委員会と連携しながら,各学校からの情報をいただくといいましょうか,情報収集に努めておるという形になっております。
 以上です。
   
◆二嶋宣人議員
   これ,子育て支援課のほうは,職員は何人で当たられているんですか。
   
◎田中克彦岡山っ子育成局長
   それぞれ担当係がございますので,今,この議員お尋ねの放課後児童クラブのほうを中心に担当で動いている職員は,2名でございます。
 以上です。
   
◆二嶋宣人議員
   2名が多いかどうかというところもあると思うんですけれども,これは,いわゆる人的なものとして限られた数でやっていかなきゃいけないということで,総務局長のほうも選択と集中ということで,岡山全体を見て配置をされているということでありますけれども,もう少し前進させていくのであれば,やはりもう少し人的なものを,やっぱり選択と集中で取り組んでいくことが必要だと思うわけでありますが,その人的なことに関して,総務局長,何か御所見があれば。
   
◎岸堅士総務局長
   それぞれ課題はあるかと思います。そこをどうやって解決していくか,それに係るスパンというか期間,ボリューム,難易度ということもありますんで,よく話を聞いて,適切な配置になるように努めていきたいと思います。
 以上です。
   
◆二嶋宣人議員
   いろいろとこのやりとりを聞かせていただいておりまして,学校施設の徹底した活用を本市として掲げていくのであれば,学校施設を管理している教育委員会の主導でこの放課後児童クラブ施設としての教室確保を進めるべきではないのかなあと私自身感じるわけでありますけども,教育長の御所見をお聞かせください。
   
◎山脇健教育長
   この余裕教室の転用ということにつきましては,先ほども申し上げましたように,短いスパンであっても,数年あくところであれば児童クラブのほうに転用していこうということで考えておるところでございます。当然,岡山っ子育成局とともに学校情報というものをしっかり捉えながら,ともに足を運んで,学校側とも協議し,そして進めていこうということの立場は変わりございませんので,その方針で努めていきたいと思っております。
 以上でございます。
   
◆二嶋宣人議員
   それならば,放課後児童クラブ専用室をこれから今後,積極的に加速していくためにも,学校と生活の場としての放課後児童クラブ室の違いを認識するために,必要な設備を整えていかなければならないと思うわけでありますけれども,そういった方向性で,じゃあ積極的にとり行っていくと捉えてよろしいんでしょうか。
   
◎山脇健教育長
   児童クラブとしての必要な施設というものもあるようでございます。例えば,水回りのことであるとか,何か休憩のスペースであるとか,そういうところがあるとお聞きしております。先ほど1年ごとにそれをできるかといったら,なかなか難しいであろうという中で,ある程度のスパンということで考えさせていただいたわけであります。
 そしてまた,こういう例もあります。タイムシェアと言えばいいんでしょうか,施設の改修まではできませんけれど,放課後の例えば2時以降ならずっと使えるところがあります。例えば,小学校では生活科室というのがございますので,そういうあたりの中で,今,活動をともにしているというところもあるようにお聞きしておるところでございます。
 以上でございます。
   
◆二嶋宣人議員
   放課後児童クラブの子どもたちは基本的には小学校の敷地内で生活している。ましてや,同じ小学校の児童であるわけであります。効率的な面から見て,先ほど教室の確保も岡山っ子育成局と教育委員会とで調整していきますよと,とはいうものの,施設は学校の敷地内にあるわけでありますので,どう見ても効率的なところ云々くんぬんを総合的に見ても,やっぱり児童クラブ自体を教育委員会が担当したらどうなのかなあと改めて思うわけであります。
 他の政令市では,広島市であったり堺市であったり浜松市などが教育委員会が担当しているわけであります。そこらあたり効率的なことも含めて児童クラブを教育委員会で見てはどうかというふうな思いがあるわけでありますけれども,御所見をお聞かせください。
(「どっちが。岡山っ子。答弁」「両方でいきましょう」「両方じゃろう」と呼ぶ者あり)
   
◎田中克彦岡山っ子育成局長
   今,議員のほうからの御提案もございました他市の事例も踏まえまして,教育委員会サイドとも協議,検討を進めていくのも一つの方法かなと思います。
 以上でございます。
   
◆二嶋宣人議員
   岡山っ子育成局長に答えてくださいというのが酷でした。この全体的なやりとりを聞いて,市長,どう思われますか。
   
◎大森雅夫市長
   先ほど広島の例をおっしゃられましたけれども,私はちょっと広島の例自身は聞いておりません。ただ,実態的に,放課後児童クラブの話を岡山っ子育成局としているときに,全体として動きは決して悪くはないと私は思っております。1.65平米への到達に向けたこれからの進展,そのほかの質的な面,やはり着々と物事を動かそうとしている,そういう面は感じられているところであります。教育委員会であればどうなのかというところに対して,私はすぐにお答えできるわけではありませんが,今の体制として,私は決して悪い状況であるという認識はございません。
 以上です。
   
◆二嶋宣人議員
   総合的な,効率的なことを考えると,やはり教育委員会で見たほうがいいんじゃないのかなと私自身が思いましたので,そこは,ある意味,これからの課題として岡山っ子育成局と教育委員会で話をしていただけたらなと思っているわけであります。
 そして,最後の項で,東京五輪・パラリンピックについてでありますけれども,ちょっとこれ,確認させてください。
 ホストタウンについては,目標として2次以降,3次以降,と2次,3次の募集がありますけれども,どこに目標を置いて取り組んでいこうと思っているのか,確認させてください。
   
◎河野広幸市民生活局長
   今回のホストタウン構想,その申請状況につきましては,事前合宿,選手との交流計画,そういったものの熟度が上がり次第,申請のほうに持っていきたいと考えております。
 以上でございます。
   
◆二嶋宣人議員
   もちろんこのホストタウンにエントリーして選ばれることを私も応援したいわけであります。先ほどのプロモーションのことに関してもそうですけれども,やはりエントリーされるための準備であったり根回しであったり,皆さん用意周到に,1次エントリーされているわけですよね,倉敷市さんに関しても。国もきちっと決まって,どういったことをするかというコンセンサスがしっかりととれている状況の中でのエントリーであったと思います。
 そういった意味で,だから岡山市がエントリーできなかったんだろうなというところはあるわけでありますけれども,そこの部分について,友好都市ももちろん大事でありますが,先ほど岡山市においても台湾,タイ,マレーシア,フランスへのプロモーションも行っていくわけであります。そういったプロモーションもターゲットにして,この今回のホストタウンのアプローチもしていくということも手だと思うわけでありますけれども,そこらあたりについてどう思われますか。
   
◎河野広幸市民生活局長
   議員御提案の,今お示しいただいた国につきましても,今回の東京オリンピック・パラリンピックでは,当該国の競技,それが岡山市の施設,あるいは事前合宿,相互交流,そういったものに合致するかも含めまして,今後,幅広く考えていきたいと思っております。
 以上でございます。