平成26年 2月定例会 - 3月6日

◆二嶋宣人議員
   皆様おはようございます。自由民主党岡山市議団の二嶋宣人です。
 傍聴席の皆様,改めておはようございます。本日は大変お忙しい中,この岡山市議会の議場に足をお運びいただきまして,本当に感謝しております。
 時間がまた20分しかございませんので,早速ではございますけれども,通告に従いまして質問に入らせていただきます。
 1,災害時の医療対策について。
 東日本大震災当時,医療現場や避難所などで深刻な問題の一つとなったのが医薬品の供給不足でした。避難所では,医師は専門外の治療に関する処方が必要となることもあり,薬の使用方法だけではなく,代替薬に関する相談も多く,救護を進める上で医師とともに大きな役割を担っていたのが薬剤師でありました。あらゆる災害状況を想定した対策が求められる中,限られた医療資源を有効に活用し,医療機関や医療救護所がしっかりと機能する環境を構築するための明確な仕組みづくりは重要と考えます。
 そこでお尋ねいたします。
 (1)本市の災害医薬品の備蓄状況についてお聞かせください。
 (2)確実に避難者へ医薬品を渡すための備蓄方法,調達システム,そして医薬品卸,薬剤師会等といった各種民間団体との連携についてどのようにお考えでしょうか。
 (3)すぐに救護体制に入れるための医療機関,医療救護所などへの要請,役割分担はどうなっていますか。
 (4)市災害対策本部に救護活動の統括,調整を円滑に行うための専門家として助言する医師は必要と考えますが,御所見をお聞かせください。
 (5)負傷者の受け入れ可能な医療機関の情報などについて,市民に周知する仕組みはどうなっていますか。
 続きまして,2,観光対策(観光地,公園の環境整備等)について。
 経済効果100億円超えと言われる大河ドラマ。ことしは黒田官兵衛を主人公とした「軍師官兵衛」が放映され,ゆかりの地の一つとして注目を浴びているのが,黒田官兵衛が羽柴秀吉に進言したと言われる奇策,水攻めの舞台となった高松城址であります。週末ともなれば高松城址公園には多くの観光客が訪れ,にぎわっています。本市においてはこのチャンスをみすみす逃すことなく,スピード感を持って官民連携による観光活性化策を打ち立てていくべきと考えます。
 そこでお尋ねいたします。
 (1)本市は今回の大河ドラマに関するゆかりの地,高松城址公園の環境整備を初め,具体的な観光活性化策をどのように考えているのですか。
 (2)放映終了後の持続的な観光需要創出のための対策も講じておくべきと考えますが,御所見をお聞かせください。
 今回の大河ドラマ放映を受け,私は改めて高松城址公園を訪れ,残念に思ったのが,公園内にあるトイレであります。南側に位置するトイレはこのたびきれいに改修されましたが,北側に位置するもう一つのトイレは以前のままの古びた様子であります。どんなに魅力的な観光地でも,トイレが不快だと全てが台なしになります。観光地として満足度アップとリピーターをふやしていくためにも,清潔できれいな公園トイレの改善は重要な課題であると考えます。
 そこでお尋ねいたします。
 (3)現段階での本市における公園トイレの維持管理の取り組みについてお聞かせください。
 (4)安全性や清潔さが不十分であることが,結果的に利用者のマナー低下を招いているとも言えますが,啓発以外の対策は考えていますか。
 (5)誰もが利用したいと思う清潔できれいなトイレづくりのため,市内の公園トイレの実態調査を行い,あり方についてきちんと検討してはいかがでしょうか。
 続きまして,3,広域連携について。
 周辺の首長さんと朝食をともにしながら意見交換を行われているという新聞記事を拝見しました。記事でしか知る由もありませんが,必ずしも行政区域にかかわる必要はなく,広域で連携できるものは何なのか,それぞれの地域資源や特性を生かして相乗効果が発揮できるよう,そのようなベースづくりに踏み出されたのではないかと感じております。
 また,政令市の行政区の権限強化,道府県と政令市の二重行政解消などを進めるための地方自治法改正案が先月26日,自民党総務部会で了承され,政府は今月の上旬にも閣議決定することにしています。少子・高齢化や人口減少社会を見据える中で,新たな広域連携の仕組み,そして二重行政は必然として取り組んでいかなければならない課題であり,政令市として圏域全体の発展をリードしていく意義は大変大きいものがあると感じています。
 そこでお尋ねいたします。
 (1)これまで幾つかの自治体と意見交換をされていますが,どのような意見交換をされてこられたのでしょうか。
 (2)広域連携を一口で語るには複雑な側面等もあるのではないかと感じます。例えば,これまでの市町村合併の検証などにも及ぶ話があるかもしれませんが,市長は広域連携のあるべき姿をどのようなイメージを持たれ,どのように進めていかれるのでしょうか。
 (3)前本会議で岡山県との連携のあり方,二重行政について質問しました。今回の国の動きの中で,今後県との連携に大きくかかわるであろう二重行政について,改めて市長の御所見をお聞かせください。
 続きまして,4,PM2.5について。
 昨年10月,中国の黒竜江省ハルビン市の一部では,PM2.5の濃度がいっとき1立方メートル当たり1,000マイクログラムを観測しました。これまでPM2.5は呼吸器系や循環器系疾患の方への悪影響が心配されていましたが,ここへ来て懸念はより深まってきました。というのも,同時期に世界保健機関──WHOの専門組織である国際がん研究機関──IARCが,発がん性を有するものとしてPM2.5を初めて認定したからであります。
 これまで環境省による外出を控えるなどの注意喚起すべき暫定基準は,1日平均が1立方メートル当たり70マイクログラム超えですが,昨年環境省が示した暫定的な指針の運用結果によると,昨年3月から5月までの3カ月間,1日平均濃度70マイクログラム超えになった13回のうち8回は注意喚起が行われていませんでした。ちなみに,注意喚起したものの平均70マイクログラム超えしなかった事例も10回ありました。
 予測方法等も含め,国の指針自体が十分とは言えない状況ではありますが,中国で発生したPM2.5は風向きによっては岡山に流れてくる可能性もあり,不測の事態に備えた本市独自の対策はやはりしっかりと考えておくべきです。
 そこでお尋ねいたします。
 (1)昨年の2月議会で私がPM2.5について質問してから1年,本市は専門家の意見等を踏まえた上でリスク評価などについてどのように分析してこられましたか。
 昨年3月18日,6月4日に開催された岡山市公害対策審議会の意見などを踏まえた上で,今後本市がどのような策を講じるのかといった点についてお尋ねいたします。
 (2)前回,市民の方のためになるような政策につながる審議をしていくとの当局答弁がありましたが,その後,医療機関との連携も含め,どのような具体的な策が打ち出されたのでしょうか。
 (3)呼吸器系や循環器系疾患のある子どもへの対応はもちろんですが,子どもたちが通う保育園,幼稚園,小・中・高校への情報提供を含めた市全体の具体的な対応マニュアル,基準をやはり設けるべきと考えますが,いかがでしょうか。
 (4)国はPM2.5観測機器を全国で1,300カ所までふやすことを目標にしていますが,本市内での増設予定はありますか。また,PM2.5濃度の上昇を事前に予測する手法の再検討も課題と考えますが,御所見をお聞かせください。
 以上をもちまして1回目の質問とさせていただきます。
 御答弁のほどよろしくお願いいたします。(拍手)
   
○羽場頼三郎副議長
   当局の答弁を求めます。
   
◎大森雅夫市長
   それでは,二嶋議員の御質問にお答えいたします。
 私は,3の広域連携についてお話し申し上げたいと思います。
 まず,周辺自治体とどのような意見交換をしたのか,そして広域連携のあるべき姿をどのようにイメージしているのかということであります。
 岡山市を中心とする都市圏というのは広いエリアに及んでおります。そこは二嶋議員も御存じのとおりだろうと思います。そして,我々は大きな面では,人口減少,高齢化,少子化,こういう時代に入ってきているところであります。そして,何度もここでも議論させていただいていますように,コンパクトシティーというものも進めていかなければなりませんし,またそれぞれ広い範囲で成長戦略というものも考えていかなければならないということであります。
 そういう中で,まずは周辺の首長さん,市長,町長さんと腹を割って話をする,そういうことが重要なんじゃないかと,そして信頼関係をつくり,そこからさまざまな議論が生まれてくるんではないかというような考えに私は立ちました。そして,玉野市の黒田市長,赤磐市の友實市長,そして吉備中央町の山本町長さんと副市長を交えてお話をさせていただきました。
 特に議題は決めておりません。ある市長さんはペーパーを用意してこられたり,またそういうのもない場面もありました。非常にざっくばらんな中で,抱えている問題をお互いに共有できましたが,なかなか,政策でこれを一緒にやっていこうという,おぼろげながらの形みたいなものはないわけではないんですけれども,まだそういったところまで,具体的な施策の策定まで至っているわけではありません。私としては,非常に率直な意見交換をさせていただいたという認識をしております。今後とも順次近隣自治体の首長さんとの懇談を重ね,信頼関係の構築に努めていき,お互いが持つ資源や特性を生かして相乗効果が発揮できるような分野での連携,お互いの住民の福祉の向上,こういったことにつながるような施策を考えていきたいと思っております。
 次に,二重行政の話でございます。
 公共施設などで目的とか対象が類似ないしは重複しているようなものがございます。そして,それらが例えば乱立することにより非効率になるおそれもあることは事実であります。そういう面では,県と市が連携していく必要があるように思っているところであります。そのためにも,まずは首長同士,担当部局同士で信頼関係の醸成に努めていかなければならないと思います。
 私も知事とはお互いが問題意識を持つテーマについては,たまには電話をしたりということで,意思の疎通に努めております。余談ではありますけれども,先週の日曜日,ファジアーノの開幕戦に行ってまいりましたら,偶然知事と一緒になりまして,後半はずっとお互いに少し仕事の話をしながらファジアーノを応援し,声援を送ったというようなことで,信頼関係は徐々にできているんではないのかなと思います。そういうことを通じて連携していくというのも重要であります。
 今二嶋議員がおっしゃった今回の自治法の改正の中にも,指定都市と県との調整についての一つの姿を示されております。それが指定都市都道府県調整会議の設置であります。私としてはそういう会議が設置されるならば,そういう会議を通じてもよりお互いが腹を割って話し合い,一つの調整に向けてやっていく,それがいろいろな重複を避け,効率化になっていくことなんじゃないかなと思っております。先ほどの森山議員の話の中でも,文化事業について今一緒になって歩もうという動きも出てきております。マラソンもそうですし,後楽園,岡山城もそうであります。要は市民のために,また県民のために,我々は市民であるとともに県民でもあるわけですから,そういうために何がいいのかということをきちっと考えてやらせていただきたいと思います。
 以上です。
   
◎森真弘保健福祉局長・政策局操車場跡地調整担当局長
   災害時の医療対策についての項,一括してお答えいたします。
 災害時の救護体制については,災害発生後,傷病者の発生状況を確認した上で,保健所長が必要な場所に救護所を設置し,市民病院及び岡山市医師会,岡山市内医師会連合会に医療救護班の派遣を要請し,要請を受けた医師,看護師等が現地救護所で医療救護活動に当たることとなっております。また,本市には県基幹災害拠点病院の岡山赤十字病院及び岡山済生会総合病院などの地域災害拠点病院が3カ所あり,各病院に整備されているDMATが災害の急性期に派遣されることになっております。
 これらの医療救護班に係る指揮命令は,本市災害対策本部の保健所班の班長である保健所長が行うこととなっており,現在医師が担当しております。また,大規模地震直後の医療救護の調整はDMATコーディネーターと連携,協力して行うこととしております。
 なお,災害時に必要な医薬品の確保については,広域的調整が必要なことから,岡山県が医薬品卸業協会,災害拠点病院,県薬剤師会備蓄センターと協定締結しており,本市も必要に応じて県地域災害医療本部から提供を受けることとしております。
 また,負傷者の受け入れに必要な医療機関の情報提供についてはどのような手法が適切なのか,県を初め関係機関,関係団体等と医薬品の備蓄,調達方法も含め協議してまいりたいと考えております。
 以上でございます。
   
◎高次秀明経済局長
   2の観光対策の項の中で,大河ドラマに関する高松城址公園の対応についてのお尋ねでございます。
 このたびのNHK大河ドラマの舞台となります高松城址公園には,現時点でも例年以上に多くの観光客が訪れており,今後水攻めや中国大返しなどの場面の放映を機に,さらなる観光客の増加が見込まれております。
 岡山市としましては,来場者の満足度向上に向けて備中高松城址保興会を初め,地元の皆様と連携しながら観光ボランティアの増員,秀吉本陣や高松城址周辺及びJR備中高松駅からののぼりの掲出のほか,水攻めの様子の動画の作成,高松城攻防の様子の絵図のモニュメントの修理修繕などを関係部局と連携して現在行っているところでございます。また,より多くの方々の来訪を促すために,高松城の水攻めのパンフレットの増刷や周辺の散策マップの作成,おかやま観光コンベンション協会のホームページへ水攻めの特集の掲載,またNHK出版によります大河ドラマのガイドブックへの掲載など,全国に向けた情報発信を行っております。
 新年度におきましても,岡山城の春と夏(後刻,「春と秋」と訂正)の特別展を黒田官兵衛や高松城水攻めに寄せたテーマで開催するほか,水攻めをイメージした看板等を現地に新設いたします。また,JR西日本と連携した吉備線での官兵衛ラッピング列車の運行など,大河ドラマを契機とした岡山市への観光客のおもてなしを積極的に行ってまいりたいと考えております。
 次に,ドラマ放映終了後のことについてのお尋ねでございます。
 このたび注目度の高まった高松城址の公園につきましては,その歴史,由来を継続的に情報発信することによりまして,吉備路観光とあわせた岡山市の代表的な観光コンテンツとしてその商品価値を高めてまいりたいと考えております。そのためにも,今回整備する受け入れ体制を維持し,さらに磨き上げながら継続的な活用に努めてまいりたいと考えております。
 以上でございます。
   
◎山川修都市整備局都市・交通・公園担当局長
   同じ項,まず高山城址公園(後刻,「高松城址公園」と訂正)の環境整備についてでございますが,今年度資料館横のトイレや資料館の外壁の改修などを行いました。これから御案内の水攻めに関する放映もあるとのことで,さらに来園者がふえることと認識しており,御指摘の公園北側のトイレを初めとする環境整備について,資料館で来園者の案内や維持管理に協力いただいている皆様方の御意見などをお聞きしながら関係部局と連携して取り組んでいきたいと考えております。(「違うぞ」と呼ぶ者あり)
 失礼しました。「高松城址公園」でございます。失礼いたしました。
 続きまして,本市の公園トイレに関する御質問に順次お答えいたします。
 まず,維持管理の取り組みについてでございます。
 公園トイレの維持管理は,地元の方々でつくる団体にお願いしているところと,利用の多い中心市街地の公園,緑道などで業者委託をしているところ,指定管理者によるものの3つの形態により取り組んでおります。具体的には,地元の団体で行う作業は少なくとも週に1回の作業,業者委託と指定管理のところは利用の度合いによって週に1回から5回の作業としており,便器の洗浄,手洗い場の洗浄,床面の清掃,建物のすす払い,施設の破損や異常の点検,通報などの作業を行っております。
 次に,啓発以外の対策は考えているかとの御質問ですが,通報や苦情があった場合には,通常行っている管理に加え,個別に対応を行っております。
 最後に,市内の公園トイレのあり方の検討をしてはということにつきましては,主に地元の方々が利用して愛着を持って管理していただいている公園トイレに比べて,観光客など広範囲の不特定多数の方が利用される観光地や中心市街地のトイレの維持管理については,より問題があると認識しておりますので,こういったトイレについて他都市の状況も研究しながら改善策について検討を行ってまいりたいと考えております。
 以上でございます。
   
◎甲斐充環境局長
   PM2.5について,リスク評価について,それから公害対策審議会以後の具体的な策について,学校・園等への対応について,観測機器の増設予定及び予測手法の再検討について,この4点の御質問に一括してお答えします。
 昨年3月に開催した公害対策審議会での意見を受け,これまでの濃度測定に加え今年度からPM2.5の成分分析を始めたところです。あわせて,大陸からの越境汚染の影響を把握するため,市北部地域において測定を始めました。この分析結果は,全国の自治体のデータと統合,評価されることで,健康影響に関する研究が進み,リスク評価につながるものと考えています。
 PM2.5対策として,平常時は毎日の状況を市のホームページ,テレホンサービスで情報提供しており,注意喚起情報が出された場合には,それらに加えメールマガジン,ツイッターや報道機関等を通じて,不要不急の外出や屋外での長時間の激しい運動を控える,換気や窓の開閉を最小限にする等の具体的な対応を呼びかけることとしています。
 また,保育園,学校・園等,よりきめ細かい対応が求められる施設に対しては,直接情報が届くよう連絡網を整備しているところであり,医療機関を含め,それぞれに必要な情報提供のあり方等について関係課と必要な連携を図ってまいります。
 さらに,来年度はPM2.5の測定地点を拡充する予定としております。また,先般,国が注意喚起の判断方法を改善したところであり,引き続き予測の精度向上に向けて改善がなされるものと考えております。
 以上です。
   
◎高次秀明経済局長
   答弁を1点,訂正させていただきたいと思います。
 先ほど黒田官兵衛の岡山城での特別展につきまして,「春と夏」と申し上げましたけども「春と秋」の間違いでございます。大変失礼いたしました。
   
◆二嶋宣人議員
   御答弁ありがとうございました。市長ありがとうございます。
 では,随時再質問に入らせていただきます。
 まず,災害時の医療対策についてであります。
 結局今市のほうでは災害医薬品の備蓄等々は市独自ではやっていない,岡山県が卸,そして薬剤師会等々と連携しているので,そこに任せているというか,協定締結しているんで,そこからの備蓄品の関係で行っていくというふうな認識でありましたけれども,先ほど私は申しましたが,東日本大震災では被災者の方々は日常服用している医薬品,例えば高血圧であったり,糖尿病などといった慢性疾患の薬を求める人が相次いで,あっという間にそういった薬が底をついて大変困られたという話を聞いています。これから来るであろうと予測されている南海トラフ地震等々も踏まえて,東日本大震災,とてもつらいことであったわけでありますけれども,やっぱりそういった教訓を生かして岡山市も防災対策等々に力を入れていかなければならないということは言うまでもないと思うわけであります。そういった意味で,岡山市は災害時の避難所における医薬品の供給手段等々を今後どのように考えていこうとしているのか,改めてお聞かせください。
   
◎森真弘保健福祉局長・政策局操車場跡地調整担当局長
   避難所における医薬品の供給体制についてでございます。
 医薬品の災害時における供給体制については,災害対策基本法に基づく厚生労働省の防災業務計画がございまして,そこでは一義的には都道府県が備蓄も含めて必要な供給量を確保し,それを避難所に供給していくという仕組みになっております。したがいまして,現在岡山県のほうで備蓄を確認いたしますと,血圧降下剤,糖尿病系のインスリン等,それから一般薬も含め,一定の災害規模を想定して既にかなりの量の備蓄はございます。そういったことも踏まえ,本当に市としてさらに上乗せで必要なものがあるのかどうかを確認しながら,必要な供給体制というのをもう一度確認させていただきたいと思っております。
 以上です。
   
◆二嶋宣人議員
   その県が備蓄しているところというのはどこになるんですかね,確認させてください。
   
◎森真弘保健福祉局長・政策局操車場跡地調整担当局長
   県の備蓄場所でございますが,これは物によって異なっておりまして,卸業のほうに依頼しているものと,それから県の備蓄センターに備蓄しているものというふうに分かれていると認識しております。
 以上です。
   
◆二嶋宣人議員
   それならなおさらのことですね,局長,例えばメーカーであったり,そこから卸に卸されるわけですよね,そこのあたりのいわゆる供給手段が遮断された場合ですよね,そしたら,岡山市どうするのという状況になったときにはどうされるんですかね。
   
◎森真弘保健福祉局長・政策局操車場跡地調整担当局長
   基本的には備蓄センター等に存在するものを先に使っていくということになって,流通のほうが麻痺した場合には備蓄センターにあるものを使っていく,それからその逆もあり得ると思いますが,そうした使えるものからまず使っていくということを想定しております。
 以上です。
   
◆二嶋宣人議員
   答弁の中で,やってほしいときには各政令市の状況を把握しながらという答弁が多いんですけれども,各都市を見て,ちょっと事例を紹介させてもらいますけれども,例えば横浜であれば,市内の薬局で災害医薬品を在庫品として管理してもらって,震度6弱以上の地震が起きたときには,薬剤師みずからが医薬品を詰め込んだリュックを背負って災害時の医療拠点に向かうなどの協定を締結しているわけなんですよ。そういった,要は肝心かなめのときには他の政令市の状況をしっかりと把握していない中で,岡山市自身がやらなきゃいけないときにしっかりとそこを見ていないというのはやはり問題だと思うんですけども,そもそも岡山市の備蓄計画がありますよね,どういった観点での備蓄計画だったんでしょうか,お聞かせください。
   
◎森真弘保健福祉局長・政策局操車場跡地調整担当局長
   備蓄計画についてでございますが,これは県が備蓄計画を策定しているのみで,市として独自に備蓄計画があるわけではございません。防災の基本計画はございますが,その中では避難所等における必要な医療を行っていくと,それから県の供給センターを通じて必要な医薬品を確保するという仕組みになっております。
 以上でございます。
   
◆二嶋宣人議員
   ですから,そもそもそこのあたりで,県がやっているからいいじゃなくて,やっぱり70万人都市,政令指定都市でありますよね。そういった意味で,例えば県が四師会で災害時の医療救護活動に関する協定書を締結していますが,私はやっぱり政令指定都市としてこういった四師会の方々への医療救護の要請であったり,指令拠点は岡山市で構築すべきだと考えているわけであります。市長要請ですぐに動いてもらえるような協力体制に持っていくこと,これがやっぱり重要だと思うんですけども,そこのあたりについての御所見は。
   
◎森真弘保健福祉局長・政策局操車場跡地調整担当局長
   医薬品の備蓄を含めて,他都市でもいろんなおもしろい取り組みというのがあると認識しております。こうしたものも一つの参考にしながら,岡山市内の四師会も災害に関して大変前向きに取り組んでいただいていると考えておりますので,どのようなことが可能なのか,県の防災計画で想定されていることと,また違うルートをつくって混乱を招くことがあってはいけないと考えておりますが,そういうことがない範囲でできることを考えてみたいと思っております。
 以上です。
   
◆二嶋宣人議員
   ぜひそのあたりの整理はしっかりしていただいて,この点についてはまた今後しっかりと議論させていただけたらと思いますので,よろしくお願いいたします。
 そして,観光対策についてであります。
 経済局長,ありがとうございました。
 ことしの大河ドラマ黒田官兵衛,この夏,7月に向けて,水攻めに向けて最高潮に盛り上がっていこうと,地元でも6月の第1週の日曜日,宗治祭が開催されるわけでありますよね。ドラマも盛り上がっていって,そして地元でも盛り上がっていこうとしている中で,先ほど答弁の中でいろいろと打って出ていこうとする事業を紹介してくださったと思いますけれども,そもそもこの大河ドラマはもう昨年から発表されていたにもかかわらず,行政として何の手だても打てていなかったということ自体が私はおくれをとっていると思うんですけども,そこのあたりについての御所見をお聞かせください。
   
◎高次秀明経済局長
   何も考えてなかったということではないんですけども,(笑声)取り組みがやればやるほどたくさん,まだ幾らでもあるという観点からすると,まだまだやる余地があるということを考えております。
 以上でございます。
   
◆二嶋宣人議員
   何もやってなかったというのは,まあまあ,ちょっと言葉に語弊があったかもしれませんけれども,しかし民間であれば,JRではもう1月1日から黒田官兵衛のスタンプラリーとかいろんなことをやっぱり表立ってやっているわけですよね。それが具体的にしっかりと示されてなかったということが私は問題じゃないんですかということなんですよ。
 先ほど答弁の中で,行っているところでありますと言われましたけども,旗もつくりました,どんどんどんどん立てているというふうなイメージの答弁に聞こえますけれども,旗も立ててないですし,そういう,行っているところじゃなくて,準備してこれからやりますといった答弁のほうが正確なんじゃないんかと僕は思うわけですよね。そういった意味でも,しっかりと緊張感を持って一つ一つ丁寧にやっていただきたいと思うわけであります。ぜひそのあたり,局長よろしくお願いいたします。
 今こういった事業等々をこれから行っていく中で,局長,周辺の観光への広がりについて,パンフレット等々つくっているという話でありますけども,周辺の観光についての対策をどのように考えていますか。
   
◎高次秀明経済局長
   今回の官兵衛効果について,ちょっと様子を見ているんですけども,旅行社のほうに確認した感じでは,この高松城址をルートに入れた旅行商品の造成はなかなか難しく,この高松城を見て,ほかへまた移動するという形の観光が多いと聞いております。そういうことがあるんですが,今足守,それから吉備路,その辺のことも含めて観光のセットでPRさせていただいていますんで,なるべくこういった,来たついでにというんではないですけど,周りを回っていただけるような形で今後PRに努めてまいりたいと思っております。
   
◆二嶋宣人議員
   局長,様子を見るといっても,別にこの黒田官兵衛の大河ドラマは1年も2年もやるわけじゃないんですんで,しっかりと,その間に終わってしまってはいけない。それから,今出しているところから,建設的に一の手,二の手をしっかりと考えていかなきゃいけないと思いますので,そこのあたりを考えているのかどうか,お聞かせください。
   
◎高次秀明経済局長
   様子を見ると言いましたのは,推移を見守るんじゃなくて,現状の観光客の動態を見たときにそういう傾向があると申し上げたというふうにちょっと御理解ください。
 それで,先ほど申し上げましたとおり,今観光センターでのPR等をさせていただきまして,またJRとの協力もさせてもらっていまして,今一緒にラッピング電車も企画させていただいています。そうしたところで恐らくJRの利用者も多いでしょうし,そういったところとの連携に今後努めてまいりたいと思います。
 それから,のぼりも,実は先週ちょっと現地へ参りまして,駅から現地まで歩けるルートですね,ここにずっとのぼりを立てているんですけど,ちょっと足らないかなと思って,もう少したくさん立てようと思っております。(笑声)にぎやかしのために立てようと思います。
 それから,また見ていただければいいんですけども,秀吉が本陣を張ったところの山の中腹ですね,ここにはもっと高いのぼりを立てていまして,ここに本陣がいたということも高松城址から望めるように,今ちょっとアレンジをしておりますので,もう少しにぎわいを高めてまいりたいと思います。
   
◆二嶋宣人議員
   そのあたりも含めて,周りと連携して,あっ終わったなというふうな感じにならないようにしていただけたらと思いますので,よろしくお願いいたします。
 そして,都市・交通・公園担当局長,ありがとうございました。
 これからのトイレのあり方について等々でありますけれども,私自身が市民として感じること,それは公園であり,公衆トイレであり,やっぱりイメージとして臭い,汚い,暗い,怖い,この4Kといいますか,そういったイメージがあるわけであります。こういったイメージを払拭するためにも,私は2点,いわゆるトイレ内の照度の確保をしっかりとしていくといった安全面,それから特に私は気になるのがにおい,これらは清潔さによるところであると思います。公園のあり方等々も含めて他都市の取り組みを見ていく,こういった答弁であったと思うんですけれども,他都市を見て何がわかるのかというふうなところもあるので,そういったことで問題提起がされているわけですので,そこのあたりをしっかりと取り組んでいっていただきたいと思います。
 その中で,岡山市の業者委託の業務委託仕様書というのがあると思います。その仕様書の中ではとりたててにおいについて指導されていませんが,現場で清掃されている方々も含めて,現場の声をしっかりと聞いて,仕様書の見直し,また新たな手法の導入を含めた改善策を検討すべきだと思いますけれども,御所見をお聞かせください。
   
◎山川修都市整備局都市・交通・公園担当局長
   議員おっしゃるように,業務仕様書の中でにおいということについてはとりたてて作業内容に入っておりませんでした。そういったことも含めまして,実際の清掃の作業の内容などについても見直して,清潔で安全な,衛生面も含めて,そういうトイレになるように検討してまいりたいと考えております。
   
◆二嶋宣人議員
   わかりました。時間も時間ですので,広域連携について,市長,御答弁ありがとうございました。
 少し私,この広域連携,二重行政について,議員になる前,そして議員になってから感じたことがいろいろとありました。何で県があるんだろうな,何で市があるんだろうなという本当に純粋な考えでありました。いわゆる県で実施されている施策であったり,市で実施されている施策がある。しかし,県であって,市であって,違うから,何か相談をしに行ったら,これは県の管轄だから,これは市の管轄だから,そっちに行ってくださいといった流れがあるわけであります。そもそもこういったサービス自体が私は市民と,いわゆる行政の目線の食い違いが起こっていると強く感じたわけであります。
 そういった中で,いわゆる広域連携にしても二重行政にしてもそうですけれども,住民によりよいサービスを提供するために,先ほど言いました類似する,いわゆる箱物であったり,事務事業ですよね,そういったことに関して特に県との連携,そして役割分担の再編成はやっぱり今後必要になってくるんじゃないかなと感じているわけであります。
 前回市長に対して,二重行政はあると思いますかといった質問に,一体的に連携していく,ブラッシュアップしていくことは大事かもしれないけども,法的にはないといった御答弁があったと思います。市長になられて数カ月がたって,改めて市民目線の立場に立って,私自身はやっぱり箱物的なもの,博物館であったり図書館であったり,そのあたりについて県と市の違いというのがなかなか見出せないところがありますので,そこのあたりについて箱物といったところに特化せず,市長の御認識をもう少し具体的にお聞かせいただけたらなと思うんですけども。
   
◎大森雅夫市長
   先ほど申し上げたとおりなんですが,法律的な行政行為としては当然これは法律上はいろいろな整理ができているわけでありますけれども,施設によっては同じようなものが県の施設であったり,市の施設であったり,同じような施設が近くにある。そういうことで非効率になっている場面があることは間違いないことだと思います。そういうケースが出てくるのはあり得ることだと思います。
 それらをどう変えていくのかというのは,非常に重要な課題で,これは確かに11月の議会で御質問いただきましたけども,私は選挙中からそういうふうにずうっと申し上げておりました。特に市境とか,まあ県境も同じですけれども,住民にとっては,住む人にとってはそれほど関係のあるものでもない。当然自由に行き来できるわけですから,やはり何が効率的なのか,そういうことを考えて,より使いやすい,より利便性の高いものにしていかなければならないと思います。そういう面で,繰り返しになりますが,岡山城,後楽園も同じような認識のもとでやらせていただいておりますし,そういう文化事業についても同じ意識から出てきているものであります。これから一つ一ついろいろな事象が問題になってくると思います。視点としては,今申し上げたような視点でこれからも連携を強めていきたいと思います。
   
◆二嶋宣人議員
   ありがとうございます。
 私もそういった思いで市長が取り組んでいってくださるんだろうなということで,改めて確認させていただいたわけであります。そういった中で,だからこそ県知事を初め,玉野市,赤磐市,吉備中央町の各自治体の首長さんとお会いされたと思います。また,その中で人間関係,信頼関係の醸成に努めていくということはもちろん重要なことだと思います。だからこそ,そこに一歩,市長みずからが進んでいっていただいて,問題,課題から政策をこちらから提案していって,岡山市が岡山県を変えていくんだというふうな気概を持ってやっていただきたいと思いますので,そこのあたりよろしくお願いいたします。
 そして,時間があと40秒ほどです。
 PM2.5について,1点だけ質問させていただきます。
 岡山市は平成24年度の環境基準は超えていたと思われます。もちろん数値に過敏になり過ぎるのもいかがなものかと思いますけれども,注意喚起が出された場合に,そういった形で学校等々への具体的な明確な基準をしっかりと設けてあげるべきだと思います。例えば,マスクをつけて,うがいをして,はたまた運動会等々の中止等々は基準をしっかりと設けるべきだと思います。そういった意味で,一歩踏み込んだ市全体の明確な具体的な策を考えるべきだと思いますけれども,いかがでしょうか。
   
◎甲斐充環境局長
   ターゲットがどこになるかは別にして,市独自ということのお話だと理解しております。
 このPM2.5という問題自体が新しく,それまではPM10という範疇でやっておりました。そのため,今圧倒的にデータが不足している。何をしないといけないのかとするときに,やはり議員がおっしゃったように基準というもの,確かにそれは目安としても要るでしょう。ただ,その目安をどこに置いておけばいいのかということも,まだまだ科学者の中では意見が割れていて,意見の集約がなかなかできない状態です。今私たちに求められているのは,しっかりとデータを収集してください,その積み重ねによって何か見えてくるでしょうということと,後は市民の方がそれらの情報を早く入手できるようにしてくださいということを承っております。
 現在のところはそれに向けて一生懸命やらせていただくということなので,基準についてはなかなか今直ちにということにはならないのかなと思っております。
 以上です。