平成25年 11月定例会 - 12月10日

◆二嶋宣人議員
  おおはようございます。自由民主党岡山市議団・無所属の会の二嶋宣人でございます。
 傍聴席の皆様おはようございます。午前中,お忙しい中,この岡山市議会の議場に足をお運びいただきまして本当にありがとうございます。
 時間が20分しかございませんので,通告に従いまして一問一答方式で入らせていただきます。
 1,岡山県との連携のあり方について。
 市長は,所信表明の中で知事との懇談会について触れ,政令指定都市岡山市と岡山県がさまざまな課題認識を共有し,同じ方向性のもとで連携を強化していくことが県全体の発展と市民,県民の福祉向上にとって重要なことであると述べられました。限られた地域資源,行政資源を共有し,市民,県民の目線に立った再配分するという地方分権の理念にもかなったものと認識しております。
 さて,市と県はこれまで仲が悪い,言葉は悪いですけれども,俗に言う縄張り争いをしているのではというのが定説のように言われてきたわけでありますけれども,少子・高齢化,人口減少,産業の空洞化など,地方を取り巻く状況への危機感と地方分権への価値観を共有する首長が他都市で多くなっております。新潟県と新潟市は,二重行政,二元行政の整理などを目的に新潟州構想を検討し産業政策に取り組み,広島県と広島市は公営住宅の管理を一元化するなど,戦略的なものから市民,県民のニーズに立脚した現実的なものまでありますが,この流れはさらに加速するだろうと考えています。県との連携,その先にある地方分権改革において,ぜひリーダーシップを発揮していただきたいと思っております。
 そこでお尋ねいたします。
 ア,知事との懇談会は定例化するお考えですか。
 イ,懇談会のテーマは,一定の枠組みがあるのでしょうか。
 ウ,懇談会は二重行政,二元行政の整理を初め将来的には地方分権まで視野に置くべきと考えますが,そのような意思はおありでしょうか。
 続きまして,2,岡山市の歯と口腔の健康づくりについて。
 本市では,本年4月に施行された岡山市歯と口腔の健康づくり条例に基づき,歯科保健基本計画策定のため,推進協議会が立ち上がり審議を進めています。そこで,本市の歯科保健事業の充実を図るため,重点的に取り組む歯科口腔保健対策などについてお尋ねいたします。
 (1)障害者・児の口腔保健について。
 岡山市の障害者の歯科診療拠点である岡山大学病院の平成23年度現在の患者数は,ここ16年で8倍,旭川荘の平成24年度現在の患者数は,ここ4年で1.2倍と増加し,両診療拠点は患者の増加によりその対応に苦慮されているのが現状です。今後,新たな患者の受け入れが難しくなると予測される中,本市における障害者の口腔健康の保持増進への対策は急務と考えます。
 そこでお尋ねいたします。
 ア,障害者の歯科医療の現状と診療に対するニーズをどう分析していますか。
 イ,行政主導による障害者の歯科診療システムの枠組みを打ち出すべきと考えますが,御所見をお聞かせください。
 (2)高齢者歯科医療サービスについて。
 訪問歯科診療の依頼を受けた段階で,もう既に手の施しようがない状況の高齢者に出くわすことはまれではないようで,要支援あるいは要介護度のレベルに応じた歯科における支援はきめ細やかに行われていないのが現状であります。介護予防という観点から,寝たきり等の要介護になる前後の健診への取り組みを初め総合的な歯科医療サービスを行政としてどう考えていますか。
 続きまして,(3)妊婦歯科健診について。
 妊娠期の歯周病による早期低体重児出産の危険率は,たばこやアルコール,高齢出産などよりもはるかに高く,そのリスクは7倍に上るとも言われています。妊娠・出産期の歯科健診をきちんと受け,その後の適切な治療,指導によってリスクを減らすことができます。そこで,現在本市では実施されていない妊婦歯科健診は必要と考えますが,御所見をお聞かせください。
 続きまして,3,安全・安心の取り組み,一宮浄化センターの今後について。
 岡山市内には,数多くのインフラが整備されています。その中でも下水道の整備は決して順調とは言えない中,市民が生活する上で必要不可欠な市内唯一の大規模なし尿処理場として,一宮浄化センターは長年にわたり岡山市民の快適で豊かな生活環境づくりに大きく貢献していると考えます。
 そこでお尋ねいたします。
 ア,岡山市のし尿,浄化槽汚泥の処理状況及び今後の排出量の将来予測をお聞かせください。
 イ,一宮浄化センターの施設はかなりの年数がたっていますが,今後この施設を耐震も含めてどのようにしていくのかといった点について御所見をお聞かせください。
 最後の項目,4,東京五輪に向けての合宿誘致等について。
 2020年夏季オリンピック・パラリンピックの開催地に東京が選ばれた瞬間の感動は今でも忘れられません。競技場や選手村の建設など,五輪開催による経済波及効果は約3兆円に上るとも言われており,全国の各自治体ではスポーツや観光等,そしてインフラ関連の各業界でもビジネスチャンスとして期待する声が高まっています。
 岡山県では,早々に伊原木県知事が県内に好影響が期待できるとし,日本や各国代表チームの合宿の県内誘致を積極的に取り組む意向を示しました。本市においては,晴れの日が多い温暖な気候,豊富なおいしい海や山の幸,整備された道路,鉄道,空路等の広域交通網の高いポテンシャルを持っており,岡山市全体をPRする絶好の契機ではないかと考えます。
 そこでお尋ねいたします。
 ア,本市は合宿誘致等を前向きに取り組んでいくとのことですが,どの程度の経済波及効果が見込まれると考えますか。
 イ,本市内で合宿誘致をするとしたら,どういった競技が受け入れ可能なのでしょうか。
 ウ,東京五輪に向けた合宿や観光客の誘致等への本市独自の取り組みは考えていますか。また,対策検討会,推進本部の設置予定はありますでしょうか。
 以上をもちまして1回目の質問を終わらせていただきます。
 御答弁のほどよろしくお願いいたします。(拍手)
   
○則武宣弘議長
   当局の答弁を求めます。
   
◎大森雅夫市長
   それでは,二嶋議員の御質問にお答えいたします。
 まずは,岡山県との連携のあり方について,懇談会は定例化するか,またテーマは一定の枠組みがあるか,二重行政,二元行政の整理を初め地方分権まで視野に置くべきではないか,これらの御質問についてお話を申し上げたいと思います。
 少し質問からそれるかもしれませんけども,私はやっぱり県との連携において最も重要なことは,県知事と私とのまず信頼関係であると考えております。したがいまして,市長就任以来,さまざまな機会を捉えて知事とお会いし,1対1でも何回かお話をしてまいりました。そういう面では,今でも一定の信頼関係があると思っているところでございます。今後とも知事との信頼関係の醸成にはさらに努めてまいりたいと思います。
 こうした中,今議員御指摘の懇談会であります。これは全面公開,マスコミに公開している,そういう懇談会であります。これは,1つには岡山市と岡山県との政策合意を促す節目としての機能も持っていると私は認識しております。先日,11月に行われた懇談会もそういう意味では私は一定の効果があったんだろうと思います。
 この懇談会は,政令指定都市になって以来,今までどうも年1回行われているようでございますが,今後は必ずしも1回にこだわる必要はないと私は思っております。では,何回にするかというところについては,今県と話をしているわけではございませんので,ここで何か申し上げることにはなりませんが,しかしながら案件に応じて適切な時期に行っていくというのは必要なことではないかと思います。
 次に,テーマの問題であります。
 一般的には,やはり県と市が一緒に議論するわけですから,市民生活の向上につながるもの,また市のまちづくりに直結するようなものが中心になってくると思います。ただ,御指摘もありましたが,地方分権など現在議論されている国の制度とかに対して,市と県の考え方を懇談会を通じてすり合わせていく,そういったことも当然あるんではないんだろうかとも思っております。まだ私自身,伊原木知事と懇談会では1回お会いしただけですから,今後の懇談会のあり方についても県ともよく相談しながら模索していきたいと思っております。
 以上でございます。
   
◎森真弘保健福祉局長・政策局操車場跡地調整担当局長
   2,岡山市の歯と口腔の健康づくりについての項に順次お答えいたします。
 まず,障害者,障害児の口腔保健についてでございます。
 本市においては,障害者の歯科専門外来のある医療機関が岡山大学病院を初め数カ所存在し,恵まれた環境にありますが,外来患者の増加に伴う診療体制の整備や在宅等の障害者に対する口腔ケアの取り組みなど整理すべき課題があると考えております。このようなことから,今年度策定予定の歯科保健基本計画において,障害者,要介護者の口腔ケアを今後重点的に取り組んでいく項目として取り上げていこうと考えているところでございます。今後,歯科医師会等の関係団体と連携しながら,障害者への適切な歯科診療のあり方について協議,検討してまいりたいと考えております。
 続いて,高齢者歯科医療サービスについてでございます。
 元気なときから歯と口腔機能の維持向上に向けた取り組みを進めていくことは大変重要なことと考えており,現在要支援の方も含めて歯科健康教育や相談,介護予防教室などの場においてその必要性についての周知を図っているところです。
 また,要介護状態の方の口腔ケアについては,高齢者の入所施設などでは既に取り組まれているところもありますが,関係団体等と協議し,訪問歯科診療の実施など実現可能な歯科医療サービスについて検討してまいりたいと考えております。
 続いて,妊婦歯科健診についてでございますが,妊婦の歯科健診や歯磨き指導については,妊娠届け出時の面接や子育てのしおりの中で受診勧奨を行うとともに,大人の歯の相談において妊婦の歯科健診や相談を行っているところです。今後とも産婦人科医療機関等とも連携し,より一層の啓発に努めてまいりたいと考えております。
 以上でございます。
   
◎甲斐充環境局長
   岡山市のし尿,浄化槽汚泥の処理状況と排出量の将来予測についてお答えします。
 本市におけるし尿と浄化槽汚泥の処理量は,平成24年度で20万5,000キロリットル余であり,そのうちの43%を一宮浄化センターで処理しています。平成21年度に策定した岡山市一般廃棄物処理基本計画では,平成27年度のし尿と浄化槽汚泥の排出量は,17万4,000キロリットル余に減少する予測をしております。
 次に,一宮浄化センターの今後についてですが,竣工後34年以上経過している一宮浄化センターは,1日当たり300キロリットルの処理能力がありますが,平成23年度末に旭西浄化センターがし尿処理機能を停止したことから,現在は岡山市で唯一のし尿処理施設として余力のない状態で運転を余儀なくされています。また,施設の精密機能検査,簡易耐震診断によると,建物の一部は新耐震基準に適合しておらず,水処理設備に摩耗や腐食などが見られるなど老朽化が進んでいます。
 このため,安全・安心で安定的なし尿処理を継続するために,来年度から詳細な調査及び設計を行い,建物の耐震対策と老朽化設備の更新を進めます。なお,施設の更新には効率的な処理方式を採用し,コンパクトな施設とする予定でございます。
 以上です。
   
◎田淵薫市民局長
   東京五輪に向けての合宿誘致等についての御質問でございます。
 合宿誘致等における経済波及効果につきましては,合宿誘致そのものは県内外から観光客等を呼び込む大きなチャンスであると捉えておりますが,現時点で経済波及効果を算定することは困難であります。なお,やや古くなりますが,平成21年度に実施された岡山市コンベンション経済波及効果では,参加者1人当たりの支出額が日帰りの場合5,651円,宿泊した場合は3万2,859円という数字が出ており,一つの参考になる額と考えております。
 また,合宿誘致の受け入れ可能競技につきましては,受け入れ施設や県,競技団体等との連携も必要であり,官民挙げての対策検討会の設置も含めて今後検討していきたいと考えております。
 以上です。
   
◎高次秀明経済局長
   同じ項の中で,東京五輪に向けた観光客の誘致等への取り組みについてのお尋ねにお答えいたします。
 2020年の東京五輪開催に関しましては,積極的な誘致が必要でございますが,仮に有名な選手や人気あるチームの合宿などを誘致することができましたら,それを契機に岡山市を訪問する方々に対しまして,また東京五輪開催に合わせて訪日される海外の方々に対しまして,岡山市の魅力をしっかりと伝えることにより観光につなげる大きなチャンスになると考えております。今後,関係部署と協力して,そのための対応を検討してまいりたいと考えております。
 以上でございます。
   
◆二嶋宣人議員
   市長,御答弁ありがとうございました。
 それでは,再質問に入らせていただきます。
 まず,大きい1項目め,県との連携のあり方についてであります。
 先月21日に開催した市長と知事の懇談会の中で,後楽園と岡山城の一体的運営,活用に向けた組織設立を目指すといった合意は,いわゆる県と市の固有の観光資源を別々に管理してプロモーションするのではなく,連携することによって相乗効果が働くという考えは全く普通の考えであって,今まで何でできていなかったんだろうということであります。
 県と市には,それぞれの立ち位置があって役割があって,これまで別々でもよかった側面もあったわけでありますけれども,本市を初め我が国日本は今社会保障費が毎年のように伸び続けていて,一方では税収は右肩下がりの時代に入ると,やっぱり市民感覚では縦割りはだめだ,二重行政ではだめだということになると思います。先ほどの市長の答弁の中で,やっぱり知事との信頼関係,そして県と市は何よりも市民目線に立ってさまざまな課題認識を共有していき,そして役割分担,連携をしていかなきゃいけないと思います。そのあたりは市長も同じ認識だと思います。
 では,地方分権の枠組みが法律等々である中で,はっきりしない中で,二重行政の明確な是か非かの議論をここでするのは少し乱暴かもしれませんけれども,市長,二重行政に対してどういった御認識があるのか,お聞かせいただけませんか。
   
◎大森雅夫市長
   お答えいたしたいと思います。
 まず,二重行政そのものでございますが,法律上,同じものを県が所管し,また市が所管する,共有という形はあるかもしれませんけれども,基本的にはそういうものはありません。そういう面でいきますと,法的には多分二重行政というものは存在しないということになるんだろうと思います。
 しかしながら,一体的に対応したほうがより効率的であり,また効果的であるものも多いと思います。先ほどの岡山城は市,後楽園は県,これは決して二重行政ではないわけでありますが,ただしそれを一体的に運営していく,そういうことになれば効率的でもあるし,より多くの人を呼び込む,効果的にもなっていく,そういったものは岡山城,後楽園以外にも私はあるんだろうと思います。それらのものを一つ一つ整理して,ブラッシュアップして,具体的に何が効率的なのか,そして効果的なのかということを今後議論していきたいと思っております。
 以上です。
   
◆二嶋宣人議員
   ありがとうございます。
 そもそもの市長の認識として,二重行政というのは県と市ではないということだと思います。しかし,後楽園と岡山城のような形で一体的にやったほうが効果的であるものはしっかりやっていかなきゃいけない。つまり二重行政という趣旨,意味等々がぼやんとした,しっかりとした固定した概念がない中で,それをいわゆる二元行政,二重行政というんじゃないのかなと私自身は思っているわけであります。だからこそ,先ほど広島県と広島市の事例を出させていただいたわけであります。選挙戦あるいは市長就任後2カ月たったわけでありますけれども,それぞれの事業,そして施設運営など県と市が連携して,いわゆる一体的にやったほうがいいんじゃないのかなというふうな事業もあると思われるんですけれども,そういったところはありませんでしょうか,お聞かせください。
   
◎大森雅夫市長
   ほかにも一体的にやったほうがより効率的,効果的なものというのはあると私は思います。例えば,先日の代表質問の中で文化事業の話がございました。私はその点についても,関係者が多いんですぐに結論が出せるかどうかわからないけれども,検討してまいりたいというお話を申し上げたと思います。そのほかにも,多分といいますか,あると思います。それらのことについては,一つ一つこれから具体的な事例をさまざまな方から御指摘をいただき,議員からも御指摘をいただきながら,何がより効果的,効率的になるのかということを一つ一つ検証してまいりたいと思います。
   
◆二嶋宣人議員
   ありがとうございます。
 結局,市民の目線から見ると,同一の内容の市民サービスでありながら,県,市,実施者が違うから違うでいいんだという我々の感覚から直していかなきゃいけないと思うんですよね。ですから,限られた資源,いわゆる人,財源の中で無駄を省いて事業効果を高めていくことは,やっぱり納税者,市民が行政に求める基本的なことであろうと思いますので,そのあたり柔軟に岡山市が自己変革できる,そういった仕組みづくりを市長,強いリーダーシップを持って取り組んでいっていただきたいなと思っておりますので,よろしくお願いいたします。
 続きまして,大きい項目2の歯と口腔の健康づくりについてであります。
 まず,障害者・児の口腔保健についてですけれども,本市は歯科保健基本計画の策定に当たって重点的に取り組む歯科口腔対策の一つとして,障害者・児,要介護者の口腔健康の保持増進への取り組みを上げていこうとしているわけであります。
 先ほどの答弁の中で,歯科医師会等の関係団体と連携しながら障害者への適切な歯科診療のあり方等々について協議,検討していくといった答弁をいただきました。こういった障害者の歯科診療システムを構築していく中で,障害者の方が歯のことで診療場所に迷うことなく治療を受けることができる場所を行政主導でしっかりと用意していく,そのことがやっぱり重要だと思うわけでありますけれども,そういった点について何か御所見があればお聞かせください。
   
◎森真弘保健福祉局長・政策局操車場跡地調整担当局長
   障害者の方も歯科診療をきちんと受けられるようにしていくというのは大変重要なことだと思っております。今,障害者の歯科診療をしていただいているところは,市内でも5カ所程度あると確認しております。実際には構造上,バリアフリーになっている歯科診療所というのはもう250カ所あります。それから,診療報酬で通常の方と比較して,例えば初・再診の場合は1,750円上乗せになった上に個別の行為については1.5倍の診療報酬がつくようになっております。そういう中で,これからふえていく障害者の方のニーズを地域全体として受けとめられるのかどうかというのを市としてもきちんと確認しながら,その必要な施策を関係団体とも議論していきたいと考えております。
   
◆二嶋宣人議員
   ありがとうございます。
 局長も御存じだと思うんですけれども,お隣の倉敷市では倉敷市の歯科医師会が市の委託を受けて障害者の診療を既に行っているわけであります。これは,毎週木曜日,休祝日,予約制で行っています。本市では,まだそういったシステムがないわけでありますけれども,一からそういった新しいものをつくっていくにはかなりの財源もかかります。ならばどうしていくべきか,それはやはり既存のあるものをしっかりと有効利用していく。といえば,今現在岡山市の歯科医師会が岡山市の市民病院にて開設,そして管理者として手弁当で休日急患歯科診療所を運営されているわけであります。例えば,こういった公的な岡山市民病院で障害者の歯科診療という付加価値をつけて岡山市の歯科医師会等々と協力しながら障害者診療所を行っていくといった方法も1つあると思いますけれども,そういった方法はありだと思いますか。
   
◎森真弘保健福祉局長・政策局操車場跡地調整担当局長
   御指摘のやり方というのも一つの検討課題だと考えております。ただ,そういったやり方をする場合に幾つか検討しなければならないのが,既存の歯科診療所で障害児を既に受け入れられているところとの関係をどう考えるのか,それから実際に一定のそこの場所に障害児を担える歯科医に来ていただかなければならないわけですけれども,例えば月何回とか週何回来ていただくという負担を本当にしていただけるのかどうかという点も含めて,どういうやり方が岡山市にとって一番ふさわしいのかというのを少し検討させていただきたいと考えております。
 以上です。
   
◆二嶋宣人議員
   局長,今基本計画は素案でありますんで,具体的なことはこれからなのかもしれませんけれども,基本ですね,基本計画を立てている段階で一の手,二の手,三の手の具体論をしっかりと頭の中に入れながらやっぱり取り組んでいく,これは基本だと思うんですよね。企業で何も考えずに,じゃあこれを売っていくぞといっても何も売れませんから。やっぱりそのあたりしっかりと先を見た施策,その段階での基本計画を考えていっていただきたいなと。
 先ほども話がありましたけれども,岡山大学病院では平成19年ごろから地域の歯科医師への逆紹介を積極的に行っています。まだしっかりとした効果は出ていないと聞いていますけれども,患者さんのニーズは,障害者の方をよく理解したスタッフに診てもらいたいということだと思います。先ほど,今受け入れているところとの調整も必要だと言われましたけれども,岡山大学病院はそういったことで障害者の方の歯科診療をやっていますけれども,その岡大病院の方から聞きますと,受診患者さんの3割程度は開業医でも対応可能な患者さんとも伺っているわけであります。そういった意味でも,先ほど質問させていただきました歯科診療システムの構築,いわゆる障害者の歯科医療の裾野を広げていくためにも,こういった地域の歯科医師との連携,地域完結型の医療システムの構築が必要だと思いますけれども,御所見をお聞かせいただけますか。
   
◎森真弘保健福祉局長・政策局操車場跡地調整担当局長
   私どもも岡大のほうから3割程度の方が一般の歯科診療所でも対応が可能なのではないかというお話は伺っております。地域で受けとめられるようにしていくためにはどうしていくべきなのかというのを関係団体ともよく話をさせていただきたいと思っております。その中で,障害者の歯科診療を行うための研修を岡大もされているそうなんですけれども,なかなかそういった研修の参加者が集まらないという状況の中で,もう少しやっぱりいろんな形で障害者の診療について関心を持っていただく,実際にどういう受けとめ方ができるのかというのをわかっていただくような努力というのも本市としても行っていきたいと考えております。
 以上です。
   
◆二嶋宣人議員
   じゃ,そのあたりよろしくお願いいたします。
 時間もありませんので,次,高齢者の歯科医療サービスについて質問に入らせていただきます。
 御答弁の中にありました高齢者の歯科診療なんですけども,在宅とか施設の対応,行政における協力医の体制づくりというのは十分でないと言えることは御存じだと思います。ここはやはり岡山市独自の訪問診療協力医の取りまとめを考えていくべきだと思いますけれども,基本計画の中でも数値目標を掲げていますように,そのあたりの取り組みをしっかりと行っていく予定はあるんでしょうか,お聞かせください。
   
◎森真弘保健福祉局長・政策局操車場跡地調整担当局長
   高齢者の関係につきましては,例えば要介護度の軽度の方のケアプランを見ていても,やっぱり口腔ケアにリスクが高いという方がたくさんいらっしゃいます。こういう方を在宅でどういうふうにきちんとやっていくのかというのは,今関係団体とも議論させていただいているところです。来年度以降は,施設にいらっしゃる方もしくはデイサービス等を利用されている方にまずアプローチしていくということを考えておりますが,それだけではなく在宅にいる方についても順次段階を追ってきちんとアプローチできる方策というのを展開していきたいと考えております。
 以上です。
   
◆二嶋宣人議員
   ありがとうございます。施設,デイ,そして順次在宅へ取り組んでいくと。
 高齢者の歯科健診について少し触れさせていただきます。
 特に,口の中で劇的な変化が起こるのは,局長御存じだと思いますけれども,乳歯から永久歯にかわる6歳から12歳のいわゆる小学生のころ,そして8020運動で推奨されている残存歯20本以下を下回る70歳前後,この2つの時期だと言われているわけでありますよね。現行の岡山市の歯周疾患検診の対象者は30歳,35歳,40歳,45歳,50歳までですよね。若干そこのずれがこの市の行っている疾患検診とあるんじゃないのかなと。ですから,例えば要介護認定を初めて受けるときとか,後期高齢化になるときなど,現行の年齢以上の方も対象として,いろいろな機会を捉えて検診を促していくべき,今見直すべき時期に来ているんじゃないのかなと,この基本計画策定に当たってですね。そのあたりについてどのように思われるでしょうか。
   
◎森真弘保健福祉局長・政策局操車場跡地調整担当局長
   高齢期の場合は,一般的な歯周病の検診というよりは歯周病も含めて嚥下機能ですとかそしゃくとか,そういったことも含めた口腔全体を見ていく必要があると考えております。要介護認定を受けていらっしゃる前の方について,現在基本チェックリストをお配りするなどして,口腔ケアの必要性がある方をハイリスクの方も含めて抽出しておりまして,そういう方には介護予防のサービスで口腔ケアサービスを提供するような取り組みを現在しているところでございます。そういうアプローチも含めて,高齢者に向けてふさわしいアプローチの仕方がどういうものなのかというのをもう少し検討させていただきたいと考えております。
 以上です。
   
◆二嶋宣人議員
   口腔全体を見てということでございますけれども,現場等々の声を聞いていますと,やはりこの70歳前後の取り組みが今後の口腔健康維持にとって大事なんだということも聞いておりますので,このあたりしっかりと現場の進みぐあいも見ながら検診等々の実行も考えていただきたいなと思っております。
 時間もございません。
 続いて,妊婦歯科健診についてでありますけれども,歯科的な介入で低体重児出産が予防できるかどうかといった根拠は得られていないと言われていますが,少子化が進む中で子どもたちをいかに育むかといった観点から見ると,やっぱり妊婦歯科健診の意味は大いにあると私は考えます。広島市では,妊娠中に1回,公費で無料で歯科健診を行って,積極的にその重要性の啓発活動にも力を入れているわけであります。
 より一層の啓発活動,基本計画の中でもかなり倍以上の目標数値を掲げていますよね。やっぱり大胆な政策を打たない限り,これは厳しいと思うんですけれども。例えば,積極的に公費で歯科健診を行っていくとか,妊婦さんが親子手帳を受け取る際に歯科健診に行ってくださいよといった啓発をしていかなければならないわけでありますけれども,そのあたり再度,いわゆる目標値を高く持っていることに対してどういった抜本的な取り組みをしていくのかについてお聞かせください。
   
◎森真弘保健福祉局長・政策局操車場跡地調整担当局長
   本市の場合,妊娠中に歯科健診を受診された方の割合というのは5割弱となっておりまして,非常に高い受診率がございます。これは,やはり日ごろから産婦人科,歯科医師含めていろんな形での啓発が功を奏していると考えておりまして,これは例えば助成を行っている市よりも受診率が高いと考えております。こうした中で,本市として妊娠時期において生活環境も変わっていく中で歯の健康を考えていく機会をどういうふうにつかまえていくのかというのを,もう少し幅広く妊婦に情報提供していくようなことも含めていろんな形で検討してまいりたいと考えております。
 以上です。
   
◆二嶋宣人議員
   今,基本計画を策定中,そして具体的な案に向けて協議中ということでございます。そもそもこの協議会もしっかりと意見を聴取できるような場をつくっていっていただきたい。よりよい基本計画,そしてさらなる実行に向けてよろしくお願いいたします。
 そして,3番目の一宮浄化センターの件でございます。甲斐局長,よろしくお願いいたします。ここはあくまでも要望であります。
 この浄化槽に関連して,やはり下水道,そしてそれを取り巻く道路等々があるわけであります。この一宮浄化センターの地域,地元案件でもあります県道妹尾・御津線,そして市道尾上線,これかなり進んでないんですよね。だから,浄化センターと一体として工事を進めていくべきだと思いますので,そのあたりをしっかりとよろしくお願いいたします。
 そして最後の項,東京五輪でありますけれども,局長,県,競技団体との連携はもちろん必要であります。しかし,他都市,京都市,神戸市を見ても,対策検討会等々を設置して独自の取り組みを打ち出してきているわけです。やっぱり後手になっているような感じがいたしますけれども,それについて御所見をお聞かせください。
   
◎田淵薫市民局長
   東京オリンピック,スポーツを担当する者として非常に楽しみにしています。そういう中で,観光面も含めて岡山で合宿等を行っていただくことは,本当に子どもたちにとっても裾野が広がる,非常に市民のスポーツ参加を促せるということで期待しているところでございます。
 そういうところでおくれをとっているというお話でございますが,先般も日本サッカー協会でそういうお話がありました。これからどういう動きをするか,それぞれの競技団体,全国の競技団体がこれからどういう場所でどういう競技をというのを検討してまいります。その中で,岡山で売り込める競技は,しっかりと競技団体と連携することがやはり必要であると。岡山の場合ですと,例えばサッカーがJ2のファジアーノ,バレーですとシーガルズ,それから女子柔道ですと環太平洋の女子柔道部が最近全日本で優勝しているという,全国の競技団体の中でも特にすぐれた成績を残している団体もあるということで,今後その団体との連携,これをまずしっかりとつくることが重要と考えております。
 以上です。
   
◆二嶋宣人議員
   ありがとうございます。
 結局,後手になっているわけですけれども,やっぱり具体的な戦略プランをしっかりと組んでいかなきゃいけない。これは,局長が答えていますけれども,やっぱり市長の思いで答えているわけでございます。市長は,このオリンピック誘致に向けて他都市との差別化をどう図っていこうとしているのか,最後に御所見をお聞かせください。
   
◎大森雅夫市長
   今の御質問にお答えします。
 オリンピックの関係の誘致,積極的にやっていきたいと思っております。(笑声)
   
>