令和6年 9月定例会 - 9月10日

◆二嶋宣人議員
   皆様こんにちは。自由民主党岡山市議団の二嶋宣人です。
 傍聴席の皆様ありがとうございます。どうぞ最後までよろしくお願いいたします。
 それでは,質問に入らせていただきます。
 1,物価上昇と少子・高齢化に伴う市民生活の支援について。
 原材料価格や物流費の高騰により,食品やサービス,電気・ガス料金などの値上げが続き,市民の生活には依然として不安が拭えない状況です。さらに,総務省の6月家計調査によれば,2人以上の世帯の支出は28万888円で,物価変動を除く実質で前年同月比1.4%減少しており,特に住居関連支出は23.6%減少しています。一方で,住居関連や自動車購入費を除いた支出は1.3%増加したものの,消費全体は低調で,携帯電話料金や電気代,果物や生鮮野菜の支出も減少しています。
 少子・高齢化や物価上昇,実質賃金の伸び悩みが続く中で,市民の日常生活に大きな影響が出ています。こうした状況を踏まえ,若者や子育て支援,公共交通の充実など生活を支えるための具体的な支援策が求められています。
 そこで質問します。
 (1)最近の物価上昇に伴い,商品の買い控えやより低価格帯の商品を選ぶ動きが広がっていますが,岡山市民の生活状況や所得の現状をどのように把握していますか。そして,現状を踏まえた国への要望,さらに今後重点的に取り組むべき課題や支援策についてお示しください。
 (2)政府は,労働者の学び直しやスキルアップを支援し,成長産業であるデジタル分野の生産性向上を図る人への投資を進めていますが,本市における取組とその成果,そして今後の展開についてお示しください。
 (3)2024年の新社会人を対象に実施した調査では,6割以上が奨学金の返済を抱えており,その中には返済に苦しんでいる若者も多いことが報告されています。また,2020年の国勢調査によると,男性の生涯未婚率は25.7%,女性は16.4%と高い水準にあります。若者の奨学金返済支援の現状,生涯未婚率の傾向についてお示しください。
 (4)若者が結婚を選ばない,または結婚に踏み切れない理由について,どのように分析されていますか。また,その原因が奨学金返済や経済的不安,あるいは仕事と生活のバランスにある場合,本市の具体的な支援策についてお示しください。
 (5)若者が結婚や子育てを選択できる環境を整えるためには,仕事と生活の両立が不可欠です。本市における若者の働き方改革やワーク・ライフ・バランスの推進状況についてお示しください。特に子育て世代を対象とした柔軟な働き方の導入や企業との協力体制の現状,そして今後の改善点について御所見をお示しください。
 多くの自治体では,子どもや若者の意見を反映させる取組が進んでいます。少子・高齢化が進む中で,政治が高齢者寄りになっていると感じる若者もいますが,彼らは若者だけを優遇すべきとは考えていません。むしろ全世代が公平に負担を分かち合い,利益を共有できる仕組みを求めています。
 私は,令和元年11月に愛知県新城市を視察しました。新城市では,若者議会条例に基づいて,若者が政策立案や予算提案を行う若者議会を設置し,若者の意見が市の事業に目に見える形で反映されています。この取組は,若者のモチベーションを高め,その可能性を引き出す重要な施策だと感じました。
 そこで質問します。
 (6)本市は,これまで若者を対象とした施策を実施する際にどのような視点を重視してきましたか。具体策とその評価も含めてお示しください。また,今後,若者が活躍するまちづくりを推進するために,子どもや若者の声を反映させる仕組みづくりの必要性についてどのようにお考えですか。
 岡山市では,保育園等の待機児童解消,保育の質の向上,困難を抱える子どもや家庭への支援など様々な子育て支援に取り組んできました。そういった中,全ての子どもが幸福な生活を送れる社会を目指し,子ども政策を総合的に推進することを目的としたこども基本法が令和5年4月に施行されました。これを受け,本市はこどもまんなか社会実現の趣旨に賛同し,こどもまんなか応援サポーターとなることを宣言しました。
 そこで質問します。
 (7)こどもまんなか応援サポーター宣言後に実施した取組と今後予定している取組についてお示しください。
 また,これらの取組が子どもや家庭にどのような影響を与えるとお考えでしょうか。さらに,他の自治体と比較した際の本市の優位性について,どのように評価していますか。
 (8)岡山市内9か所の保育施設で試験的に実施中のこども誰でも通園制度について,各区におけるアクセスの公平性や施設ごとの受入れ体制についてどのように評価していますか。また,令和8年度からの本格実施に向けて,財政面,保育士の確保,保育の質の維持についてどのように対応する計画かお示しください。
 今年8月,こども未来創造調査特別委員会の視察で千葉県流山市を訪れました。流山市は,都心へのアクセスがよく,商業施設も充実しており,子育て世帯に人気のエリアです。さらに,2021年には待機児童ゼロを達成し,独自の子育て支援制度を導入しています。
 流山市子育て応援マンション認定制度では,認定マンションにキッズルームやベビーシッターサービスが提供され,認定ステッカーが表示されることで,子育て世帯が住まいを選ぶ際の指針となります。また,送迎保育ステーションは,遠距離や送迎が難しい家庭を手頃な価格で支援し,共働き世帯をサポートしています。これらの取組は,子育て世帯にとって非常にうれしいサービスではないかと感じました。
 そこで質問します。
 (9)流山市の子育て支援制度や取組に対して,当局の率直な御感想をお示しください。
 (10)流山市の子育て応援マンション認定制度や送迎保育ステーションの取組は,本市でも有効であると感じます。そこで,子育て世帯の住まいと住環境に関するニーズをどのように把握しているのか,また今後検討すべき取組があればお示しください。
 2022年に育児・介護休業法が施行され,男性の育児休業取得率の向上に取り組む企業が増えています。
 最近の調査によると,男性の育児休業取得率が初めて3割を超え,調査開始以来,過去最高となりました。
 政府は,男性の育児休業取得率を2025年までに50%,2030年までに85%に引き上げる目標を掲げています。この背景には,家庭内での育児・家事分担の重要性が認識され,男性の育児休業が推奨されるようになったことが上げられますが,目標の取得率にはまだ遠いのが現状です。
 そこで質問します。
 (11)本市内の企業における男性の育児休業取得率についてお示しください。特に中小企業等における育児休業の取得状況や支援の現状についてもお示しください。
 (12)男性の育児休業取得率3割超えの評価と課題についてお示しください。
 (13)現在の取得率のままでは2025年及び2030年の目標達成が難しいと考えられます。男性の育児休業取得率をさらに引き上げるための具体的な取組や施策をどのようにお考えですか。また,企業や地域社会との連携も必要と考えます。どのように進めていく必要があるとお考えですか。
 (14)2025年4月1日より育児休業給付(育休手当)の給付率が引き上げられ,要件を満たせば手取りで10割となる予定です。どの程度の効果が見込まれるとお考えですか。
 (15)スウェーデンでは,男性の育児休業取得率が90%と非常に高いです。男性の育児休業取得率向上に成功している他の地域や他国の事例を参考にどのような取組を本市で導入することが可能か,御所見をお示しください。
 現在,路線バス分科会でバス路線の再編が進められていますが,一宮方面の再編に関しては多くの市民から要望が寄せられています。もちろんバス事業者の事情もある中で,しかしながら市民の利便性を最優先に考えた計画が求められます。
 そこで質問します。
 (16)一宮方面のバス路線再編について,地域から寄せられている具体的な要望とその検討状況をお示しください。また,市民の利便性向上のために,これらの要望がどのように計画に反映されているのでしょうか。
 岡山市では,家庭ごみの減量化,資源化の推進と排出量に応じた受益者負担の公平性を確保するために,家庭ごみの有料化が実施されています。さらに,令和6年3月からプラスチック資源の分別が開始されています。この施策により家庭ごみの削減とリサイクル率の向上が期待されています。
 そこで質問します。
 (17)プラスチック資源の分別について,市民から面倒だという否定的な意見も聞かれますが,こうした市民の声をどのように受け止めていますか。また,プラスチック資源のリサイクルの状況とその費用についてもお示しください。
 (18)ごみ減量策としてどのような具体策を実施していますか。その成果はどのようなものでしょうか。
 (19)総社市で導入されている雑紙とごみ袋の交換制度のような,岡山市でも参考になる施策はありますか。
 (20)家庭ごみの総排出量が減少傾向にある場合,ごみ袋の価格の見直し(変動制)についての御所見をお示しください。
 以上で1回目の質問を終わります。(拍手)
   
○森田卓司副議長
   当局の答弁を求めます。
   
◎大森雅夫市長
   それでは,二嶋議員の質問にお答えします。
 私は,最初の物価上昇と少子・高齢化に伴う市民生活の支援ということで,今後取り組むべき課題,支援策等についてであります。
 今年の7月,岡山市における生鮮食料品を除く消費者物価指数は前年比2.3%増となっております。9月5日公表の日銀の岡山支店の金融経済月報によりますと,個人消費は物価上昇等の影響を受けて増加ペースは鈍化しているという状況であります。他方,毎月勤労統計調査によりますと,7月の全国の実質賃金は前年同月から0.4%増と2か月連続のプラスとなっています。現在の状況はこのようなものでありますが,この近年,コロナ対策,そして物価高騰対策で様々な支援事業を行ってまいりました。令和元年度から令和5年度の5年間で,予算総額1,749億円に上っております。これは,規模としては令和6年度一般会計当初予算の半分近くに当たります。この1,749億円のうち1,243億円が市民生活に対する支援で,住民税非課税世帯等に対する臨時特別給付金事業,電力・ガス・食料品等価格高騰緊急支援給付金事業,低所得の子育て世帯とひとり親世帯に対する生活支援特別給付金事業など積極的に講じてきたものであります。
 それとともに,国は岸田総理が6月の記者会見で年金世帯や低所得者を対象とした追加給付金,学校給食費等の保護者負担の軽減など追加の経済対策を検討すると表明しております。
 引き続き物価高騰による市民生活や社会経済の状況に加え,国の動向等をしっかりと注視し,各界の御意見を聞きながら,また財政の健全性もあります,そういった中で必要とされる対策を適宜講じていきたいと思っております。
 私からは以上です。
   
◎田中哲也市民協働局長
   1番,物価上昇と少子・高齢化に伴う市民生活の支援についての項,市長答弁以外について順次お答えいたします。
 まず,若者の働き方改革やワーク・ライフ・バランスの推進状況と子育て世代の柔軟な働き方の導入や企業との協力体制についてです。
 本市では,市内企業の女性社員や管理職の方の御協力をいただき,学生のためのキャリア形成講座を開催し,将来のキャリアプランやワーク・ライフ・バランスについて考える機会を提供しています。
 また,子育て世代のみを対象としたものではありませんが,きらりと認証制度によって企業における働きやすい職場づくりの後押しをしており,令和5年度末時点で110社が認証されております。引き続きこの制度の周知を図り,多種多様の企業において登録していただくことで,企業の柔軟な働き方が進むよう取り組んでまいります。
 次に,本市の企業における育児休業取得率と支援の状況についてですが,公明党を代表されての長岡議員に御答弁したとおりです。
 次に,男性の育児休業取得率3割超えの評価と課題についてです。
 令和3年度の育児・介護休業法の改正による産後パパ育休制度の創設や個別周知,意向確認の措置の義務化等,男性が育児休業を取りやすい環境の整備が進んだ結果が,取得率3割超えにつながったものと考えております。
 市としましては,シンポジウム等様々な機会を捉えて啓発に努めてまいります。
 次に,男性の育児休業取得率の引上げの具体的な取組や施策と企業や地域社会の連携についてです。
 男性育休取得率の具体的な取組や施策は,公明党を代表されての長岡議員に御答弁したとおりです。
 これまで本市では,男性の育児休業取得向上に向けて様々な機会を通じて啓発を中心に取組を進めてきましたが,企業や地域社会との連携につきましては,どういったことができるのか,今後研究してまいりたいと考えております。
 次に,育児休業給付の給付率が10割となった場合の効果についてです。
 本市が令和3年度に実施した女性活躍及びワーク・ライフ・バランスに関する調査では,育児休業を取らない理由の一つとして収入面の不安がある方が一定数おられたことから,制度の改正によってそういう方の育児休業の取得がある程度進むものではないかと考えております。
 次に,他の地域や他国の事例を参考に,どのような取組を導入することができるかについてです。
 スウェーデンの制度は国の制度であり,市で取り入れることは困難と考えておりますが,他都市の事例を参考に本市としてはどのような対応ができるのか研究してまいりたいと考えております。
 以上です。
   
◎榎並義忠岡山っ子育成局長
   若者,子育て関係の御質問について順次お答えいたします。
 まず,若者の奨学金返済支援の現状,生涯未婚率の傾向についてです。
 奨学金返済支援としましては,独立行政法人日本学生支援機構において,返還期間を延長して返還月額を減額する制度があります。令和4年度の制度利用者は,5年前と比較すると約1.3倍となっており,活用されているところでございます。さらに,大学などの高等教育の修学のため,低所得者などを対象に平成29年度には給付型の奨学金,令和2年度には授業料免除の制度が開始されています。また,本市においては,低所得者などを対象に高校生に対する奨学金制度について,従来の貸与型から給付型に切り替え,令和2年度から支給を開始しております。
 未婚率につきましては,本市の令和2年の50歳時の未婚率を試算すると,男性が22.9%,女性が16.2%です。10年前の平成22年と比較しますと,男性が5.6ポイント,女性が6ポイント増えており,未婚率は上昇傾向にございます。
 次に,若者が結婚を選ばない理由の分析と具体的な支援策についてです。
 結婚を選ばない理由には,経済的負担など様々な要因が考えられますが,国においてこども未来戦略に基づき所得向上に向けた施策が実施されているところです。
 本市が昨年度実施した18歳から39歳の若者を対象としたアンケート調査では,結婚していない理由の上位は,相手に巡り会う機会がない,年齢的にまだ早い,経済的理由の順になっております。
 この結果を踏まえ,結婚を希望している方に出会いの機会を提供する出会いのひろば事業の内容や実施方法などを工夫し,より多くの方に参加いただけるよう検討してまいります。
 また,仕事と家庭の両立しやすい職場づくりは重要であり,企業への啓発などを実施しているところです。
 引き続き庁内で連携しながら,結婚を希望する方の後押しができるよう努めてまいりたいと考えております。
 次に,若者を対象とした施策の視点と具体策,その評価,若者の声を反映させる仕組みの必要性についてです。
 若者は,地域の活力をもたらす存在であり,地域に定着し,活躍できる環境づくりを進める視点が大切だと考えております。例えば,学生イノベーションチャレンジ推進プロジェクトでは,この事業に参加した学生の県内への就職率は,市内8大学全体の県内就職率より高く,地元定着に寄与していると考えております。
 また,二十歳の集いでは,実行委員会形式で若者の視点を生かし,企画から広報,当日の準備まで主体性を持った運営を行っております。実行委員経験者が市民協働事業に参画するなど,地域活動の担い手づくりにもつながっております。
 子ども,若者の声を聞くことにつきましては,大切だと考えており,今年度は若者を対象としたまちづくりワークショップや子ども施策について,高校生との意見交換などを予定しております。
 今後も子ども,若者の声を施策づくりに生かしていけるよう努めてまいりたいと考えております。
 次に,こどもまんなか応援サポーター宣言後の取組と今後の予定,子どもや家庭への影響と本市の優位性の評価についてでございます。
 令和5年7月に市長がこどもまんなか応援サポーター宣言を行い,保育の待機児童対策や学校のエアコン設置,子ども医療費助成の拡充,困難を抱える子どもや家庭への支援などに取り組んでまいりました。
 今後も子ども・子育て支援施策を幅広く推進し,特に放課後児童クラブについては令和9年度の待機児童解消を目指して全力で取り組んでまいります。
 これらの取組によりまして,子どもたちが健やかに成長でき,安心して子育てできる環境づくりにつながっていくものと考えております。
 また,本市の優位性につきましては,災害が少なく,気候が温暖であり,医療が充実し,公園や文化施設が多くあることなどが挙げられ,令和5年の人口1,000人当たりの出生数は政令市20市中5位,ゼロ歳から14歳の年少人口比率は政令市中4位となっております。
 次に,こども誰でも通園制度のアクセスの公平性,受入れ体制の強化,本格実施に向けての対応についてです。
 今回の試行的事業では,民間事業者につきましては,エリアを限定せず,企画提案による公募を実施いたしました。
 各事業者から,定員,受入れ年齢,受入れ時間等の受入れ体制について提案を受け,評価して決定しております。結果として,公立1施設を含め9施設での試行となりましたが,地域によっては実施施設までの距離が比較的遠いところもありました。また,受入れ体制については,利用者アンケートでまた利用したいとの回答が多く,おおむね好評と考えております。
 財政面,保育士確保等に関する市としての対応については,現在国において制度等の検討中であるため現時点ではお答えできませんが,よりよい制度となるように国に対して意見を伝えるとともに,利用促進のために市民に制度の周知を図ってまいりたいと考えております。
 次に,流山市の取組の感想についてです。
 流山市は,都心まで電車で最短約20分という交通の利便性などを生かし,共働き世帯を対象とした独自の子育て支援策を展開しておられます。本市は,市街地から周辺部まで市域が広く,交通手段が車に依存するなど,東京のベッドタウンとして新駅開業に伴い電車通勤者向けのマンション開発を進めた流山市とは都市環境が異なっていることから,同様の施策が本市にとって必ずしも有効とは限りませんが,保育園への送り迎えの利便性など,仕事と家庭の両立がしやすい住環境や子育てしやすさをアピールした流山市の取組は,施策を考える上で参考とさせていただきたいと考えております。
 次に,子育て世帯の住まいと住環境に関するニーズの把握と今後の検討すべき取組についてです。
 子育て世帯の住まいと住環境に関するニーズに特化した調査は実施しておりませんが,昨年度実施した子育て世帯を対象としたアンケートの中で,子育てしやすいまちにするために充実が必要と思う施策について質問しました。
 その回答の中で,住環境につきましては,子どもが遊ぶ環境,保育園などの保育サービス,放課後児童クラブ,教育環境の整備などが上位となっております。こうしたことも参考としながら,子育てしやすい環境づくりのための施策を検討してまいりたいと考えております。
 以上です。
   
◎見平孝行環境局長
   同じ項,まず,プラスチック資源の分別への市民の声,リサイクルの状況とその費用についてです。
 プラスチック資源の分別に当たっては,市民の皆様に御負担をおかけしていますが,可燃ごみの有料指定袋が半分の大きさでよくなったなど,好意的な御意見も多くいただいているところです。
 また,プラスチック資源の回収量は,週当たり120トン前後で推移しており,主な費用としては,令和6年度の予算ベースで収集経費が約2億4,000万円,中間処理経費が約2億9,000万円,再商品化経費が約6,000万円となっております。
 次に,ごみ減量の具体策とその成果についてです。
 本市では,ごみ減量策の一つとしてプラスチック資源の分別回収を開始し,令和6年3月から8月までの半年間で約3,100トンを資源化物として回収しております。
 次に,岡山市でも参考になる施策はあるのかについてです。
 各自治体でごみ収集の仕組みや分別方法等が異なることもあり,現時点で参考となる他都市の施策は把握できておりません。引き続き市民の皆様がごみの減量効果を実感できるような施策を調査検討してまいります。
 この項最後に,ごみ袋の価格の見直しについてです。
 本市の家庭ごみ排出量は減少傾向にありますが,現時点では有料指定袋の価格の見直し等は検討しておりません。
 以上です。
   
◎小山直人産業観光局長
   同じ項,(2)労働者の学び直しやスキルアップの取組や成果などについてお答えいたします。
 国は,リスキリングを含む労働生産性の向上を行う事業者を支援するため,従業員の職業訓練に係る経費の一部を助成する人材開発支援助成金などの支援制度を設けており,市は国の依頼を受け,ホームページ等で制度周知に努めているところです。
 一方,市が行っている人材育成関係の取組としては,昨年度までに就職氷河期世代支援事業で延べ307名,企業人材育成セミナーで延べ852名と多くの方に受講していただきました。
 なお,国は今後リスキリングによる能力向上支援について,経済財政運営と改革の基本方針2024において三位一体の労働市場改革を進め,全世代を対象とするリスキリングの強化に取り組むこととしております。
 市としても,地域におけるリスキリングの環境整備が重要であると考えており,市内事業者のほとんどを占める中小・小規模事業者に対し,どのような支援ができるか,国の動向や他自治体の取組事例なども参考に検討を進めてまいります。
 以上でございます。
   
◎平澤重之理事
   同じ項,一宮方面のバス路線再編についてです。
 一宮方面のバス路線再編については,既存の重複するバス路線を集約し,生み出された余力を活用して支線を備前一宮駅へ延伸する計画としています。
 この計画に対し,地域から,国道180号の辛川市場から西辛川に向かう区間の延伸について要望をいただいており,現在,市と事業者でルートやバス停の位置,運行本数,ダイヤなどについて検討を行っているところです。
 以上です。
   
◆二嶋宣人議員
   御答弁ありがとうございました。市長ありがとうございます。
 それでは,一問一答で再質問に入らせていただきたいと思います。
 まず,物価上昇による市民生活への影響についてお尋ねさせていただきました。
 物価上昇に伴ってこの市民の生活が厳しい状況にあります。先ほど市長からも市民生活においては1,243億円の国の事業支援があったということでありますけれども,それによって市民の生活状況がどれだけ改善したのか,効果があったのか,岡山市としてしっかりとそのあたりは現状を把握する必要があると思います。また,この支援策が対象者に十分に活用されてきたのか,またそのフォローアップが適切に行われてきたのかどうか,そこのあたりについて確認したいと思います。岡山市としての具体的なその対策といいますか,取組,対応について,まずお聞かせいただけませんか。
   
◎北川由佳政策局長
   議員御指摘の事業につきましては,基本的には給付関係の行政となっております。そのため,その効果につきましては,市民からの相談の状況に加えまして,消費者物価指数,日銀岡山支店の金融経済月報,また毎月勤労統計調査などの経済指標を注視することで,しっかりと把握していきたいと考えております。
   
◆二嶋宣人議員
   そのあたり数字的なものも大事ですけれども,市民の生の声を聞くということも大事だと思いますので,そこのあたりぜひ検討していっていただきたいと思います。
 若者の奨学金返済支援の現状についてもお尋ねさせていただきました。
 高校生を対象としたこの岡山市給付型奨学金でありますよね。これは令和5年度に利用された学生は48.7%だったと思います。しかし,じゃあ約半分,50%の学生は対象でありながら利用されていないということであります。その原因については分析されていますか。されているのであれば,その原因もあわせてお聞かせいただけませんか。
   
◎榎並義忠岡山っ子育成局長
   すいません。原因については分析できておりませんが,しっかり周知のほうを図ってまいりたいと考えております。
   
◆二嶋宣人議員
   よろしくお願いいたします。
 では,現状の利用状況から,この原因が分からないわけでありますけれども,利用しやすくするための改善は必要だと思います。それに対する御所見はありますか。
   
◎榎並義忠岡山っ子育成局長
   その点についても,今後考えてまいりたいと思います。
   
◆二嶋宣人議員
   よろしくお願いいたします。
 この給付型の奨学金については,高校生だけではなくて大学生までを対象に継続的な支援が必要だと思います。そういった答弁もあったと思います。札幌市では,既にそういった取組を行っているわけでありますが,答弁の中にもありましたけれども,国や県との連携に加えて,企業との協力体制もしっかりと整えることが重要だと私自身改めて答弁を聞きながら思いました。
 市としてこれらの連携についてどのような研究がなされてきたのか,そこのあたりについてお聞かせいただけませんか。
   
◎榎並義忠岡山っ子育成局長
   まず,大学生につきましては,学生支援機構の奨学金が非常に充実しておりますので,岡山市は高校生の奨学金を最近改善してやっている。先ほどおっしゃったような国や県の制度は当然見ていきますけれども,企業につきましては,制度として企業に就職した方の奨学金を企業が代行返済するというか,そういう制度がございますので,そういったところでしっかり全体を見ながら我々としても考えていきたいと思っております。
   
◆二嶋宣人議員
   とはいうものの,まだ厳しい状況であるということでありますので,札幌市さんは既に取り組んでいるわけでありますので,そこのあたりしっかりと検討していっていただきたいと思います。
 生涯未婚率についてもお尋ねさせていただきました。
 岡山市だけではなくて,これは全国的にこの生涯未婚率が上昇しているわけでありますが,やはり早いタイミングで,早い年齢層での対策が必要と思いますが,そのあたりについての何かお考えはありませんか。
   
◎榎並義忠岡山っ子育成局長
   未婚率が高まっていることにつきましては,所得の状況とか働き方の話とか,あと出会いだとか,いろんな側面があって,様々な側面から対策していかないといけないと思っておりますが,早い段階での出会いという意味では,出会いのひろば事業をやっておりますので,こういったところを十分改善しながら対応していきたいと考えております。
   
◆二嶋宣人議員
   出会いのひろば事業を行っているといった答弁がありましたけれども,じゃあ実際にその事業,どれだけ結婚を後押ししているのか,具体的な成功事例や統計を基にした評価をお聞かせいただけませんか。
   
◎榎並義忠岡山っ子育成局長
   募集しますと抽せんになることもある状況と聞いております。また,今まで何年もしているんですけども,実際結婚された方を15組は把握しております。そういった状況でございます。
   
◆二嶋宣人議員
   しかし,現状としては目に見える劇的な効果が出ているとは言い難いと思います。他都市では婚活コンシェルジュであったり,オンラインのマッチング支援であったり,効果的な事例もあります。ここだけにとどまらず,少子化や未婚率の増加が課題となる中で,岡山市として新たな視点をしっかりと見つけて取り組んでいかなきゃいけないと思うんですが,そこに対するお考えをお聞かせください。
   
◎榎並義忠岡山っ子育成局長
   先ほどおっしゃられたような事業,県のほうがされている部分もございますので,その辺うまいこと重複しないように,より効果的になるように,いろいろな施策を考えていきたいと思っております。
   
◆二嶋宣人議員
   重複することでまた効果がさらに上がるということもありますので,ぜひそこのあたりしっかり検討していっていただきたいと思います。
 新城市の取組を上げての質問をさせていただきました。岡山市では,この地域課題を解決する活動,イノベーションチャレンジ推進だと思いますけども,応援する事業をやっています。少子化が進む中で,若者の市政参画は本当に重要だと思います。新城市のように若者による政策立案や予算提案の有効性について,岡山市もぜひこの地域課題を解決する活動からさらに進んだこの若者の政策立案,予算提案,そこらあたりについての活用に向けた御所見をお聞かせいただけませんか。
   
◎北川由佳政策局長
   答弁の中でも御紹介いたしましたが,今年度総合計画の振り返りという形で,若者を対象にしたまちづくりワークショップを開催することとしております。その中でも岡山市の施策についてどのように考えているかという声をお聞きすることを考えておりますので,そうした取組を通じて若者の声を聞いていくということを続けていきたいと考えております。
 以上です。
   
◆二嶋宣人議員
   よろしくお願いします。
 男性の育児休業取得率についてもお尋ねしました。
 政令市の中で出生数は上位であったということであります。岡山市の男性の育休,取得率14.2%だったと思います。来年度からのこの育休手当の給付率引上げが期待される中で,これまで岡山市は企業への啓発活動に注力してきたと思います。
 そこで,さっき併用は避けたいといった話もありましたけれども,県との併用を含めた検討の,この給付の観点から併用をしっかりと進めていく,市独自の追加支援策を実施することは有効と考えますが,可能でしょうか。そのあたりについての御所見をお聞かせください。
   
◎田中哲也市民協働局長
   男性の育児休業を促進するための助成制度に関するということだと思いますが,今現在,国と県のほうでそういった制度を持たれておりまして,現状において市のほうで新たな助成の制度というものの検討というのは考えてはいないわけですけれども,しっかり国や県の制度を周知していくことでそういうことが進むように図っていけないかなとは考えております。
 以上です。
   
◆二嶋宣人議員
   じゃあごみ対策についてお尋ねさせていただきます。
 ごみ袋の価格の見直し,変動制については検討していないという,ばさっと切っていただいたわけでありますが,では,このごみ袋の価格変動が市民の行動にどのように影響するかとか,そういったシミュレーションや事例研究をこれまで岡山市として実施してきたのかどうか,そのあたりについてお聞かせください。
   
◎見平孝行環境局長
   プラスチックの資源の分別を開始した後に有料指定袋の売払いの状況等を今継続して調査しているところです。
 指定袋,今5種類の指定袋があるんですけれども,大きいサイズから小さいサイズへとどんどんシフトしている状況なので,まだ,プラの分別を始めてやっと7か月目に入ったところですので,当分の間はこの状況を見ながら,引き続き今の制度でやっていきたいと考えています。
   
◆二嶋宣人議員
   答弁の中で,可燃ごみの減少傾向の兆しがあるといった答弁をいただきましたが,ならばなおさらのこと,市民の生活状況に即した何かしらの改定の検討はあってよしと考えますが,御所見をいただいて私の最後の質問とさせていただきます。
 よろしくお願いします。
   
◎見平孝行環境局長
   確かにごみは減量していますが,排出されたごみの状況を見ますと,手間を惜しまず丁寧に分別していただいて,本当にきれいな分別された袋がある一方で,何でもかんでも詰め込まれて,中には瓶や缶まで入っているようなものも見かけられます。こうした状況がある中で,一律にごみ袋の減額をするというのは少し不公平感等もありますので,引き続きごみの減量化に向けてしっかりと周知啓発を進めていきたいと考えています。