令和4年 11月定例会 - 12月6日

◆二嶋宣人議員
   皆様おはようございます。自由民主党岡山市議団の二嶋宣人です。
 傍聴席の皆様,本日は大変お忙しい中,この岡山市議会の議場にお越しいただきましてありがとうございます。
 さて,昨晩の件でありますけれども,私も次の方が必ず触れると思いますので,後の方にお任せできたらなと思っておりますので,早速通告に従いまして質問に入らせていただきます。
 1,地域の抱える課題と地域活性化について。
 まず,子育て支援についてお尋ねします。
 先日,政府は令和4年1月から9月末までの出生数が59万9,636人と,前年と比べ約3万人減少と発表されました。少子化が加速し,今後の社会経済全体に多大な影響が想定されると考えます。
 こういった中で,子育て世代の方とお会いするとよく話題になるのが医療費の無償化,自分たちが住んでいる地域にある保育園,認定こども園へのスムーズな入園,特に育休明けの入園などであり,様々な御意見をいただきます。共働き世帯の増加,子どもの保育・教育環境が多様化する中で,時代に即した子育て支援ニーズの変化への対応も必要になってきているところだと感じています。
 そこでお尋ねします。
 (1)岡山市では子ども医療費助成の拡充に向けての検討をしていますが,現時点での検討状況と今後の見通しをお示しください。
 (2)令和3年の岡山市の出生数は5,360人と過去最少でしたが,現時点での令和4年の岡山市の出生数と見込みをお示しください。
 (3)物価高騰は,子育て世帯にも大きな影響を与えています。こういった中で,他都市の取組に目を向けますと市立小・中学校の2学期分の給食費を無償化するなど,独自の取組を実施している自治体もあります。物価高騰に伴う給食費の無償化,保育料の減免へのお考えをお示しください。
 そのほか必要と考える取組策があればあわせてお示しください。
 (4)政府は少子化対策の一環として来年度から原則42万円が支給されている出産育児一時金の支給額を引き上げる方針を示しています。厚生労働省が2020年度の医療機関(公的病院)での出産に係る標準的な費用を都道府県別に調査したところ,28都府県,約6割で支給される出産育児一時金を上回っていることが分かりました。岡山県における平均値は45万8,322円でした。岡山市の現状と御所見をお示しください。
 (5)保護者に寄り添った保育コンシェルジュの支援に対する評価は高いと感じています。その結果,令和4年4月時点での新規の1歳児の入園決定率は80.7%と高い割合でした。
 しかし,未入園児数は275人,そのうち待機児童数は5人でありました。当然,自宅がある地域の保育園,認定こども園を希望される方は多いと思いますが,特に今後この1歳児の未入園児をいかに減らすかが課題の一つと考えます。1歳児について,令和4年4月の未入園児のその後の入園状況をお示しください。
 (6)兄または姉が育児休業中により継続利用し,育児休業に係る児童が育児休業復帰予定で利用申込みする場合や,一時退園した児童が同じ保育施設等を利用する等の場合,優先利用の加点は10点ですが,例えば育児休業復帰予定の第1子が1歳を迎え,育児休業復帰しようとした場合,加点は1点しかありません。育休明けの途中入園を含め,現状と課題,今後の対策をどのようにお考えですか。御所見をお示しください。
 (7)これまで待機児童の解消に向けて受皿整備に力を入れてきましたが,まだスムーズに希望する園に入園できなかったという声も伺います。御南・西小学校区など待機児童が発生しやすい区域における未入園児数の推移と本市全体における施設整備の今後の方針をお示しください。
 次に,地域における訪問診療や往診についてお尋ねします。
 本年9月議会で在宅に焦点を当てた岡山型持続可能な社会経済モデル構築総合特区──AAAシティおかやまについて質問しました。その中で,地域の個人医院,診療所の訪問診療や往診の現状等に触れ,今後の対策を伺いました。当局からは,令和5年度の岡山市在宅医療推進方針の改定に向けて令和4年度に市民や病院,診療所,訪問看護ステーションなどの専門職への意識調査を行うとの答弁がありました。
 そこでお尋ねします。
 (8)意識調査の実施時期,具体の調査内容についてお示しください。
 (9)地域の個人医院,診療所の訪問診療や往診に対する人手不足や後継者の課題は今に始まったものではありません。地域における在宅医療・介護サービス提供体制の構築に向けた今後の取組をどのようにお考えですか。
 私道への公共下水道設置についてお尋ねします。
 (10)私道への公共下水道設置要件には布設に対する私道沿線全員の同意,整備されたとき全戸が直ちに公共下水道に接続することなどがあります。
 私の地元西辛川には多くの私道が点在しています。現在,高齢者世帯や所有者が不明な家屋が増えてきている中で,下水道事業負担金の費用の負担や高齢になってまでわざわざ下水道を設置する必要性を感じることができないとおっしゃる高齢者の方もおり,同意に至らず布設できないなどの課題が顕在化しています。
 令和3年2月議会ではこの課題に触れ,設置要件等の見直し,対策について質問しました。当局からは,この点の課題認識はあり,社会情勢に応じた対応策や検討は必要であるとの答弁をいただいています。その後の検討状況と今後の対策の見通しについて御所見をお示しください。
 道路等の維持管理についてお尋ねします。
 現在,道路の適切な維持管理は全国の地方自治体が抱える課題の一つと言えます。そのほか,少子・高齢化や頻発する自然災害,新型コロナへの対応など,取り組まなければならないものはたくさんありますが,十分な予算を道路の維持管理に回すことが難しい,厳しい状況であると感じています。
 そこでお尋ねします。
 (11)現在,岡山市が維持管理する道路の総距離数をお示しください。また,政令市移行後の維持管理費はどのように推移していますか。今後の維持管理費の見込みとあわせ,お示しください。
 (12)赤磐市は一般財団法人トヨタ・モビリティ基金と共に一般のコネクティッドカーから得られる車両の位置,車速や加速度等の走行データを道路の維持管理等への対応に応用する実証実験を実施されました。コネクティッドカーを用いた舗装状況の可視化,客観的なデータの活用は道路維持管理の効率化,高度化につながると考えます。
 赤磐市の取組,成果への御所見と,今後岡山市における効率的な道路の維持管理をしていくためにどのような対策が必要とお考えですか,お示しください。
 次に,岡山市障害者団体連合会等の事務所移転について伺います。
 岡山市福祉文化会館が令和5年度末をもって廃止されます。それに伴い,会館内に入居している岡山市障害者団体連合会,7つの障害者団体は令和5年度末までに移転しなければなりません。
 このような中で,各団体に対し岡山市からは移転先候補として東区の瀬戸町健康福祉の館が提案されました。この施設は,岡山市中心部からは遠く,公共交通による移動時間もかかります。特に視覚障害者の方にとっては,訓練等も含め移動に際しての課題があります。ぜひいい形で移転できることを期待するところです。
 そこでお尋ねします。
 (13)令和3年11月定例市議会にて,岡山市福祉文化会館廃止に伴う入居中の岡山市障害者団体連合会等の事務所移転に関する陳情が採択されました。陳情の要旨の一つである令和5年度末までの同会館の入居に対する御所見をお示しください。
 (14)岡山市障害者団体連合会等は,集いやすい公共施設への入居を希望されています。検討の進捗状況と今後の見通しについてお示しください。
 例えば,民間施設を賃貸せざるを得ない場合の賃貸料等についての市の財政支援は可能でしょうか。御所見をお示しください。
 (15)福祉文化会館の跡地利用についてはどういったタイミングで計画を立てていこうとお考えですか。今後の見通しとあわせ,御所見をお示しください。
 次に,点字ブロックの設置についてお尋ねします。
 (16)視覚障害者の方が安心して商店街を歩けるよう,点字ブロック設置に向けた社会実験が10月17日から11月13日に表町商店街で実施されました。社会実験を通して見えてきた課題と対策,社会実験全体の御所見をお示しください。
 また,今回の社会実験を通して今後の商店街への点字ブロック設置に向けての見通しをお示しください。
 (17)昨年歩行中に事故で死傷した視覚障害者の方は全国で16人,このうち6人は横断歩道を渡っている最中の事故で1人がお亡くなりになったと伺っています。
 そこで,視覚障害者の命綱になるのが音で知らせる信号機です。表町商店街を見ますと,中之町と上之町をつなぐ横断歩道にはこの音で知らせる信号機がありません。ぜひ点字ブロックの設置と同時に音の出る信号機もセットで設置していただきたいと考えますが,御所見をお示しください。
 以上で1回目の質問を終わらせていただきます。(拍手)
   
○和氣健議長
   当局の答弁を求めます。
   
◎中原貴美市民生活局長
   大きな1番,地域の抱える課題と地域活性化についての項,福祉文化会館の跡地利用についてです。
 福祉文化会館は,岡山芸術創造劇場ハレノワ開館の後,令和6年度から令和7年度にかけて解体することとしており,跡地については市役所庁内で再活用の意向の有無を確認し,希望がなければ入札による売却を行う予定です。
 以上です。
   
◎福井貴弘保健福祉局長
   同じ項,子ども医療費助成の拡充に向けた現時点での検討状況と今後の見通しについてです。
 対象の拡大範囲や負担の在り方が確定次第,令和5年度中に開始ができるようシステム改修等どういったことが準備できるか検討を行っているところです。
 今後については,保護者の経済的負担の軽減といった観点や検討会でいただいた意見を参考にするとともに,持続可能な制度となるように当初予算編成の中で判断してまいりたいと考えております。
 次に,岡山市の出産費用の現状と所見についてです。
 岡山市立市民病院の出産費用は43万5,470円となっており,県平均を下回っておりますが,出産育児一時金の支給額を上回っております。岡山市国民健康保険としても,出産に係る被保険者等の経済的負担を軽減するため,実態に見合った額に増額するよう国に要望しているところです。
 次に,岡山市障害者団体連合会の令和5年度末までの福祉文化会館入居についての所見,移転先検討の進捗状況と今後の見通し,賃借料など財政支援についての所見について一括してお答えいたします。
 令和5年度末での閉館が決定していることから,早期の移転実現を目指しているところです。連合会からは,市内中心部からさほど遠くなく,利便性のよい公共施設への入居を望む意見があり,利用可能な施設の調査検討を行うとともに,連合会からいただいた移転先アイデアについても調査を行い,具体の提案に向けた作業を進めているところです。
 賃借料等財政支援については困難と考えておりますが,ほかにどういった支援が可能か検討していきたいと考えております。
 以上です。
   
◎宮地千登世保健福祉局感染症対策担当局長
   同じ項,意識調査の実施時期,具体の調査内容,在宅医療・介護サービス提供体制の構築に向けた今後の取組について一括して御答弁いたします。
 意識調査は,市民や専門職を対象に本年10月から11月にかけて実施し,在宅医療の実施状況や課題,医療と介護の連携状況,コロナ禍における影響等について回答いただきました。現在,回答内容の精査及び分析を進めており,今年度中に調査結果を取りまとめる予定です。
 地域の診療所が訪問診療や往診を行うためには診療所同士の連携や病院によるバックアップ体制づくりが必要と考え,福祉区ごとで体制づくりのモデル事業に順次取り組んできましたが,令和2年度から新型コロナウイルスの影響で中断となっております。今回実施した意識調査の結果などを踏まえ,引き続き実効性のある体制づくりを進めていきたいと考えております。
 以上です。
   
◎遠藤千里岡山っ子育成局長
   同じ項,順次お答えしてまいります。
 まず,現時点での令和4年の岡山市の出生数と見込みです。
 国の人口動態統計の速報値では,岡山市の今年1月から9月までの出生数は3,989人となっており,前年同期の出生数からは141人減少し,3.4%の減となっております。昨年の出生数5,360人に速報値での減少率を乗じて令和4年の出生数を試算いたしますと,5,200人程度になるものと見込んでおります。
 次に,物価高騰に伴う給食費の無償化,保育料の減免への考えです。
 保育施設等での給食費ですが,子どもの昼食は保育施設等を利用する保護者の方も自宅で子育てを行う保護者の方にも同様にかかる費用であるため,保護者に負担していただくものと考えており,無償化については考えておりませんが,急激な物価高騰が給食費負担の急増などに結びつかないように各施設に支援を行いました。
 また,物価高騰により特に家計への影響が大きい低所得世帯向けへの支援としては国の対策に加え市独自に1世帯ごとに2万円の上乗せ給付として子育て世帯生活支援金を支給しており,保育料の減免は現在のところ考えておりません。
 次に,1歳児について令和4年4月の未入園児のその後の入園状況です。
 4月に未入園となった1歳児275人のうち,保護者の希望に応じ保育コンシェルジュが引き続き支援に努めた結果,10月時点で43人が認可保育施設に入園されました。
 その一方で,10月時点でも入園できず育児休業を延長するなどして申込みを続けている児童が121人,申込みを取りやめた児童が111人となっております。
 次に,育休明けの途中入園を含めた現状と課題,今後の対策です。
 ゼロ歳児につきましては,満1歳の誕生日前後から育休復帰を希望して申込みを始める保護者が多いため,4月の時点では保育園の定員に余裕があるものの,月がたつごとに空きが次第に減っていき,秋頃には定員いっぱいになり,年度途中の入園が難しくなっている状況です。
 こうした場合には,定員の弾力化により児童を受け入れるとともに,企業主導型等の認可外保育施設を含めた受皿を保育コンシェルジュが紹介しております。
 また,低所得世帯の子どもが企業主導型等の受皿を利用する場合には,現在保育料の一部を補助しているところです。
 次に,御南・西小学校区などの区域における未入園児童数の推移と本市全体における施設整備の今後の方針です。
 御南・西小学校区の未入園児童数は,令和2年度90人,令和3年度52人,令和4年度62人です。
 なお,この地域は企業主導型等も含めた保育の受皿が多くあり,令和4年4月の待機児童は生じておりません。
 本市全体の施設整備の今後の方針としては,原則として定員増は行いませんが,提供区域内等の需給バランスを見ながら適正な定員設定を行うこととしています。
 以上です。
   
◎三宅泰司教育長
   同じ項,物価高騰に伴う給食費の無償化について,その他必要と考える取組策についてです。
 学校給食費の無償化などの対策は,現状では考えておりませんが,6月議会でお諮りした学校給食費負担軽減支援金を各学校へ交付し,物価高騰対策を講じているところでございます。
 以上です。
   
◎平澤重之都市整備局長
   同じ項,まず岡山市が維持管理する道路の延長と維持管理費の推移と今後の見込みについてです。
 岡山市が管理する道路の総延長は約6,500キロメートルであり,維持管理費は政令市移行後の平成21年度は約17億7,000万円でしたが,令和4年度は約27億6,000万円と大きく増加しております。道路構造物の老朽化に伴い,今後も維持管理費が増大することが想定されるため,必要な予算をしっかりと確保し,適切な維持管理に努めてまいりたいと考えております。
 次に,赤磐市の実証実験と今後の岡山市における道路の効率的な維持管理についてです。
 岡山市では,国道,県道,幹線市道については5年に1度舗装の路面性状調査を実施しており,この結果に基づき順次舗装の補修を行っているところです。
 赤磐市が行った実証実験は,データ通信機能を備えた一般車から振動情報等を自動で受け取り分析し,その結果から路面の状態を把握するものですが,その成果について詳細な内容が把握できていません。同様の技術を用いて路面の状態を把握している自治体もあることから,今後赤磐市の実証実験の詳細も伺いながら道路の効率的な維持管理を行うためにどのような手法が有効であるか研究してまいりたいと考えております。
 次に,点字ブロックの社会実験についてです。
 今回の社会実験は,点字ブロックを道路の中央に設置することを想定し,視覚障害者が安心して通行できる空間を確保した上で,荷さばき車両などがその空間を脅かすことなく通行することが可能か,またイベント時に点字ブロック上にワゴン等を設置した状態でも視覚障害者を安全に誘導できるかなどについて検証することを目的に実施しました。
 視覚障害者が通行する空間をテープでお示しし,荷さばき車両などの通行を確認したところ,おおむね問題はなかったものの,店頭の設置物を避けるためテープ上を通過するケースも見受けられました。
 また,イベント時は主催者である商店街が誘導員を配置し,視覚障害者を安全に誘導できることが確認できました。
 現在,社会実験について商店街や運送会社へのアンケートを行っているところであり,その結果も踏まえ課題や解決策を整理し,引き続き商店街や警察と共に設置に向けて検討を進めてまいりたいと考えております。
 次に,音の出る信号機の設置についてです。
 音の出る信号機の設置については警察の所管となりますが,点字ブロック同様視覚障害者にとって安全に通行するために有効なツールであると考えております。点字ブロック設置に向けて商店街や視覚障害者団体,警察と検討を進めていく中で,音の出る信号機の設置についてもあわせて議論してまいりたいと考えております。
 以上です。
   
◎番場伸幸下水道河川局長
   同じ項,私道への公共下水道設置についてです。
 現行の制度では,市と私道所有者との間に土地使用貸借契約が締結できることに加え,沿線全戸が直ちに公共下水道に接続することや,工事の際の協力が得られることなどを設置要件としておりますが,近年高齢者世帯や空き家の増加などにより全戸接続という要件が満たせず,整備に着手できないなどの問題も顕在化しつつあります。
 このような状況を踏まえ,一人でも多くの方が下水道を使えるよう全戸接続の要件については緩和する方向で検討を進めているところでございます。
 以上です。
   
◆二嶋宣人議員
   御答弁ありがとうございました。
 それでは,再質問に入らせていただきます。
 一問一答ですので,どうぞよろしくお願いいたします。
 まず,目がお合いしましたんで,遠藤局長からいかせていただきます。
 岡山市の出生数,令和3年が5,360人で,この令和4年1月から9月において見込みが大体5,200人ということであります。国の推計よりもかなり少子化が加速していると私自身も感じているわけでありますけども,この結果を受けてまず局長の御所見をお聞かせいただけませんか。
   
◎遠藤千里岡山っ子育成局長
   国においても,岡山市においても,出生数が減じている。これがコロナの影響なのか,そういったことはまだ分からないところではありますが,今の現状が落ち着いて婚姻数と出生数がともに増えることを期待しております。
 以上です。
   
◆二嶋宣人議員
   そこらあたり,コロナであったり,どういった状況なのかといったことも同時進行でしっかりと調査研究していっていただけたらなと思いますので,よろしくお願いいたします。
 少子化というのは地方自治体が抱える課題の一つでもあって,各自治体では様々な取組がなされていると思います。今回,育休復帰における1歳児の現状であったり,対策についてもあわせてお尋ねさせていただきましたが,県内の自治体を見ますと例えば2019年の出生率が2.95になった奈義町の状況であったり,取組は局長も御承知のことだと思いますが,奈義町では子どもを連れて働くことができる就労支援も行っていると。こういった取組が出生率の増加につながった要因の一つではないかとも感じているところであります。
 厚生労働省の調査によると,社会や企業,夫婦の価値観の変化によって女性の育児休業取得率が85.1%,これ令和3年度の雇用均等基本調査というところでデータが出ています。高い取得率である反面,働く女性の約3割の方が第1子出産後に離職しているというデータも厚労省で,これは第16回の出生動向基本調査(2021年)で示されています。出産する前は復帰するつもりだったけれども出産後復帰できなくなったというケースは減少傾向にあるものの,いまだに増加しているということは否めないと思います。
 そこでお尋ねするわけでありますけれども,離職した女性の出産後の復帰の支援を岡山市はどういった形で取り組んでいるのか,また今後どう考えていこうとされているのか,そこのあたりについての御所見をお聞かせください。
   
◎遠藤千里岡山っ子育成局長
   子どもさんが生まれて一旦離職なさった方への支援でございます。
 まずは子育ての支援として求職,職を求められる場合にもなるべく子どもさんを預けたいという御希望がかなうような環境づくりは引き続き行ってまいります。
 そして,就職支援につきましては,ハローワークの附属機関として子育てしながら仕事を探される方を対象としたおかやまマザーズハローワークが設置されておりまして,啓発のチラシなどを保育相談の窓口に置くなどして御覧いただいているところでございます。
 以上です。
   
◆二嶋宣人議員
   ぜひニーズに即した,離職してそのまま子育てに専念したいという方もいらっしゃるとは思いますけども,そこのあたりは臨機応変な対応をしていただけたらと思いますので,よろしくお願いいたします。
 物価高騰に伴う給食費の無償化等々の現状についてもお聞かせいただきましたが,教育長にお尋ねさせていただきます。
 物価高騰に伴う給食費の無償化は考えていないし,給食費への影響は今のところはないということであります。では,どういった調査の下でこの無償化は考えない,影響はないという答弁だったのか,そこについてお聞かせください。
   
◎三宅泰司教育長
   6月の補正予算のときに直近の消費者物価指数を試算しまして,総額2億2,000万円の支援金を支給しました。8月末に支給しておりまして,9月,10月,11月,12月が来ております。学校のほうから不足しているという情報がないということから,足りていると今考えておりますが,今後国の動向や物価の変動等を注視していきたいと考えております。
 以上です。
   
◆二嶋宣人議員
   引き続き,そこのあたりも現場に即した対応ができるように,よろしくお願いいたします。
 出産に係る費用の現状についてお尋ねさせていただきました。ありがとうございます。
 国の調査であって,自治体に確認したというわけではない,そういった中で市民病院の現状をお聞かせいただきました。市民病院の現状は,出産育児一時金の42万円を少し上回っているということでありました。
 そういった中で,先ほどの物価高騰に伴う給食費と同様に,できる限り岡山市全体の現状を把握していくことは大切だと思います。今回は市民病院しかなかったわけでありますけれども,今後本市が有効な少子化対策であったり,そういったものを進めていく上でしっかりと調査していく必要があると思います。そこのあたりについて,局長,御所見をお聞かせください。
   
◎福井貴弘保健福祉局長
   出産育児一時金等の現状ということで,市民病院の例をお伝えしたんですけども,その他の公的病院を含めまして医療機関の状況というのが社会保険と国保とか,両方のデータがありまして,それを抽出していくというのはなかなか市で把握するというのは難しいと私も伺っています。
 ただ,今の動きとして国のほうでもそういったインターネットで医療機関ごとの出産費用を公表するような仕組みの導入というのを検討されているようです。あともう一つ申し上げると国保の場合,必ず国保連合会のほうに支払いの際データが通るようになるんですけども,その国保連合会のほうでの請求データとかを少し活用して把握ができないかなあというような……。まだどういったことができるか分からないんですけども,そういったことは研究していきたいなあと思います。
 以上です。
   
◆二嶋宣人議員
   ありがとうございました。
 少しまた戻るんですけど,遠藤局長すいません,第1子が1歳を迎えたときの育児休業復帰について。
 先ほど申し上げた国の調査では第1子が3歳までの保育所の利用割合が51%で半数を上回っているという調査結果が出ています。先ほども触れましたけれども,就業継続しやすい環境であったり,就業しやすい環境,または出生率を高める環境を整えていくことは,少子化対策だけにとどまらず,社会経済全体の底上げにつながると思います。そのための一つとして待機児童が解消されつつある状況の中で耳にするのがスムーズな,スムーズな保育所,認定こども園への入園で,ニーズが高まってきていると私自身感じているところであります。
 特に,現状としては岡山市,秋以降に入園しにくい第1子の1歳児が年間を通してスムーズに入園できる仕組み,先ほど定員増はしていかないというふうなことも言われましたけれども,未入園児を少なくしていくためにはこういった第1子の1歳児の加点であったり,施設整備を含めた体制の随時見直しをしていく。保育士の課題もありますけれども,今後の対策についてはきちんとした──答弁が何か曖昧なような感じだったので,局長として今後どういった見直しが必要と思い描かれているのか,ざっくばらんにお聞かせいただけたらと思います。
   
◎遠藤千里岡山っ子育成局長
   育休復帰の際の子どもさんの受入れでございます。
 受入れの枠自体はこれまでも平成28年度から令和4年の間でゼロ歳児については306人,1歳児については651人と定員(後刻,「受入れ数」と訂正)を増やしているところでございます。1歳児,小さい子どもたちというのは施設の定員の面からも,おっしゃった保育士さんの配置の面からも,急激にその数を増やすというところが難しいところでございます。今も定員を超えての受入れを幾つかしているんですけれども,なるべくコンシェルジュさんが寄り添うような,御希望に応えられるような対応をしながら認可だけではない受皿の中で何とか受入れができるように努めていきたいと思います。
   
◆二嶋宣人議員
   よろしくお願いいたします。
 とはいうものの,未入園児275人から決定が,決まる方が見違えるようにぐっと伸びているわけではない状況であります。そこのあたりも検討材料の一つとしてしっかりと進めていっていただきたいと思いますので,よろしくお願いいたします。
 地域における訪問診療と往診についてもお尋ねさせていただきました。地域における在宅医療・介護サービス提供体制の構築に向けた事業としては,私も調べさせていただいたら,平成30年度から診診連携であったり,病診連携の枠組みを中心としたバックアップ体制を構築するために3福祉区でモデル事業等実施されてきているとお聞きしました。
 今後そういったことも含めて実効性のある取組をしていきたいとの答弁がありました。参加医師等のヒアリングを行った上でそういったモデル事業を通しての実効性のある取組をしていくんだと思いますけれども,このモデル事業をやって当局が感じた課題を改めてお聞かせください。
   
◎宮地千登世保健福祉局感染症対策担当局長
   今議員おっしゃられましたように,平成30年から3地区モデル事業で開始しているところです。その3地区につきましては,現在も活動していただいているところ,なかなか進んでいないところ,地区によっていろんなカラーがあるかとは思っておりますけれども,現在のところ各地区から御相談があれば対応させていただくようにしております。
 その中で,今後どう進めていくかにつきましては,ヒアリングを進めさせていただいて,各意見をお聞きしているところです。実際に進めている地域につきましては,顔が見える関係ができた,それから診療所だけではなくて医療機関にバックアップしていただいているということで進めやすくなったというような御意見を聞いているところではございますけれども,市内でまだ3地区ということでございますので,他地区にも広げていくというところは今後進めていかないといけないと考えております。市全体にどういうふうな形で進めさせていただけるかというのを検討していきたいと考えておるところです。
 以上です。
   
◆二嶋宣人議員
   局としても現場で感じた課題があると思うんで,そこのあたりはどう感じたんですかということを聞いたんですけども,これからヒアリングをしっかりとして対策を考えていくということでございます。あえてそこから深掘りしてお聞きはしませんけども,よろしくお願いいたします。
 私道への公共下水道設置について,要件緩和の方向の御答弁をいただきましてありがとうございました。
 では,1つだけ確認させてください。
 この要件緩和は具体的にいつ頃から開始していこうとお考えなのか,そこのあたりについてお聞かせください。
   
◎番場伸幸下水道河川局長
   今,具体にいつからというのは申し上げられないんですけれども,本市でも下水道事業経営計画に基づいて積極的に未普及対策事業というのを進めているところでございますので,できるだけ早急に行いたいと思っております。
 以上です。
   
◆二嶋宣人議員
   ぜひ早い段階で示していただけることを期待しています。
 道路等の維持管理についてもお尋ねしました。局長ありがとうございました。
 かなりの総距離数でありますので,本当にこれからこの6,500キロをどう維持──経年劣化もしていきますので,やっていくことを考えるとなかなか思いつく案がない中で,当然予算の限られた中での維持管理でありますけども,どうしても市民の方々に直接触れるといいますか,直接見えるところでございますので,そこのあたりをしっかりと前進できるように期待しておりますので,よろしくお願いいたします。これは要望です。
 最後に,岡山市の障害者団体連合会の事務所移転についてもお尋ねさせていただきましたが,障害者団体とのこれまでの過程の中でどういったやり取りがなされてきたのか,もう少し具体的にお聞かせいただけませんか。
   
◎福井貴弘保健福祉局長
   移転といいますか,今の福祉文化会館が閉館という声が上がった頃からその後どういったところに変わっていって,どういう機能を持っていくか,今の現状の機能をどうしていくかというような話を団体の方々と希望される思いも含めて幾度となくというか,何度か意見交換させていただいたところです。
 以上です。
   
◆二嶋宣人議員
   それでは最後,局長もう一回,そういったやり取りも含めて確認の意味で。この障害者団体とのやり取りの中で,じゃあもう近い時期にいい形で移転ができると捉えていいのかどうか,そこのあたりをお聞かせいただいて,私の最後の質問とさせていただきます。
 どうぞよろしくお願いいたします。
   
◎福井貴弘保健福祉局長
   我々としても年明け早期にそういった場所の具体的な案も含めて提案させていただいて,協議を進めていって早急に決めていきたいと思っております。
 以上です。
   
◎遠藤千里岡山っ子育成局長
   すいません,1点訂正させてください。
 先ほど,低年齢児の受入れの数でゼロ歳児が306人,1歳児651人と申し上げましたが,これは定数の増加ではなくて受入れ数の増加でございますので,御理解くださいませ。失礼いたしました。