令和4年 2月定例会 - 3月7日

◆二嶋宣人議員
   皆様こんにちは。自由民主党岡山市議団の二嶋宣人です。
 早速ですけれども,質問に入らせていただきます。
 1,町内会の在り方について。
 町内会は住民自治組織ですが,ごみの分別や収集,防災,防犯,交通安全など行政の役務と言える部分を多く担っています。その中で,依然として続くコロナ禍の下,私の知っている町内会では一部役員から町内会の負担軽減,効率的な町内会運営のため,集まり,対面の必要のない業務と本当に集まって対面で話し合う必要のある業務を切り分けるべきではないかなどの声があり,様々な面で新しい町内会運営が求められる状況になってきています。
 そこでお尋ねします。
 (1)昨年のアンケート調査結果での町内会運営における問題点は,前回の平成28年同様,住民,役員の高齢化,役員の成り手がいないことが依然として最大の問題点でした。この間,この課題に対して市はどのような取組をなされたのでしょうか。また,今回のアンケート調査から解消につながるヒントはありましたか。
 (2)町内会の問題点の解消,地域協働の強化を図るため,町内会の位置づけを明確化した条例の制定や町内会長等を行政特別職に位置づける取組を実施する自治体もあります。本市でもこのような新たな仕組みづくり,抜本的な取組の必要性を感じています。御所見をお聞かせください。
 (3)NPOや若い世代の積極的な町内会活動の参加を図るため,当局は行政としての対応が必要だと認識していると思います。これまでの対応と今後の取組をお示しください。
 (4)新型コロナの影響で地域コミュニティーの構築が難しくなる中で,地域に欠かせない民生委員・児童委員と協働して地域課題に取り組む地域担当職員の活動の工夫が必要と感じています。現状と課題,今後の取組をお示しください。
 (5)町内会活動の情報発信の強化や効率化などを図るため,本市で既に取り組んでいる電子町内会のさらなる充実が必要と考えます。電子町内会の普及率及び現状と課題をお示しください。
 (6)各町内会での配布物,回覧等を情報共有できる電子町内会のデジタル化事業が来年度予算案に計上されています。普及率の目標設定と住民,役員の高齢化が進む町内会での利用促進策をどのようにお考えですか。
 2,一宮浄化センターについて。
 (1)昨年6月,一宮浄化センターはプラント設備の老朽化対策などの施設改修が完了しました。今後の管理棟,水処理棟の建物改修工事及び敷地南側部分の既存施設の解体撤去工事のスケジュールをお示しください。また,敷地南側部分の跡地利用については,地元町内会等の意見も伺っています。跡地利用案と今後の整備工事スケジュールをお示しください。
 (2)笹ケ瀬川を渡る新たな橋の整備や老朽化が進む野山大橋の整備の計画がありますが,これらの今後の整備計画をお示しください。
 3,放課後児童クラブについて。
 (1)放課後児童クラブの利用ニーズが高まる中で,支援員の確保は課題の一つです。これまでクラブが支援員の募集をかけてもなかなか集まりにくかった状況を見ても,支援員の確保は容易ではないと思います。市立クラブでは支援員の確保のためにどのような取組をしているのか,お示しください。また,確保した支援員が勤務を続けていけるよう,現場に対する支援も必要と考えます。市立クラブでの現場のサポート体制についてお示しください。
 (2)発達障害児が増えている中で,対応に苦慮している支援員も少なからずいるようです。個別対応が必要な児童への支援として,クラブでも作業療法士の活用が有効と考えます。これまでの専門職員等の取組とあわせ,御所見をお聞かせください。
 (3)感染症拡大防止対策の一つとして,ICTを活用した研修のオンライン化も有効と考えます。現状と今後の取組をお示しください。
 (4)利用ニーズに対応するため,受皿の確保を図っていくことが重要です。令和4年度から整備する予定のクラブと,今後の施設整備計画をお示しください。
 (5)平成30年度以降,本市の放課後児童クラブの施設は木造で整備されていますが,これまでの整備実績をお示しください。また,木造による施設整備は今後も継続すべきと考えますが,御所見をお聞かせください。
 以上で1回目の質問を終わります。(拍手)
   
○和氣健議長
   当局の答弁を求めます。
   
◎近藤康彦市民協働局長
   1番,町内会の在り方について順次お答えします。
 まず,課題への取組状況,解消へのヒントについてのお尋ねです。
 平成28年のアンケート結果を受けて,役員の方々の負担を軽減する観点から配布物の一括送付に取り組み一定の効果があったのではないかと考えております。問題点解消へのヒントについては,一つはデジタル化を進めること,もう一つは地域の女性,若者,子ども,外国人などの方々の声に耳を傾け,地域づくりに参画してもらうことではないかと考えております。
 次に,町内会の条例化や町内会長等を行政特別職にすることについてのお尋ねです。
 町内会の条例化についてはその目的や実効性などを慎重に検討する必要があり,現時点では考えておりません。また,会長等を行政特別職に位置づけることについては,負担軽減や活動の強化につながるのかなど当事者の意見も聞きながら議論していく必要があると考えております。
 次に,NPOや若い世代の参加促進についてのお尋ねです。
 全国的な問題として地域課題が複雑・多様化していることに加え,町内会の高齢化や人材不足が深刻化しており,町内会だけの力では課題解決が難しくなってきています。そのため,NPOや大学,事業所などと連携して課題解決に取り組むケースが出てきております。
 本市の具体例として,地域に野良猫が増えて困っていたケースでは町内会と専門的なノウハウを持ったNPO,市担当課が連携して取り組んだ地域猫活動などがございます。また,若者を地域のイベント等のスタッフとして参画してもらうことに成功している町内会の事例なども紹介しているところでございます。今後とも地域からの相談をNPOや各種団体等につないで具体的な取組に導くとともに,成功事例の紹介や情報発信に努めてまいりたいと考えております。
 次に,民生委員・児童委員と地域担当職員の協働についてのお尋ねです。
 地域担当職員は自ら地域に出向き地域の方と一緒に課題やニーズを把握し,地域活動の担い手づくりや市担当課等につなぐなどの支援を行っています。民生委員・児童委員との連携については,毎月1回の定例会議に出席して地域の課題や活動状況などを情報提供して民生委員等の活動に役立てていただいております。課題については,会議以外で直接話をする機会が少なく地域の情報が十分伝わっていない可能性があると考えられます。今後民生委員等の意見もお聞きしながら,より充実した連携が図れるよう検討してまいりたいと考えております。
 次に,電子町内会の現状と課題についてのお尋ねです。
 電子町内会の現状については,令和3年12月末現在,単位町内会と連合町内会を合わせ93町内会が参加しており,その参加割合は5%です。課題については,新規参加がここ5年間で12件にとどまっており参加町内会がなかなか増えないこと,また現在のシステムが会員間の情報共有に対応できていないことなどと認識しております。そのため,回覧等をメールで一斉配信できたり会員専用のページを新設するなどの機能を追加したいと考えております。
 この項最後ですが,町内会のデジタル化の目標設定についてのお尋ねです。
 デジタル化の目標値については特に設定しておりませんが,昨年のアンケート調査で回覧情報をデジタルで回したいと回答した町内会が263あったことから,かなりの数の町内会に参加していただけるのではないかと考えております。
 利用促進策については,自民党新政会を代表されての松本議員に御答弁したとおりです。
 以上です。
   
◎國米哲司環境局長
   2番,一宮浄化センターについての項,2点お答えします。
 1点目,既存施設の改修,解体と跡地利用のスケジュールについてです。
 既存施設の100キロ系の解体工事の設計は令和3年度に完了しており,令和5年度,令和6年度で解体工事を行う予定です。跡地整備については,テニスコートや広場などの利用案について地元と意見交換しながら令和6年度から設計を行う予定です。また,管理棟及び水処理棟の改修工事については,令和7年度以降設計を実施し整備する予定です。
 2点目,野山大橋の整備計画についてです。
 野山大橋は令和7年度の完成を目指している市道尾上3号線拡幅工事の後,引き続き整備することとしております。
 なお,橋梁の整備方針については,市道拡幅の進捗を見ながら検討してまいります。
 以上です。
   
◎田渕澄子岡山っ子育成局長
   3,放課後児童クラブについての項,市立クラブの支援員確保の取組,現場のサポート体制についてですが,市立クラブにつきましてはふれあい公社と連携した就職相談会の開催や本市ホームページへの求人情報の掲載等により必要な人員の確保に努めているところです。加えて,今般国が示した事業を活用し処遇改善を実施したいと考えております。また,現場の支援員等に対しましては公社による日常的な相談等への対応,研修の実施,会議の開催によるクラブ間の情報共有,教職員経験者によるクラブへの巡回指導等を行い,円滑な業務の推進を支援しているところです。
 次に,個別対応が必要な児童への作業療法士の活用についてですが,発達障害児への対応につきましては令和元年度まで発達障害者支援センターと連携した研修やアドバイザーによるクラブへの巡回訪問を行う等,これまでも個別対応が必要な児童への専門家による対応を行ってまいりました。また,令和元年度からは作業療法士や臨床心理士などを講師に専門研修を実施しているところです。作業療法士の活用につきましては,他都市におきましてクラブでの有用性も示唆されていることから,活用方法等について引き続き検討してまいりたいと考えております。
 次に,ICTを活用した研修のオンライン化の現状と今後の取組についてですが,本市主催の研修につきましては新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から令和3年度は全13回のうち12回をオンラインで実施または実施予定としております。研修後のアンケートでは,受講者から感染のリスクが少ない,移動することなくたくさんの人が参加できる,都合のいい時間に受講できるといった声があり,オンライン研修の有用性を認識しているところです。今後におきましても,感染拡大等の状況を踏まえ受講者が安全・安心に受講できるよう研修の実施方法等につきまして工夫してまいりたいと考えております。
 次に,令和4年度から整備予定のクラブと今後の施設整備計画についてですが,令和4年度から整備に着手する予定のクラブは中山,平福,芳明,三勲の4クラブとなっております。今後につきましては,引き続き増加が見込まれる利用ニーズに対応していくため令和7年4月までに1,596人分の受皿を確保するよう計画しております。
 最後に,平成30年度以降の木造施設の整備実績と今後の施設整備についてお答えします。
 平成30年度から令和3年度までの4年間に市が整備または整備に着手している木造施設は,老朽化によるプレハブ施設からの建て替えを含め26棟となっております。木造施設は従来の軽量鉄骨プレハブより断熱性,遮音性,耐久性等に優れておりコスト面でもプレハブと大差がないことなどから導入しているものですが,クラブからは涼しく感じられ快適,木の香りが心地よい,児童が落ち着いて過ごせているように感じると好評いただいております。今後とも専用施設を建設する際には,木造施設による整備を検討してまいりたいと考えております。
 以上です。
   
◆二嶋宣人議員
   御答弁ありがとうございました。
 それでは,再質問に入らせていただきます。
 町内会の在り方についてですけれども,御答弁もいただいたように町内会の方々にとってこの配布物の一括送付であったり回覧での負担が減ったことは確かであって私自身も評価するところでありますけれども,これはあくまでもやっぱり対症療法的な取組であって,最初の質問でも触れました住民,役員の高齢化であったりこの役員の成り手がいない,この問題点の抜本的な解決までには至っていないのが現状ではないのかなと,いろいろと町内会を回らせていただいて感じているところであります。今回の電子町内会のデジタル化もいい形になってほしいなとは思うところでありますが,そういった中で質問させていただきます。
 今回のアンケート調査結果を受けて先ほど御答弁ありました若者,女性,外国人に対しての対応を今後していきたいというような考えでありますが,少し一歩踏み込んでじゃあどういった取組をしていこうとお考えなのか,そこのあたりイメージされているものがあればお聞かせください。
 そして,単位町内会では役員の成り手がいないことから輪番制が拡大していって役員をやりたくないから町内会にも入会しない,言わば悪循環のケースが増えてきているとも聞いています。高度成長期のときと違って,今や高齢化であったり人口減少が進展する中でごみステーションの管理等々の生活上の課題であったり防災・防犯活動等の社会的な課題,そういった現状の仕組みありきではなくてやっぱり市から町内会に求める業務をそもそも減らしていかないと見直していかないと抜本的な解決にはつながっていかないのじゃないのかなという話は,この質問を考える中で町内の方々と話している段階で出た話でもあります。ですから,このアンケート調査を機に,一度やっぱり市が町内会にお願いしている業務の整理であったり見直しすべきいいタイミングではないかなと思うわけでありますが,その点についての御所見もお聞かせください。
 そして,現状を見ると町内会長への業務の集中であったり町内会組織の幅広い業務への対応などに対する町内会の仕組み,組織の再考が必要ではないかと考えます。例えば町内会が引き続き防災,防犯,ごみステーションの管理等をしていきながら組織化して担い手を育てるという観点から,町内会に事務局機能を設置して,その事務局が調整業務を行うと。つまり,町内会の本来業務と市の事業に伴う地元調整等といった調整業務の切り分けが効率的ではないかと思いますが,その点についての局長の御所見をお聞かせください。
 そして,役員の成り手不足解消のためには未加入世帯への対策も考えていかなければならないと思います。ならば,町内会に加入していただくためのインセンティブであったり,逆に町内会に入らないことへのディスインセンティブ,ごみステーションの使用などもそうだと思いますけども,単純に思うわけでありますけども,多分課題があるから進んでいないんだろうなと思うわけでありますので,そういった問題点も踏まえての御所見もお聞かせください。
 そして,NPO,若い世代でありますけれども,市がつないでいっているという話ですけれども,ならばもっと踏み込んでモデル地区を選定して町内会とNPOが協働してこういった若い世代の方々に町内会に参画していただく,そういったことも含めて一緒に町内会運営の課題を探っていく,それを市が支援していく,そういった取組を図っていくことが可能でしょうか。御所見をお聞かせください。
 そして,電子町内会のデジタル化の利用促進については,自民党新政会の方々にお答えしたとおりですということであります。住民間の情報共有を図るためにメールで一斉送信する回覧板は,デジタルに不慣れな方々を鑑みると当面はやっぱり紙媒体とデジタル,このハイブリッド化での実施が必要と思いますが,その点についての方針の確認をさせてください。
 そして,今後幅広い年代層の方に,やっぱり簡単に電子町内会にアクセスしていただく環境もしっかりとつくっていく必要があります。町内会活動におけるデジタルツールとしてLINEがよく使われているというふうなアンケート調査結果がありました。普及率向上のためにも,今や生活に欠かせないものとなっているこのスマホのアプリ化は有効と考えますが,それに対しての見通しをお聞かせいただけたらと思います。
 そして,そもそも電子町内会も使いやすいという目的で開始されたと思いますけども,先ほど5%と普及率が低迷しています。いろいろな課題があるわけでありますし反省点も踏まえて,デジタル化の導入でどう使いやすくするのか,どう広げていくのか,さらには町内会長さん等の負担をどう軽減していくのか,まだまだ工夫していかなければならない点が多いと思います。こういった点も踏まえて今後の電子町内会の将来像について,局長はこのアンケートを通してどのように思われたのか,そこのあたりもお聞かせいただいて私の再質問とさせていただきます。
 よろしくお願いします。
   
◎近藤康彦市民協働局長
   たくさん再質問いただきました。
 順次お答えさせていただきたいと思いますが,最初のアンケートの部分と,それから今後の抜本的な改革みたいな話を一括して御答弁させていただこうと思います。
 アンケートを受けてというような形が前提になってまいりますが,今後こういったいわゆる負担が大きいようなこととか町内会の課題についてどうするのかということだと思うんですが,町内会1,700以上ございまして状況はそれぞれ異なっております。いきなり市が改善策ということではなくて,まずは会長さん方の御意見をお聞きしながら市と町内会が一緒になって考えていくようなスタイルで取り組んでまいりたいと考えておりまして,既に連合町内会の役員にはアンケートを受けての投げかけはさせていただいております。ただ,コロナの中でなかなか会議等が開催できていないという状況ですが,そういったものの落ち着きも見計らって今後建設的な議論をしてまいりたいと考えております。
 それから,仕組みの話とそれからモデル地区の話もいただきました。これも一緒に御答弁させていただこうと思いますが,事務局機能の話でありますとか,それからNPOとの協働みたいな内容だったと思います。
 御提案のような手法,アイデアの一つだと考えております。先ほど森田議員にも少し御答弁させていただきましたが,今の町内会ではなかなか対応できないようなケースも出てきております。私どもとしては形にこだわるわけではなくて,できるところから取り組んでいただきたいと考えております。いろんな工夫もしながら取り組んでいただいて,うまくいった場合には成功事例として広く紹介させていただきながら,そうした取組が広がっていくような形で協力させていただきたいと考えているところでございます。
 それから,利用促進の部分ですが,スマホに不慣れな方もいらっしゃるというような話だったと思います。
 先日新政会を代表されての松本議員にも御答弁したところではございますが,いわゆるデジタルに不慣れな町内会の方々がいらっしゃると思います。そういった方々を支援していくような観点から,希望する町内には登録や設定,それから使い方も含めてですが講習会のようなことを実施しようと考えております。お近くの公民館であるとかコミュニティハウス,町内会の集会所,こういったところを場所にしまして年間20回程度の想定で開催できないかと考えているところでございます。
 反問したいので,許可をいただけますか。
   
◎和氣健議長
   反問を許可します。
   
◎近藤康彦市民協働局長
   アプリの御質問,ちょっと聞き取れなかった部分があると思いますので,もう一度お願いできますでしょうか。
   
◆二嶋宣人議員
   アンケート調査結果からも,町内会活動におけるデジタルツールとしてLINEがよく使われていました。いわゆるこういったスマホのアプリ化です。そういった意味では若い方々,そして簡単に使えるという仕組みづくりの中でアプリ化を見通した取組を岡山市として考えられているんですかといった質問でした。お願いします。
   
◎近藤康彦市民協働局長
    スマホのアプリ化につきましては,内部で検討した経緯がございます。かなりコストがかかるということで,今回はそういう形ではない方法で取り組ませていただこうと考えております。
 以上です。
   
◎和氣健議長
   以上で二嶋議員の質問は終わりました。(拍手)