令和元年 6月定例会 - 6月19日

◆二嶋宣人議員
   皆様おはようございます。自由民主党岡山市議団の二嶋宣人でございます。
 きのうの夜,新潟,山形で地震が起こりまして,被害に遭われた方々にお見舞いを申し上げます。
 さて,本日より令和元年最初の個人質問がスタートし,トップバッターを務めさせていただきます。ちなみに平成最後の定例市議会個人質問もトップバッターということであります。(笑声)質問戦を通して,くじ運だけがよかったなと言われないように,しっかりと市長を初め当局の方々と議論してまいりたいと思いますので,傍聴席の皆さんもよろしくお願いいたします。
 それでは,1,まちの生活交通の確保について。
 日本の人口は2008年から減少が続いており,少子・高齢化も確実に進んでいます。私の地元,一宮地区の高齢化率は既に,平成31年4月末現在でありますが,33.25%となっており,今後本市は周辺地域のみならず,市全域で高齢化が加速していくと推察されます。
 さて,昨年9月,国道180号線を走っていた中鉄バス大井線等3路線が運休しました。その後,休止を受けて新たな備北バスの乗降ができる停留所が6カ所確保されたものの,私の地元,五軒屋下から,何と4.7キロ離れた三門間には停留所はありません。JR桃太郎線の利用も考えられますが,特に運転免許証を返納された方などを含めた高齢者の方にとって長距離歩行は非常に困難であり,そこまでに至らない方が多いのも現状です。桃太郎線LRT化まで10年,そして人口減少,少子・高齢化を鑑みると,沿線地区における生活交通の導入について考える大変いいタイミングではないかと思われます。
 そこで,高齢化が進む中で必要不可欠となる生活交通の維持,確保策などについて幾つか質問いたします。
 (1)一宮・高松・足守地区内でJRと地域を結ぶ交通手段は,足守地区の生活バス,最上稲荷が運行するシャトルバスと限定的であり不便な状況です。本市の認識と課題をお示しください。
 (2)灘崎・迫川地区では,岡山市の技術面,費用面での支援のもと,地域主体のデマンド型乗り合いタクシーを運行しています。日常生活に必要な新たな交通手段として大変注目し,期待しているわけですが,現状と課題そして評価をお示しください。
 (3)生活交通の導入には市の支援があるとはいえ,あくまで地域が主体です。地域事情はさまざまですが,地域住民の意識を高めるため,導入の際の地域向けのマニュアル作成は行政がなすべき役割ではないかと考えます。御所見をお聞かせください。
 (4)桃太郎線LRT化の新駅設置に当たり,周辺の人口集積地をカバーし,駅と拠点を結ぶネットワーク化を図るとのことです。先行的に既存の駅でパーク・アンド・ライドの社会実験はできませんか。
 (5)運転免許証を自主返納される高齢者が増加する中で,高齢者向けの交通費支援制度を実施する自治体も多数あります。本市では県による支援制度があるものの,限定的なサービスであり,運転免許返納をちゅうちょする方もいます。身近な移動手段の維持,公共交通機関の積極的な利用を推進するため,本市独自の電車,バスの運賃補助はできませんか。
 2,内閣府の都市再生緊急整備事業について。
 2月議会で総務省の人口移動報告について質問した際に,大森市長から広島の中国新聞を読まれているとの発言がありました。私も近隣地域の新聞には目を通すようにしていますが,その中国新聞の話題です。
 広島に行くのはせいぜい年に1回ないし2回くらいですが,再開発の状況には目をみはるものがあります。記事によると,広島駅周辺の再開発は大詰めを迎え,2025年の広島駅ビルの建てかえで一段落のようですが,市内電車の軌道を高架にして駅ビルの2階に直結する計画になっています。また,中心部の空洞化が懸念されることから,昨年4月に内閣府の都市再生緊急整備地域の指定を受け,高規格オフィスビル,MICEや宿泊機能,サッカーの専用スタジアムの整備など,大型の事業が次々と動き出すと報じられています。
 本市でも再開発事業による整備が着実に進んでいるところですが,地方創生の一環とされているこの都市再生緊急整備地域における事業について,我々議会の関心を喚起する意味も込め,質問させていただきます。
 また,2月議会で質問したシティミュージアムや現在整備中の新しい市民会館のように,民間の再開発事業から市が保留床を取得する手法について,費用面を考えると合理的とも考えられます。しかし,残念ながらそのメリットや機能を生かし切れていないように思えます。官民の役割がどうあるべきかについても質問いたします。
 (1)都市再生緊急整備地域について御所見をお聞かせください。
 (2)岡山市では,この都市再生緊急整備地域として平成15年7月に岡山駅東・表町地域が指定され,平成25年7月に岡山駅周辺・表町地域に拡大されていますが,この事業による効果などをお示しください。また,課題と認識されている点があればお示しください。
 (3)平成25年7月の指定地域の拡大に至った背景などをお示しください。
 (4)指定都市規模の都市では,再開発事業で保留床を取得することなどにおいて行政の関与は最小限にすべきとする識者の声もあります。市長の考えがあればお聞かせください。
 (5)再開発事業から保留床を取得して文化事業を行うことのメリット,デメリットの認識をお示しください。
 3,観光誘客の促進について。
 日本遺産推進協議会の総会が開催され,観光ガイドの育成,マニュアルの作成などに取り組むとされています。私の住む一宮地域周辺も日本遺産とはゆかりが強い地域ですが,市民レベルで余り話題になっていません。国内外への発信はなおさらのことだと感じています。観光客等の興味をかき立てる桃太郎伝説をストーリー化し,海外へもプロデュースする企画力,人材の育成,情報発信など,推進協議会や市の担当部局が総力を挙げて取り組んでほしいと思います。
 さて,ニューヨークタイムズにも取り上げられた瀬戸内国際芸術祭の春の会期が大きな反響のうちに終了しました。民間の岡山京橋クルーズの役割も大きかったと思います。9月には岡山芸術交流2019も始まります。地方都市でこのように文化芸術に力を注いでいる都市は珍しいように思いますが,文化芸術はその都市の成熟度のバロメーターとも言われ,市民に豊かさやゆとりを提供するものであります。人口減少とともに,都市の隆盛が経済や産業だけで語られる時代ではなくなるとも言われていますが,文化芸術は不変的なものであり,市民の心のよりどころになると感じています。
 そこで幾つか質問いたします。
 (1)日本遺産の指定や岡山芸術交流などによる観光面での誘客をどの程度見込んでいますか。
 (2)インバウンドの現状──宿泊者数の推移,観光動向,消費額などと課題をお示しください。
 (3)観光誘客のためにも,日本遺産,瀬戸内国際芸術祭,岡山芸術交流など個々の事業と面的なつなぎが大事だと思いますが,市長の御所見をお聞かせください。
 (4)国は観光政策と文化芸術の連携を強調していますが,本市の認識と現状をお示しください。
 (5)コンベンションと観光の組み合わせも少し弱いように感じます。現状と課題をお示しください。
 (6)観光誘客と定着するまで時間がかかるとされている日本遺産などの文化芸術とをどのように融合していくのか,市長の考えをお聞かせください。
 4,犯罪のない安全で安心なまちづくりについて。
 先月末,川崎市でスクールバスを待っていた小学生ら20人が死傷する痛ましい事故が起こりました。お亡くなりになられた方や御遺族の方に心からお悔やみ申し上げます。
 この事件後,登下校時のみならず,本市における子どもを守る対策の再チェック,強化が求められています。
 そこで質問いたします。
 (1)現在,学校の門扉は閉まっているものの,誰でも校内に入れる状況であります。防犯カメラ,監視カメラ,門扉のオートロックは安全管理上有効と考えますが,来訪者管理の強化などの安全管理対策について御所見をお聞かせください。また,緊急事態発生時の危機管理体制の確立と防犯教育の取り組みは十分でしょうか。課題と今後講ずるべきと考える対策があればお示しください。
 さて,犯罪のない安全で安心なまちづくりの実現には防犯カメラは有効と考えます。本市では平成26年度から平成28年度に,防犯カメラ設置の際,最大9割まで補助し,市内に528台設置されました。今年度は1,600万円の予算が計上され,対象経費の3分の2以内,防犯カメラ1台につき上限20万円を補助する支援事業が実施されています。
 そこで質問いたします。
 (2)防犯カメラ設置事業による成果,効果をお示しください。
 (3)今年度の予算から見ても設置できる台数は限られています。現時点でのエントリー申請数をお示しください。
 (4)今回は先着順ではなく優先順位をつけて行うと伺っていますが,要請が多ければ来年度以降も設置支援事業を実施する考えはありますか。
 (5)防犯カメラの法定耐用年数は基本的に6年と言われています。早ければ来年度以降,取りかえするべきものも出てくると思われます。取りかえ補助もぜひ考えていただきたいと思いますが,御所見をお聞かせください。
 以上をもちまして1回目の質問を終わらせていただきます。(拍手)
   
○浦上雅彦議長
   当局の答弁を求めます。
   
◎大森雅夫市長
   皆さんおはようございます。
 では,個人質問トップバッターの二嶋議員の質問にお答えしたいと思います。
 私は,まず再開発の関係でありますが,保留床の取得,行政の関与は最小限にすべきとの見解もあるけどということについて話を申し上げたいと思います。
 再開発において市が保留床を取得するのは,みずからの政策を実現していく上で必要であると判断したときに当然ながら限定されます。今回のケースですけれども,岡山芸術創造劇場の整備を進めている千日前地区でありますが,近年商店街のにぎわいが見られなくなったということで地元からも再開発事業に伴って市民会館を移転できないかという要望をいただいていたところであります。そうした中,表町エリアの新たなにぎわいの創出や回遊性の向上,そして周辺への波及効果が期待できる施設を整備するというまちづくりの視点から,我々としても本地区において再開発事業の手法を選択し,新劇場の保留床を取得することで事業の実施を決めたということであります。
 なお,現在,市内では複数の地区において再開発事業の計画が進んでいますけれども,市が新たに保留床を取得し公共施設を整備するという予定はないところであります。したがって,全体として見れば再開発の中で市が保留床を取得する割合が高いわけではありません。
 この識者がどなたかよくわかりませんけれども,今データがあるわけじゃなくて感覚として少し申し上げますけれども,指定都市のように市街地の密集度合いが高いところでは,公共目的の建物を建てようとする場合,どうしても一定数の地権者が存在してくる場合が多いでしょうから,再開発の手法を使うことも多々あるんではないかなと思います。ただ,もちろん指定都市でいくと民間の力も非常に強いですから,民間だけの再開発も多いという現象になってきているんじゃないかと思います。そういう面ではたまたま今,新劇場ということで岡山は保留床を取得していますけれども,我々クラスの都市でいくと大体同じような傾向になっているんじゃないかなと私は想像できます。
 それからあと,観光誘客の促進ですけれども,観光誘客と日本遺産などの文化芸術をどのように融合するかということであります。
 観光客をふやしていくためには,我々が持っている個々の資源,さまざまな資源がありますね,そこをブラッシュアップして付加価値をつけていく,そして全体としての魅力をアップする,そしてそれを発信していくということでありますが,一朝一夕になかなかいくもんではない。おっしゃるように時間がかかっていくわけですが,だからといって短兵急に進められるものでもないんで,一つ一つ私は着実にやっていくしかないのかなと。
 幾つかの例示を申し上げますけれども,日本遺産の例を出されましたけど,日本遺産も桃太郎伝説というストーリーはこういうふうに整理はしていますが,1つは拠点となるところってどこかという話があるわけです。もちろん吉備津神社にしろ,鬼ノ城にしろ,1つになるんですけれども,やはり今回の造山古墳,きのうも少し申し上げたかもしれませんけれども,陪塚の千足古墳をきちっと整備して皆さん方にお見せできるような形にしていくと,特にこういう拠点施設,今ビジターセンターを整備中ですから,ああいったこともこういう桃太郎伝説を進めていく上で私はすごい重要なことだろうと思っています。岡山城,後楽園もそうですが,岡山城も後楽園同様プロジェクションマッピングをやるときにすごい人が集まっていました。私も後楽園にこの春のゴールデンウイークに行ってみて,チェックといいますか見させていただきましたけれども,そういうようなこと。それから,夜間の貸し出し。これも非常に人気が出てきているというようなことであります。文化面では瀬戸芸が非常に活況を呈したという話もありましたが,我々も2回目の岡山芸術交流をやっていきますんで,そういったことを一つ一つやっていきながら誘客につなげていくということになるんではないかなと思っています。
 私からは以上です。
   
◎栗田泰正都市整備局都市・交通・公園担当局長
   1番目の項,まちの生活交通の確保についての御質問に順次お答えいたします。
 まず初めに,一宮・高松・足守地区内の交通の不便な状況についての市の認識と課題についての御質問でございます。
 現在,岡山市では公共交通が不便な地域において日常の移動手段を確保するため,生活交通の導入や運行改善に取り組んでおりますが,取り組みに当たってはニーズを詳細に把握し,持続可能で利用しやすいものとすることが重要と考えております。
 足守地区においては,増便や運行エリアの拡大,足守駅への接続強化など,ニーズに沿った運行改善によって利用者が倍増したところであり,今後も地域の移動手段として定着させていきたいと考えております。一方,一宮・高松地区では中鉄バスが路線を休止したため,同じ国道180号を運行する備北バスが中鉄バスの一部の停留所にとまることとなりましたが,高齢者などの駅や買い物,病院等への移動の利便性が低下していることから,地域の声を踏まえながら,市も一緒になって生活交通の確保に取り組んでまいりたいと考えております。
 続きまして,灘崎地区の生活交通の現状と課題,評価及び生活交通導入の際のマニュアル作成に関する2点の御質問に一括してお答えいたします。
 迫川地区ではデマンド型乗り合いタクシーの試験運行を平成28年11月から開始し,平成30年4月から本格運行に移行しておりますが,平成30年度の利用者数は平成29年度より約2倍に増加しております。このため,地域の移動手段として定着しつつあり,引き続きこの利用が継続するよう,利用のための声がけや回数券の導入など,地域が主体となって利用促進に関する検討が進められているところです。
 今後,生活交通の導入を検討される地域の方々に向けて,地域主体で取り組むことへの意識を高めていただくためにも,迫川地区を初めとする各地区でのさまざまな取り組みを紹介するとともに,議員の御指摘も踏まえ,地域への周知の方法について検討してまいりたいと考えております。
 続きまして,桃太郎線の既存駅におけるパーク・アンド・ライドの社会実験に関する御質問でございます。
 パーク・アンド・ライドについては,沿線だけでなく周辺の広い範囲からのアクセス性を向上させ,自動車から桃太郎線への転換を図る上で有効な手段の一つと考えております。そのためには用地取得などによるスペースの確保が必要となることから,社会実験の実施は困難と考えておりますが,パーク・アンド・ライド駐車場の導入も含む駅前広場のあり方などについて,基本計画策定の中で整理したいと考えております。
 この項最後になります。電車,バスの運賃補助ができないかとの御質問です。
 現在,市では民間事業者が運営する公共交通について,高齢者への運賃補助は実施しておりませんが,市が運行経費の一部を支援しているコミュニティバスや乗り合いタクシーなどの生活交通では,おかやま愛カード提示者などへの運賃割引など利用しやすい運賃設定に取り組んでおります。また,現在,地域公共交通網形成計画の策定を進めているところですが,その中で路線バスなどについても利用者の負担軽減を含めた料金のあり方について検討してまいりたいと考えております。
 以上です。
   
◎荒島茂樹市民生活局長
   大きな2番,都市再生緊急整備事業の項,保留床を取得し文化事業を行うメリット,デメリットについてお答えいたします。
 文化芸術施設などの公共施設を再開発事業で整備する場合のメリットとして,施設の整備内容や工法などに関して民間事業者のノウハウや実績を迅速かつ効率的に生かせる点がございます。例えば岡山芸術創造劇場の場合は,まちのにぎわい創出の拠点になるよう検討を進めているところですが,民間主導の再開発事業ということもあり,権利者を含めた地元の方々に新劇場で行う文化事業などにも積極的に参加していただきやすいという点も挙げられます。
 なお,施設の維持管理費については,単館で管理するよりもコスト増につながらないよう,今後も再開発事業者と協議を進めてまいりたいと考えております。
 以上です。
   
◎栗田泰正都市整備局都市・交通・公園担当局長
   同じ項,都市再生緊急整備地域についての所見,さらには平成15年に指定され,平成25年に拡大されているその効果や課題,そしてその指定の拡大に至った背景,この3点の御質問に一括してお答えいたします。
 都市再生緊急整備地域は,都市再生の拠点として,主に民間の都市開発事業などを通じて緊急かつ重点的に市街地の整備を推進すべき地域として,国が都市再生特別措置法に基づき政令で指定する地域です。都市再生緊急整備地域の指定を受けると,地域内において一定の要件を満たす優良な民間開発が行われる場合に,土地利用規制の緩和や民間プロジェクトに対する金融支援,減税措置などが可能となり,民間活力による都市再生を促進する有効な手法の一つであると認識しております。
 本市では,平成15年に工場跡地や小学校跡地などの低未利用地の利活用,建物の更新などの市街地の再編などを地域整備方針とし,岡山駅東,表町の2地区で当初の指定を受け,イオンモールの民間都市再生事業計画の認定など優良な民間開発の誘導に取り組んでまいりました。平成25年には区域内の大規模な低未利用地の活用に一定のめどが立ったため,西口も含めた岡山駅周辺の一体的な再生,駅周辺と表町周辺の連携による都心全体の再生を促すために区域を拡大しております。拡大した区域では市街地再開発事業が活発に行われるなど民間開発が促進されておりますが,今後はより一層の本制度の活用による支援に加えて,立地適正化計画による高次都市機能の誘導などにより魅力ある都心の再生に取り組んでまいりたいと考えております。
 以上です。
   
◎赤坂隆産業観光局長
   3,観光誘客の促進についての項,市長答弁以外について順次お答えいたします。
 まず,日本遺産の認定,岡山芸術交流などによる誘客をどの程度見込んでいるかとのお尋ねですが,日本遺産の認定により,日本遺産ブランドを生かした積極的な情報発信により桃太郎伝説のストーリーの背景にある文化遺産に対する観光の興味や関心を喚起することができると考えており,平成26年から平成28年までの過去3年間における増加率の年平均2.2%を上回る3%増を見込んでおります。また,岡山城や岡山後楽園周辺エリアのさまざまな歴史文化施設を会場に9月から開催される岡山芸術交流2019においては,前回を約10%上回る延べ26万人の来場者を見込んでおります。
 次に,インバウンドの現状と課題についてですが,インバウンドについては,現地プロモーションや各種ツールを活用した情報発信を行っており,その結果,岡山市の外国人の延べ宿泊者数は平成26年の3万8,301人から平成30年には14万4,286人と増加しております。岡山市に来られた方々の動向ですが,各種調査等によりますと,観光地としては岡山後楽園,岡山城,吉備津神社への訪問が多く,訪問の際の交通手段はJR,徒歩,市内バスの順となっております。また,岡山市でのインバウンドに関する消費額については算出しておりませんが,国の統計によりますと,2018年の訪日外国人1人当たりの旅行支出は15万3,029円となっております。
 課題としましては,滞在時間の延長や認知度の向上が考えられるため,今後は体験型メニューやナイトライフの充実を図るとともに,各ターゲットに合わせた効果的なプロモーションを行い,さらなる観光誘客につなげてまいります。
 次に,日本遺産や瀬戸内国際芸術祭,岡山芸術交流など個々の事業との面的つなぎ,それから国の観光施策,文化芸術との連携についての御質問に一括してお答えいたします。
 文化芸術は観光地の魅力や産業の付加価値などを生み出す源であり,さまざまな産業分野への経済波及効果が期待されるものと認識しており,その積極的な活用や事業間の連携を図ってまいりたいと考えております。そのため,日本遺産や瀬戸内国際芸術祭,岡山芸術交流を周遊できる旅行商品の造成に向けた旅行会社へのセールス活動を行うほか,岡山芸術交流の各会場のインフォメーションで瀬戸内国際芸術祭や日本遺産のタイムリーな情報発信を行うなど,広報連携を図ってまいります。また,岡山芸術交流の運営を行うサポートスタッフがおもてなしができるよう,接客や現代アートのほか日本遺産も含めた岡山の歴史,観光についての研修会も実施する予定としております。
 最後に,コンベンションと観光の取り組みについての現状と課題についてですが,コンベンションの開催時には多くの参加者が岡山へ訪れることになるため,この機会に観光していただくことは重要だと考えております。そのため,おかやま観光コンベンション協会などと連携し,ユニークベニューや観光エクスカーションの企画提案をコンベンション主催者に対して行っております。また,コンベンション参加者には観光パンフレットや飲食店を紹介する冊子等を配布するとともに,コンベンション会場では岡山観光PR動画を放映したり,観光案内ブースや物産販売ブースを設置し,観光情報の提供に努めております。引き続き魅力的な観光エクスカーションの開発に努めるとともに,コンベンション主催者に対し,誘致と一体となった観光情報の提供を行ってまいりたいと考えております。
 以上です。
   
◎荒島茂樹市民生活局長
   大きな4番,犯罪のない安全で安心なまちづくりについての項,防犯カメラ設置事業の成果,現時点でのエントリー申請数,来年度以降の事業の継続,それから取りかえ補助も考えるべきではとの御質問に順次お答えいたします。
 まず,成果についてですけれども,防犯カメラの設置事業の開始後年数が浅く,詳しい分析はできておりませんけれども,科学警察研究所関連の研究資料によれば,防犯カメラには犯罪抑止や犯罪捜査への貢献といった効能が期待できるとされております。
 次に,エントリー申請数ですが,6月18日現在で12件20台となっております。
 また,来年度以降の継続につきましては,申請の状況等を勘案いたしまして判断してまいりたいと考えております。
 なお,取りかえに係る補助につきましては,本年度防犯カメラの設置補助を再開したところでありまして,現段階では考えておりません。
 以上です。
   
◎菅野和良教育長
   同じ項,学校における来訪者管理の強化などの安全管理対策について,また緊急事態発生時の危機管理体制,また防犯教育の取り組みについてのお尋ねでございます。
 防犯カメラ,監視カメラの設置につきましては,学校からの意見を聞きながら,必要と判断されるものについて検討してまいります。門扉につきましては,学校は避難所として指定されているため,オートロックを初め完全に施錠するということは困難でございます。学校に不審者等が侵入するなどの緊急事態の発生に対応できるよう,各学校は危機管理マニュアルを作成し,実際に不審者侵入を想定して避難訓練を行っております。
 また,防犯教育につきましては,各学校の学校安全計画に位置づけ,関係機関から講師を招くなどして危険回避をテーマにした授業を行っております。しかし,学校にはさまざまな来校者があるため,門扉の管理や来校者に対する受け付けと名札をつける手続,名札がない方への声かけなどを徹底することで学校の安全管理に努めてまいります。
 以上でございます。
   
◆二嶋宣人議員
   ありがとうございました。
 じゃあ,まず最初にまちの生活交通の確保についての項目から再質問させていただきます。
 この質問のベースになっているのは地域の実情であり,市民の声ということで質問させていただきました。局長から答弁をいただきまして,理論的な答弁であったわけでありますけれども,住民の方々の受けとめ方はさまざまなわけでありまして,地域の課題解決が,当局の方々の答弁どおりにいけるかどうかということは必ずしもそうではないと私は感じていますし,そういった声も聞いています。昨年の豪雨災害もしかりですけれども,まず何を優先させていくのかとか,限られたリソースの中で行政と地域住民が一体となって取り組めることは何なのかといったことを考えると,理論値ではない現実感であると私は感じています。そういったことを申し添えて再質問に入らせていただきます。
 中鉄バスの運休を受けて,当局としては生活交通,コミュバスであったりデマンドであると感じているんですけれども,そういったものを推進していくといった考えを示されました。私はこの生活交通導入に際してわかりにくいといった声を聞いたので,こういったマニュアル作成を提案させていただいたわけであります。こういった作成をすることで誰もがこの生活交通導入の流れがイメージしやすくなる。また,地域の情報発信や動きにつながるきっかけになると思ってこういった提案をさせていただいたわけでありますので,この作成についてもう一度,局長,御所見をお聞かせいただけませんか。
   
◎栗田泰正都市整備局都市・交通・公園担当局長
   マニュアルの作成に関する御質問です。
 議員がおっしゃるとおり,地域のそういった取り組みというのを進めていくために,そういった誰もがイメージしやすいような,そのきっかけになるようなものをうまく示していく必要性というのは認識しております。そういったものがどういったものになるのか。それは,それぞれの地域の特性に応じて,恐らく生活交通の取り組みというのはケース・バイ・ケースでいろいろあることもありますので,一律にマニュアル化するということではないと思うんですが,ただ一方でおっしゃるとおりイメージしやすいもの,基本的な考え方であるとか基本的な進め方,そういうイメージしやすいものをわかりやすく示していくということは大切だと思いますので,そのやり方についていろいろ工夫させていただきたいなと思っております。
 以上です。
   
◆二嶋宣人議員
   ぜひしっかり地域の声を聞いて,さまざまだというのはわかっていますので,そこのあたりよろしくお願いいたします。
 デマンドタクシーを本格運行するまでには,今灘崎・迫川地区の現状等々も聞かせていただきました。かなりの年数を要する中で,きのうも県議会で質問があったように思われますけれども,AIやIoTなどの最新技術の活用が進められているのは局長も御存じだと思います。県内でいえば赤磐とか新見でしたっけ,生活バスの自動運転の実証実験が行われているわけでありますが,この生活交通の導入に当たって,こういったものの取り組みも考えていこうというお考えがあるのかどうか,そこのあたりについてもお聞かせください。
   
◎栗田泰正都市整備局都市・交通・公園担当局長
   今後,生活交通でありますとかいろいろな公共交通等のサービスの提供において,今いろいろなところで取り組み,さらには技術開発が進められております。AI,IoTですね,今議員もおっしゃいました。特に最近ソサエティー5.0といって新しい概念で社会を構築していかなきゃいけないというような考え方もございます。さまざまな技術開発の動向でありますとか他都市の取り組みを踏まえ,我々としてどういったことができるのか,どういったことが地域に受け入れられるのか,少しずつ研究させていただきながら取り組んでいきたいなと思っております。
 以上です。
   
◆二嶋宣人議員
   よろしくお願いいたします。
 それで,LRT化の社会実験について提案させていただきましたが,まずは基本計画の作成が第一ですよということでありますけれども,10年程度かかると言われている中で,先行的に取り組めるものは取り組んでいって,目に見える形での実証実験によって課題を,それをブラッシュアップしていくことも必要だということで提案させていただきました。そういった中であくまでも基本計画ができるまでというふうなことでありますので,そこからの加速を図っていっていただけるものとして期待しているわけであります。本議会で市長が答弁,代表質問の中であったと思うんですけれども,中心市街地の延伸・環状化を夏ごろまでに市の方向性を示すといった答弁があったと思います。その答弁を聞いたときに,LRTはまだなんかなというふうなことを,多分私だけではなくて,その沿線地域の議員はそう思ったわけであります。1年程度と言われてきたわけでありますけれども,基本計画を示すに当たって,それを中心市街地の延伸化の方向性が夏ごろまでにと具体的に上がってきたものですから,期待を込めて,市長,このあたりは市長が示さんとなかなか答えていただけないと思いますので,LRTのこの基本計画においては大体具体的にどのくらいをめどに頑張っていきたいなと思っていらっしゃるのか,そこのあたりをお聞かせください。
   
◎大森雅夫市長
   LRTについては,現在最も重要な点に差しかかっているところですね。具体的にじゃあ駅をどこにするのか,何カ所やるのか,そして軌道のものを一体どこからどこまでやっていくのか,それを整理していく。これは非常に重要なところで,二嶋議員も御存じのように地元にも入らせていただいて,大分コンセンサスがとれつつあるという状況であります。これは岡山市側だけじゃなくて,総社市側もやっていかなきゃいかんということで,担当が一生懸命やっているということを私は伺っているところであります。ただ,それらが整理できないと表に出すわけにはいかないんで,我々としては最善の努力をしてやっていくということで,基本計画をここまで前倒しするとか,ここでお話しするわけにはいかない状況になっています。
 以上です。
   
◆二嶋宣人議員
   きょうは地元の方もたくさん来られているので,そこのあたり少しリップサービスがあってもよかったのかなと思いつつ,そこはさておき,電車,バスの運賃補助についてもお尋ねいたしました。
 少し調べさせていただきまして,ちなみに政令指定都市20ある中で14都市が何らかの形でこういった高齢者の方々への運賃補助を実施されていると,私が調べた限りですが,そういった状況であるわけであります。過剰な無料化や運賃補助は財政運営の中でもしっかりと考えていかなきゃならないという前提の上ではあるものの,運転免許を返納される方がふえてきている中で,国が目指すCO2を削減していくエコ社会であったりとか,とりわけ岡山市って車社会ですので,そういったものを転換させていくという意味でも,市長が言われる公共交通をしっかりと使ってくださいねといったシフトチェンジもしっかりとしていかなきゃならないんだろうなと感じているわけであります。
 そういった中で,市長,自民党の代表質問の中で市民の生活の向上と岡山市の発展のためにリスク,コストを徹底的に追求していって私は事業をしているんだといった答弁があったと思います。ならば,こういった喫緊の課題が迫ってきているこの高齢者の方々に対して,公共交通へのインセンティブを図るという意味でも思い切った補助制度を,効果,成果を探る実証実験といいますか社会実験といいますか,そういったものをやって前進させていくといったことは考えられないのかどうか。市長という名前を出したんで,市長,お答えいただけますか。
   
◎大森雅夫市長
   二嶋議員の関係の方が大勢おられる中,リップサービスをというわけにはいかないわけでありますけれども,ただ,今二嶋議員がおっしゃっているのは核心を突いていると思います。公共交通をこれからどうするかというときに,財政面の支出をどうするかというのは,それはある面連動して考えていかなければならないところであります。では,具体的にどう対応していくのかというのは,これは公共交通の全体像が整理されないと,どこに財政支出していくのかというのは定まらないわけであります。
 今やっているのは,郊外部で若干疎になっている,中心部で密になっているところがあるということから,そこをもう少し平準化することによって郊外部をもう少し密にできるんではないかということで,バス路線全体を,例えばAからBまでの路線の間の一つに,例えばAダッシュというのをつくって,AからAダッシュを幹線,AダッシュからBを支線としてやり,密だった部分を少し減らし,A−Aダッシュ部ですね,Aダッシュ−Bのところをもう少しふやしていくとか,そういったことができないだろうかと,これを具体的に今バス会社にお願いしているところであります。それが今どちらかというと市の南部を中心に提示しているところでありまして,ほかにも市全体をまた見ていかなきゃいかん。どこまでそれができるのかというのも一つあるわけでありますが,それを今我々としては整理させていただいているところです。そういったことができた段階で,他のいろんな要素をまた考えていかなきゃならないですけれども,全体を見たときにどこに我々として財政支出をやっていく必要があるのかということを見ていかなきゃならないと思っています。
 ただ,二嶋議員の根本的な思想,これからの高齢社会,免許を返納する方も多い,こういう社会の中で公共交通が重要であると,そこに大きく光を当てていかなければならないというのは,私もそのとおりだと思います。
 以上です。
   
◆二嶋宣人議員
   ありがとうございました。
 ちょうど1年前の6月議会で,公共交通に充てている経費と道路にかける経費が桁違い,低いんじゃないかというふうな形で岡大の氏原先生の記事を引き合いに市長に質問させていただいた経緯がありました。そういった意味で高齢者に公共交通というものをしっかりと充実させていかなければならないということで,一定の財源の必要性を市長が感じられているということでございますので,そこのあたりはしっかりと期待しておりますので,今後注視していきたいと思います。よろしくお願いいたします。
 都市再生緊急整備事業についてもお尋ねさせていただきました。この地域における事業がまちづくりにどのように生かされていくのかといったことを質問させていただきました。リード文の中で広島市を引き合いに出させていただきました。単純比較するものではないわけでありますけども,このように駅前がダイナミックに,岡山市もやっているわけでありますけれども,変わりつつある状況を見ると,これは民力なのか,民力だけではなくて行政の力も加わっての影響なのかなと考えているわけであります。この都市再生緊急整備地域における事業において,先ほど局長からもありました,土地利用の規制緩和であったり減税などがあるわけでありますので,この地域における事業の効果をどのように見ていくのかといったことを考えながら先を見ていかなきゃいけないと思うわけであります。そういった意味でこの成果,効果を見込んでの地域拡大をされたと私は認識しているわけでありますけれども,くしくもイオンモール以外はそういった事業はなかったというふうなことでありますが,では市自体はこの再開発事業で今後この地域,都市再生緊急整備地域における事業を活用していくものがあるのかないのか,今認識があるのかどうか,そこのあたりについてお聞かせください。
   
◎栗田泰正都市整備局都市・交通・公園担当局長
   都市再生緊急整備地域で何か想定されるような事業があるのかということでございますけど,都市再生緊急整備地域は民間の都市開発を促進していくという考え方で基本的に指定しております。もともと地域の動きがいろいろあった中で,結果的に再開発事業になって今進めているということでございまして,その手法として個別の民間の都市開発事業になるのか,再開発事業になるのか,これは私は結果だと思っています。指定したときにはいろいろな動きがあった。その動きの中で指定したと思います。現時点においてそれ以外の動きというのは私は今把握はしておりませんけれども,これはどうしても民間の開発というのはその熟度なりという,これが生き物なので,その動きに応じてこういった制度をうまく活用してより促進していけるように,いろいろアンテナを高くさせていただきながら取り組んでいきたいと思っております。
 以上です。
   
◆二嶋宣人議員
   地域拡大もして,またそういった事業もあるわけで,そういった民間の方々へのこういったメリットもあると思いますので,むやみやたらに地域を広げましただけで終わらないように,そういった啓発もしていっていただけたらなと思いますので,よろしくお願いいたします。
 そして,観光誘客の促進についてであります。
 とりわけ産業観光局長からも答弁をいただきました。ここは日本遺産にフォーカスさせていただくわけでありますけれども,日本遺産においてはインバウンドの方でもそうですけれども,JRや徒歩の方々が多いと。私が調べさせていただきましたら,そういったマニュアル的なモデルコースというところは,実は車で行くコースしか紹介していないんです。こういったインバウンドであったり,最近の一人でされる方は公共交通を,先ほど公共交通の重要性もしっかりとうたっていかなきゃならないということで,そういった交通という部分をしっかりと充実させていく必要があるんだろうなと思います。広報,PRは当然必要です。地道な作業の中でどうやって観光客の方に有効にそこの場所に行っていただくか。造山古墳にしてもそうです。千足古墳にしてもそうだと思います。そういった意味で私はこの二次交通の重要性,とりわけ吉備路にはそういった需要が多いと思うわけでありますので,そこのあたりの二次交通についての今後の取り組みをどう考えているのか,局長,お聞かせください。
   
◎赤坂隆産業観光局長
   二次交通についての御質問ですけれども,日本遺産のある場所については,今現状でいいますと議員のおっしゃるとおり車の利用が多いかと思います。ただ,これからの観光誘客に関しましては公共交通を使ったものが必要ですし,そこからの二次交通については,例えば自転車の利用もあの地区には多くございます。その自転車の利用とかほかの交通機関も含めていろいろ検討はしてまいりたいと思いますし,有効な手段についてモデルコースなども含めて,交通手段を含めた推奨ルートといいますか,そういうことを含めて検討し,情報発信を進めてまいりたいと思っております。
   
◆二嶋宣人議員
   世界遺産でも今苦戦している状況でありますし,しっかりと検討はいいんですけれども,スピード感を持ってそういったニーズに応えていっていただけるようによろしくお願いいたします。
 最後,防犯カメラについてお尋ねさせていただきます。
 成果,効果は市では検証はしていないけれども,効果はあるであろうといった答弁だったと思います。きょうもたくさんの方が来られていますけれども,市民感覚からすると,効果があるからしっかりと最初に整備しなさいよといったら,後もしっかりと面倒を見てくださいなという思いがあると思いますので,そういったことも踏まえてしっかりとできていくことは考えられませんか。
   
◎荒島茂樹市民生活局長
   今回の補助事業につきましては,今から3年,約4年前ですか,県と一緒にスタートした3カ年の補助事業,これを行ったわけですけれども,それが終わった後も設置したいという要望が結構あったということで,それをフォローするという意味でスタートさせていただいております。おっしゃられる維持管理についての補助とかについてですけれども,これにつきましては防犯灯とかそういったことも含めてどうしていくのかというようなことも考えていかなきゃいけないんだろうなとは思っているんですが,今の時点ではそこまで十分検討できていないんで,現時点では,申しわけございませんが,そういう制度をつくっていくという考えはございませんということで答弁させていただきました。